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23日の市場展望

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23日の市場展望
FX/CFD モーニング・コメント
-23 日の市場展望-
2011 年 2 月 23 日
GFT シニアエコノミスト 前川明
① 23 日の市場展望:株価続落か-オーバーナイトでは米株価大幅反落、円一時 82 円 57 銭
・ 為替相場プレビュー:ドル円上値の重い展開か、オーバーナイトではドル主要通貨に下落-英 MPC 議事録
・ 日経平均プレビュー:株価続落か-オーバーナイトでは米株価大幅反落、円一時 82 円 57 銭
・ 商品相場プレビュー:オーバーナイトの米原油大幅高、米金続伸-アジアでの原油、金上値重い展開か
(本日の主要な市場の材料一覧は 4 ページ参照)
22 日のオーバーナイトの市場
出所:ブルームバーグ、債券に関しては前日比利回り差
② 22 日オーバーナイトの米金融市場:株価大幅反落、債券大幅反発、円上昇、原油大幅高、金続伸
22 日のオーバーナイトの米金融市場では、株式相場は大幅反落(S&P500 ベース)。債券相場(10 年債ベース)は大幅反発し
た。株式市場では、リビアの混乱の拡大など、中東・南アフリカ情勢に対する警戒感が地合いの悪化につながり、連休
明けの米株式相場は反落した。一方で、米債券市場では、リビアの情勢悪化を受けたリスク回避需要で大幅高。米 10 年物
利回り終値は 2 月 1 日以来の低水準となった。為替市場でのドル相場は、主要通貨に対して総じて下落。対円では、米
利回りの低下などが重しとなり、一時 2 月 10 日以来の安値 82 円 57 銭まで売られた。原油相場は、リビア情勢の悪化
を受けた原油供給停止に対する警戒感が引き続き、相場を支えた。米原油先物終値は、2008 年 10 月 5 日以来の高値と
なった(期近物ベース)。金相場は、中東情勢の一段の不透明化などが強気を支えた。 英 FTSE 株価指数は-0.3%、独
DAX 指数は-0.0%、仏 CAC は-1.2%、米 S&P500 種株価指数は-2.1%、米ナスダック総合指数は-2.7%。米原油相場は+6.4%だった。
米金相場は+0.9%。
②
23 日の相場の展望
A. 為替相場:ドル円上値の重い展開か、オーバーナイトではドル主要通貨に下落-英 MPC 議事録
PAGE 1 / 4

22日のオーバーナイトの為替市場では、USDは東京終値比で主要通貨に対して総じて下落。対EUR、対JPY、対
GBP、対CHFで同-0.7%、-0.6%、+0.1%、-0.8%だった。リビア情勢の一段の緊迫化を受けたリスク回避需要
で米債券相場が急伸。利回りの大幅低下(10年物利回り終値は2月1日以来の低水準)が主要通貨全般に対する
重しとなった。対EURでは、欧州中央銀行(ECB)政策委員メンバー(ルクセンブルグ中銀総裁)のメルシュ氏
によるインフレ懸念発言が一段の政策金利引き上げ警戒感へとつながり、USDの頭を抑えた。一時1.37台(東
京終値比-1.1%)まで下落する場面もあった。対CHFでは、スイスフランに対する非難通貨としての需要が高
まり、USDは一段安。一時2月2日(安値=0.9328)以来の安値0.9366まで下げた。対JPYでは、米利回りの低下
などが足かせとなり、一段安。一時2月10日(安値=82円38銭)以来の安値82円57銭まで売られた。資源通貨
は対USDで東京終値比下落。CAD、AUD、NZDは対USDで-0.5%、-0.3%、-0.4%で終えた。リビア情勢の緊迫化
を受けた市場のリスク許容度の縮小が弱気につながった。加えて、NZDに関しては、地震の実体経済に対する
警戒感も重しとなった。AUD、NZD、CADはそれぞれ、一時4営業日(2月16日)振りの安値0.9966、12月23日
(安値=0.7422)以来の安値0.7450、2月11日(安値=0.9986)以来の安値0.9918まで売られた。

本日23日の為替市場では、USD/JPYは上値の重い展開を予想する。オーバーナイトでは、米利回りの大幅低下
などが足かせとなり、USD/JPYは一時2月10日以来の安値82円57銭まで売られた。本日の東京市場で発表される
主要な経済指標は、企業向サービス価格指数(市場予想:前年比の下落幅が横ばい)、貿易収支(同:輸出の
前年比伸び率が減速)など。また、山口・日銀副総裁が講演を予定しているが、中東情勢に伴うリスクを警戒
する市場では、影響は限定的となる可能性が高いと考える。本日東京でのUSD/JPYは、オーバーナイトでの米
利回りの大幅低下が相場の頭を抑え、上値の重い展開となる可能性が高いと考える。本日のUSD/JPYの予想レ
ンジは83円台前半―82円台半ば。米国で発表の経済指標は、中古住宅販売件数(同:前月比の伸びがマイナス
転換)、MBA住宅ローン申請件数(同:NA)などが予定されている。また、当局絡みでは、プロッサー・フィ
ラデルフィア連銀総裁が講演を予定している。同氏は、現連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ。その
他の通貨に関する主要な手掛かり材料では、オーストラリアで賃金コスト指数(同:前年比の伸びが小幅に加
速)、カナダでテラネット/ナショナル銀行住宅指数(同:NA)、スイスで生産者輸入価格(同:前年比の伸
びが小幅に減速)、ユーロ圏で、鉱工業新規受注(同:前月比の伸びがマイナス転換)、フランスで消費者物
価指数(同:前年比が小幅に加速)、英国でイングランド銀行金融政策委員(MPC)議事録などが発表される。
当局絡みでは、スティーブンス豪準備銀行総裁、トリシェECB総裁、ウェーバーECB政策委員メンバー、マイル
スMPC政策委員が講演を予定している。
B. 日本株式相場:株価続落か-オーバーナイトでは米株価大幅反落、円一時 82 円 57 銭

22日の米国の株式相場は、大幅反落(S&P500指数ベース)。リビアの混乱の拡大など、中東・南アフリカ情勢
に対する警戒感が地合いの悪化につながり、連休明けの米株式相場は反落した。ダウ平均、S&P500指数、ナス
ダック総合指数は前週末比-1.4%、-2.1%、-2.7%で取引を終えた。下落したセクターは、素材(S&P500銘柄
ベースで-3.29%)、金融(同3.04%)、資本財(同-2.81%)、テクノロジー(同-2.62%)など。個別銘柄に
関しては、素材では、インターナショナル・ペーパー(-5.24%)、フリーポート・マクモラン・カッパー&ゴ
ールド(-4.85%)などの基礎資源銘柄が安い。金融では、JPモルガン(-4.15%)、ウェルズ・ファーゴ(3.86%)などの銀行銘柄が売られた。資本財では、フルアー(-5.62%)、ジェイコブズ・エンジニアリング
( -4.77%)な どの建 設・資 材銘柄 が下落した。テクノロジーでは、グーグル (-3.15%)、ヤフー(4.36%)などのインターネット銘柄が下げた。
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
本日 23 日の日本の株式相場は続落を予想する。オーバーナイトでの米株式市場では、リビア情勢の緊迫化が
地合いの悪化につながり、相場は大幅反落した。一方で、対ドルでの円相場は、米利回りの大幅低下などが支
援し、上昇。一時 2 月 10 日以来の高値 82 円 57 銭まで買われた。本日の日本の株式市場では、米株価の大幅
反落や円の上昇が弱気な地合いの継続につながり、売りが先行して始まる可能性が高いと考える。その後は、
オーバーナイトでの円高・ドル安の流れが続くと、弱気が継続し、終始マイナス圏で推移するとみる。中東が
一段と緊迫の度合いを増せば、地合いが一段と悪化するリスクがあると考える。
C. 商品相場:オーバーナイトの米原油大幅高、米金続伸-アジアでの原油、金上値重い展開か

原油相場:22 日のオーバーナイトでの米原油相場は大幅高。前日のプレジデント・デーでの時間外取引で、リビア
での混乱の拡大など、中東・南アフリカ情勢の一段の不透明化で相場が急伸した流れ引き継いだ。NYMEX の原油先
物中心限月物は、前週末比+6.4%で取引を終えた(前日のプレジデント・デーでの時間外取引の値動きは 22 日分と
して統合)。米原油先物の終値は、2008 年 10 月 5 日以来の高値となった(期近物ベース)。本日のアジアでの原
油相場は上値の重い展開を予想する。リビア情勢の悪化を受けた相場急伸を背景とした調整の売りなどで上昇余地
は限られる可能性があると考える。もっとも、中東情勢の一段の不透明化を背景とした原油供給に対する警戒感が
引き続き、相場の下値を支える可能性が高いとみる。

金相場:22 日のオーバーナイトでの米金相場は続伸。前日プレジデント・デーでの時間外取引では、中東情勢の一
段の不透明化や世界的なインフレ懸念などが相場の追い風となり、買いが継続。一時 1 月 3 日以来の 1400 ドル台
ドル台乗せる場面もあったが、連休明けの金市場の通常取引では、ドル相場の総じた底堅さなどを背景とした調整
の売りなども出て伸び悩んだ。COMEX の金先物中心限月物は時間外取引で前週末比+0.9%で引けた(前日のプレジ
デント・デーでの時間外取引の値動きは 22 日分として統合)。本日のアジアでの金相場は上値の重い展開を予想す
る。1400 ドル台の節目達成を受けた利益確定の売りなどを背景に上値は重い可能性があるとみる。もっとも、中
東情勢の一段の不透明化や世界的なインフレ懸念が引き続き、下値を支えると考える。
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③ 23 日の市場の主要な材料
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1出所=ブルームバーグ。
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