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メソポーラスシリカの構造を明らかにする

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メソポーラスシリカの構造を明らかにする
B-XRD 1008
メソポーラスシリカの構造を明らかにする
はじめに
メソポーラスシリカ(MCM-41)は、細孔がヘキサゴナル状に配列した構造を持ち、比表面積が大きいことが特徴で、
触媒材料や吸着剤などに用いられています。このような構造の単位胞を考える場合、面間隔d値を図1のようにみな
すことにより、ヘキサゴナル構造の単位胞が定まります。実際にメソポーラスシリカの試料を測定して、観測される周
期構造由来のピーク(長周期ピーク)のd値が、相対比で1:0.577:0.5であれば、その構造はヘキサゴナル構造であ
ると推測できます。
測定・解析例
二種類のMCM-41のX線回折測定を行いました。図1におけるd値は原子による構造由来ではなく、材料の骨格構造
体の配列に由来するため、その値は大きくなります。よって、観測される回折線は図2に示すように低角度側に現れ
ました。これらの試料には小角光学系による透過法測定が用いられることもありますが、高速1次元X線検出器
D/teX Ultraを用いて反射法で測定することも可能です。図2に示すように、1分以下の短時間測定でも統計変動が少
なく、高角度側のd2、d3の微小ピーク位置を明確に算出することができ、表1に示すように、試料1、2ともに相対的な
d値は理論値と一致しました。
Intensity (Counts)
d3
試料 1
d1 = 2.945 nm
20000
15000
10000
d2 = 1.693 nm
5000
0
2
3
4
5
d3 = 1.468 nm
6
7
8
2 (°)
d1
d2
図 1 ヘキサゴナル構造を有する単位胞
表 1 d1 を 1 とした時の相対的な面間隔値
理論値
d1
d2
d3
1
0.577
0.500
試料1
1
0.575
0.499
試料2
1
0.577
0.500
Intensity (Counts)
40000
試料 2
d1 = 3.451 nm
30000
20000
d2 = 1.990 nm
10000
0
2
3
4
d3 = 1.726 nm
5
6
7
8
2 (°)
図 2 メソポーラスシリカの X 線回折パターン
推奨装置
► デスクトップX線回折装置 MiniFlex300/600
► 試料水平型多目的X線回折装置 Ultima IV
► 全自動水平型多目的X線回折装置 SmartLab
► 高速1次元X線検出器 D/teX Ultra
(K1202ja)
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