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単一システムのバックアップの簡素化

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単一システムのバックアップの簡素化
単一システムのバックアップの簡素化
HP StorageWorks RDX Removable Disk Backup System の使用
目次
要旨................................................................................................................................................. 2
テクノロジ概要 ................................................................................................................................... 3
位置付け .......................................................................................................................................... 3
HP StorageWorks RDX Removable Disk Backup System ........................................................................... 4
RDX テクノロジ................................................................................................................................ 4
堅牢なメディア................................................................................................................................ 4
シンプルなドックのインストール ......................................................................................................... 5
下位互換性と上位互換性................................................................................................................. 5
HP StorageWorks RDX Continuous Data Protection Software.................................................................... 6
典型的な使用モデル......................................................................................................................... 15
HP StorageWorks RDX Continuous Data Protection Software を使用した
2 台のカートリッジのローテーション ............................................................................................. 15
既存のバックアップ アプリケーション................................................................................................ 18
1 台の RDX カートリッジへのシンプルなドラッグアンドドロップ ............................................................... 18
ファイルのリカバリ ............................................................................................................................ 19
システムのリカバリ(ベアメタルリカバリ) ................................................................................................ 19
互換性 ........................................................................................................................................... 20
OS のサポート.......................................................................................................................... 20
バックアップソフトウェアのサポート ............................................................................................... 20
よくある質問 .................................................................................................................................... 21
まとめ............................................................................................................................................. 22
付録............................................................................................................................................... 22
モデル ........................................................................................................................................ 22
メディア ....................................................................................................................................... 22
仕様 ........................................................................................................................................... 23
関連情報 ........................................................................................................................................ 24
要旨
使いやすい実用的なバックアップソリューションを実装するための十分な時間、予算、専門知識が不足
している小規模企業や個人企業にとって、従来のサーバやワークステーションのバックアップは不便な
場合があります。
HP StorageWorks RDX Removable Disk Backup Systemがこの問題を解決します。このシステムは、
テープ機能の長所(リムーバブルメディア、ポータブルメディア、耐久メディアに対応)とディスク機能の長
所(高速なランダムアクセスおよび容量の急速な増加に対応)に、汎用のUSB接続のシンプルさを組み
合わせたものです。
この製品に付属しているHP StorageWorks RDX Continuous Data Protection Softwareは、ディスクの
スナップショット、CDP (連続的なデータ保護)、ファイルのリビジョン管理、ベアメタルリカバリ、シンプル
なメディア管理といった業界最先端の数々の機能を簡単に実装できる使いやすいパッケージにして提
供します。
日本向けには320GBのモデルは未販売、500GBのモデルを販売
このホワイトペーパーでは、RDXテクノロジとそのしくみについて説明し、推奨される典型的な使用モデ
ルの例を示します。
2
テクノロジ概要
小規模企業や個人事業主にとって、シンプルで信頼性の高い手ごろな価格のデータ保護テクノロジは、
常にわかりにくいものとして捉えられており、このことはかなり以前から問題となっています。光磁気、
zip、LS120などの数多くのテクノロジが次々と登場し、「理想の」バックアップメディアとして喧伝されて
きましたが、いずれの技術もハードディスクの容量を上回ることなく、どのフォーマットでも欠陥が伴うた
め、これらのテクノロジはいずれも定着していません。ただし、テープは常にこの例外となっています。
テープのパフォーマンスと容量は、過去数十年にわたり、ディスクと歩調を合わせて向上を続けていま
す。法的要件を満たすために、「ベストプラクティスとしての」メディアローテーション方式や、費用対効
果の高い耐久性のあるアーカイブ手段といった、高度なバックアップ要件を必要とする企業にとって、メ
ディアのポータビリティと堅牢性を兼ね備えたテープは依然として強力な選択肢の1つなのです。こうし
た企業は、テープの使用を継続することによって、既存のテープメディア資産を保護し、低い所有コスト
というメリットと、HPが提供する実績のある信頼性を得ることができます。
小規模企業や個人企業のユーザーは、オンサイトまたはオフサイトでのシンプルなバックアップロー
テーションで、年度末のアーカイブ作業、ディザスタリカバリ、自宅からオフィスへのデータ転送、および
オフィスからクライアントへのデータ転送を実行できるものを必要としています。HP RDXは、2台または
3台のカートリッジによるローテーションによって、こうした使用モデルに最適な費用対効果の高いソ
リューションを提供します。
もし複数のカートリッジによるローテーション、耐久性のある大容量のアーカイブを目的とされるのであ
れば、テープメディアとRDXディスクカートリッジ4台または5台と比較の場合、HP DATのほうが経済的
な選択肢となりますのでテープメディアをお勧めします。
小規模企業や個人企業では、データストレージへの要求が増加し、現行のバックアップ プロセスでは
満たすことができない保護のニーズが高まりつつありますが、こうした企業では、データバックアップ専
用の機器を備えておらず、確固としたバックアップ手順を確立できていないのが現状です。CDやDVD
へのバックアップに容量的な制約を感じていたり、外付けUSBドライブへのバックアップにセキュリティ
上の不安を感じている場合もあります。このようなお客様に対して、RDX Removable Backup Systemは、
より優れたディスクバックアップの容量とパフォーマンスに加え、バックアップカートリッジをオフサイトで
保管できるというセキュリティも提供します。
ディスクとテープの機能の両方の利点を備え、かつ低コストで導入可能なHP StorageWorks RDX
Backup Systemには、HP StorageWorks RDX Continuous Data Protection Softwareが付属しています。
このソフトウェアは、インストール後にバックグラウンド サービスとして動作し、直ちにRDXへのシステム
のバックアップを開始します。ファイルが新しく作成、または修正されると、それらのファイルのバック
アップが自動的に行われます。これにより、データが切れ目なく総合的に保護され、個々のファイルま
たはシステム全体を以前の時点にまで戻すような修正も可能になります。現在は、過去24時間毎の状
態までシステムをリカバリできます。
位置付け
HP StorageWorks RDX Removable Disk Backup Systemは、ワークステーションおよびエントリレベル
サーバに適した使いやすく手ごろな価格のリムーバブルディスク バックアップソリューションです。
シンプルさ—RDX Removable Disk Backup SystemはUSBポートに接続できます。付属のバックアップソ
フトウェアを使用するか、またはファイルのドラッグアンドドロップによって、バックアップを行えます。
価値—手ごろな価格とスケーラビリティの両方を備えたシステムです。長寿命のカートリッジにより、メ
ディアの交換費用が最小限で済み、将来的に更に大容量なカートリッジが必要になっても、ドッキング
ステーションを交換する必要はありません。
セキュリティ—ポータビリティと耐久性の両方を兼ね備えたディスクカートリッジは、容易に取り外してオ
フサイトで保管することができるため、データの保護が強化されます。
単独のサーバまたはワークステーションのバックアップに最適であり、ユーザーは、現行のハードディス
クと同量またはそれ以上のサイズのカートリッジを選択し、ドックに挿入するだけで、後はソフトウェアが
処理を引き継ぎます。データのバックアップは、単にファイルを「ドラッグアンドドロップ」するか、あるい
はOSによってスケジュール設定されたコピー操作を通じて行うことができます。
3
HP StorageWorks RDX Removable Disk Backup System
RDX テクノロジ
RDXシステムは、データを業務用の耐久性の高いリムーバブルカートリッジに直接移動することによっ
てバックアップを実行します。記録メディアであるハードディスクドライブを長期間にわたって安全に保管
可能です。100GB超のデータを1時間でバックアップし、ファイルを数ミリ秒で取得します。
堅牢なメディア
RDXのメディアは業界標準の2.5インチディスクドライブで構成されています。このディスクドライブは、
480MB/秒のバースト転送速度機能を持つUSB-2インタフェースを通じて、30MB/秒のデータ転送速
度を持続できます。これにより、1時間あたり最大108GBのバックアップ速度が可能になります(ホスト
やデバイスドライバに依存します)。2.5インチSATAディスクドライブは、傾斜ローディングヘッド、流体軸
受、非アクティブ時の減速回転による信頼性の向上などの機能を備えています。こうした仕様は、通常
は、持ち運びの際の信頼性がきわめて重要であるラップトップコンピュータで使用されるものです。
2.5インチHDDは、耐久性が強化された、耐衝撃性のあるRDXカートリッジ空間内に収められています。
このカートリッジは、高さ1メートル(39.37インチ)からコンクリート床へ落としても損傷しないという落下
試験の要件を満たしています。カートリッジの材料は、静電放電(ESD)に対する保護を目的として開発さ
れた高強度のプラスチック配合物です。ドックとのインタフェースとなる、カートリッジの業界標準SATAコ
ネクタの着脱サイクルは、5,000を上回ります。これは1日あたり1サイクルとした場合、7年近くの使用
年数に相当します。
日本向けには320GBのモデルは未販売、500GBのモデルを販売
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シンプルなドックのインストール
RDXの内蔵および外付けドックはUSBプラグアンドプレイに対応しており、最近のあらゆるオペレーティ
ングシステムで直接検出されインストールされます。リムーバブルHDD (RHDD)デバイスとして、多数の
一般的なバックアップ アプリケーションと互換性があり、すぐに利用できます。インストールの際、既存
のバックアップ プロセスを複雑にしたり、システムに追加コストの発生する可能性のあるソフトウェア上
の変更は発生しません。ドックの着脱サイクルは10,000を超える仕様となっており、1日あたり1サイク
ルとすればその寿命は14年近くに達します。
下位互換性と上位互換性
次世代へのアップグレードの際、新しいドライブを購入し直す必要はありません。RDXのドックは、既存
および将来のあらゆるRDXカートリッジと下位および上位互換性があり、ほとんどのテクノロジと比べて
生産寿命がかなり長くなっています。RDXのメディアは業界標準の2.5インチHDDのため、ディスク容量
の向上がすぐにお使いのシステムで利用可能になります。将来、さらに大きな容量のRDXカートリッジ
が登場しても、現在のRDXドックで動作します。この製品では、今後年間単位で導入が予想される新し
い大容量カートリッジに対応するため、ハードディスクドライブ業界のモバイル向け2.5インチHDDの
ロードマップを利用しています。
図 1: 2.5 インチハードディスクの過去の容量と今後の容量増加予想
HDD容量(GB)
9.5mmフォームファクタ
12.5mmフォームファクタ
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HP StorageWorks RDX Continuous Data Protection
Software
付属のRDX Continuous Data Protection Softwareは、使いやすさを念頭に、ワークステーションおよび
サーバの完全なバックアップ保護を目的として設計されています。HP RDX Continuous Data
Protection Softwareの主な機能として、継続的データ保護、データ重複排除、ベアメタル復元、カート
リッジのローテーションとアーカイブのシームレスなサポート、シンプルなファイルリカバリ、あらゆるバッ
クアップの網羅(無制限のファイルバージョン、開いているファイル、アプリケーションデータのユーザー
設定、およびオペレーティングシステムが、すべて自動的にバックアップされます)、バックアップステー
タスの包括的な更新などがあります。
HP RDX Continuous Data Protection SoftwareのCDを挿入すると、すぐにエンドユーザー使用許諾契
約書が表示されます。承諾後、わずかな時間でソフトウェアがインストールされ、確認画面が表示され
ます。そして、カートリッジを挿入するよう促されます。
初めて空のRDXカートリッジを挿入すると、[新しいHP RDXカートリッジが検知されました]ダイアログが
表示されます。カートリッジにはデフォルトで<マシン名>と<日付>を組み合わせた名前が付けられます。
この名前は次のように変更することもできます。
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[いいえ]を選択した場合は、Windowsエクスプローラを通じてカートリッジをUSBディスクとして使用でき
ます(この設定と、カートリッジのシリアル番号が記録されます。以降、認識されたカートリッジを挿入し
ても、上記のダイアログボックスは表示されません)。[はい]を選択して[OK]をクリックすると、RDXソフト
ウェアによって少量の独自の管理情報がカートリッジに書き込まれます。最初のバックアップが開始さ
れます。
RDXソフトウェアでは、次に示すように、システムにインストールされているすべてのハードディスク上の
すべてのシステムデータが保護されます。
図 2: どちらのローカルハードディスクも RDX によって保護されます。
(注記: 両方のディスクと同量またはそれ以上の容量を持つカートリッジが必要になります。)
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初めてバックアップを行う際は、完了までに多少時間がかかることがあります。このときにベースとなる
リカバリポイントが作成されます。
最初のリカバリポイントは、システムの完全なスナップショットであり、システム全体のリカバリの基礎と
なります。以後、定期的に追加のリカバリポイントが作成されます。リカバリポイントの作成中に、
ExchangeやSQLなどのサービスのオープンファイル バックアップが実行されます。これらの追加のポ
イントには、最初のリカバリポイントの作成以降に発生したファイルシステムのブロックレベルのデータ
に対する変更のみが含まれます。以降のポイントにはそれぞれ、前回以降に発生した変更のみが格納
されるので、バックアップに要する時間が短縮され、カートリッジ容量が大幅に節約されます。そのため、
リカバリポイントはそれぞれ、1つ前のポイントに基づいて作成されます。つまり、特定のポイントインタ
イムリカバリは、最初のリカバリポイントを基礎としてシステムを再構築し、そのポイントの上に以降の
ポイントを層状に重ねる(いわば「巨人の肩の上に立つ」)ことによって実行されます。
リカバリポイントの作成の合間に、ユーザーがファイルを作成、編集、および保存すると、そのたびにそ
れらのファイルが自動的に保護されます。既存のバックアップデータが上書きされることは決してなく、
最新のデータのみがバックアップされます。
8
バックアップソフトウェアは、ファイルシステムへの書き込みを記録し、数分程度の短い遅延の後にRDX
にコピーするためにそれらの書き込みを照合します。この処理は、ディスクの「スラッシング」を減らし、
パフォーマンスを向上させるために行われます。全体の処理をまとめると次のようになります。
図 3: RDX Continuous Data Protection の処理
システムイメージ(最初のリカバリポイント)が
作成されます。
C:¥
短い遅延の後に、ディスクに保存された新し
いファイルがRDXにコピーされます。
C:¥
複数の新しいファイルが収集され、
短い遅延の後にRDXにコピーされます。
C:¥
C:¥
新しいリカバリポイントが定期的に
作成され、最初のシステムイメージ
に対する変更が含まれます。
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このように、ファイルが作成、編集、および保存されるたびに継続的にデータが保護されることによって、
ファイルのバージョン管理が可能になります。この機能により、右クリックするだけでファイルを以前の
バージョンに復元できるようになります。
図 4: 右クリックによる以前のバージョンの復元
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最初のリカバリポイントが作成されて以降は、ファイルバージョンの層と以降のリカバリポイントがRDX
カートリッジに書き込まれます。
図 5: RDX カートリッジに格納されるデータの層
管理情報(隠し属性)
C:¥
復元ポイント1(RP1) - システムの完全なスナップ
ショット。
ファイルセットA(FSA) - 1番目の復元ポイントが設定
されて以降に保存されたもの。
C:¥
RP2 (RP1+FSA) - 1番目の復元ポイント以降に発生
した変更だけが含まれます。
ファイルセットB - 2番目の復元ポイントが設定され
て以降に保存されたもの。
ファイルセットC - ファイルセットB以降に保存された
ファイル。
ファイルセットD - ファイルセットC以降に保存された
ファイル。
C:¥
RP3 (RP2+FS/B/C/D) - RP2以降に発生した変更
だけが含まれます。
これらの技術によって、最大量のデータが、最も容量効率の高い方法で保護されると同時に、データ重
複排除技術1を通じて、使用しているRDXの容量をさらに減らすことができます。データがホストから
RDXにコピーされると、ファイルシステム情報がいくつかの「チャンク(かたまり)」に分割されます。これら
は業界標準のアルゴリズムによって「ハッシュ処理」され、一意の電子署名が作成されます。これらの
ハッシュはバックアップ アプリケーションによって格納され、以降、送られてくるデータによって生成され
るハッシュと比較されます。2つのチャンクが同じハッシュを持つと判断された場合、それらのチャンクに
は同じデータが必ず含まれています。同じデータを2回格納する必要はないため、元のデータは、デー
タの新しいチャンクを指し示す「ポインタ」に置き換えられます。そして、元のデータが削除され、容量が
節約されます。ポインタは常に、データの最新のコピーを指し示しているので、整合性が保証されます。
重複排除は、ダウンタイム時に、個々のバックアップが完了した後に実行され、RDXメディア上の領域
が調整されます。重複排除が完了すると、バックアップされたデータも圧縮され、さらに容量が節約され
ます。
1
初回リリース時には単一ファイルのインスタンス化を利用できます。サブファイルの重複排除は 2008 年 9 月以降利用できます。
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当社のテストサーバのシステムディスクを使って、RAID 1ミラーを分割することによって、容量節約の可
能性を示す優れた例が示します。分割後、1台目のディスクが"C:¥"、2台目のディスクが"F:¥"となり、
それぞれにほぼ同一のデータが格納されています。
図 6: C:¥ドライブと F:¥ドライブ(それぞれ約 14.2GB)
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次に、HP StorageWorks RDX Removable Disk Backup Systemを使用して、このシステムを160GBの
RDXカートリッジに保護しました。両方のハードディスクの内容を単にRDXメディアにコピーした場合、
28.4GBを占有することになります。まったく同じ内容の重複排除を行い、残りを圧縮することによって、
図7に示す結果が得られました。
図 7: 重複排除と圧縮の結果
RDXメディア上で実際に使用されている容量は7.34GBのみで、元の総量である28.4GBから
21.06GB減少しています。
この例は2台のハードディスクにほぼ完全に同一のデータが格納されているという極端な場合であり、
実際の使用状況ではあまり起こらないことに注意してください。
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RDXカートリッジを使用すると、最終的に多数のリカバリポイントが格納され、図8に示すように、各カー
トリッジ上のリカバリポイントがソフトウェアによって追跡できます。
図 8: 格納されたリカバリポイントのインデックス
これにより、システム全体を以前の状態に復元するのに必要なリカバリポイントが格納されているカー
トリッジを、探すことができます。
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典型的な使用モデル
HP StorageWorks RDX Continuous Data Protection Software を使用し
た 2 台のカートリッジのローテーション
データを保護するための最もシンプルで信頼のおける方法は、付属のHP StorageWorks RDX
Continuous Data Protection Softwareを使用し、2台のRDXカートリッジを毎営業日交互に使用する方
法です。このシナリオでは、1台のカートリッジでシステムを保護しつつ、災害に備えて前日のシステム
をオフサイトに保管しておくことができます。各カートリッジを週に3回だけ使用し、それぞれに、最後に
使用された時点に設定された任意のリカバリポイントにまでシステムを完全に復元することができる、
完全なバックアップセットを格納します。また、この方法では重複排除と圧縮を組み合わせることによっ
て、どの時点においても単一のカートリッジに書き込まれるデータ量が半分になり、カートリッジ容量の
使用率を高めることができます。
このモデルを実装するには、次の手順を実行します。この例では、2台のカートリッジを「赤」と「青」と呼
ぶことにします。
『HP RDX Continuous Data Protectionソフトウェア クイックスタートガイド』に記載されている手順に
従って、1日目のバックアップを青のカートリッジ上に作成します。システムが終日にわたって保護され
ます。
その日の終わりに、トレイアイコンを右クリックし、[取出し]を選択します。
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RDXメディアへの残りの書き込みを完了する間の短い遅延の後に、カートリッジがドックから排出されま
す。これを、赤のカートリッジと交換します。塵やほこりから守るため、青のカートリッジをプラスチック
ケースに収め、自宅に持ち帰るか、火災や水害から守ることができる安全な場所に保管します。この手
順を、図9に示すように毎日繰り返します。
図 9: 「馬跳び」方式による RDX カートリッジのローテーション方法
1 日目
2 日目
3 日目
4 日目
5 日目
1日目を月曜日とした場合は、各営業日でバックアップを行い、赤のカートリッジを週末に使用して6日
目と7日目も同様にバックアップすることもできます。このような日単位でのカートリッジのローテーショ
ンによって、最大レベルの保護が実現します。仮に、カートリッジのローテーションを週単位で行ってい
たとすれば、災害によってアクティブなカートリッジが被害を受けた場合に、直近の週のデータが消失
する可能性があります。
ここで重要なことは、各カートリッジには初回使用時に最初のリカバリポイントが作成され(1日目は青に、
2日目は赤に作成されます)、以降のリカバリポイントとカートリッジへのバックアップは、そのカートリッ
ジの最初のリカバリポイントを基準として作成されることです。つまり、各カートリッジは自己完結した
バックアップセットであり、システムの完全なリカバリの実行に使用できる、ということです。この方式は、
週に1回完全なバックアップを必要とし、毎日複数のメディアに増分バックアップを必要とするような他
のソリューションとは異なります。そうしたソリューションでは、前週の完全なバックアップが格納されて
いるメディアが壊れた場合、毎日の増分はすべて、ほとんど役に立ちません。そうしたことが起こらない
HP StorageWorks RDX Removable Disk Backup Systemは、データを保護するための強力なツールと
なります。
このシンプルな使用モデルを拡張して、年度末に専用のカートリッジにアーカイブする作業を含めること
もできます。さらに、大量のデータをクライアントに転送するために浮動式カートリッジを使用することも
可能です。RDXテクノロジにはそうした柔軟性があります。
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カートリッジが時間を経て満杯になったら、RDX Continuous Data Protection Softwareの管理インタ
フェースを通じてカートリッジのアーカイブまたはリサイクルを行うことができます。
図 10: RDX カートリッジの管理
[アーカイブ]を選択すると、カートリッジが読み取り専用に設定されます。以降、HP StorageWorks RDX
Continuous Data Protection Softwareから新しいデータがこのメディアに書き込まれなくなります。[リサ
イクル]を選択すると、HP StorageWorks RDX Continuous Data Protection Softwareによる再利用が
できるようにメディアがフォーマットされます。
HP StorageWorks RDX Continuous Data Protection Softwareまたはその他のユーティリティによるメ
ディアの書き込みやフォーマットを防ぐため、カートリッジには物理的な書き込み保護タブが付いており、
それを設定することもできます。
必要とするデータ保護のレベルに応じて、容量の上限に達した時点でカートリッジをアーカイブし、新し
いものと交換することもできます。そうすることで、バックアップの完全な履歴を維持できます。カートリッ
ジのリサイクルは、バックアップサイクルの中でカートリッジを新しいものに交換し、新しいカートリッジで
最初のリカバリポイントの作成が完了した時点でのみ行うのが理想です。
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既存のバックアップ アプリケーション
HP Data Protector Expressなどの従来のバックアップ アプリケーションを使用してシステムを維持する
こともできます。数多くのバックアップ アプリケーションがRHDDデバイスと互換性があり、現在運用中
のバックアップ プロセスを複雑に変更することなく、既存の日常作業に統合できます。それらのアプリ
ケーションを使用して、対象のディスクやファイルを選択または除外した後、ソースからリムーバブルメ
ディアにファイルを自動的にバックアップできます。通常は、バックアップ処理の中でデータの圧縮や暗
号化が可能です。また、多くのアプリケーションでは、コピージョブの完了時点でデータを検証する機能
があり、バックアップを確実に成功させることができます。
従来のバックアップ アプリケーションは、毎日別のメディアを必要とするような複雑なメディアローテー
ション方式に対応しています。通常、これらのアプリケーションは、どのバックアップがどのメディア上に
存在するのかを示す内部的なカタログを維持しており、必要に応じて正しいメディアをユーザーに要求
します。
HPのバックアップ アプリケーションのHP Data Protector Expressも、 HP StorageWorks RDX Backup
Systemでテストされ、このシステムをサポートしています。
1 台の RDX カートリッジへのシンプルなドラッグアンドドロップ
HP StorageWorks RDX Backup Systemを使用するための最もシンプルで単純明快な方法は、
Windowsエクスプローラを通じて、USBドライブに割り当てられたドライブ文字へのドラッグアンドドロッ
プ操作を行う方法です。ファイルをハードディスクからRDXに移動することによって、ファイルをアーカイ
ブし、システムの容量を解放するには、この使用モデルが実用的な方法です。この方法は簡単ですが、
容量に関して効率の悪い方法であり、圧縮ユーティリティを使用してデータをzip化することによって改
善できます。複数のカートリッジを使用する場合は、どのファイルがどのメディア上に存在するのかを
ユーザーが自分の手で追跡する必要があります。
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ファイルのリカバリ
システムトレイにあるRDXアイコンをダブルクリックするか、[マイ コンピュータ]から[HP RDX Protection]
を選択すると、バックアップ済みドライブの一覧が表示されます。通常のWindowsエクスプローラウィン
ドウの場合と同様に、ドライブを選択して移動します。RDX Protection内のファイルの場所は、ハード
ディスク上のファイル構造を反映したもので、バックアップ以降にハードディスクフォルダから削除され
た可能性のあるファイルが含まれています。
y
y
ファイルの最新のバージョンをリカバリするには、そのファイルをデスクトップまたはフォルダまでド
ラッグしてドロップします。
ファイルの以前のバージョンをリカバリするには、まず、ファイル名をダブルクリックして、使用可能
なすべてのバージョンの一覧を表示し、必要なバージョンを選択します。
図 11: ファイルの複数のリビジョン
デフォルトでは、すでに保護されているすべてのファイルとフォルダ(オンラインおよびオフライン)が表示
されます。現在のカートリッジ上に存在しないファイルを復元しようとした場合は、正しいカートリッジを
挿入するよう求められます。オンラインバージョンのみを表示するには、HP RDXのメニューで[オフライ
ンバージョン]を無効にします。
システムのリカバリ(ベアメタルリカバリ)
1. HP RDX Continuous Data ProtectionのCDをサーバまたはワークステーションに挿入します。
2. RDX Removable Backup Systemが接続されていることを確認します。
3. サーバまたはワークステーションを起動します。CDからブートされます。
4. 対象の言語を選択し、ハードディスク上のデータがすべて失われることを知らせる警告が出ます。
Acceptを選択すると次に進みます。
5. ディスクのリカバリについて具体的に選択する画面がいくつか表示されます。次を選択します。
– 対象のRDXカートリッジ(装てんされていることを確認します)
– システム(複数のシステムがカートリッジにバックアップされている場合)
– ボリューム(どのディスク(1台以上)を復元する必要があるか)
– 必要なリカバリポイント(日付と時刻)
– 対象のディスク
6. 対象のディスクを確認すると、リストアが開始されます。リストアには数時間かかることがあります。
完了すると、コンピュータをリブートするよう求められ、CDが自動的に排出されます。
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互換性
当社の広範囲にわたる互換性テストプログラムによって、HP StorageWorks RDX Removable Disk
Backup Systemは主要なサーバ、オペレーティングシステム、およびバックアップ アプリケーションで動
作することが確認されています。
HPサーバおよびワークステーションとの互換性
HP StorageWorks RDX Removable Disk Backup Systemは、HP ProLiantサーバおよびHPワークス
テーションと互換性があります。HP StorageWorks RDX Removable Disk Backup Systemは、次のクラ
スのHPシステムでサポートされています。
y
y
y
HP ProLiant DL サーバ
HP ProLiant ML サーバ
HP Personal Workstation
注記:
複数の HP RDX Removable Disk Backup System を一度にシステムに接
続しないことをお勧めします。
OS のサポート
Microsoft® Windows®
y
y
y
y
XP
Server 2003
Vista
Server 2008
GNU/Linux
y
y
y
Red Hat Enterprise Linux 4
SUSE Linux Enterprise Server 9
SUSE Linux Enterprise Server 10
バックアップソフトウェアのサポート
y
y
y
HP Data Protector Express
CA ARCServe Backup
Symantec Backup Exec
リムーバブルディスクメディアをサポートするその他のバックアップ アプリケーションもサポートされま
す。
注記:
HP RDX Removable Disk Backup System をサポートするサーバ、ワーク
ステーション、オペレーティングシステム、およびバックアップソフトウェア
(サードパーティ製システムを含む)の最新の一覧については、
http://www.hp.com/go/connectを参照して最新の互換性情報を確認し
てください。
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よくある質問
Q. RDXは単なる外付けUSBディスクドライブではないのですか?
A.
いいえ。外付けUSBディスクドライブには固定の容量という制限がありますが、RDXはリムー
バブルメディアであるため、基本的に容量の制限はありません。任意のRDXドックで任意の
RDXカートリッジを使用できますが、他社製の外付けUSBドライブを追加する場合は、多数の
(多くの場合、互換性のない)電源コードと個別のUSBケーブルが必要になる場合があり、配
線が乱雑になります。
Q. RDXはブート可能ですか?
A.
はい。USBデバイスからのブートをサポートしているハードウェアとオペレーティングシステム
であれば、ブート可能です。
Q. HP StorageWorks RDX Continuous Data Protection Softwareでは、ExchangeやOracleのような
サービスのオープンファイル バックアップはどのように処理されますか?
A.
オープンファイル バックアップは、基になるMicrosoft Windows OSのボリューム シャドウ
コピー サービス(VSS)テクノロジを利用して各リカバリポイントが設定されるときに実行されま
す。これが実行されるには、お使いのアプリケーションがVSS対応されているか、VSS APIに
対応したプラグインが必要です。
Q. ベアメタル ディザスタ リカバリに必要な最低限のシステム状態は何ですか?
A.
ブート可能なCD-ROMドライブ、サポートされている任意のハードウェアRAIDアレイが構成さ
れていること、ドックが接続されていること、および、カートリッジが挿入された後にリカバリ
CDからブートされることです。
Q. 復元(または複製)を実行するために、デバイスをサーバ1からサーバ2(まったく同じハードウェアと
仮定)に移動することはできますか?
A.
できます。Windowsのハードウェア検出プロセスが実行され、すべてのデバイスが再度列挙
されます。注記: Windowsの特定のバージョンでは、別のハードウェアへの復元後に再度ア
クティベーションが必要になる場合があります。
Q. このデバイスはGNU/Linux、またはMac OS Xなどの他のプラットフォームでサポートされていま
すか?
A.
HPでは、GNU/Linuxのいくつかのバリエーションで接続性とハードウェアのサポートを提供
しています。Mac OS Xなどの認定されたUSB 2.0インタフェースを持つ他のシステムについ
ては、互換性がある場合もありますが、HPによるサポートはありません。詳細は、
http://www.hp.com/go/connectを参照してください。また、HP StorageWorks RDX
Continuous Data Protection Softwareの使用については、Windows XP以降が必要です。
Q. 現在使用しているHP RDXドックは、RDXのロゴの付いた他のメディアと互換性がありますか?
A. あります。RDXのロゴの付いた任意のメディアを、任意のRDXドックで使用できます。ドックは、
すべての世代のRDXメディアと上位および下位互換性があります。
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まとめ
あらゆる企業で、データ容量に対する要件が増大してきています。小規模企業や個人企業では、必要
なデータストレージの量が現行のCDまたはDVD-Rデバイスの上限を超える場合があります。RDX
Removable Disk Backup Systemは、より多くのストレージ容量を提供するだけでなく、容量に対する
ニーズに応じて容易にスケーリングできます。
HP StorageWorks RDX Removable Disk Backup Systemは、小規模企業や個人企業に対して、たった
一度の設定で実現するデータ保護機能を提供します。こうした企業にとっては、データのバックアップは
管理者や事業主が兼任する業務の1つに過ぎず、しかも限られたIT予算、重要データのバックアップの
増大に伴うバックアップ時間の増大といった課題も抱えています。
小規模企業や個人企業では、バックアップデバイスとして外付けUSBドライブを利用しているところもあ
ります。HP StorageWorks RDX Removable Disk Backup SystemのRDXカートリッジは容易にオフサイ
トに移動できるため、外付けUSBドライブに比べ優れたデータ保護機能を提供します。また、耐久性に
も優れているため、長期間のデータ保護にも向いています。
HP StorageWorks RDX Removable Disk Backup Systemは、ディスクバックアップのパフォーマンスと、
オフサイトでのアーカイブによるディザスタリカバリ対策というリムーバブルストレージのメリットの両方
を提供します。
付録
モデル
HP StorageWorks RDX160 リムーバブルディスクバックアップ (内蔵型)
AJ765A
HP StorageWorks RDX160 リムーバブルディスクバックアップ (外付型)
AJ766A#ABJ
HP StorageWorks RDX500 リムーバブルディスクバックアップ (内蔵型)
AJ934A
HP StorageWorks RDX500 リムーバブルディスクバックアップ (外付型)
AJ935A#ABJ
2
2
メディア
HP 160GB RDX Removable Disk Cartridge
Q2040A
HP 500GB RDX Removable Disk Cartridge
Q2042A
2
部品番号の後に 0D1 が付いている場合は、工場での組み込みを示します。
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仕様
容量
ネイティブ/圧縮(アプリケーションベー
スのデータ圧縮の比率を 2:1 と仮定)
160GB/320GB または 500GB/1TB
性能
平均持続転送速度、ネイティブ
30MB/秒
平均持続転送速度、圧縮(アプリケー
ションベースのデータ圧縮の比率を
2:1 と仮定)
60MB/秒
バースト転送速度(USB 2.0)
480MB/秒
データアクセス時間
15 ミリ秒
サポートされているファイルシステム
FAT32、NTFS、ext2、ext3
MTBF (ドック)
550,000 時間(100%負荷サイクル時)
MTBF (カートリッジ)
500,000 時間
未訂正エラー率
1014 ビットの読み取りあたり 1 エラー
ドッキングステーションの着脱サイクル
10,000 (最低)
カートリッジの着脱サイクル
5,000 (最低)
インタフェース
インタフェースのタイプ/コネクタ
USB 2.0/USB 標準シリーズ B レセプタクル
互換性
現行および将来の任意の RDX リムーバブルディスクカートリッジに対する下位および上位互換性
電力仕様
電力条件、内部
信頼性
耐久性
+5V ± 5% (最大リップル 100mV) 1.3A 時
+12V ± 10% (最大リップル 150mV) 0.005A 時
環境仕様
電力条件、外部
100~240 VAC、50-60 Hz、オートレンジ
消費電力
6.6 W/20W (通常/最大)
温度範囲
10~40℃(稼動時)、
-40~65℃(非稼動時)
相対湿度
20~80%、非凝結(稼動時)、
10~90%、非凝結(非稼動時)
海抜
-50~10,000 フィート(稼動時)、
-50~35,000 フィート(非稼動時)
振動
不規則振動(稼動時): 0.30Grms 5Hz~500Hz
正弦振動(非稼動時): 0.75g (0~最大) 5Hz~500Hz
不規則(非稼動時): 2.41Grms (0~最大) 5Hz~500Hz
半正弦 31G 2.6ms 時(稼動時)、
半正弦 71G 2ms 時(非稼動時)
衝撃: 非稼動のカートリッジに対する
落下衝撃
高さ 1m (39.37 インチ)からコンクリート床張りタイルへの
落下
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関連情報
http://www.hp.com/go/rdxbackup
http://www.hp.com/go/connect
http://www.hp.com/go/storagemedia
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4AA2-0598ENW、2008年6月
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