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天体核物理学
天体核物理学 1 元素、原子、原子核 本林 透(理研仁科加速器研究センター) [email protected] 2 宇宙での核現象 3 宇宙での核現象2、核反応率とガモフのピーク 4 共鳴状態と連続状態 5 元素合成と星の進化 6 爆発的元素合成と不安定原子核 7 ビックバン元素合成、超新星爆発と r 過程 8 RI ビームによる天体核反応研究 9 太陽ニュートリノ問題と 7Be(p,γ) 反応 10 クーロン分解法 11 ANC 法、「トロイの木馬」法 12 まとめ http://rarfaxp.riken.go.jp/~motobaya/lectures/nuclastro/2007.html 2007 立教 nuclear burning in the universe s-process Kratz (2004) Big Bang 場所、時間、原子核 2007 立教 ビッグバン宇宙 最初は火の玉 - とんでもない温度 膨張する宇宙 - 冷えてくると … 原子核はいつどこで? 誕生100 秒後の宇宙 水素、ヘリウム、リチウム 輝く星の中心(10 億年後から) 鉄より軽い元素 星の末期、星の爆発 鉄より重い元素 「宇宙は大きな鍋 - 元素を煮ている」 2007 立教 Rolfs & Rodny 気体の温度 分子(粒子)が速い => 高温 分子(粒子)が遅い => 低温 宇宙の原子、原子核 高速の衝突 => こわれる 低速の衝突 => 何も起きない 程々の衝突 => 融合が起きる 高温 低温 ビッグバン後 膨張する / 温度がどんどん下がる 原子核ができる(融合) 100 秒くらい => 原子 => 分子 => … => 星 2007 立教 宇宙の歴史 温度 宇宙の膨張と平均温度 クォーク => ハドロン 陽子、中性子 原子核(初期宇宙) 原子 銀河 原子核燃焼 (恒星) ? 2007 ビッグバン 立教 現在 ~140 億年 時間 星は輝く エネルギー源は原子核の融合(燃焼) 「燃える」 材料、温度、酸素 - 原子・分子の現象 原子核も燃える 核融合は発熱反応 人工の太陽はいつ? 融合すれば元素が合成 水素 - ヘリウム - 炭素 - 硅素 - 鉄 (鉄以上はできない) 2007 立教 星の進化 重力でガスが圧縮されて温度が上がる 水素が「燃え」る ヘリウムが「燃え」る 炭素が「燃え」る ……… 太陽 kT ~ 1 keV 2007 光の放射と重力がつりあう 立教 星には寿命が … 燃料が燃え尽きれば ….. 灰に火が付くことも …. 大きい星は太く短く、小さい星は細く長く 我らが太陽は比較的小さいほう 水素(3/4)=> ヘリウム(1/4) 大きい星の断末魔は 超新星爆発 小柴さんにニュートリノをプレゼント 大量の中性子 => 重い元素 2007 立教 Arnould & Takahashi, 1999 2007 立教 超新星爆発 鉄の星(芯)になってしまうと もう燃えない 重力が勝つ => つぶれる(爆縮) あまりつぶれると反発 => 爆発へ 中性子が発生し原子核に吸収 => 重い元素 2007 立教 陽子、中性子は「固い」ので .. 2007 立教 超新星爆発 2007 立教 原子核燃焼の研究 人工の太陽を作れないか? 核融合炉ができれば ….. それが無理なら地道に 融合反応を一つづつ調べる 加速器で原子核を衝突させる 理研に世界一の装置 爆発的元素合成の解明へ 2007 立教 核反応率 単位時間、単位体積あたりの融合反応の数 = 密度×密度×核反応率 核反応率:断面積×速度の平均(<= 温度) マックスウェル・ボルツマン分布 ガモフのピーク - 共鳴が無ければ T = 1.5 x 107 K(太陽) ⇒kT = 1.3 keV EG = 20 keV 断面積 <= トンネル効果 c.f. 300 K - 25 meV astrophysical S-factor ~ constant v.s. E 2007 立教 2007 立教 Gamow peak for the first time ! by LUNA collaboration 2007 立教 2007 立教 人は太陽に勝ったか? 人工の太陽 - 核融合炉 温度 密度 核融合炉(JT60) 5 億度 1 億分の 1 度 太陽の重力閉じ込めは偉大 2007 立教 太陽 1,500 万度 100 g/cm3