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学部むけガイダンス資料(2010年4月7日)

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学部むけガイダンス資料(2010年4月7日)
原子核理論
2010. 4. 6 ガイダンス
原子核構造
(ハドロン物理(初田、平野))
メンバー (現在)
大塚孝治
助教 清水則孝
ポスドク Lu Guo、阿部喬、石井理修
D3.5
D3
D2
D1
M2
M1
Liu (国費留学生、10月入学、修士まで北京大学)
内野、月山(学振)
野村(学振) H20年度理学系学修奨励賞
角田(学振) H21年度理学系学修奨励賞
永井、井澗
角田
共同研究者
国内他大学、研究所
国外
原子核の構造と反応の理論
その面白さを一言で言えば、
原子核の構造理論とは?
原子核は陽子と中性子の集まり
要素
2種類(電子系は1種類)
核力と呼ばれる力で塊りになっている
スピンにも強く依存、距離の関数としても複雑
テンソル力、3体力などの豊かな内容
力
核力は中間子交換+クォーク多体系
核力自身が研究の対象
温度ゼロの有限量子系
力や要素の複雑さからは想像のつかない単純で美しい構造
魔法数、回転バンド、振動モード
実際の核子間のポテンシャル
2個の核子の組む量子数
(合成スピン、
合成全角運動量など)
によって変わる
スピンと無関係な
クーロン力などと
全然違う
1S
0
大学院原子核物理 講談社サイエンティフィク 玉垣良三
Spin singlet (S=0) 2S+1=1
L = 0 (S)
J=0
Graphical Image of NN force
Image Bank (ph004), School of Science, University of Tokyo
このような核力からどういう単純さ、規則性、美が
うまれてくるのだろうか?
どういう理論で
それが示せるだろうか?
原図作成:W. Nazarewicz氏
ミクロな世界の階層構造
構造論
Guo
(PD)
Bridges
他の多体系
BEC
内野(D3)
初田研
数個の核子
平野研
格子QCD
石井
(PD)
第一原理計算
月山 阿部 Liu
(D3) (PD) (D3.5)
核力(角田、D1)
さらに大きな系
平均場+ボゾン模型(野村、D2)
M2
陽子
中性子
原子核の
量子多体問題
形の運動
三角形の原子核: 炭素14
α
α
α
原子核は球か楕円
その上に表面波
初めて三角形の
原子核
中性子の密度分布
反応論
0
量子多体系同士の反応を量子力学で追
う
他の分野では出来ないし、やらない
岩田(OB, 現在ドイツ)
10
20
30
2つの原子核が衝突して融合
1つの原子核が自然に分裂
(多体問題として最も難しい)
40
208Pb
時間発展
238U
208Pb
+ 238U collisions
Impact parameter 9.2 fm
Bombarding energy
Time step 45fm/c
5.0MeV/A (0.2 C)
不安定核、天体核物理
核図表と主要な研究課題
存在が実験で確認
された不安定核
安定核以外は不安定核
安定核
極めて短寿命
→加速器で作る
エキゾチックな性質
地球上の原子核
RIBFの到達領域
陽子数(元素の種類)
理論予想
超新星爆発で生成される
不安定核の道筋(理論的予想)
⇒ Rプロセス
研究課題:
1.陽子数と中性子数のアンバランスからくる新しい量子構造
中性子ハロー、魔法数の消滅と出現、...
エキゾチックな「核物性」の探求
中性子数(同位元素の種類)
宇宙の初めに出来るのは
ごく軽い原子核だけ
2.超新星爆発などによる物質創成の道筋
ビッグバンなどの初期宇宙段階でできるのはごく軽い
元素。天体では不安定核どうしの反応が沢山起こる。
実験室で星の中での核反応を再現
3.新元素や物質存在限界の探求
超重元素の発見、未知の安定領域の探索、...
現代の錬金術
1 フェムトメートル=10-15 m
研究の副産物
金のような鉄より重い元素は宇宙のどこで、いつ出来たのでしょうか?
これは未だに謎であり、21世紀の課題です
米国 全米科学アカデミー 2002年4月米国議会(下院)への報告
- 21世紀に解決すべき科学上の11大問題 -
鉄からウランに至る重い元素はいかにして造られたか?
(How were the heavy elements from iron to uranium made?)
ダークマター、ダークエナジーの次に取り上げられた
Discover 誌
2002年2月号
星の爆発 ⇒ 原子核、中性子、ニュートリノなどがぶつかり合って、
地球上にはない、不安定な原子核が一時的に大量に生成される。
(錬金術)
⇒ 不安定な原子核の性質や反応が分からないと、どこでど
のようにできたのか分からない
原子核物理学の現代的課題
厳しい国際競争(ドイツ、フランス、アメリカ)
原子核の魔法数の不思議
魔法数は定数である、
という考え(1949年)
魔法数に関する
最近の考え
(核力の特徴で変わる)
理化学研究所広報誌 RIKEN RESEARCH
2007年2月号より
原子核の構造と反応の理論
その面白さを一言で言えば、
核力 未だに未知の力
量子多体問題
二重苦 =二重の楽しみ
今後: 不安定核に於ける核力の知られざる効果の探求
力づくで大きな計算をすればいい、というものではない
大きな計算は重要な方法の一つ
特に今は
3体力と原子核の存在限界
原子核、素粒子、宇宙に関係
原子核・素粒子に関する入門的な本の輪講
候補は Nuclear Physics in a Nutshell
概念中心の入門的な本
量子論や相対論が実際にどう使われるか
最近の研究室の活動のやさしい紹介
希望があれば、簡単な計算など
部屋: 1号館3F 316号室
表札に原子核センター長室
中にいればいつでもOK(密談中を除く)
メールか電話でアポもOK
メール otsuka@phys. u-tokyo.ac.jp
(物理のHPで見られるもの)
研究室は910号室とその向かいの部屋
追加情報
研究室の実績と現在の活動
1.相互作用するボソン模型
有馬(元総長、元文相)と
2. 殻模型による核構造
モンテカルロ殻模型 我々が提案、発展
以前には解けなかった大きなシステムの固有値問題
多体系の構造を核力から決める(構造解明から二重ベータ崩壊など)
3.不安定核の構造と反応
○テンソル力や3体力の効果を発見(記者発表、理学系にも掲示)
魔法数の変化が起こることを初めて示した
○ 中性子ハローで原子核のサイズが拡がっても、融合断面積は
増えないことを時間依存HFで初めて示した
○ ニュートリノと原子核の反応で励起された核からの粒子発生と
超新星爆発での元素合成の関係、天体物理との研究ネットワーク
4.粒子運動とクラスター
○ 三角形の原子核があることを初めて示した
5.カオスと対称性
「ランダム相互作用の基底状態」問題を解決? 究極のカオスと規則性
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