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Business Support - 衛星測位利用推進センター (SPAC)

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Business Support - 衛星測位利用推進センター (SPAC)
G空間社会の実現に向けた
宇宙関連施策
平成28年7月15日
内閣府 宇宙開発戦略推進事務局
目次
1. 宇宙政策推進の3本柱
2. 準天頂衛星とその利活用
3. さらなる新事業・新サービス創出に向けて
4. 成長する海外市場の開拓
1
1.宇宙政策推進の3本柱
2
総合的国家戦略としての宇宙政策
 平成20年に制定された宇宙基本法に基づき、宇宙政策は、「科学技術」に
「産業基盤」「安全保障」を加えた3本柱から成る総合的国家戦略として推進。
 平成27年1月、「国家安全保障戦略」に示された新たな安全保障政策を十分
に反映し、産業界の投資の「予見可能性」を高めるため、今後20年程度を見
据えた長期的整備計画として新たな「宇宙基本計画」を策定。
「宇宙基本計画」の基本的スタンス
1 宇宙利用による価値の実現(出口戦略)を重視
科学技術
総合的
宇宙政策
産業基盤
安全保障
- 安全保障や産業振興等の宇宙利用ニーズを十分吸い上げ
、体系的に具体化・明確化
- 宇宙システムが利用ニーズに対しどのように貢献するのか
につき事前に十分に検討
2 予算配分に見合う政策効果の実現を重視
- 政策項目ごとに今後10年の明確な成果目標を設定
- 事前の検討のみならず事後の評価を徹底。検証・評価・改
善のサイクルを回し、政策効果の最大限の発揮を追求
3 個々の取組の達成目標を固定化せず環境変化
に応じて意味のある目標に
- 環境変化や進捗状況の検証結果を踏まえ政策の達成目標
を柔軟に見直し、新規施策を追加
- 宇宙基本計画は「本文」「工程表」の二部構成とし「工程表」
を毎年宇宙開発戦略本部で改訂し「常に進化し続ける宇宙
基本計画」とする
3
総理主導の宇宙政策を推進する戦略本部
 総理主導による宇宙政策を総合的かつ計画的に推進するため、宇宙基本法に
基づき、総理を本部長とする宇宙開発戦略本部を設置(平成20年)。
 内閣府宇宙開発戦略推進事務局は、宇宙開発戦略本部の運営を行うとともに、
有識者により構成される宇宙政策委員会の庶務を行い、関係府省の宇宙政策
の一体的な推進をサポート。
宇宙開発戦略本部
諮問
(本部長:内閣総理大臣、全閣僚で構成)
宇宙基本計画を策定
工程表を毎年改訂
宇宙政策委員会
(非常勤7名で構成)
我が国宇宙開発利用に係る政策及び関係行政
機関の宇宙開発利用に関する経費の見積りの
方針等の重要事項について調査審議
庶務
事務局
宇宙開発戦略推進事務局
主
務
大
臣
国立研究開発法人
宇宙航空研究開発機構
4
2.準天頂衛星とその利活用
5
準天頂衛星システムの方向性
 準天頂衛星システムは平成30年(2018年)4月より4機体制でサービスを
開始予定。準天頂衛星システムの精度は、数cm級も含めた他国の衛星測位システ
ムより優れた精度を実現。
 平成35年度(2023年度)を目途として7機体制の確立により、日本上空に
必ず衛星4機が存在し、米国GPSに依存せずに持続測位が可能となる。G空間
社会の基盤が確固としたものになる。
米国
GPS
約10m
31機体制
GLONASS
約50-70m
24機体制
欧州
Galileo
約1m
2016~30機体制
中国
BeiDou
約10m
2020~32機体制
インド
IRNSS
10~20m
2016頃~7機体制
数cm等
2023~ 7機体制
ロシア
日本
Global Positioning System
準天頂衛星システム
QZSS:Quasi-Zenith Satellite System
6
準天頂衛星システムの機能について(1)
 準天頂衛星システムの3つの機能
①GPSの補完;衛星数増加による測位精度の向上
(上空視界の限られた都市部を中心に改善が図られる)
②GPSの補強;衛星測位の精度向上(電子基準点を活用してcm級精度を実現)
①GPSの補完
②GPSの補強
7
準天頂衛星システムの機能について(2)
 準天頂衛星システムの3つの機能
③メッセージ機能
・災害・危機管理通報(災危通報)は、気象庁から配信される各種警報類等を配
信する予定
・衛星安否確認サービスは、地上から通信端末経由で個人安否情報や避難所状況
等を準天頂衛星を経由して防災機関等に配信する。防災機関等から通信端末への
双方向の送信も可能。
・災害・危機管理(災危)通報サービス
・衛星安否確認サービス
8
主要産業分野における利活用促進について
 準天頂衛星の利活用を促進するため、高精度衛星測位サービス利用促進協議会
(QBIC; QZSS Business Innovation Council)と準天頂衛星システムサービス
株式会社(QSS; Quasi-Zenith Satellite System Services)が共に手を取り
合って相乗効果を最大限発揮させる目的で、主要6分野を設定し、活動中。
 農林水産省、国土交通省等関係省庁とも連携して推進。
9
事例1 農業分野
 SIP/農林水産省の取組において、まず2,3年後をめどに無人と有人の協調作業
システムを世界に先駆けて商品化する予定。準天頂衛星システムを活用した高精
度・低価格な運転アシスト・自動走行の実現が期待されている。
 今後のグローバル展開を図るため、豪州において総務省が運用面の課題を含めて
実証。(平成26年度実証)
 このような農業分野における各省取組について、内閣府として産業界も交え横断
的な連絡調整を実施。
実用化が近い無人と有人に
よる協調作業システム
出典:北海道大学大学院農学研究院
野口伸教授
10
事例2 道路交通分野(1)
 ITS Japanの「準天頂衛星・マルチGNSS利活用検討会」とも連携して、利活用に
関して議論を実施。
 トンネルや橋梁等でも持続走行が可能となるよう、準天頂衛星cm級サービスと
航法慣性装置(MEMS)を複合した方式について、実証を実施。今後は、山岳道
路や高速道路での実証を行う予定。
 自動走行に必要な3次元地図の整備に向けた仕組づくりに、cm級測位補強サー
ビスの提供の観点から貢献。
車線の自動
判別
11
事例2 道路交通分野(2)
道路交通分野における自動運転等次世代システム獲得に向け積極的な国際連携を推進。
 シンガポール:三菱重工を含む日本・シンガポールのコンソーシアムがシンガポー
ルにおいて衛星測位を活用し、ゲートを必要としない次世代道路課金システムの受
注を獲得。
 欧州:自動運転等の実現に向けた準天頂衛星システム及び欧州衛星測位システム
(Galileo)の連携について、日欧政策当局間で合意(本年6月)。最新の測位信
号技術(cm級補強信号等)、受信機仕様に関する継続した意見・情報交換、及び
衛星測位を活用した重点産業分野の特定と新事業・サービスの創出に向けた日欧間
の政策協力を推進。
シンガポール
日欧協力内容
新設する日欧官民ラウンドテーブルで扱う主な議題
Autonomous driving: 自動運転に係る日欧連携の最
適なあり方、衛星測位及び自動運転の研究開発に関
すること
3D mapping: 高精度地図に関すること
Receivers: ガリレオとQZSSの相互運用性、受信機の
共用可能性に関すること
(参考) 現行の電子式道路課金システム(Electronic Road Pricing system)
出典: 三菱重工業(株)
http://www.mhi.co.jp/products/detail/element_technology_supporting_its.html
Market uptake: 日欧産業連携としてのS-NETの活用
12
3.さらなる新事業・新サービス創出
に向けて
13
スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク(S-NET)
 既存の宇宙産業に加え、宇宙分野に関心を持つ多様な企業、団体等が集う「場」を提供し、支援・
コーディネートを行うため、「スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク(S-NET)」を平成28
年3月に創設。
 宇宙をツールとして使う非宇宙ベンチャーなど、川中~川下かけてのデマンドサイドに近い企業も取
り込み、宇宙産業の裾野を拡大する。
 S-NETの取組を通じ、大企業や中小・中堅企業、ベンチャー企業、川下企業等の多様な企業を取込ん
だ宇宙関連の産業構造やビジネスモデルの柔軟化、多様化を促進し新たなイノベーションを生み出す。
スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク
「支援・コーディネート
「場」
機能」 の実現・強化 の提供
「ワンストップ機能」 の実現
事務局:内閣府宇宙開発戦略推進事務局
 企業、大学、研究機関、個人、
支援機関等の参加
【既存】
川上
企業
(サプライサイド)
・A(小型衛星)
・B(小型衛星)
・C(探査機)
【既存】
 新事業、サービス創造の促進
 人材育成、起業家教育の推進
 政府支援策へのアクセス
 グローバル対応 (国際的ネット
ワーク構築、人材交流、海外展開)
「プロジェクト組成・事業創出、成功事例輩出」
川中
企業
(デマンドサイド)
等
衛星通信、放送事業者 等
・D(衛星画像処理配信)
・E(気象情報配信)
・F(高性能受信機)
等
【既存】
川下企業
衛星通信、衛星放送事業者 等
自動車関連会社、測量業者 等
・G(広告代理業など)
・H(地場野菜販売)
・I(ランチ販売)
等
新事業の効率的な事業化を促進
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スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク(S-NET)の参加状況
 会員属性は、「宇宙」関係者が1/3程度、「非宇宙」関係者が半分程度
 団体、企業数では、「宇宙企業」が2割程度、「非宇宙企業」が7割程度
 S-NETに期待する役割として
①マッチングイベント、交流会など場の提供 ②事業提携等の仲介
③政府支援策へのアクセス補助
④海外事例の紹介
⑤人材育成・起業家教育などの機会提供
⑥宇宙関連技術のコンサルティング等
 3つの柱:ネットワーキング、インキュベーション、ビジネスサポート
会員数:443、企業団体数:223 ※2016年7月8日現在
Networking
 交流イベントの開催
 宇宙、非宇宙それぞれに向けた情報発信
Incubation
会員数
企業団体数
443人
223
 事業推進プレーヤー発掘
 有識者の伴走
 有望分野・プロジェクト選定
Business Support
 技術面でのサポート
 資金面でのサポート
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4.成長する海外市場の開拓
16
宇宙システム海外展開タスクフォース
 宇宙分野における政府及び民間関係者で構成する「宇宙システム海外展開タスクフォー
ス」を平成27年8月に立ち上げ、我が国が強みを有する宇宙システムの海外展開に官民
一体となって取り組み、G空間社会の海外展開を推進。
 10の地域別・国別作業部会及び、2つの課題別作業部会を設置し、宇宙システム
と地理空情報技術を活用したインフラ輸出及びサービス展開を推進
①地球規模課題対応等への宇宙技術の開発利用
⑨戦略的人材育成パッケージの検討
◆地球規模課題対応・持続可能な開発目標への宇宙・地理
空間情報の活用/デファクトスタンダード化に取り組む
◆アジア地域における電子基準点網の戦略的展開
◆我が国の大学等が実施してきた人材育成プログラム、ノウハウを集約し
た、e-learningシステム等をパッケージ化し戦略的に展開。
◆ODAによる研修プログラム検討
⑥トルコ
◆ 通信衛星輸売り込み。可搬
局による通信サービスの展開
⑩ミャンマー
◆電子基準点網・国土空間デー
タ基盤整備等の宇宙協力推進
④カタール
◆宇宙・地理空間情報分野と
通信・気象分野の連携推進
③タイ
 準天頂衛星・電子基準点網
を活用した重機の自動走行
等の利活用サービス
 地球観測衛星調達
⑫オーストラリア
◆準天頂衛星の活用によ
る農業分野での実証事業
等、新サービスの創出
⑤UAE
◆火星探査打上げ
◆人材育成・産業振興
UAE火星探査打上げ契約署名式
2016年3月アラブ首長国連邦より火星
探査機打上げサービスを三菱重工業が
受注(2020年打上げ予定)。
⑧メキシコ
◆地球観測、気象観測、アプリ
ケーション等の市場開拓
⑪マレーシア
◆気候・農業・防災等における
宇宙協力推進による市場開拓
⑦ブラジル
◆宇宙地理空間情報を
活用した防災、水資源
管理等による市場開拓
②ASEAN
◆アジア各国におけるグッドプラクティ
スをASEAN地域に横展開/標準化
◆準天頂衛星・電子基準点網を活用
した利活用サービス市場拡大
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作業部会グッドプラクティス
産学官協力パッケージ(UAE)
準天頂衛星・電子基準点協力(タイ)
 UAEは資源依存からの脱却を計り、科
学協力・人材育成・産業振興を重視
 タイは衛星調達、電子基準点網の整備
において、新産業・新サービスの創出に
期待
 他方、タイ政府は民間のみの協力には
慎重なため、二国間官民協力枠組みで、
民間による高精度測位サービスの実験
を実現。
 UAE作業部会を通じて、エネルギー協
力とも連携し、現地日本国大使館と官民
一体となった協力を提案
具体的協力
 大学との連携による人材育成
 JAXAによる機関間協力
 産業振興に向けた官民協議推進
▼JAXA-UAE宇宙庁
間の機関間協定締結
▲人材育成
e-learning提供
具体的協力
 日タイ・ワーキンググループによる枠組み構築
 日タイ民間企業による建機の自動走行実証
実施
 タイ科学技術展示会における広報・展示等
▼タイ科学技術展示会
への出展(ピチェート科
学技術大臣来訪)
▲バンコクにおける建機の自
動走行デモンストレーション
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主な成果
 相手国政府は、人材育成・新産業振興等における協力パッケージに大
きな期待。Eラーニング等の標準化ツールを積極的に活用
 民間企業単独では困難な衛星測位サービスや電子基準点網整備を二
国間政府の枠組みによる官民協力で実現
今後の課題
 長期的かつ持続的な取組みを可能とする体制の構築、関連施策の検討、情報
収集体制の構築
 各種調達ルールとの整合性を踏まえた形での官民協力パッケージの在り方に
ついての検討
 幅広い分野における新産業・新サービスの創出を後押しする方策の検討
 エネルギー資源確保や環境管理、災害対策、広義の安全保障等の国際協力活
動との連携
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