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RDX® 映画館へのデジタルシネマデータ輸送に 故障しにくい RDX を活用
CASE STUDY 導入事例 リムーバブル ハードディスク ストレージシステム RDX® 映画館へのデジタルシネマデータ輸送に 故障しにくい RDX を活用 事業の信頼性と生産性が向上 株式会社キュー・テック http://www.qtec.ne.jp/ 所 在 地 東京都港区赤坂六丁目 14 番 15 号 設 1989 年 立 事業内容 映像の企画制作・編集、各種オーサリング、デジタルシネマ、3D 映像撮影・編集・変換 などを手がけるポストプロダクション 導入前の課題 ・デジタルシネマデータの輸送に用いるハードディスクの故 障に起因するデータ読み込みトラブルが発生し、映画館か らのクレームが起きていた ・USB 外付けハードディスクケースと作業用 PC 間の接続 の切り替えが面倒 導入の 経緯 デジタルシネマデータはハードディスクで 映画館へ配布される キュー・テックは、映像の企画制作・編集、DVD、Blu-ray、 導入効果 ・データが読み込めないというクレームが激減し、1 年の使 用でハードウェアのトラブルがゼロに ・作業現場ではドッキングステーションを用いてカートリッ ジを抜き差しするだけで作業でき効率アップ を送付する際には、USB 接続の外付けハードディスクドライブ にパッケージデータを格納し、一般的な宅配便などで配送され ている。データは暗号化されており、暗号解除用の鍵は別途現 地の担当者へ送られる。 』 Blu-ray 3D、VOD など各種オーサリング、映画フィルムのスキャ ンやデジタルリマスタリングなどのほか、3D 映像撮影・編集、 2D-3D 変換など幅広く手がける、総合ポストプロダクション である。中でもアニメ事業に強く、全国で週に 100 本ほど放 導入 プロセス 振動に弱いハードディスク データ破損がクレームに発展することも 映されているアニメ作品のうち約 3 割ほどの編集を手がけて しかし、この手法には大きな課題があった。そもそも一般的 いるという。 なハードディスクドライブは輸送を前提とした作りになってい 同社が 2009 年ごろから注力しているのが、デジタルシネマ ないため、衝撃に弱く壊れやすいのだ。現状、ハードディス 関連事業だ。旧来、映画館ではフィルムを用いて上映していた クドライブは、一ヶ月 1 回くらいのペースで映画館に送られ、 が、最近はデジタルデータを用いるのが一般的になっている。 キュー・テックへ返送されてくる。従来は、一般的な 3.5 イン キュー・テックでは、フィルム映像をデータ化するテレシネ / チのハードディスクドライブを USB 外付けケースに組み込んで フィルムスキャンを始めとした、「徹底したカラーマネジメン 使用していたが、数回使えばデータが読み取れない状態になる トの追求」というコンセプトでデジタルインターミディエイト 場合もあった。キュー・テックでは、常時 100 ~ 150 台ほど サービスを提供しているとともに、デジタルシネマデータの作 のハードディスクを各地の映画館とやり取りしており、ハード 成および複製を行い、全国各地の映画館に送付する。 ディスクドライブの台数確保によるコストが問題視されていた。 『デジタルシネマのデータは、米国の標準化団体 DCI が規定 第 1 映像部 カラーワークスグループ マネージャー 木原裕司 した仕様に則って作成され、映画 1 本でだいたい 100GB ~ 氏は、ハードディスクのコスト以上に問題なのは、故障に起因 200GB 程度の大きなサイズになる。そのため映画館へデータ するトラブルが信用問題へとつながることだとも述べる。 「配給の状況によっては、ある映画館からほかの映画館にハー ドディスクが送られるケースもありますが、2 つ目の映画館で エラーが発生する場合も少なくありません。20 台送って 3 台 株式会社キュー・テック 第 1 映像部 カラーワークスグループ 壊れていたこともありました。もちろんクレームに発展し、大 マネージャー 木原 裕司 様 慌てでサポートすることになります。また最近ではデータ作成 から上映までの期間が短くなりがちで、特に再配送に時間がか かる遠方ではトラブルは許されません。トラブル回避の為、空 輸と陸送で 2 台のハードディスクドライブを送ったこともあ りました。このような場合、作業増によるスタッフへの負担や 今後の展開 トータルコストを考慮すれば リーズナブルな RDX 無事に上映できるかという心理的なストレスもバカにはできま もちろんキュー・テックの活用方法の場合、RDX のカート せん。」(木原氏) リッジのほかにドッキングステーションも同数揃える必要があ そこで木原氏が出会ったのが、リムーバブルハードディスク るため、 一般的なハードディスクよりも初期投資は高額になる。 ストレージ「RDX」シリーズである。 しかしそれでも、耐久性や運用負荷の軽減を考慮すれば、十分 にリーズナブルだと木原氏は分析する。 導入効果 「各映画館にドッキングステーションが普及すれば、小さな 1 年間でトラブルなし カートリッジのやり取りで済むので輸送も楽になりますし、よ 生産性と信頼性が向上 り一層便利になるでしょうね。ただ、小さな映画館もあります もともと RDX は、読み書きが遅く高額なテープドライブに ので、ハードウェアの購入を負担してもらうことはできません 代わって、パフォーマンスや信頼性の高いバックアップメディ が、RDX が映画配給のデファクトスタンダードになってくれ アとして注目されていた。数々の特徴の中で木原氏が目を付け ればと感じています。 」 たのは、衝撃に強い 2.5 インチハードディスクと耐振動構造の 2014 年の春には RDX をさらに追加購入し、特にミッショ カートリッジ方式を採用しているため、1 メートルの高さから ンクリティカルなデータ送付を中心に RDX とドッキングス 落としてもデータが破損しにくいという点だ。 テーションを運用している。実は、従来のハードディスクがま 「壊れにくいという点に非常に魅力に感じたため、すぐに入手 だ数十台残っており、木原氏は、これらをすべて RDX に切り してテストしてみました。データ作成の現場でも、USB 3.0 で 替えていきたいと語る。 PC と接続できるため非常に高速で、カートリッジを抜き差し 「今後、 ネットワークを通じた配信技術も進化していくでしょ するだけで使えるため、外付けハードディスクとしても優秀で う。しかし、様々な理由で配信に対応できない映画館が出てく す。 これまでは、映画館とのやり取りに使うハードディスクケー ることも予想されます。また、これから私たちが注力していき スを、作業のたびにドライバーで解体していたんですよ。 」 (木 たい分野の一つである海外の映画作品は、吹き替え音声や字幕 原氏) のデータを追加するためデータ容量が大きくなりがちですし、 木原氏は、RDX を何度かデータの送付に用いてテストして デジタルシネマが 4K へ移行していくことでもデータ容量が増 みたが、まったく故障は発生しなかった。ドッキングステーショ えていくことが予想されます。このようなことを考慮すると、 ンといっしょに輸送すれば、従来のハードディスクと変わらず、 こうしたメディアによる配布がなくなることはないのでは?と 映画館側も操作に困ることはない。RDX の輸送用に専用のボッ 思われます。 クスも製作し、初めて使用する映画館の作業者にも分かり易く このようにデジタルシネマのデータは今後も、信頼できる媒 なるよう工夫している。 体で搬送できることが重要になると思います。 キュー・テックでは、2013 年秋ごろから本格的な RDX の RDX の 耐 久 性 は 当 運用を開始しているが、これまでハードディスクの故障に由来 社の信頼性でもあり したトラブルやクレームは、いっさい発生していないそうだ。 ま す。RDX を 活 用 し クレームが無くなりスタッフらの負担も大幅に削減でき、スト て、いっそうの事業拡 レスを感じることなく本来の作業に集中できるほか、カート 大を目指したいと考 リッジ式で使いやすいために満足度は高いという。 えています。 (木原氏) 」 フリーコール ●〈Imation〉〈Imation ロゴ〉は、Imation 社の商標です。 ● その他、記載されている会社名、製品名等は各社の登録商標または商標です。 90991-Q 2014 年 11 月発行