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スライド 1 - BOPビジネス支援センター

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スライド 1 - BOPビジネス支援センター
国際機関との連携方策について
国際移住機関(IOM)によるソマリアの緊急援助における
日本ポリグルとパナソニックとの官民連携事業
国際機関からの視点
国際移住機関(IOM)ソマリア事務所
保健衛生事業コーディネーター
伊藤 千顕
1
国際移住機関(IOM)とは
• 世界的な人の移動(移住)の問題を専門に扱う国際機関。
– 1951年に設立。149の加盟国、世界約470の事務所、職員数は約7,800人。
– 国連と密接に関係する、国連ではない国際機関。
• 主な業務は、移民個人への直接支援から関係国への技
術支援、移住問題に関する地域協力の促進など。
• ソマリアではソマリア政府の能力開発、緊急援助、国境警
備の強化、保健・衛生事業等を行っている。
2
ソマリア
• 「アフリカの角」。人口約900万人。イスラム教国。
• イスラム過激派、部族、隣国との戦争・紛争など
により21年間無政府状態(2012年にようやく
正式な政府が樹立)。
• 遊牧民、避難民、難民、在外ソマリア人など移
住・移動している人口が特に多い国。
• 海賊、貧困、性差別等の深刻な社会問題。
• 5歳未満の子供の死亡率が世界一高い。
• ほぼすべての社会・経済指標において最低水準。
• インフラは壊滅的状態で公共サービスが皆無。
そのため、民間企業が多くの社会サービスを提
供している。国民はほぼすべてのサービスを買
わなくてはいけない。
長い間、過酷な状況を生き抜いた国民。
忍耐強く、商才に長ける。
3
ソマリアにおける2011年の干ばつ
• 深刻な干ばつ(過去60年で最悪)により、飢餓が発
生。約370万人(全人口の4割強)が危機的状況に
おかれる。
• 食料や水などを求め約130万人の人々が国内避難
民(国境を越えない避難民)となる。
• 国内避難民の多くは、安全でない水を飲んだことに
よるコレラ等の感染症により多くの被害を受ける。
(特に子供)
• 治安の悪化に地域社会の荒廃に伴い避難民の女
性への性暴力が増加。(特に夜間)
IOMが支援する国内避難民にとっての重要な課題:
1)安全な水へのアクセスと衛生状態の改善
2)夜間の性暴力の防止
4
ソマリアの国内避難民
5
日本ポリグルとの水・衛生プロジェクト
目的:水・衛生状態に関連する感染症を減らす
1.
2.
3.
4.
5.
ポリグルを使用した安全な水の供給
水・衛生問題に関する裨益者の意識改革
水・衛生問題の専門家の研修
政府、国連機関、NGOとの連携
水質・衛生知識の調査
6
パナソニックとの性暴力防止プロジェクト
目的:避難民キャンプの性暴力を防止する
1.
2.
3.
4.
パナソニックのソーラーランタンの配布
性暴力に関する住民の意識改革
疫学調査による費用対効果の測定
政府、国連機関、NGOとの連携
7
日本ポリグルとのプロジェクトの経緯と予定
年月日
主な活動
2011年10月
IOMが日本ポリグルへ連絡・相談
2011年11月
現地での調整、技術研修、JICAを含め資金援助探し
2012年1月
JICAの資金援助により約5千名を対象とした事業を開始(パイロット)
2012年3月
外務省の資金援助で約5万人へ拡大(第1フェーズ)
2013年6月
同省とフランス政府の資金援助で約12万人へ拡大(第2フェーズ)
10地域34箇所
2014年(予定)
約30万人に拡大(第3フェーズ)
ソマリアの民間企業との連携を強化
2015年(予定)
約50万人に拡大(第4フェーズ)
一部の地域で住民より料金の徴収を開始。
資金援助を減らし、ソマリアの民間企業・政府からの投資を増やす。
2016年(予定)
100万人規模に拡大(第5フェーズ)
IOMが撤退し援助なしで、事業化。
計画:約3年で市場を形成し、約5年で商業化。
8
官民連携(日本ポリグルの事例)(1)
資金
プロジェクト
管理・実施能力
地元の情報・
ネットワーク
技術・製品
機動力
BOP
ビジネス
の知識
ドナー(日本政府等)
○
×
○
×
×
△
IOM
×
○
○
×
○
×
日本ポリグル
△
△
×
○
○
○
実施国での
地元のNGOや行政機関
×
○
○
×
○
△
1. 各々の長所と短所を補完しあう(どの機関もすべてのリソースを持ち
合わせていない)。
2. 段階(フェーズ)ごとの適切な組み合わせが重要。
9
官民連携 (日本ポリグルの事例)(2)
日本
ポリグル
日本政府
情報共有
技術・製品提供
資金援助
IOM
プロジェクトの立ち上げ、管理、評価等
現地のNGO
国連機関
ソマリア政府・行政
プロジェクトの実施=安全な水の市場の開拓
国内避難民
隣接
コミュニティ
10
まとめ:国際機関からの視点(1)
• 国際機関にとってのBOPビジネスが発展するメリット:
– 持続性、雇用の創出、地元の民間企業の活性化
• 加盟国により成り立つ公的機関なため、定められた規定に則り調達しなけ
ればならない。(特定の企業を優遇することはできない。)
1. 比較優位性(価格、技術、耐久性等)があるか。
2. 文化的、政治的、宗教的に地元・裨益者に受け入れられるか。
3. 最も必要としている人が最も恩恵を受けれるか。
4. 持続性があるか。
5. その国の開発政策に合致しているか。
6. 他国でも導入した実績はあるか。
7. 科学的エビデンスはあるか。
8. 製品や技術を導入することで悪影響はないか(Do No Harm)。
9. ソーシャルビジネスに関して企業側に理解があるか。
11
まとめ:国際機関からの視点(2)
•
ソマリアでの経験から
1. 誰でも使える技術・製品(できればわかりやすい・見えやすいものがよい)。
2. 高価で維持が必要な機械や施設の導入はむずかしい(不可能ではない)。
3. 技術や製品は手段。目的は最も困っている人の生活や健康状態の向上。
4. 技術や製品をプロジェクトに落とし込まないといけない。
5. 資金探し、現地の調整、市場の拡大が不可欠。
6. 最初のフェーズ(プロジェクトの立ち上げ)が非常に大切。
•
ソマリアのような大変な国で日本企業が敢えて進出する意義は?
1. 日本の技術や製品は厳しいで環境であればあるほどその真価が発揮される場合
が多い。逆にそういう状況でないと、模倣品や価格で比較優位性を得る事はむずか
しい場合もある。
• ポリグル:水が濁っていれば濁っているほど効果を発揮する。
• パナソニックのソーラーランタン:製品の耐久性が他社製品に比べて顕著。
2. 世界中どこでも、日本の技術・製品のブランド力・信頼度は高い。(受け入れられや
すい。)
3. 世界に紹介されていない技術が多く眠っている。(特に中小企業)
12
連絡先
国際移住機関(IOM)ソマリア事務所
保健衛生事業コーディネーター
伊藤 千顕
メール [email protected]
Chiaki Ito, PhD
Health Programme Coordinator
International Organization for Migration (IOM)
Email: [email protected]
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