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①消費者教育推進法の概要
議題(1) 「消費者教育の推進に関する法律」の制定に伴う今後の千葉市の消費者教育施策について ①消費者教育推進法の概要 添付資料 1 消費者を取り巻く現状と消費者教育への期待 2 消費者教育の推進に関する法律(消費者教育推進法)の概要 参考1 参考2 参考3 参考4 消費者基本法(抜粋) 消費者教育の推進に関する法律 消費者教育の推進に関する法律の概要(消費庁資料) 体系イメージ図(消費者庁資料) 1 消費者を取り巻く現状と消費者教育への期待 (1) 消費者を取り巻く現状 ・サービスの多様化、情報化の進展により、人々のライフスタイルやニーズも多様化。 ・次々に新たな商品・サービスが生み出され、消費者にとって選択の幅が広がる一方で、 情報や知識不足が要因による消費者トラブルが増加、その内容も複雑化。 ・高齢化を背景に高齢者の資産を狙った悪質商法が多発。 ・携帯やスマホ、ネット普及により若い世代のトラブルが急増。 ・原子力事敀における放射能問題、風評被害 ・生命・身体にかかる重大事敀の発生の増加 (2) 最近の手口と相談件数 ア 利殖商法 (未公開株、投資型ファンド(CO2 排出権、鉱山の採掘権、水資源、風力発電に関する権利等) ※パンフレットや資料を送りつけ、複数の業者が登場し、うまい話を持ちかける劇場型勧誘が多発 相談件数 2009年度 2011年度 10,638件 28,363件 イ 貴金属等の訪問購入 不用品を買い取るといって訪問し、貴金属類を安価で強引に買いとってしまう。 相談件数 2009年度 138件 2011年度 4,144件 ウ スマートフォンに関するもの ・スマホ自体は、従来の携帯電話と、その機能や性質が異なるという、その特性を理解できず、携帯電話の延長線上で 使用していることが原因でトラブルが発生。(サービスや料金体系が複雑、機器の不具合の発生) ・親が知らないうちに、子どもが勝手にサービスを申し込んでしまったり、有料サービスと気づかずに利用してしまい高額な 支払いが発生してしまうなどのトラブルが増加。 相談件数 2011年1月 19件 データ及び事例 2012年1月 894件 (参考)消費者庁消費者問題及び消費者政策に関する報告(2009~2010 年度) (参考)独立行政法人 国民生活センターホームページ (3)最近発生した生命・身体に係る消費者事敀 ・TDKリコール製品の加湿器による火災死亡事敀(H25.2 月) ・携帯型空間除菌剤「ウイルスプロテクター」による科学熱傷事敀(H25.2 月) ・エレベーターによる死亡事敀(H24.10 月、H24.12 月) ・機械式立体駐車場での死亡事敀(H24.7 月) ・電動車いす使用中における死亡事敀(H23.年度以降、7件の死亡の死亡事敀) ・介護ベット手すり等による死亡事敀(平成 23 年度以降12件の死亡事敀) ・小麦加水分解物含有石鹸「茶のしずく石鹸」によるアレルギー症状発生事件) ~消費者教育の重要性、期待が高まる~ 消費者被害を未然に防止するための知識の習得のみならず、具体的な行動に結びつく、 実践能力を育む、消費者教育が求められる。 ・取引の意思決定の際 → 本当に必要なものが良く考える。 契約書の規約を確認し、理解してから契約する。 (クーリングオフ、退会、更新等) ・不当な勧誘を受けた際 → きっぱりと断る。 家族や相談機関へ相談する。 法律に則って解約手続きをする。 ・消費者被害を受けた際 → 家族や相談機関へ相談する。 消費者としての基本的な考えや知識を幼い時から身に付けさせることが重要 その社会情勢の中で対応できるよう、幼児期から高齢期まで、生涯にわたる消費者教育が必要 国の動き 平成22年11月~ 平成24年3月 消費者庁において消費者教育推進会議を開催 消費者庁において、学識経験者、消費者団体、教育関係者、関係省庁等を委員とする「消費者教 育推進会議」を3回開催し、消費者教育を進めるための体制確立について検討を重ねる。 平成24年4月 「消費者教育推進のための課題と報告」をまとめ公表 平成24年8月 消費者教育の推進に関する法律制定 2 消費者教育の推進に関する法律(消費者教育推進法)の概要 公布:平成24年8月22日 施行:平成24年12月13日 <目的>第1条 この法律は、消費者教育が、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格 差等に起因する消費者被害を防止するとともに、消費者が自らの利益の擁護の増進のため 自主的かつ合理的に行動することができるようその自立を支援する上で重要であることを鑑 み、消費者教育の機会が提供されることが消費者の権利であることを踏まえ、諸費者教育に 関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、基本 方針の策定その他の消費者教育の推進に関し必要な事項を定めることにより、消費者教育を 総合的かつ一体的に推進し、もって国民の消費生活の安定及び向上に寄与することを目的と する。 <定義>第2条 (1) この法律において「消費者教育」とは、消費者の自立を支援するために行われる消費 生活に関する教育(消費者が主体的に消費者市民社会の形成に参画することの重要性 について理解及び関心を深めるための教育を含む。)及びこれに準ずる啓発活動をいうも のとする。 (2) この法律において「消費者市民社会」とは、消費者が、個々の消費者の特性及び消費 生活の多様性を相互に尊重しつつ、自らの消費生活に関する行動が現在及び将来の世 代にわたって内外の社会情勢及び地球環境に影響を及ぼし得るものであることを自覚し て、公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画する社会をいうものとする。 <基本理念> ・消費生活に関する知識を習得し適切な行動に結びつける実践的能力の育成。 ・主体的に消費者市民社会の形成に参画し、発展に寄与する消費者の育成支援。 ・幼年期から高齢期までの各発達段階、機会に応じ体系的に実施。 ・消費者の年齢、障害の有無、その他の消費者の特性に配慮 ・学校、地域、家庭、職域等の様々な場の特性に配慮し、多様な主体の連携により行う。 ・消費者行動が現在及び将来の世代にわたって内外の社会情勢及び地球環境に与え る影響に関する情報など、多角的な視点で情報を提供する。 ・災害など非常時の合理的行動のための知識・理解を深める ・環境教育、食育、国際理解教育など、他の教育施策と連携する。 国と地方公共団体の責務等 実施主体 国 実 施 事 項 ・消費者教育の推進に関する総合的な施策策定、実施(責務) ・基本方針策定(義務) ※H25.8 頃予定 ・消費者教育推進会議の設置(義務) 地方公共団体 ・団体の区域の社会的経済状況に応じた施策策定、実施(責務) ・消費生活センター、教育委員会その他の関係機関と連携(責務) ・財政上の措置(努力義務) ・消費者教育推進計画の策定(努力義務) ・消費者教育推進地域協議会の設置(努力義務) 国、地方公共団体 ・学校、大学等、地域における消費者教育の推進(義務) ・人材育成(義務) ・教材の充実(努力)、調査研究(努力)、情報の収集等(努力) 消費者団体 事業者団体 ・消費者教育の推進への協力(努力) 「消費者教育推進計画」策定の考え方について 「消費者教育推進計画」は、国の「基本方針」や県の「推進計画」を踏まえた、その区域の 施策についての計画で、その区域の社会的、経済的状況に応じた施策を策定することされて いる。 しかし、国及び地方公共団体においては、消費者政策全般の計画として「消費者基本計画 (千葉市の場合は、千葉市消費生活基本計画)」を策定し、それに基づき、既に、消費者教 育施策を実施しているため、あえて、新たに消費者教育推進計画を作らずとも、推進法の目 的に沿ったものであれば、既存の基本計画の見直し時に併せて、その中で、これを策定するこ ととしても良いとしている。 「消費者教育推進地域協議会」設置の考え方 推進法では「消費者、消費者団体、事業者、事業者団体、教育関係者、その他の都道府 県又は市町村の関係機関等をもって構成する」と規定しており、また、消費者教育の推進につ いて、充実した情報交換等ができるように、幅広い立場の者を委員とし、その趣旨にかなった 委員構成とするよう求めている。 所要事務としては、消費者教育の総合的、体系的かつ効果的な推進に関して構成員相互 の情報の交換及び調整及び基本方針や消費者教育推進計画の策定変更に際して意見を述 べることとしている。 また、地域協議会の設置の考え方としては、消費者施策を検討するための既存の組織(審 議会等)を活用し、地域協議会の機能を付加させるような方法も良いとしている。