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第2学年2組 「道徳の時間」学習指導案

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第2学年2組 「道徳の時間」学習指導案
第2学年2組
「道徳の時間」学習指導案
1
主題名 助け合う 友達【2-(3)友情・助け合い】
2
資料名 「森のともだち」
(「どうとく2 みんな たのしく」秋田県版:東京書籍)
3
主題設定の理由
(1) ねらいとする道徳的価値
第1・2学年における2-(3)の内容は,「友達と仲よくし,助け合う。」と示されている。
これは,友達関係において基本とすべき精神を述べたものであり,友達との間に信頼と友情及び
助け合いの精神をもった子どもを育てようとする内容項目である。友達は家族以外で特に関わり
を深くもつ存在で,同じ環境で過ごす仲間と無条件に仲良く助け合いながら,遊び仲間などとし
て影響し合いながら生活をしている。友達と仲よくし,助け合うためには,相手の気持ちを考え,
思いやりの心をもち,困った時には互いに力を貸し合おうとする心のつながりが必要である。そ
してこれらの価値を身に付けることは友達の気持ちを推し量り,自分の利害を越えて互いに助け
合い,より良い人間関係を築く上で大切なことである。
この内容は,第3・4学年の2-(3)「信頼友情」の内容へ,第5・6学年では,2-(3)
「信頼友情・男女協力」の内容へ発展し,さらに中学生では2-(3)「信頼・友情」と2-(4)
「異性の理解」に分化するものである。
(2) 子どもの実態
<
略 >
(3) 資料について
森の動物たちは,新しい仲間が増え喜んでいたが,きつねのこんきちは,わがままで,乱暴も
ののため,仲良くなれない。ある日,おおかみが森にやってきて,こんきちがおおかみに捕まっ
てしまう。動物たちはみんなで,こんきちを助けたが,次にうさぎが捕まってしまう。みんなは
体当たりをしてうさぎを助けた。自分だけ逃げだしていたこんきちも戻ってきて,大声で泣き,
みんなに謝ったという内容である。子どもたちは動物たちの森を自分たちの学級に置き換えて考
えることができる資料である。学級内の友達関係の温かさを生かして,友達と助け合うことに前
向きな気持ちをもつことが期待できる。
(4) 指導にあたって
本時では,こんきちを助けた動物たちの気持ちに共感したり,大声で泣き出したこんきちの心
の内を考えたりすることで,友達と仲良くするためには友達と助け合う心が大事であることに気
付くようにしたい。こんきちの心の変容は,森の動物たちの行動に支えられたものである。困っ
ている相手を心配し,優しい気持ちで接することは,友達を変える力にもなることに気付く子ど
もの姿に期待したい。
①進んで考える,表現する手立ての工夫
資料を前渡し,気になったところやみんなで話し合いたいことをシートに書かせて事前に把
握しておくことで,子どもたちの疑問やこだわりなどの「問い」を大切にした授業づくりに生か
していきたい。子どもたちの意識を大切にしながら,話合いで内容を深めていきたい。
導入では,友達と助け合ったり,友達がいてよかったと思ったりしたことを想起させ,価値
への方向付けとする。
森の動物たちがこんきちを助けようかどうか迷う場面では,心情メーターを提示し,児童の
発言を類別して板書する。また,その下に一人一人がネームプレートを貼ることで児童の考え
を表現する手立ての一つとする。友達の意見を聞いたり,ネームプレートで確かめたりして「な
ぜなのだろう。」「是非このことを考えてみたい。」などの「問い」を生かして,主体的に話合
いができるようにする。
②学び合い,高め合うための手立ての工夫
森の動物たちの「仲よく助け合う心」に共感させた上で,こんきちの心の動きに焦点を当て,
大声で泣き出したこんきちの心の内や心の変容について話し合うことで,友達と助け合うこと
の大切さや友達のよさについて考えを深めることができるようにする。発問は,資料の前半の
森の動物たちの気持ちと後半のこんきちの気持ちが変容した場面について絞る。困っている友
達に対する助ける側の気持ちと助けられる側の気持ちの両面から考えさせることで,仲よく助
け合うという価値について深めることができると考える。また,補助発問として,これまでの
経験を想起させる発問を取り入れたり,「どうしてそう思ったのか」と理由を聞いたりすること
で,根拠を明らかにして,多様な考えに共通する「助け合う」という価値に気付かせたい。
4
他の教育活動などとの関連
道徳
(5月)
「わけっこしよう」
弁当を落としてしまった子に自分の弁当を分けてあげる登場人物の気持ちを考
えることを通して,助けられたり助けたりした経験を想起させて,友達と仲よく助
け合うことの心地よさを感じることができた。
国語
(10月)
「お手紙」
場面の様子やがまくんとかえるくんの気持ちとその変化を読み取り,困ってい
る友達のことを心配したり,友達のよさを見付けたりする心を感じ取っている。
5 本時の実際
(1) ねらい
森の友達の行動やこんきちの心の動きについて話し合うことを通して,友達と仲よく助け合おうとする心情を育てる。
(2) 学習過程
学習活動と主な発問
予想される子どもの意識
教師の支援と評価
1 友達について身近な場面で想起し,価値
・困っていたとき友達に助けてもらって
・友達と助け合ったこと,友達がいてよか
への方向付けをする。
うれしかった。
ったと思うことを想起させ,価値への方
向付けとする。
・自由な感想から話し合う問題を方向付け
2 資料「森のともだち」について話し合う。
気になったところやみんなで話し合
いたいと思ったことはありますか。
・どうしてこんきちは,乱暴なの。
・森の動物たちは,なぜこんきちを助け
たのだろう。
るようにする。
・場面絵を生かし,場面ごとに資料の内容
を押さえながら提示する。
・こんきちが泣いたのはどんな気持ちか
らかな。
・心情メーターで自分の考えを示し,ネー
森の動物たちは,どんなことを相談
したのでしょう。
・いつも乱暴されているから,助けたく
ないなあ。
ムプレートを貼らせ,発言を類別してい
く。
・おおかみがこわいなあ。
・いつも乱暴をされているこんきちを,自
・迷うなあ,どうしよう。
分も襲われるかもしれないのに,助けら
・このままでは,危ない。
れるか揺さぶり,話合いを深める。
・同じ森に住む仲間だから助けよう。
・森の動物たちはどんな思いが強くなって
こんきちを助けたのかを補助発問し,自
分勝手なこんきちに相対する動物たち
の「助け合う心」に気付かせる。
こんきちはどんなことを思って大声
で泣き出したのでしょう。
・自分だけ逃げてはずかしい。
・ぼくのかわりにぴょん子ちゃんがけが
をしてしまった。
・今まで,乱暴してごめんなさい。
・謝罪の気持ちだけかを切り返しながら,
動物たちに助けられ森の仲間として受
け入れられるこんきちの感謝や安どの
気持ちに迫っていく。
・みんな助けてくれてありがとう。
・これからは仲よくしたい。
・友達っていいなあ。
こんきちの気持ちを変えたのは,
森の
動物たちのどんな気持ちや考えからな
のでしょう。
・森の動物たちの優しさ。
困っている相手を心配し,友達として受
・友だちのことを大切に思う気持ち。
け入れることは,友達を変える力にもな
・力を合わせると大きな力になる。
るという,仲よく助け合うことの大切さ
・困っているときは,お互い様で助け合
や友達のよさについて考えを深めさせ
うこと。
3 自分を振り返り,感想を書く。
・こんきちの心の動きに十分ふれた上で,
・困っている友達を心配する気持ち。
・友だちの気持ちをよく考えて,助け合
っていきたい。
・助け合える友達っていいなあ。
たい。
・書く活動を通して,ねらいに関わる自分
の経験と重ねさせ,自分を見つめさせ
る。
〈評価〉
自分の経験と重ねて,友達同士,仲良く,助け合っていこうとする気持ちを発言したり,シートに書いたりしている。
(3) 事後指導
本時のねらいに関わる子どもの望ましい行動,言動が見られたときには,賞賛したり,帰りの会で教師が紹介したりする。
また,
「あたたかいこころコーナー」に,友だち助け合ったことを掲示していく。
道徳資料分析表
ねらい
第2学年2組
資料名「森の友だち」(「どうとく2
みんな
たのしく」秋田県版:東京書籍)
森の友達の行動やこんきちの心の動きについて話し合うことを通して,友達と仲よく助け合おうとする心情を育てる。
資料の主な場面
登場人物の心の動き
子どもの心の動き
○子どもの問題意識
価値
主な発問
こんきちが森へ引っ越して
来た。わがままで乱暴者のこん
きちの姿を見ると,みんな逃げ
てしまうようになった。
〈森の動物たち〉
・わがままだなあ。
・いやだな。
・こわいよ。
・こんなの友だちじゃない。
・森の動物たちは仲よくし
たいと思っているのに
・こんきちは乱暴だ。
○どうしてこんきちは,乱
暴なの。
・森の動物たちは,
こんきちのことを
どう思っていたの
でしょう。
おおかみがやって来て,こん
きちが,捕まってしまう。する
と,森の動物たちが,おおかみ
に立ち向かい,そのすきにこん
きちは逃げることができた。
〈森の動物たち〉
・おおかみはこわい。どうしよう。
・いつも乱暴だから助けない。
・かわいそう
・仲間だから助けよう
・森の動物たちは,こんき
ちのために協力して助
けてすごい。
・こんきちが一人だけ逃げ
るのはよくない。
○森の動物たちは,どうし
て乱暴者のこんきちを
助けたの。
・森の動物たちは,
どうして乱暴者の
こんきちを助けた
のでしょう。
今度はうさぎのぴょん子が
つかまる。森の外れまで逃げた
こんきちは,ふと,みんなのこ
とを思い,自分のことだけを考
えてはずかしくなった
〈こんきち〉
・助かった。
・ここまで来れば大丈夫。
・みんなどうしているかな。
・自分だけ逃げてきちゃった。
・こんきちは森の動物たち
のことを心配し始めた
んだ。
○こんきちは,どんなこと
を考えてはずかしくな
ったのだろう。
こんきちはぴょん子たちの
もとに戻り,
「ごめんよ。
」と言
いながら,大声で泣き出す。
〈こんきち〉
・今まで乱暴してごめんね。もう乱暴
なことはしないよ。
・ぼくの代わりにぴょん子ちゃんがけ
がをしてしまった。
・自分だけ逃げてはずかしい。
・みんな,助けてくれてありがとう。
・これからは仲よくしたい。
・友だちっていいなあ。
・こんきちも森の動物たち
に助けられて友達のよ
さに気が付いたんだ。
・きっとこれからは仲よく
できると思う。
○こんきちが泣いたのは
どうしてだろう。
勇
気
思いやり
親切
友情・信頼
助け合い
・こんきちは,どん
なことを思って,
大声で泣き出し
たのでしょう。
・こんきちは,どん
なことを思って,
大 声で 泣き 出し
たのでしょう。
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