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人権のまちひの
日野町人権・同和教育推進協議会 広報紙 ▼人権啓発講演会及び第 せ つ お や ざ き 1947 年(昭和 22 年)東京生まれ。早稲田大学英文学部卒業。大学在学中よ り童謡・童話の世界を志し、童謡詩人の佐藤義美、まどみちおに師事。 自身の創作活動の傍ら、学生時代に出会った金子みすゞの作品を探し続け、 16 年ののち埋もれていた遺稿を見つけ『金子みすゞ全集』出版。 2003 年(平成 15 年)4 月、金子みすゞ記念館(山口県長門市)館長に就任。 き方に自分自身が変わること 「 優 し い ま な ざ し は 受 け 入 れて寄り添うことで、その優 の大切さを話します。 んが「みんなちがって、みん しさは心がこだまし合ってい なざしで生きてきたのではな 「 こ れ ま で 私 た ち は『 私 と あなた』という自分中心のま 題して話されました。 し、金子みすゞさんの詩を紹 もできないことを参加者に諭 けない、友だちがいないと何 ないと相手に届いたことにな らない」と一人では生きてい いか」と矢崎さんは会場に問 介しました。 こだまでしょうか 「遊ぼう」っていうと 「馬鹿」っていうと 「遊ぼう」っていう。 まなざしから、『あなたと私』 「馬鹿」っていう。 自分中心だった生き方から、 相手に寄り添い、理解する生 「もう遊ばない」っていうと に変えること」と訴えます。 までの『私とあなた』という 矢崎さんは「まなざし(生 き方)を変える喜びは、これ 調での講演でした。 を包み込むようなやさしい口 ざしを変えてほしいと、会場 いかけ、この講演でそのまな な い い。 金子みすゞさん のうれしいまなざし 」 -と 人権啓発講演会は、金子み すゞ記念館館長の矢崎節夫さ ― 金子みすゞさんのうれしいまなざし ― みんなちがって、みんないい。 ◆人権啓発講演会 回日野町人権・同和教育研究集会 37 2012年 月 日、人権啓発講演会と町人権・同和教育 研究集会が町文化センターで開かれ、人権啓発講演会では、 金子みすゞ記念館館長矢崎節夫さんの講演、研究集会では、 地域課題から人権尊重社会の仕組みを考えるシンポジウムが 行われました。 矢崎 節夫 (金子みすゞ記念館 館長) 10 19 22 広報ひの 2012 年 11 月号 「私とあなた」から「あなたから私」へ 金子みすゞさんの詩を通し、まなざしを変えてみませんか 2012 年 11 月 ひの 人権のまち そうして、あとで 「遊ばない」っていう からは大きくうなずく参加者 もなっていると話すと、会場 みすゞさんを知るきっかけに この詩はテレビで流れたこ とから、とても有名で、金子 せました。 かけると、参加者は笑顔を見 いきませんか」と会場に投げ で、子どもの痛みは半減して と。こだまして寄り添うこと どもの気持ちを受け入れるこ さみしくなって、 の姿があちらこちらで見えま というまなざしを変えない限 「ごめんね」っていうと 矢崎さんは「子どもが痛く て 分 か っ て ほ し く て『 痛 い 』 りなくならない。それに対し した。 と言ったときに、大人が痛く 『 あ な た と 私 』 と い う、 あ な 「ごめんね」っていう。 こだまでしょうか、 ない、痛くないというのでは たがいるから私は生きていけ 「 差 別 は、 自 分 が 優 先 だ か らするのであり『私とあなた』 いいえ誰でも。 なく『痛いね』や『痛いの、 るというまなざしで生きてい る人は、相手を丸ごと受け入 れる優しさがあり、心がこだ まし合う」と、矢崎さんはい かにまなざしを変えることが 大切か、今後、参加者のまな ざしが変わることを期待しま した。 年)、山口県大津郡仙 金子みすゞさんは、本名を 金子テルといい、1903年 (明治 年 )、 歳の若さで亡くな 人ですが、1930年(昭和 中の巨星」と称された童謡詩 品を発表し「若き童謡詩人の ました。大正末期に優れた作 崎村(今の長門市)に生まれ 36 26 りました。 5 広報ひの 2012 年 11 月号 23 痛いの、飛んでいけぇ』と子 会場に訴えかける矢崎さん 心を打つ矢崎さんの話に参加者は感動