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FX/CFD モーニング・コメント
-20 日の市場展望-
2010 年 12 月 20 日
GFT シニアエコノミスト 前川明
① 20 日の市場展望:株価引き続き上値重い展開か-前週末オーバーナイトでは米株価は小幅続伸、円はレンジ
・ 為替相場プレビュー:ドル円上値の重い展開か、前週末オーバーナイトではアイルランド格下げでドル堅調、円対ドルでレンジ
・ 日経平均プレビュー:株価引き続き上値重い展開か-前週末オーバーナイトでは米株価は小幅続伸、円はレンジ
・ 商品相場プレビュー:前週末オーバーナイトでは原油、金反発-アジアでの原油、金は新規の手掛かり難からレンジ取
引か
(本日及び今週の主要な市場の材料一覧は 3-4 ページ参照)
17 日のオーバーナイトの市場
出所:ブルームバーグ、債券に関しては前日比利回り差
② 17 日のオーバーナイトの米金融市場:株価小幅続伸、債券続伸、円レンジ、原油、金反発
17 日のオーバーナイトの米金融市場では、株式相場は小幅続伸(S&P500 ベース)。債券相場(10 年債ベース)も続伸した。
株式市場では、一部大手テクノロジー企業の強気な業績見通しや地銀の買収などを背景に、強気な地合いが継続した。もっと
も、年末を控えた調整の売りなどで上昇余地は限られた。一方で、債券市場では、最近の急落を背景とした買い戻しなどが相
場を支え、続伸した。為替市場では、対ドルでの円相場は、米利回りが低下したことなどから、底堅く推移。もっとも、
最近のレンジの域を出なかった。原油相場は、8 ヶ月振りの高水準となった米景気先行指数などを背景とした先行き需要に
対する楽観的な見方などが相場を支えた。金相場はアイルランドの格下げなどを背景としたリスク回避の需要などが支援した。
英 FTSE 株価指数は-0.2%、独 DAX 指数は-0.6%、仏 CAC は-0.5%、米 S&P500 種株価指数は+0.1%、米ナスダック総合指数は
+0.2%。米原油相場は+0.4%だった。米金相場は+0.6%。
PAGE 1 / 4
③
20 日の相場の展望
A. 為替相場:ドル円上値の重い展開か、オーバーナイトではアイルランド格下げでドル堅調、円対ドルでレンジ

17日のオーバーナイトの為替市場では、USDは同日東京終値比で主要通貨に対して堅調。対EUR、対JPY、対GBP、
対CHFで東京終値比+0.9%、+0.1%、+0.6%、+1.0%だった。対EURでは、格付け会社がアイルランド国債の格
付けを引き下げ、ユーロ圏での財政危機に対する警戒感が一段と高まり、USDへの買いへとつながった。17日
まで開催された欧州連合(EU)首脳会談での欧州版・国際通貨基金の常設などの決定事項がEUR相場に与える
影響は限定 的 だっ た 。 USDは 対 EURで 一 時12月 2日(= 1.3060) 以来の高値1.3133を付けた (東京終値比
+1.3%)。対GBPでは、英国経済のアイルランド経済へのつながりなど背景に同格下げがGBP相場の重しとなり、
USDは上昇した。一時9月15日(=1.5447)以来の高値1.5454まで買われた。対JPYでは、USDはしっかり。全般
的なUSDの堅調さが支援した。しかし、米利回りが低下したことから上値は重かった。オーバーナイトでのレ
ンジは83円69銭-84円20銭。CHFはアイルランドの格下げなどを追い風となり、再び、史上最高値(1.2718)
を更新した。資源通貨は対USDで同日東京終値比で総じて軟調。CAD、AUD、NZDは対USDで同日東京終値比0.8%、-0.2%、-0.6%だった。全般的なUSDの堅調さが相場の足かせとなった。

本日20日の為替市場では、USD/JPYは上値の重い展開を予想する。前週末のオーバーナイトでは、米債券相場
が、調整の買い戻しなどで続伸。米利回りが一段と低下したことから、USD/JPYは上値の重い展開だった。本
日の東京市場で発表される主要な指標は、景気動向指数・一致及び先行CI指数改定値(市場予想:NA)、全国
百貨店売上高(同:NA)のみで、相場への影響は限られる可能性が高い。また、日銀は本日から明日21日まで
金融政策決定会合を開くが、21日公表の金融政策は現状の政策フレームワークを維持する可能性が高いとみる。
本日のUSD/JPYは前週末のオーバーナイトでの方向感のないレンジ取引を継続する可能性が高いと考えるが、
引き続き、最近の日米金利差拡大基調が下支えするとみる。本日のUSD/JPYの予想レンジは84円台半ば―83円
台後半。米国で発表される主要な米経済指標は、シカゴ連銀全米活動指数(同:NA)のみ。また、米金融当局
者による講演などは予定されていない。その他の通貨に関する手掛かり材料では、経済指標では、カナダで卸
売売上高(同:前月比の伸びが小幅に加速)、ユーロ圏で経常収支(同:NA)、ドイツで生産者物価指数
(同:前年比が小幅に加速)、ニュージーランドでパフォーマンス・サービス指数(同:NA)などが発表され
る。
B. 日本株式相場:株価引き続き上値重い展開か-前週末オーバーナイトでは米株価は小幅続伸、円はレンジ

17日の米国の株式相場は、小幅続伸(S&P500指数ベース)した。一部大手テクノロジー企業の強気な業績見通
しや地銀の買収などが相場の強気維持に貢献した。もっとも、年末を控えた調整の売りなどで上昇余地は限ら
れた。ダウ平均、S&P500指数、ナスダック総合指数は前日比-0.1%、+0.1%、+0.2%で取引を終えた。S&P500
指数の終値は2008年9月19日以来の高値を再び、更新。上昇したセクターは、素材(S&P500銘柄ベースで
+0.61%)、消費財(同+0.44%)、公益(同+0.31%)、金融(同+0.25%)など。下落したセクターは通信サー
ビス(同-0.31%)、資本財(同-0.30%)など。個別銘柄に関しては、素材では、フリーポート・マクモラン・
カッパー&ゴールド(+2.04%)、チタニウム・メタルズ(+6.23%)などの非鉄銘柄が高い。消費財では、モ
ンサント(+2.54%)、サラ・リー(+5.31%)などの食品製造銘柄の一角が買われた。公益では、ネクステ
ラ・エナジー(+0.88%)、パシフィック・パワー・アンド・ライト(+1.36%)などの電力銘柄が堅調だった。
金融では、シティグループ(+2.17%)、マーシャル・アンド・イルズリー(+18.31%)などの銀行銘柄の一
部が上げた。テクノロジーでは、オラクル(+3.77%)やサーナー(+3.05%)などのソフトウェア銘柄の一角
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が上昇した。一方、下落した通信サービスでは、アメリカン・タワー(-0.76%)、メトロPCSコミュニケーシ
ョンズ(-1.71%)などの移動体通信銘柄が売られた。

本日 20 日の日本の株式相場は引き続き、上値の重い展開を予想する。前週末のオーバーナイトでの米株式市
場では、レンジながら強含んで推移した。一方で、対ドルでの円相場は、米債券相場の調整の買戻しなどを背
景とした利回りの低下で、底堅かった。本日の日本の株式市場では、オーバーナイトでの米株価の伸び悩みな
どを背景に前週末の東京終値よりも弱含んで寄り付く可能性があるとみる。その後は、手掛かり材料難の中、
レンジ取引となる可能性が高いとみる。もっとも、市場での高値警戒感を背景に、円相場が前週末のオーバー
ナイトでの高値を抜けて、一段高となると、地合いが悪化し、下げ幅が拡大するリスクがあると考える。
C. 商品相場:前週末オーバーナイトでは原油、金反発-アジアでの原油、金は新規の手掛かり難からレンジ取引か

原油相場:17 日のオーバーナイトでは、米原油相場は小幅に反発。ほぼ市場の予想通りだったが 8 ヶ月振りの
高い伸びとなった米景気先行指数などを背景とした先行き需要に対する楽観的な見方などが相場を支えた。 しか
し、ドル相場が全般的に堅調だったことから上値は重かった。NYMEX の原油先物中心限月物は前日比+0.4%だ
った。本日のアジアでの原油相場はレンジ取引を予想する。ドルの全般的な堅調さが相場の重しとなる可能性
が高いが、需要期待などで下値は底堅いと考える。

金相場:17 日のオーバーナイトでは、米金相場は小幅に反発。格付け会社によるアイルランドの格下げなどを
受けたユーロ圏での財政危機に対する警戒感の高まりなどを背景としたリスク回避の需要が相場を支えた。し
かし、ドルが全般的に堅調に推移したことから上値は限られた。COMEX の金先物中心限月物は前日比+0.6%だ
った。本日のアジアでの金相場もレンジ取引を予想する。新規の手掛かり材料に乏しい中、方向感のない取引
となる可能性が高い。前週末のドルの堅調さは本日のアジア時間でも続く可能性があり、それが上値を抑える
とみるが、ユーロ圏での財政問題への根強い懸念などが下値を支えるとみる。
③ 20 日の市場の主要な材料
1
1出所=ブルームバーグ。
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④ 今週の市場の主要な材料
2
2出所=ブルームバーグ。
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