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ウツタイン大阪プロジェクトより

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ウツタイン大阪プロジェクトより
ウツタイン大阪プロジェクトより
【ウツタイン大阪プロジェクト】 大阪府下で発生し救急隊が蘇生および搬送に関わった病院外心停止患者の蘇生記録の収集・解析を行い、救命率の向上をめざした疫学調査のこと。1998年から実施されている。データは個人を特定できないように匿名化されている。
ひとつひとつの事例がマスコミを通じて報道されることはあっても、
34人の心停止のその後
学校で発生した心停止の頻度や予後、特徴についてはあまり知られていません。
もし、学校で発生した心停止の特徴を把握し、
心停止
34人
その実情に沿った対応策を立てることができれば、
命に関わる心停止の発生を予防することができるかもしれません。
14人
また、心停止が発生した際に効果的な心肺蘇生が実施され、
救命される人が増えることも期待されます。
11人
このたび科研費【24592743】の助成を受け「学校における心停止」の実情を把握するための
0人
疫学調査を大阪府下の学校で実施しました。このパンフレットでは調査結果の要旨をご紹介します。
1ヶ月後の
生存
神経学的
予後良好※3
41%
32%
20
2004年(平成16年)
に一般市民によるAEDの使用が
40
認められて10年になりました。一般市民の方々が、
※3 社会復帰可能な程度まで回復されたことを示します。
駅、空港、
ホテル、
デパートなどの公共の場に設置された
AEDを使用し、
救命される心停止の例も増えてきています。
心臓疾患または身体活動の有無は?
心停止発生時の身体活動の種別は?
心停止34人のうち、心臓疾患があるか、運動中あるいは
運動直後に心停止になった人は 21人(62%)
内因性心停止は34件発生
身体活動中あるいは活動直後の心停止14 人の活動内容
大阪府下の学校※1で発生した
内因性心停止※2 34人の内訳
心臓疾患がある
教職員等の
学校関係者
6人
7人
※1 学校
両方
9人
5人
大阪府下の学校教育法に基づく以下の学校を調査対象とした。
児童・生徒・学生
(小学校.中学校.高等学校.中等教育学校.特別支援学校.
14人
14人
13 人
場合には、内因性の心停止に分類される。
学校での心停止は土日祝日も発生
学校関係者6人
一般市民の心停止14人中
100
12人
0%
100%
4人
5人
サッカー
バスケットボール
3人
2人
「AEDが電気ショックを与えるタイプの心停止」の人数
詰めるなどによって生じた心停止は外因性心停止に分類される。
50
ランニング
運動中であっても、既存の心疾患等が原因で心停止となった
高所からの墜落などによる外傷やプールでの溺水、食物を喉に
14 人
その他
その他
大学.高等専門学校)
※2 内因性の心停止
その他
一般市民
児童・生徒・学生の
心停止14人中
水泳
テニス
インディアカ
ソフトボール
ゲートボール
身体活動中・
直後の心停止
60%
8人
40%
23人 (68%)
心停止 34人
児童・生徒・学生の心停止14人 は、
すべて平日に発生。
学校関係者 6人と一般市民の心停止14人のうち12人
心停止34人中のうち
AEDを持ってきて実際にパッドが
胸に貼られた人数
約 3人に 2人
34人中
(60%)が土日祝日などの平日以外の日に発生。
児童・生徒・学生の
心停止14人中
?
学校関係者6人
一般市民の心停止14人中
100
「AEDが電気ショックを与えるタイプの心停止」
心停止には「心室細動」
「 無脈性心室頻拍」
と呼ばれる心停止と
それ以外の心停止(心静止、無脈性電気活動)があることはご存知ですか?
AEDが音声でショックボタンを押すように促す場合、倒れている人の心停止は
「心室細動」か「無脈性心室頻拍」のいずれかです。
このような「AEDが電気ショックを与えるタイプの心停止」はそれ以外の心停止と
比較して、救命される可能性が高いため、迅速なAEDの使用が求められます。
50
8人
58%
0%
2人
10%
今回の調査では、大阪府下の学校で発生した心停止の半数近くに
心臓疾患の既往(病歴)
があることが確認されました。
また、運動中あるいは運動直後の心停止も少なくありませんでした。
AEDが電気ショックを与えるタイプの心停止が、
約3分の2を占めました。
現在、日本の学校のほぼすべてにAEDが設置されています。
心停止という不測の事態に備え、AEDを用いた心肺蘇生法をすみやかに実施できるように
緊急時の対応計画を作成し日頃から訓練しておくことが大切です。
37,762校ある小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、
特別支援学校のうち、37,351校(99%)がAEDを設置しています。
(学校安全の推進に関する計画に係る取組状況調査
文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課)
ウツタイン大阪プロジェクトは病院外心停止の予後改善を目標に、
大阪府救急医療統計検討委員会の委員をはじめ大阪府健康医療部保健医療室医療対策課、
大阪府下の消防機関、医療機関、その他多くの関係機関・人々に支えられて運営されています。
ウツタイン大阪プロジェクトの成果である今回の調査結果が、
学校における心停止の発生防止と心停止発生時の対応計画作成の資料として活用されることを
関係者一同願ってやみません。
本研究は科研費:24592743の助成を受けて実施されました
◎ 研究課題 : 学校における心停止の疫学調査
◎ 研究課題番号 : 24592743
◎ 代表研究者 : 西内辰也
参考文献: Epidemiological characteristics of sudden cardiac arrest in schools
Nishiuchi T, Hayashino Y, Iwami T, Kitamura T, Nishiyama C, Kajino K, Nitta M,
Hayashi Y, Hiraide A; the Utstein Osaka Project Investigators.
Resuscitation. 2014 Aug ; 85(8) : 1001-1006
ウツタイン大阪プロジェクト
本パンフレットに関するお問い合わせ先:近畿大学医学部 救急医学講座 〒589-8511 大阪狭山市大野東 377-2 / TEL:072-366-0221 内線 3577
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