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ボクは、ぜったい自分の欠点をなおさないよ。 だって、これもボクの大切な
ボクは、ぜったい自分の欠点をなおさないよ。 だって、これもボクの大切なキャラクターだもん。 I cling to my imperfections as the very essence of my being. アナトール・フランス ANATOLE FRANCE アメリカ人はアンダードッグびいき アメリカという国はアンダードッグ(弱者・劣等者)の集まりである。親ゆずりの美点よ りも、人としての魅力を重んじる社会である。人を引きつける個性、強い決意、すぐれた頭 脳さえあれば、何にでもなれると信じている。だからこそ、アメフトの強豪に対して番狂わ せをねらうチームや、新しい事業を起こして大企業と張り合う小さな会社に、私たちは熱い 声援をおくるのである。いなかの貧しい子ども時代に毎日何マイルも歩いて通学し、ついに はアメリカ大統領になった…という成功話にも、感動をおぼえずにはいられない。 なのに、アンダードッグ――余談だが、これはアメリカで創られた単語である――という 言葉を生んだ当の“さえない犬”のことは、ついつい忘れてしまう。犬といえば、美しさで 定評のある幼いラブラドール・レトリーバーのくりっとした目や、大きな足で元気に転げ回 っている姿に心を奪われる人が多いだろう。あるいは、洗練されたジャックラッセルとか、 血統書つきの勇ましいジャーマン・シェパードとか、映画でもおなじみのダルメシアンだろ うか。 しかし、私にはペット写真家として仕事をしながらよく感じることがある。それは、血統 がはっきりしない犬や、雑種犬や、純血種だが人気のない犬のほうが、だれより魅力的な伴 侶になれるということだ。そこで、こうした犬たちを主役にして、一冊の本をまとめること にした。ページをめくれば、同じく欠点をかかえた私たち自身の姿にも気づかされるだろう。 この本に登場する犬のなかには純血種もいるが、それほど人気のない流行遅れの犬ばかりで あり、それ以外の多くは雑種である(何しろ、アメリカにいる犬の半数以上は雑種なのだ)。 だがどの犬も、個性ゆたかで頭がよく、ときにユーモラスな表情を見せてくれる。みな愛を そそがれ、愛で応えている犬たちである。 愛に、血統などないのだ。 ジム・ドラットフィールド JIM DRATFIELD 5 ああしたいとか、こうしようとか、 ああなりたいとかってね、 別にないんだ。 でも、ボクはしあわせ。 理由なんてわかからないけど。 でも、このままで、ボクはしあわせ。 My life has no purpose, no direction, no aim, no meaning, and yet I'm happy. I can't figure it out. What am I doing right? チャールズ・M・シュルツ CHARLES M. SCHULZ 6 太っちょですって? 失礼ね、背が20センチ足りないだけよ。 I'm not overweight, I'm just nine inches too short. シェリー・ウィンターズ SHELLY WINTERS 9 キミのこと、ずーっと考えてたら、 世界がキミ一色になっちゃったよ。 何を見ても、何を聞いても、 何の匂いをかいでも、 思いつくのはキミのことばかりなんだ……。 If you are possessed by an idea, you find it expressed everywhere, you even smell it. トーマス・マン THOMAS MANN 10 これはなんだろう??っていう 気持ちが湧くのって 心が元気いっぱいの証拠だよね。 Curiosity is one of the permanent and certain characteristics of a vigorous mind. サミュエル・ジョンソン SAMUEL JOHNSON