Comments
Description
Transcript
06 観光×漁業で描き出すはじまりの物語 南あわじ市沼島地区
REPORT た。 いずれも 他 府 県の都 市からの移 そして新たに若い夫 婦 2 人 も 加わっ うぎょしゃ)」開 催 日。参 加 者が自 由 島を巡る「おのころクルーズ」の企画 住者で、拠点は島の観光案内所「吉 運営など、島本来の魅力を掘り起こ 甚(よしじん)」。本物の漁師と漁船で 特設会場に並ぶ魚介類は、地元漁師 し、観 光 化していくことにも積 極 的 の幸と物々交換しようという催しだ。 の。参加客が用意したのは、島の人た だ。 また、吉甚の建物もそうだが、空 ればいいかわからなくなったんです。 そ 言う。 「島にしがらみが多く、何をす 単ではないとか。隊員の大原浩さんは 目指している。 しかし、現実はそう簡 価 値 をつけて産 業 化していくことを を提げた乗客が口々に島の一日を語っ がる。帰りの船内では、大きな魚の箱 に会 話が弾み、会 場に交 流の輪が広 るからね」…。参 加 者 とスタッフの間 品をありがとうございます」「また来 「初めて来たけどいい島やね」 「素敵な この日の手魚舎もまずまずの盛況 ぶり。「どこから 来 られたんですか」 計画も進んでいる。 き 家 を 観 光 用 施 設 として 再 生 する こで、 一度お金の価値を捨てて、心でつ ていた。 ながることから始めようと」。そうし 主 催 す るのは「地 域 おこし 協 力 隊」。観光客を呼び込んで、漁に付加 品々だ。 ちの暮らしや気 持ちを考えて選んだ からの寄付や安価で譲ってもらったも に品を持ち寄って、沼 島の新 鮮な海 協力隊のメンバーは、大原さんの他 に森 本 真 理 子さんと安 藤 美 祐さん、 兵庫県の最南端にある離島、沼島(ぬしま)。国生み神話の舞台「オノ 淡路本島から到着する船から、荷 物 を 携 え た 乗 客 が 次々に 降 りて 来 観光 × 漁業で描き出す はじまりの物語 る。 その日は月に一度の「手魚舎(ちょ 南あわじ市 て手魚舎がスタートしたのだった。 沼島 地域おこし協力隊 南あわじ市沼島地区「地域おこし協力隊」 大原 浩さん 南あわじ市沼島 2400 0799-57-0777 「八十八箇所巡りで人のやさしさに この島で子供たちの社会的養護 沼島総合観光案内所「吉甚」。建物 救われ、この道を志しました」 と、隊 の実現を目指す、隊員の安藤美祐 は空き家を再生したもので、「ちょこっ とカフェ」も営業中。 員の森本真理子さん。 さん。 沼島に活気を呼び込むために発足した観 光ボランティアガイド「ぬぼこの会」を前 身に、自治体の公募によって選ばれた隊 員 5 人が、他府県から移住して島おこし に取り組む。 手魚舎でうれしかったのは、あるご夫婦に漁師の安全祈願のお守 りをいただいたこと。漁師さんもとても喜んで、つながった気が しました。観光客の方はもっと島の人たちとのふれあいを求めて います。私たちがそのつなぎ役になることで、交流を広げ、深め ていければと思います。 INFO Point of View 06 「手魚舎」 で物々交換される鯛、 スズキ、 コチ、 舌平目、 ホウボウなど、 獲れたての魚たち。 コロ島」と伝えられる漁業の島だ。 かつては 3000 人を超える島民が いたが、高度成長期の頃から減り始め、現在は 500 人を下回る。今、 この島の活性化を目指して「地域おこし協力隊」が奔走中。観光と漁業 を掛け合わせ、島の古くて新しい魅力発信に取り組む。