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「水資源開発と環境問題」 5.地表水と地下水 限
5.地表水と地下水 環境の科学03 「水資源開発と環境問題」 福島大学 共生システム理工学類 環境システムマネジメント専攻 柴崎 直明 1 水の量の実感(1) 2 水の量の実感(2) ペットボトル(大)の水= 2 L 1滴の体積 ≒0.04 mL 家庭の浴槽= 150~200 L 3 4 限られた水資源(地球上の水) 水の量の実感(3) 学校プール(25m×15m×1.5m) = 562.5 m3 東京ドームの容量 = 約124万m3 1辺が約107.43 mの 立方体に相当 (日本水フォーラムHP, 2009より) 5 1 淡水と地下水,地表水の量 地球上の水の量 地下水:1辺 が219.9km の立方体 地表水:1辺 が51.9kmの 立方体 約14億km3 1辺の長さが 1118.7kmの 立方体 7 水量の単位(1) 水量の単位(2) よく使われる水量の単位 SI単位系(国際単位系) L: リットル(= 1,000 cm3) 【SIはフランス語の Le Système International d'Unités の頭文字】 体積の単位には,SIでは m3: 8 cc: =cm3 = mL(ミリリットル) m3を使用する。 km3: 立方キロメートル(= 10億m3) 立方メートル MCM: (= million cubic meter = 100万m3) cm3: 立方センチメートル トン: 質量の単位だが、容積にも使われる 水の場合,1トン=1m3 9 10 日本の湖沼 地表水(Surface Water) 地表に存在する水のこと 一般に、河川や湖沼などの水のこと 表流水と呼ぶこともある 陸水(Inland Water) 地球上に存在する水のうち、海水を除 いたものの総称。湖沼、河川、地下水、 温泉、氷雪などが含まれる 11 12 2 消えた日本第二の湖 日本の湖沼Top10 八郎潟(秋田県) 面積約220km2 13 14 八郎潟干拓地の断面図 八郎潟の 干拓計画 15 福島県付近の地表水 猪苗代湖 阿賀川 浜通り河川群 阿武隈川 八郎潟の 干拓堤防と 排水機場 16 久慈川 17 18 3 福島県の地形 福島県の 河川水系 19 20 河川の管理 河川法による河川の分類 一級河川の管理: 国土交通大臣が行うが、国土交通大臣が指 定する区間(指定区間と呼ぶ)の管理の一部 は都道府県知事が行う 河川法では、河川法の適用を受ける河川を 一級河川と二級河川に区分 一級河川: 国土保全上または国民経済上特に重要な水 系の河川で、国土交通大臣が指定したもの 二級河川の管理: 都道府県知事が行う 準用河川の管理: 一級河川・二級河川以外の河川で市町村長 が指定したものを準用河川といい、市町村 長が管理する 二級河川: それ以外の水系の河川で、都道府県知事が 指定したもの 21 22 阿賀野川水系図 阿武隈川 水系図 (国土交通省河川局資料) 23 (国土交通省北陸地方整備局 阿賀野川河川事務所HPより)24 4 日本の川の長さの比較 日本の川の流域面積の比較 25 日本の川の年間総流出量の比較 26 阿賀野川と新潟水俣病 日本の四大公害事件 新潟水俣病 イタイイタイ病 四日市ぜんそく 年間を通じた流量は、国内の大河川の中で最も安定 水俣病 豊富な水資源を利用した水力発電が盛ん 27 28 阿賀野川と鹿瀬発電所 新潟水俣病の背景 阿賀野川の豊富な水量 水力発電適地として企業家が注目 東信電気(株)により東北地方最初の 堰堤式鹿瀬発電所運転開始 (昭和3年) 【現在は東北電力】 29 30 5 現在の鹿瀬発電所 31 坂東克彦弁護士 (新潟水俣病第一次訴訟弁護団幹事長) 32 新潟水俣病の経過(1) 昭和電工の創業者が昭和肥料㈱を設立 鹿瀬発電所、豊美発電所の電力を用いて 鹿瀬町にてカーバイド生産を開始【昭和3年】 昭和合成化学工業㈱が鹿瀬工場にて アセトアルデヒドの生産開始【昭和11年】 「東京工業試験所報告」 アセチレン法によるアセトアルデヒド製造工程で 有機水銀の存在を確認【昭和19年】 33 34 新潟水俣病の経過(2) 新潟水俣病の経過(3) 戦後の食糧難のため、昭和肥料㈱は政府の保 護のもと石灰窒素を大増産【昭和20年】 鹿瀬工場裏手のカーバイド残滓捨場の崩壊、 阿賀野川本流の魚が大量死滅【1959年1月】 熊本水俣病公式発見【1956年】 熊本大学「有機水銀説」発表【1959年7月】 昭和電工、鹿瀬工場のアセトアルデヒド増産 【1957年】 新潟地震発生【1964年6月16日】 昭和電工、鹿瀬工場のアセトアルデヒド 生産を停止【1965年1月】 35 36 6 新潟水俣病の経過(4) 新潟水俣病の経過(5) 新潟水俣病事件公表【1965年6月】 新潟水俣病第一次訴訟判決、原告勝訴 【1971年9月】 昭和電工、鹿瀬工場のアセトアルデヒドプラントを 撤去、製造工程図を本社指示で焼却 【1965年6~12月】 新潟水俣病第二次訴訟提起、国と昭和電工を 被告とする国家賠償請求訴訟 【1982年6月】 昭和電工、「農薬説」【1966年7月】 新潟水俣病弁護団結成【1967年4月】 厚生省特別研究班、原因は昭和電工鹿瀬工場と 結論【1967年4月】 新潟水俣病第二次訴訟和解成立【1996年2月】 37 38 新潟水俣病患者分布図 現在の旧昭和電工鹿瀬工場 39 アセトアルデヒド生産量の推移 (坂東弁護士資料) 40 アセトアルデヒド生産と有機水銀 (新潟県立「環境と人間のふれあい館」資料) (坂東弁護士作成) 41 42 7 鹿瀬工場からの排水溝 旧昭和電工鹿瀬工場の配置図 (坂東弁護士作成) 43 水俣病のネコ 鹿瀬工場周辺部の水銀の移動 (新潟水俣病共闘会議資料)45 水俣病の主な症状 (新潟県立「環境と人間のふれあい館」資料) 44 (坂東弁護士資料より) 46 水俣病の患者数 47 (新潟県立「環境と人間のふれあい館」資料) 48 8 Q:環境問題とはなにか? A: 環境問題とは、自然 科学に姿を借りた、社会 経済問題である。 (新潟県立「環境と人間のふれあい館」資料) 49 50 11月14日に小テストやります! 出題範囲:第1回~第5回 時間:20~30分 資料・ノートなど 持ち込み可 (PC・iPad・携帯端末等の 電子通信機器は不可)!! 51 9