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ヒト胚子期における脳室の形態計測学的解析 P2-39

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ヒト胚子期における脳室の形態計測学的解析 P2-39
P2-39
ヒト胚子期における脳室の形態計測学的解析
Morphometry of
cerebral ventricle during human embryonic period
高桑 徹也 1、中島 崇 1、白石 直樹 1、山田 重人 2、上部 千賀子 2、塩田 浩平 2、巨瀬 勝美 3
1
2
京都大学 大学院医学系研究科 人間健康科学系専攻 臨床検査展開学、
京都大学 大学院医学系研究科 先天異常標本解析センター 、3 筑波大学 数理物理科学研究科 電子物理工学
京都大学先天異常標本解析センターに保管されているヒト胚子を用い MR 顕微鏡で撮像された画像の中で、外表形態、脳、脊
髄に明らかな異常が見られない胚子合計 24 体を用いて、脳室の立体像を作成し、形態計測学的解析を行った。脳室の体積は、
Carnegie
Stage (CS)16-18 は増加したが、CS18-20 では目立った増加がなく CS21 からは急激に増加した。領域に分けて検
討すると CS 21 以降の急激な体積の増加は側脳室の増大によるところが大きく、CS18-21 の体積変化は第 4 脳室の体積減少が
原因と考えられた。側脳室の形態変化の特徴を検討するために、側面から背側線、腹側線計測すると、CS16 から CS23 の間は
大きく増加し、特に背側は CS20 から CS23 の間に著明に増加した。体積も CS16 から CS23 の間は大きく増加し、特に CS20 か
ら CS23 の間では著明に増加した。側面から見た背腹線を円弧へ近似すると、CS16 から CS18 の間は、背側、腹側とも中心角
の増減はほとんど見られず半径のみが増加し、いわゆる Hat shape を維持しながら相似的に大きくなった。CS18 から CS23
では背側、腹側とも、中心角、半径ともに増加し、 C-shape を形成するとともに、C21-23 では加速度的に大きさが増大す
ることが分かった。第 4 脳室でも同様の検討を行った。側面から計測した背側線、腹側線は、CS16 から CS23 の間は大きな変
化は見られなかった。頭側から観察した計測値は CS16 から CS18 の間は左右、背腹最大長とも増加したが、CS18 から CS 23
の間では左右長は増加したが、
背腹長の増減はほとんど見られなかった。
これらの結果は、
CS17 頃から顕著になる橋屈が CS 20、
21 では目立たなくなる結果と考えられた。本研究で得られた結果は、胚子期の脳室の発生を定量化し評価する基準値になる
可能性があり、今後、胎児早期診断の発展に貢献することが期待される。
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