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長居小学校のPTA会長宛 要望書
2008 年1月7日 大阪市立長居小学校PTA会長様 特定非営利活動法人 長居公園元気ネット 代表 佐々木和晴 長居公園野宿者テント村撤去要望書の件に関わる要望 突然の要望送付、お許し下さい。 私たちは、主に長居公園の周辺地域において、 「すべての人が立場の違いを認め合い、誰も が住みやすいユニバーサルな街づくり」をめざして活動する NPO です。私たちは、昨年 2 月 5 日におこなわれた長居公園野宿者テント村の大阪市による強制撤去が、私たちの目的とす る街づくりや私たちのめざす人と人の関わりのあり方に非常に大きなマイナスの影響を与え る間違った処置であったと考えています。そこで、強制撤去の経過を問題にし、昨年 2 月 21 日には、野宿当事者の弁明書の審査過程、及び、周辺住民からの苦情が強制排除の理由とな るものかどうかについて調査を求める市議会議長宛陳情書も提出しました。大阪市が長居公 園野宿者テント村の行政代執行を決定した上で、その根拠をつくるために公園事務所が大阪 市関連団体にテント撤去の要望書提出を要請したのではないかという疑念を今も持っていま す。(陳情書と陳情の追加資料を参照下さい) 私たちは、長居小学校の校長先生からテント撤去の要望書(別紙資料)が出されていたこ とに関わって、昨年 9 月 5 日に、校長先生に公開質問書(別紙資料)を提出しました。校長 先生からは 9 月 18 日付で回答(別紙資料)を受け取り、10 月 9 日に長居小学校に出向き、 校長先生・教頭先生とその回答をめぐって話をしました。その話の中で、校長先生も以下の 点でもう少し考えるべきところがあったと思われたのではないかと信じています。①上半身 裸の男性とのかかわりで泣いて登校してきた子や追いかけられて学校に逃げ込んでくる子が いたということであるが、なぜ泣いていたのか、どんな経緯で追いかけられたのか、具体的 経緯を聞いていなかったこと ②警察に連絡する前に、男性がなぜそのような行動をとるの か問うなどの直接のコミュニケーションをとろうとしなかったこと ③男性はテントに住ん でおらず、時々炊き出しなどのときに出入りしていた人だったが、テント村の住人の人に直 接要請に行かなかったこと ④テントをつぶされ排除された人がどうなるか知らず、想像し なかったこと。しかし、校長先生は、あの時点では、 「あそこ(テント村)の男やないか。何 で対応しないのか。何かあってからでは遅い。 」という保護者の強い声の中で、 「苦渋の選択」 として、テント村の強制排除を要望する要望書を出さざるを得なかったのだと言われました。 私たちは、強制排除の要望書を出した校長先生にはっきりと間違いだったと言ってほしかっ たという気持ちはありますが、この問題については、保護者の方にも考えていただきたいと 思いました。野宿をしている人でも、どんな人でも、話して理解しよう、困ったことがある なら、それを直接伝えて要請しようという姿勢、相手を人間と認める姿勢がもっとも大切な のではないかと思うのです。 テントがなくなっても、公園の片隅や路上で寝ざるを得ない人がいます。子どもや若者が その人たちをうっぷん晴らしの対象として襲撃する事件もしばしば報じられています。校長 先生には、これを機会として、野宿せざるを得ない人も同じ人間と見て接することができる 人間教育を進めてほしいとお願いしてきました。今回、PTA の方に、校長先生に対する私た ちの要請の経過をお知らせし、保護者のみなさまの間でも考えていただきたいという趣旨で、 この要望を送付させていただきました。機会があれば、会員の保護者のみなさまの間でも、 この問題について考える機会をもっていただければと思います。参考として、野宿の人への 理解を深める学習をおこなったという新聞記事、強制排除前のテント村の様子を伝える新聞 記事、若者のテント村とのかかわりを報じた新聞記事を添付しておきます。どうぞよろしく お願いします。