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エネルギーITS推進事業 「レーザレーダによる区画 白線認識技術の開発」 (2008年度~2012年度 5年間) 株式会社 デンソー 2013年 3月 12日 1/13 研究開発の概要 車両横方向位置検知のコンセプト 1, 既存の高速道路でも走行可能な安全で信頼性の高い隊列走行を実現する. 2, 安全で信頼性が高い アクティブ方式(レーザレーダ)とパッシブ方式(カメラ)を併用して区画白線を検知 デンソーではアクティブ方式での白線認識技術を開発 レーザレーダ ガラスビーズによ る再帰性反射 出射光 反射光 白線 反射強度大 アスファルト 反射強度小 レーザ計測の特徴 1,照度の変化に強く夜間も使用可能 2,雨や霧の影響を受けやすい 白線の計測原理 白線とアスファルトの反射強度の差を利用 白線部分 開発内容 250 1,レーザの反射強度を利用した 白線認識アルゴリズムの開発 2,天候による悪影響の調査と対策 200 150 00 150 165 180 195 210 225 240 Lateral Position [cm] 車からの横方向距離[cm] 白線の反射強度 反射強度[a.u] 300 2/13 研究開発目標と根拠 研究開発項目(個別テーマ) ①白線認識アルゴリズム 開発 ②車載型認識装置開発 研究開発目標 <前提条件> 環境条件:晴天、曇天、雨天、逆光 道路条件:橋梁下、トンネル内,ゼブラ部 <目標値> 検出精度:±20mm 誤検出率:10-6以下(10000フレームあたり) 未検出率:10-4以下(10000フレームあたり) 根拠 検出精度:短い車間距離による省燃費効 果を得るために必要な前後車両との横位 置ずれ<±200mmを満たすために必要 誤検出率,未検出率:システムの信頼性を 考慮したシステム要件からの要求値 但し、環境条件:雨天、トンネル内除く ③ 降雨,霧発生時における 作動限界性能の明確化 <前提条件> 速度規制条件を含む以下の条件での作動限界値を 明確にする. 降雨条件:時間雨量0mm/h(降雨なし)~200mm/h 霧発生条件:視程10000m(霧なし)~5m レーザレーダ方式の作動限界を明らかにし, システム停止条件を明らかにする. 3/13 研究開発成果 (1) 白線認識アルゴリズム開発 (2) 車載型認識装置開発 (3) 降雨,霧発生時における作動 限界の明確化 4/13 研究開発成果 (1) 白線認識アルゴリズム開発 (2) 車載型認識装置開発 (3) 降雨,霧発生時における作動 限界の明確化 5/13 (1) 白線認識アルゴリズム開発 Reflection Intensity [a.u.] 特徴:少ない情報量で高い検知信頼性を確保する為,過去数走査分のデータを活用 300 250 200 150 100 50 0 120 Road Lane Mark Obstacle (Concrete ) Step1 白線の幅と反射強度から白線の候補を抽出 ※白線位置予測範囲から外れた部分は除外 150 180 210 240 270 Lateral Position [cm] Threshold Level [a.u.] Lane Mark 250 Step2 240 Concrete 230 反射強度をヒストグラム化して白線を選択 220 210 200 120 150 180 210 240 270 Threshold Level [a.u.] Lateral Position [cm] 250 240 Step3 白線の連続性から次回の白線候補範囲を 予測し設定 ROI 230 220 210 200 120 150 180 210 240 Lateral Position [cm] 270 6/13 (1) 白線認識アルゴリズム開発 影の影響によりカメラ未検知 白線位置 [cm] 240 220 200 Camera Laser 実験結果 レーザレーダでは検知可能 実験場所 産総研TC 未供用高速道路 180 誤検知率 160 0 0 未検知率 2.5×10 140 0 カメラとの検知位置誤差 ±13mm 120 1000 -6 1500 2000 2500 3000 走行距離 [m] 車速80km/h,晴天時 未供用高速道路での白線検知試験結果例 晴天時において,目標値※を達成. ※ 誤検知率:10-6以下 未検知率:10-4以下 カメラでの白線認識と晴天時においては同程度の精度で行なうことが可能である. カメラが苦手としている照度急変部分や夜間においても作動が可能である. カメラとレーザレーダの複合型センサの需要拡大へ 7/13 研究開発成果 (1) 白線認識アルゴリズム開発 (2) 車載型認識装置開発 (3) 降雨,霧発生時における作動 限界の明確化 8/13 (2) 車載型認識装置開発 特徴:通信の信頼性を確保するためにEthernet (LAN)方式を採用 LIDAR 反射強度値 距離値 LAN,60Hz 信頼性の実績がある デンソー量産型を使用 信号処理装置(PC) 【ソフトウェア】 ・白線認識アルゴリズム ・CANコントローラ 横位置参照値(カメラ) 車速,ヨーレート 速度 制御部 CAN,10Hz 白線認識システム レーザレーダスペック 項目 仕様 検知距離 0~120 [m] 検知エリア 分解能 日射・雨付着 対策カバー 水平:±18 [deg] 上下:±4 [deg] 水平:0.08 [deg] 上下:1.4 [deg] 検出周期 0.1 [sec] 体格 W100×H60×D80 レーザレーダ 隊列走行車での取り付け 耐環境性の高いシステムを構築し,隊列走行車へ実装した. 9/13 研究開発成果 (1) 白線認識アルゴリズム開発 (2) 車載型認識装置開発 (3) 降雨,霧発生時における作動 限界の明確化 10/13 (3) 降雨,霧発生時における作動限界の明確化 速度規制範囲 N=600 10 10 過去数走査分の 反射強度最小値を合成 55 2 2d 00 B 検知不可 00 50 100 150 200 50 100 150 200 RainRain Intensity Intensity [mm/h] [mm/h] 250 高速道の速度規制値以下でも 白線認識が不可能となる場合がある. Reflection Intensity Ratio 15 15 [dB] Ratio [dB] Reflection Intensity Reflection Intensity Ratio [dB] Ratio [dB] Reflection Intensity 【降雨環境での作動限界】 ※過去6データ使用 N=600 速度規制範囲 15 15 10 10 55 2d2 B00 0 0 50 100 150 200 50 100 150 200 Rain Intensity [mm/h] Rain Intensity [mm/h] 雨量によらず認識可能となる. 【霧発生環境での作動限界】 霧発生環境では視程70m※以上であれば 白線認識が可能 白線検知可能 白線検知不可能 ※ 高速道路の通行規制レベル(1)程度の濃度 70 (1) 高速自動車国道等における異常気象等発生時の交通規制要領 http://www.police.pref.hokkaido.lg.jp/koukai/tuutatu/kou-kousoku/k-kousoku-101.pdf 霧環境下での反射強度差 250 11/13 個別研究開発項目の目標と達成状況 1) 2) 3) 白線認識アル ゴリズム開発 車載型白線認 識装置開発 降雨,霧環境 下における 作動限界の 明確化 目標 成果 認識精度:±20mm 誤認識率:10-6以下 (10000フレームあたり) 未認識率:10-4以下 (10000フレームあたり) 認識精度:±15mm 降雨:時間雨量 0mm/h~200mm/h にて性能調査 霧:視程10000m~5m にて性能調査 誤認識率:0 未認識率:2×10-5 達成 度 今後の課 題 ○ 一般道など, 様々なシーンで の白線認識 ○ 積雪など雪に よる影響への 対策 ※産総研TCにて試験 降雨:認識性能は雨量 に依存しない,降雨の 影響は対策アルゴリズ ム実装により低減 霧:視程70m以上にお いて正常に白線認識 が可能 ◎ 大幅達成、○達成、△達成見込み、 ☓未達 それぞれの開発項目での目標を達成した. まとめ 13/13 成果 1,認識精度 過去数走査分のデータを活用するアルゴリズムを開発し, 目標を上回る±15mm以 下の白線位置認識精度を達成した. (目標精度<±20mm) 2,認識性能 量産型レーザレーダを用いた白線認識装置を開発し,大型トラック実験車に搭載し, 認識性能を評価した結果,誤認識率0,未認識率2×10-5を達成した. (目標 誤認識率<10-6 ※,未認識率<10-4 ※ ※いずれも10000フレームあたり) 3,降雨・霧環境下における作動限界明確化 降雨については,過去数回分の走査データの反射強度最小値を合成する信号処 理技術を開発し,高速道路で速度が規制される雨量※以上でも作動を可能にした. 霧については,高速道路の封鎖条件※である視程70m以上で作動可能であること を確認した. ※ 高速自動車国道等における異常気象等発生時の交通規制要領より 今後 本プロジェクトで開発した技術を, 安全・安心な車社会の実現.交通事故の大幅低減に寄与する製品に反映していく