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リンジンショックシュリンク(仮) ID:74406 - スマホ版
リンジンショックシュ リンク(仮) KY@RGM-79R ︻注意事項︼ このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にPDF化したもので す。 小説の作者、 ﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作品を引用の範囲を i 弾ける女子中学生のバスト 超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁じます。 破けるセーラー服 ! ︻あらすじ︼ 唸る触手 飛び散る白濁液 ! よしだ様︵http://www.pixiv.net/member.php ! の再現度に大きな問題があることが予想されます。それでもいいという方のみご覧く v掲載画稿とそのキャプションにイメージの大半を頼って制作されため、キャラクター 原作漫画未読︵創作中、原作者様に何点かご相談はさせていただきました︶、pixi メディアクション短編。 d=1136223︶のオリキャラたちがギリギリ非R│18な目に遭う、バカエロコ ? ! ださい。 ※本作はpixivにも投稿しております。 目 次 リ ン ジ ン シ ョ ク シ ュ リ ン ク︵仮︶ 1 │ リンジンショクシュリンク︵仮︶ ○1 熱い薄闇にうごめく肉色、魚のようなすえた異臭。私の荒い息づかいと押し殺した悲 鳴は、ただ行き場もなくこだまするばかり。 そしてその中で私の肉体に絡みつく、ぬるぬるした鱗のない蛇のような何か⋮⋮。 を振り解いて逃れられる望みはまったく無く、ついには強い力で空中へ持ち上げられて 私の四肢はそんな蛇たちに捕らえられ、もはや身動きも取れません。非力な私にそれ けなのです。 うなかたちの膨らんだ頭部がありますが、そこには歯や牙のない口らしきものがあるだ の肉のようで、男の人の腕ほどもある太さで長く伸びています。尖端にだけ蛇や亀のよ 蛇といっても鱗はなく、鼻や目、牙もありません。その体表は粘液に濡れた剥き出し さえ込んでいくばかりです。 彼らはただ私の肌に粘液の跡を残しながら這い進み、捕らえた私が抵抗するのを力で押 涙ぐみながら私が必死に嘆願しても、この不気味な蛇たちにはまったく通じません。 ﹁んっ、んうぅっ⋮⋮。い、イヤ。ダメ⋮⋮離して⋮⋮おねがい、はなしてぇ⋮⋮っ﹂ リンジンショクシュリンク(仮) 1 いきます。 そして周辺から数匹の蛇が鎌首をもたげたかと思うと、揃って私へ頭を向けてきまし な、なにを││﹂ た。 ﹁ く吐き出してきたのです ﹂ めました。酸 ﹁あ、ああ⋮⋮そんな、イヤ、やめて ﹂ そのボロボロになったセーラー服に、その粘液を吐いた蛇たちが近づいてきました。 !! なっていきます。 怯えて思う私をよそに、私のセーラー服は煙とともに腐食して、どんどん穴だらけに じられるのはただの粘つく生ぬるさばかり。人間の皮膚には反応しないのかな、などと しかしどれだけ待っても、刺すような痛みが肌に訪れることはありませんでした。感 ?! と脳天気な心配をしてしまった私の思考をよそに、制服はしゅうしゅうと煙を立てはじ と次々に飛んできた粘液の塊が張り付きます。どうしよう、変なシミが残るかも、など 私の全身に││私を包む白いセーラーの夏制服の全体に、べちゃべちゃべちゃあっ、 ﹁いやぁっ !! ! 蛇たちは口を大きく開きながら脈打つように震えると、一斉に白濁した粘液を勢いよ ? 2 それぞれに口を開いて生地を吸い込むように咥えると、蛇たちは一斉に強い力で外へ ﹂ 引っ張りはじめ││そして私のセーラー服はあっけなく、バラバラに破り裂かれて飛び 散りました。 ﹁いやあああぁぁぁーーーっっっ きく派手に揺れ弾みました。 もまだ辛うじて原型を保ったままのブラジャーに包まれた二つの膨らみが、だぷんと大 セーラー服の上衣とスカートを一気に破り捨てられた私の胸で、多少は腐食しながら !! 私の素肌を隠してくれているものは、もうこのブラジャーとショーツだけになってし まったのです。 ﹂ ! はほんの数十分前の出来事を回想していました。 こぼれ落ちる熱い涙。異様な熱と感触に朦朧としかけた意識から逃避するように、私 ﹁ああ、どうして⋮⋮どうして、こんなことに⋮⋮﹂ そして私のバストへも、また一体の蛇がブラジャー越しに絡みつきました。 の蛇が、空中で左右に広げられた私の両足の間へ、ショーツの前へと接近してきます。 私の両太股に絡みついた蛇が、力任せに両足を外側へ大きく開きました。そして一体 ﹁ひっ⋮⋮ リンジンショクシュリンク(仮) 3 ○2 晴れ渡る青空、白い雲。真夏の日差しも木陰の緑に和らいで、吹き抜ける爽やかな風 が肌にまとわりつく暑気を払ってくれています。 ﹁⋮⋮ん、⋮⋮いい風⋮⋮﹂ こんにちは。私、金山奈央。中学校二年生です。 今日はいつも一緒のお友達の、笹時雨未与ちゃんと加々見良子ちゃんと一緒に、私た ちが通う私立瀧鳴学園の裏山にやってきました。夏休みの登校日のあと、美術の宿題で ある風景写生のロケーションを探しに来たんです。 ﹁学校の裏山に、こんな素敵な景色があったなんて﹂ 眼下には私たちの町が、そして群青に輝く海まで一望できます。思わず心が弾んで、 両手の人差し指と親指を立てながら裏返しに重ねて、それっぽい感じで四角く風景を切 り取ってみたり。 学校の夏服︵スカートがすごく短いのしかなくて、私はあまり好きじゃないです︶の ままここまで遊歩道を登ってくるのは苦労したけど、ここから見える景色は本当に素敵 ﹂ です。絵にはそんなに自信がない私でも、なんだか素敵な作品が描けそうな気がしてき ││未与ちゃん⋮⋮ ?? ます。 ﹁うん。私、ここに決めた。未与ちゃんはどうするの ? 4 さっきまですぐ隣にいたはずの未与ちゃんに呼びかけても返事がなく、といって振り 向いてみても姿は見えず、私はきょろきょろとその辺りを探して││少し歩いたところ で、じめっとした日陰に倒れて死にそうになっている彼女を見つけました。 笹時雨未与ちゃんは眼鏡が似合う、クールで知的美人な感じの女の子です。ときどき 突拍子もないことをしでかすことがあるのは困りますが、探求心が強い熱心な勉強家 で、私の知らないことをすごくたくさん知っています。将来は偉い研究者さんになるか もしれません。 ﹂ ただし暑さ寒さと犬にはすごく弱いので、未与ちゃんの取り扱いには注意が必要なの 私のあげようか ? ? です。 お水ある !? ﹁し、死なないから 待ってて、いまお水出すから ﹂ ええと、確かこの辺に││﹂ ! ﹂ !! なんということでしょう。私が気づいたときにはもう、未与ちゃんは水平方向に三 電光石火と打撲音。 ﹁ 慌てて手荷物を探る私のお腹へ、そのとき不意に冷たい感触が走りました。 ﹁それは、⋮⋮この辺かしら ? ! ﹁フフ、ありがとう奈央⋮⋮笹時雨未与、母校の裏山に死す、か⋮⋮﹂ ﹁み、未与ちゃん大丈夫 リンジンショクシュリンク(仮) 5 メートルぐらい吹っ飛んだ挙げ句、その顔面を土手の柔らかな草地へ五センチぐらいの 眼鏡、眼鏡割れてない ﹂ めり込ませていたではありませんか そして非力な私の右拳からは白煙のような何 未与ちゃん、大丈夫 !? かが立ち昇っていますが、まったく身に覚えはありません。 ﹁み、未与ちゃん !? ! 未与ちゃん待ってて、すぐにお水を出してあげるね﹂ あ、あの。今ので気になった人もいると思うので、お話ししておきますけれど⋮⋮私 女は大丈夫だと思います。 まっても、それで未与ちゃんがどうにかなったことは今まで一度もないので、今回も彼 かというとむしろものすごく頑丈です。こういう風に私が条件反射で何か反応してし 未与ちゃんは単に寒暖の差と犬に弱いだけで、別に虚弱体質でも何でもなく、どちら しました。 未与ちゃん︵の眼鏡︶の無事を確認した私は、気を取り直して手荷物のお水を取り出 ﹁⋮⋮⋮⋮﹂ ﹁ああ、よかった め、巻き添えで割れずに済んだようです。 んが、幸い彼女の眼鏡は割れずに近くへ落ちていました。打撃のときに吹っ飛んだた 後頭部を強打しながら顔面で地面を掘削して潰れた未与ちゃんから返事はありませ ﹁⋮⋮⋮⋮﹂ !? ! 6 すごく ⋮⋮私、お腹だけは⋮⋮人にお腹を触られるのだけは、私、絶対にダメなんです その⋮⋮だって、気になるじゃないですか !! ! だからお腹も、人一倍気になるんです。そういうわけですから、そんな敏感なところを 私はただでさえ他の女の子より、その⋮⋮身体の一部だけ、お肉がすごく多くて⋮⋮ ! 触られたら、私みたいに内気で運動の苦手なか弱い女の子でも⋮⋮思わず﹃グー﹄で﹃パ ンチ﹄しちゃうかもしれませんよ ﹂ ? 未与ちゃん、熱中症で気絶してたみたい。お水を飲んで、楽 ﹁││はっ。ここは⋮⋮奈央 にしてね﹂ ﹁よかった、未与ちゃん ? ちゃんはすぐに無傷で復活しました。 タオルとハンカチできれいにお顔を拭いて、膝枕しながらお水をあげると、幸い未与 ! ﹁未与ちゃん、ところで良子ちゃんは ﹂ である加々見良子ちゃんを探しますが、彼女の姿も見当たりません。 未与ちゃんの方が落ち着いたので、私は自然に話題を変えました。もう一人のお友達 ﹁さっきまでその辺りにいたような気がしたけど﹂ ? が裏山、と思って甘く見たわ﹂ ﹁熱中症⋮⋮。それで私、途中で記憶が途切れていたのね。不覚⋮⋮奈央、ごめん。たか リンジンショクシュリンク(仮) 7 良子ちゃんはとても小さくて可愛い女の子なのですが、実は運動神経抜群かつ好奇心 ちょっと心配で 旺盛、そしてとにかく元気いっぱいでじっとしていられない性分なのです。この裏山で ﹂ ﹂ 未与ー 何か意外なものでも見つけて、突っ走ってしまったのでしょうか す。 ﹁奈央ー ﹁││良子ちゃん !! ? ﹂ ? ﹂ ? 周囲はコンクリートで補強されており、どうやら何か地下施設の入り口のようです。 そこにあったのは草と土に埋もれかけた、錆び付いた鉄扉でした。 ﹁⋮⋮扉 ﹁ねー。奈央、未与ー。コレ、⋮⋮なにかしら 加々見良子ちゃんが、じーっと目の前の山肌を見つめていました。 距離にしてわずか十数メートルほど坂を登ると、ツインテールの小柄な同級生││ 笑んで頷き返し、二人で声の方向に歩きます。 トのお尻を払うと、心配なし、というように力強い頷きをくれました。私もにっこり微 未与ちゃんの方を見るとすっかり復活しており、ゆっくりと立ち上がってミニスカー そう思った端から、良子ちゃんの呼び声が聞こえてきました。 ﹁良子﹂ ? ! 8 ただ一見して、ここ何十年かは使われていないように見えますが⋮⋮。何でしょう。戦 時中の防空壕でしょうか ? ﹁あ、危なそうだよ⋮⋮帰ろう ﹂ ﹁⋮⋮気になるわね﹂ ﹁よーし 先生に怒られちゃうよ ﹂ ? ? ね﹂ ﹁冒険 大冒険の予感がするわ ﹂ !! でも、この冒険は今だけ ﹂ !! と鳴ります。二人の心は動かないようです。 ﹁やーねー奈央、宿題なんていつでも出来るのよ ? 良子ちゃんのツインテールがぴこぴこと跳ね、未与ちゃんの髪飾りの鈴がちりん⋮⋮ ﹁えええええ⋮⋮帰ろうよう⋮⋮下書きだけでも写生しようよ⋮⋮﹂ ! ﹁人知れず存在する、学校裏山の地下空間。こんなもの、チェックせずには帰れないわ いてしまいました。 鉄扉に力を込めて押していきます。そこに未与ちゃんも加勢すると、扉はあっけなく開 されてしまったようです。良子ちゃんが目を輝かせながら素早く扉に飛びつき、錆びた 私は慎重に反対意見を述べましたが、良子ちゃんと未与ちゃんの好奇心はすでに刺激 ! ? 裏山にこんなのがあるなんて、聞いたことないわよね ﹂ ﹁コレ、いったい何かしら ? リンジンショクシュリンク(仮) 9 ! 二人とも、待って⋮⋮ ﹂ ﹁未知との遭遇⋮⋮胸躍る不思議な感覚。なんだかそんな予感がするわ﹂ ﹂ ﹁そ、遭遇しなくていいよう⋮⋮﹂ ﹁未与、ライトある ﹂ ﹁大丈夫。スマホのライトが使えるわ﹂ ? れっつ・ごー ! お願い ! ﹁じゃあ安心ね ﹁ああ⋮⋮ ! ど、このときの私たちはまだ知る由もなかったのでした。 ○3 ﹁おお、広い⋮⋮。意外に長いわね。なんなのかしら、この地下通路 ? ﹁倉庫かもしれないわ。ここ最近は使われていないみたいだけど⋮⋮分岐路 ﹁ま、待ってよう∼∼∼⋮⋮﹂ ﹂ ? ﹂ 私たち三人が完全に地下へ消えたとき、背後の入り口で蠢いた蛇のような何かの姿な ⋮⋮。 そ う ⋮⋮。後 に し て 思 え ば こ の と き が、引 き 返 せ る 最 後 の チ ャ ン ス だ っ た の で す ます。 勇んで薄闇に消えていく二人を追って、私もひんやりとした地下の空気へ沈んでいき ! 10 折れ曲がりながら続く地下通路は暗くじめじめとして、足下も濡れて滑りやすくなっ ていました。特に運動の苦手な私なんかには、かなり危険です。それでも好奇心を刺激 未与ちゃん⋮⋮ ﹂ された二人の足取りは早く、私はその背中を見失いそうになってしまいます。 ﹁あれ、⋮⋮良子ちゃん ? !? いびっくりしましたが、こんなことをするのは彼女たちに決まっています。怒りに頬を そのとき不意に、私の肩になにか冷たいものが触れました。心臓が飛び出そうなぐら にちゃ。 ﹂ 持っておらず、いま他に明かりになりそうなものもありません。 いお子⋮⋮ゲフン、キッズケータイを持っているのですが、私は携帯電話というものを ませんが⋮⋮。未与ちゃんはちゃんとしたスマホを持っているし、良子ちゃんもかわい な部屋に出たことに気づきました。暗いし明かりもないので、何があるのかよく分かり それでも私は勇気を振り絞って直進し、そしていくらも行かないうちに、自分が大き ﹁うう、⋮⋮二人とも、どこへ行ったの⋮⋮﹂ まったのでしょうか。 き、そこは十字路になっていました。二人の姿はどこにも見えません。先に行ってし 闇にも少しずつ目を慣らし、何度も転びそうになりながら追いついたかと思ったと ? ﹁何なんだろう、この部屋││きゃっ リンジンショクシュリンク(仮) 11 膨らませながら、私はがばっと振り向きました。 勝手に先に行ったりして、私すっごく怖かったんだか││ら ぴちゃりと粘液を滴り落とす、顔と鱗のない蛇たちの群。 ﹁もうっ ○4 ﹂ 思考の停止した私へ蛇たちは一斉に襲いかかり、そして全身へ絡みつきました。 ?? 良子ちゃあんっ ! いやぁ⋮⋮そんなところ、触らないでぇ⋮⋮ ! ! えしながら身をよじりました。 ﹁はうう⋮⋮っ ﹂ ﹂ て恥ずかしいんです。なぜだかそこを狙われてしまっていると感じて、私は羞恥に身悶 くなって膨らんでしまっています。こういう夏とか薄着の時には、すごく目立ちやすく 私のバストは全体だけじゃなくて、その⋮⋮先っぽとその周りの部分も、すごく大き 浮き出かけた私の先っぽを蛇の頭がカップ越しに、つん、つん、と突ついてくるのです。 ぎゅうっと搾り出された胸の膨らみがブラジャー内の頂上付近で圧迫されて、そこに 頂を目指すように絡みつきながら緩く締め上げてきます。 た。あの粘液を薄く分泌しながら胸の谷間に潜り込み、右胸をその麓から一周すると、 もうブラジャーを残すだけになってしまった私のバストに、蛇が絡みついてきまし ﹁ああっ。いや、いやあぁ⋮⋮離して。助けてぇ⋮⋮未与ちゃん !! ! 12 私の両足を大きく広げながら、蛇はショーツのすぐ前にも迫ってくるのを感じて、私 は身をよじりました。ど、どうしよう⋮⋮このまま私、邪魔なブラジャーもショーツも みんな取られて裸にされてから、この蛇に食べられちゃうんでしょうか ? それに、私⋮⋮変です。なんだか、この蛇たちに捕まって、触られているうちにさっ ﹂ ﹂ きから⋮⋮だんだん私、その⋮⋮エッチな、⋮⋮気持ちに⋮⋮ ﹂ ﹁な、奈央ーーーっ ﹁良子ちゃん !? ﹁あ⋮⋮あたし、知ってる ここここれ、すっごいエッチなやつだわ しょ、しょく ! ﹂ ぎぃーとかんほぉーとかして、お前がママになっちゃうやつなのよ⋮⋮ ﹂ しゅ⋮⋮お、女の子を襲ってひん剥いた挙げ句ぐるぐる巻きにして、ボコォーとかひ ! す。 そして顔面を真っ赤にしたかと思うと、両手で口元を覆いながら呟きはじめたので た。 ると同時に、無数の蛇たちが私に群がる異様な状況を把握してその場に立ちすくみまし そのとき室内に響いたのは、聞き慣れた友人の声。良子ちゃんは室内に飛び込んでく ﹁どうしたの、奈央⋮⋮な、何これ !? !? ﹁良子ちゃん、何を言ってるの !? リンジンショクシュリンク(仮) 13 !! 未与ちゃんほどではありませんが、実は良子ちゃんも意外と博識で、よく私の知らな いことを知っています。でもそういうときはたいてい今みたいに顔を真っ赤にしたか と思うと、ぷるぷる震えてそのまま何も言わなくなってしまい、結局私には何も教えて くれずに終わることがほとんどなのですが⋮⋮。 ﹂ ?? ﹂ 奈央が、奈央がンギモッヂイイイとか言わされちゃう あたしの あと彼って誰 彼のよりずうっとしゅごいのおおおとか言わされちゃう ﹁ど、どうしよう ﹂ ﹁え、何その変な濁った声 ﹁た⋮⋮助けなきゃ ? ! 奈央を離せぇーーーっ 良子ちゃん、逃げてーーー ﹂ のように構えると、私の方へ突進してきたのです ﹁だ、ダメ ﹁たぁーーーっ ﹂ !! !! 枝の一撃を振るって、次々とそれらの蛇をやっつけていくのです すごい !! 回避し、さらに反撃を加えます。彼女はそれらの下を時に掻い潜り、時に飛び越しては かかります。しかし良子ちゃんは素晴らしい運動神経の冴えを見せつけるようにして 闇に潜んでいた蛇たちが起き上がり、良子ちゃんを捕らえようとするかのように襲い ! ! ! を開始しました。その手には地下進入前に拾っていた、丈夫そうな木の枝。それを剣士 私にはよく分からない思考の迷路を回り道した末、それでも良子ちゃんは敢然と行動 !! !! ! ! 14 ﹁ああっ ﹂ ﹁良子ちゃん ﹂ 衝撃のためか、すぐ起きあがれずに ? ⋮⋮い、イヤー 腹ボコひぎぃ。でボテ腹苗床牧場ENDなん 足掻く良子ちゃんに、蛇たちがうねうねと迫っていきます ﹂ ﹁くっ││あ、ああ て、イヤーーー ﹂ ! イヤーーーアーーーアーーー、イヤーーーッ、⋮⋮⋮⋮いやー⋮⋮ 誰か、誰か良子ちゃんを助けて ﹂ ﹂ ? ンチです この状況、いったいどういう││くっ !? 未与ちゃんは咄嗟に応戦の姿勢を取りまし ! 与ちゃんのセーラー服も白濁液に染まって一気に腐食し、そして一体の蛇が後ろから大 そして十近い蛇は未与ちゃんを取り囲むと、一斉にあの白い粘液を放ったのです。未 たが、いかんせん丸腰、反撃の術はありません。 れた未与ちゃんへ向かっていきました 床に倒れて悲鳴を上げ続ける良子ちゃんを完全に無視して、蛇たちはその向こうに現 ﹁奈央、良子 !? !! !! 相変わらず何を言っているのかさっぱり分かりませんが、とにかく良子ちゃんが大ピ ﹁良子ちゃーーーん !? !! !! ! き急に転倒しました。濡れて滑る床でしょうか しかし軽快なフットワークで蛇たちを攪乱しながら戦っていた良子ちゃんが、そのと !? !? ! ﹁イヤーーー リンジンショクシュリンク(仮) 15 ﹂ きく勢いをつけて室内を跳ね上がるや、未与ちゃんの胴体へ強烈な打撃を叩きつけまし た ﹁ああっ ! ﹂ 中へ吊り上げていきます⋮⋮ 未与ちゃーん ﹁くっ、くうう⋮⋮っ ﹁未与ちゃん ﹂ ⋮⋮⋮⋮﹂ ﹁くっ。この蛇、⋮⋮いったい何者なの 化学繊維は強力に溶解させても、タンパク質 ものが何もない自分の機能的な胸元を確認するように触っていました。 良子ちゃんは蛇たちから完全放置されたままなぜか無言で、動きの邪魔になるような ﹁⋮⋮⋮⋮。⋮⋮⋮⋮ !! ! ? ! ! れ込むより先に、襲いかかった蛇たちが四肢に絡んで支えました。私同様、そのまま空 まれた、未与ちゃんの可愛いバストがぷるんと震えます。吹き飛ばされた彼女が床へ倒 未与ちゃんのセーラー服も、その一撃で爆散しました。グレーのスポーツ・ブラに包 !? 16 良子ちゃんはしばらく自分の胸で何かを確認しているようでしたが、やがてそれが済 冷静さで相手を分析しようとしています。 いきなりの攻撃を受け、衣服を破かれて捕らえられながらも、未与ちゃんはいつもの には無効の溶解液なんて自然界には││﹂ ? んだのか、また立ち上がって枝を構え直しました。前にも増して強い怒りの炎をその目 に灯し、猛然と蛇たちに打ちかかります さいよーーーっ ﹂ ﹁このやろーーーっ、あたしに何が足りないってのよーーーっ 奈央と未与を放しな ! !! せないわ⋮⋮﹂ ﹁う、うう⋮⋮もうダメよ⋮⋮。ごめん、奈央、未与⋮⋮。こんなの、あたしだけじゃ倒 う部屋の隅に追いつめられてしまいました。その表情は悲痛です。 ひゅんひゅんと風を切って飛来する蛇に限りはなく、息を切らせた良子ちゃんはとうと ちを片っ端から打ち落としていきます。しかし、それでも多勢に無勢。追い払うように 凄まじい勢いで木刀もどきの枝を振り回して戦う良子ちゃんは、あれよあれよと蛇た !! ﹂ ? そこに現れたのは、私たちの夏セーラー服とは違うブラウスをまとった、燃えるよう ﹁これは⋮⋮﹃聞こえて﹄いたより、ずっとハードな状況みたいね﹂ ちゃんだけが、最初から予想していたような顔をしています。 そのとき響いた意外な声に、良子ちゃんと私が驚きの視線を向けました。なぜか未与 ﹁││来たのね﹂ ﹁えっ ﹁ええ。リョウコだけなら、そうかもね﹂ リンジンショクシュリンク(仮) 17 な赤毛の女の子││アン・ブライスちゃん。れっきとした外国人であり、ある特殊技能 を有していることも手伝って、クラスでもちょっと浮いた感じになってしまっている子 です。悪い子ではないと思うのですが⋮⋮。 ﹂ しかし、どうして彼女がここに ﹁ふむ。やはり││﹂ ﹁化け物ども、食らいなさい ? のです ﹂ ﹁護身用スプレー ! ﹂ つなのかもしれません。 しがちになってしまったらしいのです。この催涙ガススプレーも、彼女の築いた壁の一 綺麗でない部分が望まず見えてしまうため、彼女は他人を信じられなくなり、心を閉ざ 実はアンちゃんには、人の心を読めるという特殊能力があります。他人の心のあまり !? わ ﹁フッ、やはり剥き出しの表皮は敏感なようね。高刺激性の催涙ガス、効果は覿面と見た ! んだ何かに当てられると蛇たちは狂ったように身悶えし、なんと一斉に後退を開始した り出しました。蛇たちは彼女にも襲いかかろうとしていたのですが、ぷしゅうっ、と飛 訳知り顔で頷く未与ちゃんを横目に言いながら、アンちゃんはポケットから何かを取 ! 18 ﹂ しかし今この瞬間は、これが私たちを救う強力な武器になってくれています ﹁今よ、リョウコ ﹂ ! ! 信 ! ! ! す。ついに彼女を縛り上げていた蛇たちまでもを打ち払って、二人は未与ちゃんの解放 じられないほど不思議に息の合った二人の突進が、未与ちゃんまでの道を切り開きま が続いて催涙ガスで次々と蛇たちを撃退していきます。すごい、完璧な連携です 復活した良子ちゃんが先頭に立って枝を振り回しながら突進、その後方にアンちゃん ﹁うおーーーっ !! ﹂ に成功しました ﹁わっ⋮⋮と ﹂ ! 少し小 ? 二人は無言でしばしそのまま見つめ合いました。 えっ⋮⋮ひょっとして、なんだかちょっといい雰囲気⋮⋮ ﹁││ミヨ。いつかの借りは⋮⋮返したわよ﹂ ? ンちゃんは顔を真っ赤にしながらもしっかり未与ちゃんをお姫様抱っこで受け止めて、 柄な未与ちゃんでも、落ちてくるのを抱き留めるのは相当な腕力が必要なはず。でもア け寄りながら力強く抱き留めました。火事場の馬鹿力というのでしょうか 急に空中へ放り出されて落ちてきた未与ちゃんを、アンちゃんが慌ててダッシュで駆 ﹁未与っ リンジンショクシュリンク(仮) 19 ﹁ええ、アン。確かに、受け取ったわ﹂ 行くわよ ﹂ !! ﹂ そんな視線の交錯も、ほんの一瞬。アンちゃんはそっと未与ちゃんを地面に下ろす と、予備らしき護身スプレーを彼女に投げ渡しました。 ﹂ みんな、いいわね ﹁スプレー缶の残量も厳しい。⋮⋮一気に奈央を助けて、そのまま脱出するわ ﹁よーし ﹁みんな⋮⋮ ? ていきます。 イヤ⋮⋮っ ﹂ !! ます。 分かったわ、リョウコ ﹂ どうしよう、ブラジャー壊されちゃう⋮⋮私のバスト、ふたつとも裸にされちゃう ﹁や、やめて⋮⋮っ⋮⋮﹂ ﹁ ! !! !! に、その身を強く引き上げてきたのです。ブラジャーのホックが軋んで悲鳴を上げてい た。バストを収めた左右のカップを繋ぐバンド部分から引きちぎろうとするかのよう そんな中、私の胸の谷間へ潜り込んでいた蛇は焦ったようにその身をもたげてきまし ﹁うっ││あ、ああ !? が、三人がかりの木刀もどきとスプレー缶の迎撃にことごとく撃破され、打ち落とされ そして三人が、今度は私めがけて突進してきました。多数の蛇たちが襲いかかります ! !! ! 20 ﹁ ││オッケー、アン ﹂ !! ﹁させるかエロ触手ーーーっ ンプ ﹂ が思い切り振り上げたその両手を踏み台にして、高く、高く飛んだのです 二段ジャ ばれた良子ちゃんは一瞬だけ考えてから、そのまま彼女に突進し││そしてアンちゃん そのときアンちゃんが三人の先頭に飛び出し、立て膝を突いて両手を組みました。呼 !? ! 良子ちゃんはさらに空中で二匹の蛇を打ちのめして、その打撃でついに木 ! ﹂ ぶん誰も支えられないです。 あ、これ、マズいです。だって、私⋮⋮未与ちゃんよりずっと、その、体重が⋮⋮。た も空中に放り出されました。 そして後続したアンちゃんと未与ちゃんが、残った蛇をスプレーで追い払って││私 くるくる回転しながら、そのまま反対側に飛び抜けていきます。 枝は折れ砕けて弾け飛んでしまいました。良子ちゃんは可愛いパンツを丸見えにして きました 空中で回転する良子ちゃんの振り抜いた木枝が、私のバストを襲っていた蛇を打ち抜 !! !! !! ました。鮮やかな着地の勢いから良子ちゃんが切り返し、スプレー缶を捨てた未与ちゃ 私の真下へはアンちゃんが真っ先に入り、両手を低く広げながら二人に目配せを送り ﹁ミヨ、リョウコっ リンジンショクシュリンク(仮) 21 んも駆けつけて、三人でがっしり手と手を組み合わせます。 ﹂ ﹂ ! ﹂ ? ﹁アンちゃん ﹂ よけてっ ﹁ナオ││きゃああっ ﹂ !! うな大きめのバストを包む大胆なチューブトップも穴だらけになってしまったのです 撃。その一撃だけで、アンちゃんのブラウスは跡形もなくバラバラに飛び散って、重そ 消防車の放水のような勢いで放たれた大量の白濁液が、すごい勢いでアンちゃんを直 私の警告は間に合いませんでした。 !? ! えて、私は思わず叫びます。 そのとき闇の中から、何か巨大な気配が前進してきました。闇に慣れた目がそれを捉 ﹁││あれ 退路を先導するように、アンちゃんが出口へ駆け寄ります。 ﹁今のうちね⋮⋮逃げましょう ﹁よしよし、奈央がんばったがんばった﹂ ﹁⋮⋮うっ⋮⋮、うう⋮⋮っ、みんなぁ⋮⋮。こわかった、⋮⋮こわかったよう∼∼∼﹂ れて、私は三人の瞳に出迎えられます。 私はそこへ落下しました。三人が組み上げた六本腕のネットに柔らかく受け止めら ﹁きゃあああーーーっ !! 22 ﹁⋮⋮⋮⋮っ ﹂ た蛇たちは、なんとこの肉塊から伸びていたのです ! いやあああっ、丸呑みされちゃううう !! ﹂ !! !? ローパー ! ただ丸飲み、というのは確かにそうです。歯も牙もない蛇たちなら私たちを食べてし でしょうか。 良子ちゃんが絶望の叫びを上げましたが、しかしなぜ彼女はあんなに赤面しているの ﹁た、種付け触手玉 ﹂ ないおぞましい何か。そしてようやく私は気づいたのですが、今まで私たちを襲ってい 肉の蠕動で這うようににじり寄って来る巨体。ただ肉塊、とだけしか表現のしようの ﹁ひっ││﹂ そして闇の奥から、それが姿を現しました。 ないでしょうが、かなり際どいバストの頂上付近までもが穴だらけにされています。 どには破壊されていません。重たい胸の揺れを手で押さえながら走ったりする必要は チューブトップは穴だらけにされていても、まだバストのサポートが出来なくなるほ 瞬にして半裸にされてしまったアンちゃんが、放心したように膝を突きます。 両手で無防備な胸の膨らみを抱くようにしながら、理不尽なまでに圧倒的な暴力で一 !! ! ﹁奴らの本体なの⋮⋮ リンジンショクシュリンク(仮) 23 まうことは難しいかもしれませんが、あの巨体なら私たちを飲み込んで消化してしまえ ﹂ ﹂ こうなったら、もうアレしかない││アレを引き出して、ヤツに叩き込ませる るかもしれません⋮⋮ ! ││わ、わかったわ お願い ﹁良子 わ ﹁アレを !! ! もう武器の大半を失いながら、蛇の親玉らしき肉塊まで出 ? ? ﹂ ﹁奈央、││ごめんっ ﹁えっ ? ﹂ !! んで合掌しました。 そんなことを考えている私をよそに、良子ちゃんが私と迫り来る肉塊との間に入り込 ません。いったい何を││ いくら未与ちゃんが神謀鬼策の知的美人でも、ここから逆転できる策があるとは思え うか てきてしまった大ピンチの今、いったいどこに起死回生の手段などあるというのでしょ 何だというのでしょう てアンちゃんもその内容を読んだのか驚愕の表情を浮かべます。 良子ちゃんと未与ちゃんが互いに目配せを交わし、良子ちゃんは痛切な覚悟を、そし !! ! ﹁││まさかっ﹂ !? 24 ぷにっ。 ﹁∼∼∼ッッッ 電光石火。 だのです ﹂ と空中へ飛び上がり││そして肉塊はホームラン並の勢いで、一気に向こうへ吹っ飛ん 大な肉塊。さらなる追い打ちが空中で肉塊を打ちのめし、最後に私自身もなぜかふわっ 肉が肉を穿って撃ち抜く、砲撃じみた轟音と衝撃が室内に連続。空中に浮き上がる巨 地下に嵐が吹き荒れました。 に逃げたことだけ。 同時にその運動能力を120%発揮して、全力ダッシュでその位置から消え去るよう たこと。 私に理解できたのは、良子ちゃんが私のおなかと││それに、バストの先っぽを触っ !! You win ﹁⋮⋮K.O.﹂ !" !! 呆然としたアンちゃんのすごく綺麗なネイティブ英語発音が聞こえたと思ったとき、 " ﹂ 私はどこか他人事のように、そのすべての光景を主観者視点から見つめていました。 ! ﹁こ、これが奈央のエアリアルコンボ⋮⋮すごい。格ゲー技は本当に存在したのね リンジンショクシュリンク(仮) 25 空中を数メートル吹っ飛んだ推定三百キロ越えの巨体は向こう側の壁に激突、地下空間 何がどうしてこうなったのか、私にはよく分かり を激震させながらそのまま地面に力なく崩れ落ちました。 やっつけた、のでしょうか⋮⋮ ませんが。 ? 塊がうごめきました。 あ、アレでも倒しきれないの ﹂ 同時にそこから伸びる蛇たちが、再び私たちの方へ少しずつ近づいてきたのです ﹁まだ生きてる !? 興味と戦慄の表情で未与ちゃんがさりげなく言いましたが、そうですか未与ちゃん、 ﹁くっ。ヤツのタフネスは、私と互角以上かっ﹂ !? ! 私は涙目になりながらも、和やかな空気が流れかけたそのとき。ぴく、と闇の奥で肉 ﹁えええええ。私、もう未与ちゃんにこれ以上お腹触られるのやだよう⋮⋮﹂ 人に眠る未知なる神秘。いつの日か、この謎の正体を解き明かしたいものね⋮⋮﹂ ﹁ふむ。奈央のお腹をプニることで解放される、この究極の破壊力⋮⋮これこそ我が友 ﹁あ、ありがとう⋮⋮﹂ が支えてくれました。 どうにか着地して崩れ落ちそうになっている私を、左右から未与ちゃんとアンちゃん ﹁おっと、奈央っ﹂ 26 やっぱり自分の頑丈さが人間超えてることは知ってたんですね。 ﹂ ﹂ ﹂ こっちに出口があるわ。走って とにかく、ここから出来ることは決まっています。 ﹂ 何してるの ! ﹁逃げなきゃ ││未与ちゃん ﹁みんな、こっちよ ﹁うん、行こう !? ﹁先に行って。これだけやったら、すぐ追いつくから !? 早く ﹂ まま私も手伝って袋を破き、そして中身を二人で辺りにばら撒きました 早く !! ﹂ た。思ったより速いです ﹁││光っ 捕まっちゃうかも ! か鉄扉を閉めようかとしましたが、何しろ重たいうえに鍵もなく、半端に閉じたところ 軽くなりました。全員が一気に走り抜け、数十分ぶりに地上世界に帰還します。なんと それでも外界の光が地下の闇に慣れた視界を刺すと、私たちの足取りも疲労を忘れて ! !! 振り向けば、蛇たちの先頭はすでに未与ちゃんが破いた袋のあたりまで来ていまし ! ! 地下道の脇にあった、大きな袋のようなものを出して何かしています。訳も分からない アンちゃんが先導して、みんなは一目散に来た道を戻りました。途中で未与ちゃんが ! ! ! ! ! ﹁うっ、うんっ﹂ ﹁さあ走って リンジンショクシュリンク(仮) 27 で断念しました。 ﹁良子 全力で思いっきり、ケータイを地下道の中へ投げて ﹁へっ ? ! 壊してっ ! ﹂ !! 子ちゃんへ力強く頷きます。 ﹂ ﹁リョウコ、いいからミヨの言うとおりに﹂ ﹁早くっ ﹂ ﹁みんな地下道の入り口を外して、伏せてーーーっ ﹁なっ !? ﹂ !! したリチウムイオン電池が発火したのです。 凄まじい勢いでコンクリートの内壁に突き刺さって、その勢いで筺体を破壊し││破損 たフルスウィングでお子⋮⋮キッズケータイを投擲しました。良子ちゃんの剛速球は 凄まじい気迫を込めたうなり声︵かわいい︶を込めて、良子ちゃんが全身を躍動させ !! !! ﹁わ、わかったわっ。││うおんどりゃああああ ﹂ 味不明な指示に目を白黒させましたが、アンちゃんは未与ちゃんの心を読んだのか、良 そのとき最後尾で脱出した未与ちゃんが、良子ちゃんに叫びました。良子ちゃんは意 なるほど﹂ なんで││﹂ ﹁││ ! ﹁ぜぇ、はあっ⋮⋮で、でもどうしよう。もし、ここまで追ってきたら││﹂ 28 そして未与ちゃんとアンちゃんが私を、ラグビーのタックルを仕掛けるような勢いで 押し倒します。 閃光が広がりました。 耳をつんざく巨大な爆音、そして衝撃波。 地下道の入り口からすごい勢いで爆風が噴き出し、鉄扉が外れて盛大に吹き飛びまし た。ゆうに十数メートルは空中を飛んで、伏せていた私の目の前に数十キロはあろう巨 体が斜めに突き刺さりました。他にも見覚えのある肉片がすっかり焼け焦げながら、空 からボタボタと落ちてきます。 ⋮⋮やっとわかりました。粉塵爆発ですね。 地下を冒険していた未与ちゃんは何かの粉末を収めた袋を見つけ、それをさっき破い て坑内に充満させたのです。そして携帯電話などに使用されているリチウムイオン電 池は、発火性の高い危険物でもあります││を坑道内で破壊して火種とし、一気に起爆 させて坑道ごとあの変な蛇を吹き飛ばしたのでした。 いのよ⋮⋮﹂ の世に人の欲望がある限り、いつか必ずまたヤツラは現れる⋮⋮そんな気がしてならな ﹁そうね⋮⋮でもあたしには、あれが最後の種付け淫獣触手だったとは思えない⋮⋮こ ﹁⋮⋮終わったわね。⋮⋮悪は滅んだわ﹂ リンジンショクシュリンク(仮) 29 ﹁⋮⋮⋮⋮﹂ どこか哀愁溢れる表情で、未与ちゃんと良子ちゃんが呟きます。 ただ何というかこの四人中唯一衣服がほぼ無傷の良子ちゃんはまだしも、未与ちゃん はセーラー服をぜんぶ剥かれてスポーツ下着姿なので、なんというか非常に微妙な感じ です。ブラジャーとチューブトップまでボロボロにされて、バストの肌も露わな私とア ンちゃんも人のことは言えませんが⋮⋮。今が夏で良かったです。 Bless you ﹁センキュー⋮⋮﹂ " ﹁8月9日、ヒメカワラボラトリー社用車、資材移送中に交通事故。人身被害はなし。一 栄養価かつ美味、世界の食糧問題解決に大きく貢献か。株式市場に大きな値動き﹂ ﹁8月8日、ヒメカワフーズ、画期的なバイオ新食材の開発に成功と発表。低コストで高 ○5 さあ。帰りましょう。 ながら、私は大切なお友達のみんなを眺め渡します。 そんなことを思っていたら、くしゃみが出てしまいました。アンちゃんにお礼を言い " ﹁││、ふっ⋮⋮くしゅっ﹂ 30 車線交通規制は二時間後に解除﹂ ﹁⋮⋮8月10日午後、同市山間部で原因不明の爆発音と震動。現地は私立瀧鳴学園に 近く、保護者から原因究明を求める声。県警は現地周辺を立ち入り禁止区域に指定﹂ 某高校、ボランティア部部室。 並外れて豊かなバストと黒髪、そして知性を有するその少女││犬山黒ヱは自らのバ ストをクッションにするようにしてだらしなく俯せに寝そべりながら、ここ数日の新聞 記事を乱読していた。活字とあればとにかく読まずにいられないのが彼女の性である。 その読書速度は並外れて早く、次々と知識を吸収しては次に移っていく。 ﹁うーん⋮⋮遅いなー、姫ちゃん⋮⋮﹂ ボランティア部部長の山田吉野、そして黒ヱの幼馴染みにして犬猿の仲の狒里灯も室 ﹁あたし腹減ったよ⋮⋮何やってんだよ姫ー⋮⋮﹂ 内でくつろいでいるが、彼女たちの口調は少々不満げだ。昼食時を前にして彼女たちが ﹂ 集まっているのは、ある人物に呼ばれたからだった。 ﹁お待たせいたしましたわ 少女。だが話す言葉はほぼ完璧な日本語だ。 ﹂ バン、と部室のドアが開く。ようやくそこに現れたのは、れっきとした金髪碧眼の美 ! ﹁本日はわたくし、面白いものを持って参りましたの ! リンジンショクシュリンク(仮) 31 むふー、と鼻息荒く彼女││姫こと姫河雛璃が差し出したのは、大型のキャリング ケースだった。 中からガサゴソと音が聞こえる。何か生き物が入っているようだ。吉野と灯の表情 が凍った。 ﹂ !? ﹂ ? ﹂ ! ! 本日はわたくし、世界に ! 焼き物も出来ないけど⋮⋮﹂ 生食こそが日本の王道 お ! ? ﹁ちっちっち。やはり日本の食文化といえば、⋮⋮生 ! ﹁でも姫ちゃん、部室に調理設備なんてないよ 調理室ならともかく、ここじゃ煮物も 吉野が聞く。 あからさまにドン引きしながら帰り支度を始める灯をよそに、黒ヱは平然と呟いた。 ﹁黒ヱ ﹁へえ、⋮⋮興味あるわね﹂ ﹁あ、あたし帰っていいか⋮⋮ 先駆けて皆様とこれでランチを楽しみますわ て参りましたの。素晴らしく美味な未来食材だそうですわ ﹁我がヒメカワフーズが新開発に成功した、次世代バイオ食材 その最新版を入手し ﹁何コレ⋮⋮﹂ ﹁えっ⋮⋮﹂ 32 いしく捌いて、わさび醤油でいただきますわよ 灯の顔面温度が見る見る急降下していく。 ﹂ 寄生虫とかいないの ?? ﹁マジか、⋮⋮生き物捌くのか⋮⋮﹂ ﹁姫ちゃん、ほんとに大丈夫 ﹂ ちゃきんっ、と雛璃が取り出したのは刺身包丁と刺身醤油、そしてわさびチューブ。 ! ﹁そのあたりはすでに重々テスト済みですわ 生食であっても衛生的には非常に安全 ? ﹂ ブチュウッ﹂ ﹁マジか⋮⋮﹂と繰り返しながらも、ついに諦めた灯が近くに寄ってくる。吉野、黒ヱも オホホホホ、と笑いながら雛璃がどっか、とキャリングケースを机上に載せる。 な食材、と太鼓判を押されておりますのよ∼∼∼﹂ ! ブギャアアアッ、ブギルゥゥゥッ ﹂ ! ! 周りを囲んだ。 産地直送ですものっ ﹁せ、鮮度がすごくいいのかな⋮⋮ ! ﹁それでは ご開帳ですわっ ! ﹂ 液体が発射されて、ケースの内部に張り付くような音まで聞こえたような気もする。 スが揺れる。吉野は眼鏡の下に引き攣り気味の表情を浮かべてそれを見つめた。何か ケースの中では﹃新食材﹄が元気よく暴れており、ガタガタガタッ、と時折激しくケー ﹁当然 ! ?? ﹁ブギイイッ リンジンショクシュリンク(仮) 33 ! 34 満面の笑みで、雛璃がケースを開けた。