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我が国測位衛星システムの事業計画の検討の基本的考え方について

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我が国測位衛星システムの事業計画の検討の基本的考え方について
G空間×ICTシンポジウム in 人吉 the 3rd ~G空間でつながる、ひろがる「まち」「ひと」「しごと」~
準天頂衛星システムの開発整備及びその利活用について
平成28年3月17日
内閣府宇宙戦略室
参事官
守山 宏道
0
準天頂衛星システムの開発整備及び
その利活用について
平成28年3月17日
内閣府宇宙戦略室
1
Outline
Ⅰ.衛星測位分野の国際動向及び
準天頂衛星システムについて
II. 民生分野における宇宙利用推進について
(プロジェクト事例)
Ⅲ.スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク
(S-NET)について
2
Ⅰ. 衛星測位分野の国際動向及び
準天頂衛星システムについて
3
衛星測位のしくみ
測位衛星(GPS等)
時刻情報、衛星の
軌道情報等を送信
衛星から地上へ
の一方向送信
(x,y,z,t)
4機以上の衛星から
信号を受信して
位置と時刻を決定
○衛星測位は、人工衛星からの信
号を受信することにより地上の
位置・時刻を特定する技術
○3次元情報と時刻情報の4つの
パラメータを計算する必要があ
るため、位置特定には最低4機
の人工衛星から信号を受信
○米国GPSは、米国国防総省が
運用している30機程度の人工
衛星から構成されるシステムで、
各人工衛星は高度約2万km上
空を12時間で地球を1周して
いる
4
米国GPSの概要
 1978年に初号機を打ち上げ。軍事目的の測位衛星システムで、国防総省が運用。
 現在、GPS衛星約30機を運用中。軍事用信号と民生用信号を発信しており、民生用信号は全世界
に無料開放され、カーナビゲーション等で広く利用されている。
 GPSは、幾度かのモデルチェンジ(「ブロック××」と呼ばれる。)を行いながら機能強化され、特にブ
ロックⅡR-M以降は、新しい民生用信号の追加等を行い、約5年ごとにモデルチェンジを進めており、
機能追加とユーザーの利便性向上を図っている。
 GPSは有事の際に、①民生信号は使用不可(Regional Denial)、②ジャミング等による機能不全、③
ASAT(anti-satellite weapon)による直接破壊、④Directed Antenna機能による一定エリアの抗たん性
強化、の可能性がある。
GPS軌道のイメージ
ブロック IIR-M
ブロック IIF
2005年~2009年打ち上げ
2つ目の民生用信号追加
(L2C:民生用の2周波測位
による精度向上)
2010年~打ち上げ
3つ目の民生用信号追加
(L5:他のGNSSと共通の
信号による2周波
測位)
ブロック III
2015年~打ち上げ予定
4つ目の民生用信号追加
(L1C:信号強度大、測位
精度向上)
5
諸外国の測位衛星の概要
① 米国 :GPS(Global Positioning System) 【約10m】
② ロシア:GLONASS(2011年~ 24機体制)【約50-70m】
③ 欧州 :Galileo(2016年~ 30機体制)【約1m】
④ 中国 :BeiDou(2000年~ 3機体制、2020年~ 32機体制)
【約10m】
⑤ インド :IRNSS(2016年?~ 7機体制)【10~20m】
⑥ 日本 :準天頂衛星システム
(QZSS:Quasi-Zenith Satellite System)【数cm等】
6
測位衛星分野の国際動向と日本の位置付け
我が国は民生用として世界最大規模のGPS利用国。
GPSの補強・補完を目的とした日本独自の準天頂衛星システムを開発し、初号機
「みちびき」を2010年9月に打上げ。
「実用準天頂衛星システム事業の推進の基本的な考え方」(平成23年9月30日閣
議決定)において、2010年代後半を目途にまずは4機体制を整備し、将来的には、
持続測位が可能となる7機体制を目指すこととした。
「新宇宙基本計画」(平成27年1月9日宇宙開発戦略本部決定)において、持続測
位が可能となる7機体制の確立のために必要となる追加3機については、平成29年
度をめどに開発に着手し、平成35年度をめどに運用を開始することを決定。
出典:JAXA
準天頂衛星
(日本)
出典:Astrium
ガリレオ衛星
(欧州)
出典:Lockheed Martin
GPS衛星
(米国)
出典:NPO PM
GLONASS衛星
(ロシア)
出典:CAST
北斗衛星
(中国)
出典:ISRO
IRNSS衛星
(インド)
7
2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023
(H26) (H27) (H28) (H29) (H30) (H31) (H32) (H33) (H34) (H35)
1機体制
4機体制
7機体制
31機体制【完成】
24機体制【完成】
14機(2014年)
30機体制【完成】
6機(2014年)
30機体制【完成】
2機(2014年)
GPS軌道のイメージ
7機体制【完成】
GLONASS(ロシア)
BEIDOU(中国)
GALILEO(欧州)
【参考】インドもIRNSSという測位衛星システムを整備中(現在、2機運用中(インド周辺地域のみをカバー予定。7機で完成))
8
準天頂衛星の軌道
○静止軌道
赤道面上にあり、高度約36,000kmの円軌道で、地球の自転と同期して約24時間で
1周する軌道。そのため、衛星は地上からは静止したように見える。
○準天頂軌道
静止軌道に対して軌道面を40~50度傾けた楕円軌道で、地球の自転と同期して
約24時間で1周する軌道。子午線(日本の場合は東経135度(明石市))の近傍上空を
南北に往復する。
■ 準天頂軌道衛星の地上軌跡
■ 静止軌道と準天頂軌道
(衛星の地上直下点が描く軌跡)
準天頂軌道
日本
赤道面
静止軌道
9
準天頂衛星システムの機能・取組状況(4機体制ベース)
<機能>
①GPSの補完
②GPSの補強
③メッセージ機能
衛星数増加による測位精
度の向上(上空視界の限られた
衛星測位の精度向上(電子基準
・災害・危機管理通報(災危通報)
・衛星安否確認サービス
点を活用してcm級精度を実現)
都市部を中心に改善が図られる)
準天頂衛星
救難信号の受領確認
メッセージの送信
救難信号の
受信
救難信号の発信
管制局
年度
準天頂衛星
災危通報の受信
H24
H25
H26
H27
H28
H29
H30
H31
H32~H44
(2012)
(2013)
(2014)
(2015)
(2016)
(2017)
(2018)
(2019)
(2020~2032)
3機打上げ
基本/詳細設計
整備
(2~4号機)
初号機(みちび
き)後継機
予備設計
基本/詳細設計
整備
2023年度めど7機体制確立
10
準天頂衛星活用のイメージ
動画提供:三菱電機(株)
11
【参考】準天頂衛星活用のイメージ
移動体測量(MMS)インフラ計測・管理
準天頂から高精度な補強信号を提供することにより、高精度な位置特
定を実現。街つくり、インフラ整備/管理、鉄道管理、車両管理に活用。
(宇宙基本計画に向けた提言(平成26年10月27日 経団連発表)より)
鉄道管理・列車制御
IT農業
全線の車両位置を計測。踏切、閉塞区間の制御、列車、自動車/人
の位置、線路脇の限界領域の建築物も計測し、安全運行を支援。
敷地境界の情報により、農地整備などの車両自動運
転をはじめとする農作業自動化を実現し、農耕作業効
率化を支援。
準天頂衛星
高精度ナビゲーション
衛星測位課金システム
(ロードプライジング)
走行している車両をシームレスに計測し、走
行距離、ルートにより課金するとともに課金情
報、ルート別通行料、渋滞回避情報も提供。
車両の位置計測、移動局の運行管理により高度なナビ
ゲーションを実現し、業務の効率化、安全性の向上を図る。
情報化施工
道路設計の情報をもとに、一般道、トンネル、街作り等にお
ける現場で、工事車両の運用管理、および工事全般を管理。
鉱山における採掘、運搬作業では車両の自動運転により、
事故削減、経費削減を実現。雪原、積雪道路等では埋もれ
た設備を避けて作業するよう車両を管理。
QZS補強情報
車両
GPSデータ
基地局
管制局
管制局
GPSで計測できない場所も計測可能
測位衛星の信号が届きにくい山間部や都心の高
層ビル街でも、シームレスな測位が可能です。
トンネル内・地下道路の計測
海洋管理
トンネル内や地下道路等、測位できない場所
は、INS複合技術による連続した測位を実現。
移動体測量(MMS)のトンネル、地下道路管
理計測により安全性向上を支援。
海 面 の 高 さ を計 測 し 、 セ ン
ターに通報。津波、高波の予
測、海洋火山観測、風速管理
などのデータ作成を支援。
12
自動運転・安全運転支援
船舶制御
船舶の位置を計測し、地図情報と照らし合わせ、接岸、
座礁回避、対船舶自動制御の支援、積荷管理すること
で、船舶の安全運行を。
路車・車車間通信を用いてインフラ、および準天頂
衛星の計測による車両情報、人情報、列車情報、
河川情報、港湾情報を各車両が協調し、安全・安
心・快適な移動を実現。
12
Ⅱ.民生分野における宇宙利用推進について
(プロジェクト例ご紹介)
13
民生分野における宇宙利用の更なる推進
○G空間社会の高度化とあわせ、公共・産業・海外展開の三本柱で内外一体の新経済成長(ニューエコノミー)を志向。
・宇宙とビッグデータ・IoTとを融合させ、農機の自動運転、高度道路交通システム(ITS)、無人機貨物輸送等の世界
に先駆けた実現を目指す。
・司令塔・関係府省連携強化。企業、大学、金融等の多様な人材が集う場づくり(スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク(仮称))を創設
・必要に応じ特区・規制制度改革等の取組と連携。
IT農業:約8,800億円
※経産省試算(2012年)を基に
内閣府宇宙戦略室において試算
【自動農業】
国内自給率や後継者不足
問題等への対応として、歩
留りが悪い大規模農家等
が無人農機やリモセンによ
る高度生産管理を導入。
【精密林業】
森林状況把握の自動化や
リモセン生産管理技術と森
林クラウドサービスを組み
合わせ、国内外で精密林
業を展開。
【物流】
国内の本島-離島・
出典:ヤマハ
離島-離島における無人機による
少量の貨物輸送システムを構築。
【配送】
公園での昼食等、住所が存在し
ない場所でもデリバリーを実現。
自動車・高密度都市:約7,800億円
【観光】
(c)カラー
他国にない地域資源としてアニ
メを活用した聖地巡礼が脚光。
特定の場所に行くと特定のキャ
ラクターと写真撮像や限定グッズ
入手等の仕掛けづくりを展開。
宇宙開発利用推進体制
IT施工・土木/鉱山:約3,400億円
【社会インフラ】
高精度測位等を活用し
橋梁や高速道路等の社
会インフラ維持管理サー
ビスを展開。
位置情報サービス:約1,400億円
【鉄道】
鉄道フィールドでの高精度
測位を通じて、運転支援系
(車体傾斜システム)及び保
安設備系(無線式列車制
御)へ適用。
民間における総合推進体制
宇宙開発戦略本部
(本部長:内閣総理大臣、全閣僚で構成)
内閣府 宇宙戦略室
スペース・ニューエコノミー創
造ネットワーク(S-NET)の創設
COCN、三菱電機、トヨタ、東芝、ゼンリン 他
従来の二次元地図から三次元地図への
進化など地図基盤の高度化に向けた取組
宇宙政策委員会
・宇宙安全保障部会
・宇宙民生利用部会
・宇宙産業・科学技
術基盤部会
出典:denso
【自動走行】
高精度位置情報により、信
頼性の高い車線維持・変更
等の車両制御が可能。
【ETC】
ゲートレス・フリーフローを
実現するため、正確な位置
情報を割り出し、これを元に
課金する仕組みを構築。
安全・安心/犯罪防止:約1,500億円
【防災】
危機管理通報サービスを
活用し、自動販売機の電光
掲示による災害情報の周
知や自動販売機から飲料
を無料供給。
【見守り】
出典:厚労省
準天頂衛星の高精度測位と
地理空間情報の融合により、
高齢者・子ども等を家族が昼
夜見守れる環境を提供。
東南アジアを中心とした海外展開
(諸外国政府・ERIA等の国際機関との連携)
政府内における連携
出典:三菱電機
司令塔との連携
・地理空間情報活用
推進会議事務局
・内閣官房情報通信
技術(IT)総合戦略室
・内閣官房国土強靭
化推進室 等
関係省庁との連携
・G空間社会実証プロ
ジェクト【国土交通省、
総務省 等】
・ベンチャー創造協議
会【経済産業省】 等
14
準天頂衛星を活用した最近のプロジェクト例
(物流)
【無人航空機による離島間物流システム】
○国内の離島間(本島-離島、離島-離島)でpoint-to-pointに届けられる物流システムを構築。
○準天頂衛星の高精度測位を活用し、精度が高い位置情報を把握することで、 無人航空機を精緻に制御できる可能
性があり、その実証実験を実施。
携帯アプリ
と連携
15
(参考) 離島物流の実態(長崎県・五島列島の例)
奈留島 2,559人
【津和丸】
蕨小島 11人
7往復/日
【フェリーオーシャン】
・・・
凡 例
民営航路
市営航路
4.4㎞
3往復/日
毎日学校給食を
船便で輸送
【フェリーひさか】
久賀島 365人
前島 29人
6.5㎞
2往復/日
嵯峨島 171人
4往復/日
11.5㎞
【シーガル】
4往復/日
【さがのしま丸】
椛島 154人
3往復/日
【ソレイユ】
19㎞
6.2㎞
福江島 36,429人
島山島 23人
2往復/日
17.5㎞
【おうしま】
1往復/週
7.2㎞
週1便の市営航
路により生活必
需品を輸送
黒島 2人
赤島 18人
【ニューとみえ】
黄島 47人
16
準天頂衛星を活用した最近のプロジェクト例
(観光)
 アニメを活用した聖地巡礼が脚光を浴びている。背景として、近年、特定の地域
を舞台にしたアニメが多数存在(“箱根町×エヴァンゲリオン”“金沢市×花咲
くいろは”等)。
 準天頂衛星のサブメーター級測位補強やAR(拡張現実)等を活用し、ある特定の
場所に行くとある特定のアニメキャラクターに出会え、写真撮像や特定のグッズ
等が手に入るなどの仕掛けづくりを展開することが可能。
 地域側としても、本来は観光客に見てほしいスポットにアニメキャラクター等を
AR等で配置することで地域の新しい発見に繋がる仕組みになる。東京五輪時には、
東京近郊集う外国訪日客を地域に展開させるフックとして機能。
(C)カラー
(出典)http://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/chizu/20150312_692344.html
http://qzss.go.jp/events/jtb_150803.html
17
準天頂衛星を活用した最近のプロジェクト例
(自動走行)
 準天頂衛星がトンネル等で受信できなくなった際に、バックアップを行うDead
Reckoning(自律航法)技術等の航法慣性技術との連携が必須。
 長野県飯田市において、準天頂衛星のcm級サービスを用いたIMU(MEMS)との複合
航法実験を実施(天竜川沿いの平坦地で①0~30Km/h,②0~60Km/hで走行)。
 3cm~4cmの位置誤差を確認し、複合航法では数百万円の航法慣性装置と同様の性
能をMEMSで達成(距離:0.4%、方位角:0.2度程度の位置誤差)。
 今後、山岳道路や高速道路での実証を行う。
□50m
□50cm
長野県飯田市実証実験(平成27年11月)
18
準天頂衛星を活用した最近のプロジェクト例
(自動走行)
動画提供:三菱電機(株)
19
準天頂衛星を活用した最近のプロジェクト例
(防災)
【災害・危機管理通報サービスの自動販売機への応用】
○地震などの災害情報を準天頂衛星経由で送信する災害・危機管理通報サービスを活用し、自動販売機の電光掲
示による災害情報の周知や、災害時飲料物資の救援として無料による自動販売機からの飲料供給を可能にする。
○2014年11月13日~15日に開催されるG空間EXPO(日本科学未来館)において、実証実験を実施。
20
準天頂衛星を活用した最近のプロジェクト例(防災)
<衛星安否確認サービスを活用した避難所情報システムイメージ>
準天頂衛星システム
準天頂衛星
指定避難所
凡例
: 衛星測位・補強
災危通報
防災気象情報
(災危通報)
: 衛星安否確認サービス
携帯アプリ
管制局
WiFi
(準天頂対応
(管理端末) 通信端末)
(携帯端末)
自動 or 手動
【避難者】
• 個人ID (電話番号)*
• 補足情報
避難所状況
(手入力)
• 避難所開設情報 (端末起動時)
→端末ID、位置情報 等
避難所端末システム
【避難所管理者】
防災気象
情報
【内閣府】
• 個人安否情報 (逐次送信)
端末位置情報
個人ID、安否情報
任意データ
→個人ID (電話番号)
• 避難所状況 (逐次送信)
→避難人数、避難物資の必要有無 等
(1パケット84bit)
• メッセージ送達確認
• 支援情報
• 災危通報(防災気象情報)
(ケアの必要有無 等)
*避難者の個別認識を電話番号で行うことを想定
【要検討】
Webより電話番号を入力
することで、避難先情報を
(避難者の同意により)
入手
© Quasi-Zenith Satellite System Services Inc. 2016
気象業務
支援センター
Internet
避難場所照会
(Webベース)
防災機関
避難所位置情報
避難者個人ID
避難所状況情報
Internet
or
専用線
(Web端末)
避難所情報収集
【関係府省庁、地方自治体】
21
(ご参考) 衛星安否確認サービスの実証実験計画
2016年度
準天頂衛星
システム
(全体)
2017年度
初号機打上(2010年)
2018年度
2,3,4号機打上(想定)
設計・構築
4機体制 正式運用
検証
衛星安否確認サービス展開スケジュール
評価端末による実証実験
模擬環境による実証実験
実証実験環境
地上の通信インフラ(3G/LTE通信)で準天頂衛星の通信機能を代用した検証
準天頂衛星を活用した検証
モバイルルーター(代用)
実証実験計画
大規模実証実験・複数拠点実証実験
利活用システムの検討及び検証
7月
5月
避難所端末システム
化検討
実証実験の
検証内容
衛星安否確認端末
11月(津波避難訓練)
・収集情報や集計内容の整理
・送信内容の整理
・携帯アプリや管理端末のUI整理
システムの利用検証
・大規模運用による課題整理
・住民参加による検証(大規模)
© Quasi-Zenith Satellite System Services Inc. 2016
モデル地域への
試験導入・評価
【実施概要】
和歌山県庁及び市町村の防災担当者向けに
避難所情報システムの説明及びデモを実施。
・避難者による利用性や操作性の検証
・運用面における課題整理
・住民参加による検証(小規模)
大規模実証実験
(津波避難訓練)
評価端末による試験
(技術検証)
【実施概要】
避難所1か所で予備的な実証実験を実施。
【実施概要】
3~5市町村、5~10か所程の規模で避難所に
模擬端末を設置して住民参加の実証実験を実施。
(1つの避難所の避難者数は100名程度を想定。)
22
(ご参考) 11月実施計画(案)
■津波避難訓練
実施日
津波避難訓練(2016年11月1日(日) or 2016年11月5日(水))
実施体制
和歌山県、参加する市町村、内閣府宇宙戦略室、QSS(NEC)
想定災害
南海トラフ大地震による津波災害による地上通信インフラの倒壊・破損・流出により、地上回線による通信途絶を想定。
実施内容
準天頂衛星システムの衛星安否確認サービスによる情報収集と状況把握。
(本訓練では、衛星安否端末をモバイルルーターで代替とし、準天頂衛星システムの代替は3G/LTE通信とする。)
■実施内容イメージ
QSSサーバー(管制局を想定)
避難所
Wi-Fi
Wi-Fi
管理端末
スマホ
避難者
管理者
複数の避難所からの
情報収集
モバイル
ルーター
①避難所開設情報
②個人安否情報
③避難所状況情報
DB
Webサイト
入力
Wi-Fi
Wi-Fi
Internet
Webサイトの閲覧
和歌山県 災害対策本部
【訓練内容】
・避難所開設情報の送信
・避難所に集まった住民情報をスマホ入力で収集
・スマホがない方は管理端末から入力(管理者)
© Quasi-Zenith Satellite System Services Inc. 2016
【訓練内容】
職員による避難所の把握
・避難所開設の早期把握
・個人安否情報の把握
・避難所状況の把握
23
準天頂衛星を活用した最近のプロジェクト例
(防災)
■安否確認サービス
実施日
人吉市総合防災訓練(2015年8月30日(日) )
実施体制
人吉市、QSS(NEC)
協賛:内閣府
想定災害
人吉南縁断層付近を震源とする震度6弱の地震(2015年度 防災訓練の想定被害に準ずる。)
想定シーン
地震による断裂、及び土砂崩れにより一部集落が孤立し、地上インフラの倒壊/破損により、孤立した集落からの地上
回線による通信途絶を想定。
実施内容
準天頂衛星システムの衛星安否確認サービスによる情報収集と状況把握。
(本訓練では、衛星安否確認端末をスマートフォンで代替とし、準天頂衛星システムの代替は3G/LTE通信とする。)
技術面
衛星安否確認端末や情報取集サーバ(事前情報登録、状況把握)におけるユーザインタフェースの検証。
(衛星安否確認端末(プロト)のユーザインタフェース設計に活用。)
制度面
準天頂衛星システムと安否情報システムの連携を図る上での整合性検証。
⇒国民保護法及び災害対策基本法 下における情報収集項目の確認や運用面における課題抽出。
検証項目
■実施内容イメージ
大災害により地上インフラがダウンしたことを想定し、衛星安否確認サービス(スマートフォンを用いた通信で代用)による情報収集/状況把握を
目的とした防災訓練を実施。
人吉市 災害対策本部
避難所
事前情報登録
3G/LTE
情報収集サーバ
個人情報
安否ID
災害発生
衛星安否確認端末(代替端末)
安否情報と
安否IDを入力
被災者
安否情報
安否ID
情報収集サーバ
職員による被災者の
状況把握
安否情報システムへの連携
救難活動(デモンストレーション)
24
準天頂衛星を活用した最近のプロジェクト例
(スポーツ、ヘルスケア)
 準天頂衛星を活用してマラソンランナーの走行軌跡を測位し、コーチング(ペース
配分、コース戦略等)をマラソン後、あるいはマラソン中にもリアルタイムに提供。
 ラグビーは、既にGPS受信機器搭載したウェアを着用し、練習中・試合中のトラッキ
ング解析を行っている。準天頂衛星を活用し、分析精度向上と他の競技への展開が
進められている。
 普段のランニング/ウォーキング量(速度と距離)を正確に測位し、運動量と健康
との関係を明らかにすることで、健康になるための運動を促すサービスも展開可能
であり、東京五輪を契機に健康志向が高まってきている日本国民が高付加価値サー
ビスを享受することが可能となる。
大きな半径で走り、
減速を抑えている
ペースを抑え、最短
距離を走る戦略
マルチパスによる測位
誤差が懸念されるエリア
(7-8km地点)
大きな半径で開けた
道へ加速している
神戸マラソン実証実験(平成27年11月15日)
ランニング速度と距離を重視した
ペースコントロール トレーニングアプリ
“MY ASICS”
アプリ例
25
準天頂衛星を活用した最近のプロジェクト例
(教育)
 小学校及び中学・高校教育の理科(物理)、地理及び情報の授業の一環として、生
徒が準天頂衛星のサービスを体感する取組を根付かせ、理系学生の芽を育成してい
く。特に、子どもを通じて親への教育効果も見込まれ、家庭の話題の一つに宇宙が
自然に出ることも期待。
立教小学校・情報授業(平成27年2月、平成28年3月実施)
【授業概要】
○平成27年2月:準天頂衛星とは?を自らが調べることを通じて理解する授業を行い、 「準天頂衛星の受信機及
びタブレットを活用した実験」を4人一組の班ごとに分かれて実施。その後、実験を通じて感じたことをまとめる。
○平成28年3月:受信機とiPad mini、iTunes Uを活用して、学校内で4つの「設定ポイント」を探す「ミッション」に取り
組み。
【子どもたちの感想】 平成27年2月
・準天頂衛星を初めて見て・使ってみてすごく楽しかったです。最初はすごく知らないことがあったけど、すぐにいろ
いろな事分かって楽しかったです。
・初めて見た時にこんなに小さいものでちゃんと居場所が分かるのかと思ったけどせいかくに居場所が出ていてびっ
くりしました。
・準天頂衛星を作った人はとってもすごいと思いました。僕が動くと、現在地が動き感動と供に日本の進歩を実感し
ました。 そしてみちびきの名前が世界に広まり、さらなるひやくに期待します。
・ぼくたちは準天頂衛星のことを調べました。思ったことは、何万kmも上にいる人工衛星の電波をうけとれるなんて
すごいと思いました。
26
Ⅲ.スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク
(S-NET)について
27
スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク
 S-NETは宇宙をキーワードに新産業・サービス創出に関心をもつ企業・個人・団体等の参加を募る。
 プロジェクト・テーマ単位での支援・コーディネート機能の強化を図りつつ、関係省庁、参加者、関連団体等
の協力を得て運営。
 今年度に準備会合とロンチイベントを開催し、S-NET活動の周知及び方向性の見極めを図る。来年度より
本格稼働予定。
ベンチャー創造
協議会
スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク
 人材育成・起業
家教育の促進
 ベンチャー促進に
向けた政策提言
の提供
「場」
「支援・コーディネート
機能」 の実現・強化
 「日本ベンチャー
大賞」
「ワンストップ機能」
 既存企業発ベン
連携
チャー創造
の実現
事務局:経済産業省新規産業室
 ベンチャー企業と
既存企業の連携
促進
宇宙政策委員会
略称:S-NET
事務局:内閣府宇宙戦略室
・準天頂衛星システム
サービス(QSS)
・高精度衛星測位サー
ビス利用促進協議会
(QBIC)
等
 企業、大学、研究機関、個人、
支援機関等の参加
 新事業、サービス創造の促進
連携
 人材育成、起業家教育の推進
 政府支援策へのアクセス
・総務省
・経済産業省
・文部科学省
等関係省庁
・JAXA
・産業技術総合研究所
・中小企業基盤整備機構
等
 グローバル対応 (国際的ネット
好循環
ワーク構築、人材交流、海外展開)
・宇宙システム海外
展開タスクフォース
「プロジェクト組成・事業創出、成功事例輩出」
ワーキンググループ
28
参加者の状況と属性
【東京準備会合の風景】

※ 2016.3月 時点
S-NET登録状況
・ メンバー登録 : 416名
・ 法人、団体数 : 204

各地で準備会合、ワークショップを実
施。立ち見や満席となるなど盛況。
・11.12 東京(リモセン)
・11.13 東京(測位)
・11.17 京都(測位)
・1.26 名古屋
・2.17 沖縄
・2.22 和歌山(防災)
・2.17 和歌山(林業)
・3.4
福岡
:
:
:
:
:
:
:
:
101名
126名
39名
95名
52名
81名
68名
103名
※ 事務局参加者を除く
【参加者属性】

参加者の属性は、
「宇宙」関係者が1/3 程度
「非宇宙」関係者が半分 程度

3/22 にロンチイベントを開催予定
29
参加者の興味分野と活動への期待
衛星測位、高精度測位
新ビジネス起業、新規プレーヤー参入など
防災分野などへの活用
リモセン画像利用ソリューション(GIS、GEOINT等)
測位とリモセンなどの分野融合、組み合わせ
農業分野での利活用
宇宙分野
人材育成
自動車、車輌監視
状態モニタリング、見守りサービス
旅行、観光
海外との連携
MDA、動態把握
民間活用
モバイル端末アプリ、ゲームなど (GPSなど)
ベンチャー投資
【参加者の興味分野】
【興味・関心のある分野】
0
5
10
15
衛星測位、リモセンなどの直
接的な宇宙産業分野への関
心が高いが、新ビジネス起業、
防災、農業、自動車などの非
宇宙分野での宇宙利用に対
する期待も感じられる。
[人]
【S-NETに期待する役割】
場の提供や支援機能など、
S-NETの主旨に沿った役割が
期待されている。
自由記載欄では、S-NETその
ものへの期待が大きいことを
記載している方も多数。
【S-NETに期待する役割】
30
主な意見、コメント等
 感想・自由意見欄には、好
意的な内容、会合に対する
高評価とする記載が大半。
今後とも継続してほしいとの
強い要望もあった。
参考になった、有益であったなど
S-NETの今後の活動に期待する
プレゼン資料を配布してほしい
今後も定常的に会合を開催してほしい
時間が短くもっと聞きたい
測位インフラの重要性を認識した
【感想、自由意見】
0
10
20
30
40
[人]
活動の継続性を確保するため、
民間事業者を事務局としてア
サインし、主体的に動けるス
キームを構築済み
<その他の自由意見等>
• 今後の宇宙産業への介入あるいは拡大を目指す企業と、技術・人材育成の面で情報交
換をしていきたい(宇宙大手製造業)
• 大企業のスピンオフとスピンアウト、中小企業の技術など日本企業のポテンシャルを
感じた(金融関係)
• 今後とも、もっと多くの産業(農協関係、林業、自動車・・・)の方を入れて議論してい
きたい(非宇宙製造業)
• これからも全く異なる業種の人が、宇宙関連技術に期待していること、こんなことが
できないか、という情報を収集する場として活用したい(ソフトウエア)
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宇宙×G空間ワークショップ@福岡の様子 ①
【参考】
 S-NET促進活動の一環として 「宇宙×G空間ワークショップ」を 2016年2月の和歌山開
催を経て、福岡においても2016年3月4日(金) に開催。参加者は103名(事務局除く)。
 防災・林業・地方創生にかかるプレゼンテーションだけでなく、パネルディスカッションと名刺
交換会を実施。参加者間での反応を引き出した。
【第一部:開会挨拶、基調講演】
・内閣府宇宙戦略室 守山参事官より開会挨拶。
・続く基調講演では、九州大学 三谷 泰浩教授より
「宇宙×G空間情報~災害時の衛星情報・地理空間
情報の連携・利活用に向けて~」と題し、九州での事
例もまじえながら講演。
内閣府 守山参事官
九大 三谷教授
32
宇宙×G空間ワークショップ@福岡の様子 ②
【参考】
【第二部:つながる防災対策の実現に向けたパネル
ディスカッション】
・JAXA衛星利用運用センター 内藤氏、(株) セールス
フォース・ドットコム 小田氏、ヤフー(株) 田中氏、(株)
ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング 亀山氏より防
災分野に」おける先進事例等を紹介。
・その後、京都大 畑山准教授のコーディネートにより、宇宙
インフラとG空間情報を活用した防減災対策の高度化の
ために必要とされること等について議論。
第二部 防災パネルディスカッション
【第三部:スマート林業・地方創生の実現に向けたパネル
ディスカッション】
・(有)杉岡製材所 杉岡氏、鹿児島県・宮崎県木材輸出戦
略協議会 堂園氏、(株)ワイス・ワイス 野村氏、(株)森林
再生システム 速水氏、(株)アドイン研究所 塩沢氏、(株)
ウッドインフォ 中村氏ほかより、林業・地方創生の現状や先
進事例等について紹介。
・その後、林業の川上から川下までのプレーヤーが揃う中、林
業や地方創生における課題やICTや高精度測位情報の利
活用の可能性について議論。
第三部 林業・地方創生パネルディスカッション
・最後は、松岡人吉市長がパネルディスカッションでの議論を
総括し終了。
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ご清聴ありがとうございました。
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