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自然で学ぶ、自然から 学ぶ

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自然で学ぶ、自然から 学ぶ
自然で学ぶ、
自然から 学ぶ
―ミュージアム学習を通じて ―
なぎさ公園小学校
教 諭 清
水 將
3年生は本校グラウンドにて、
テント泊
本校では初めての冬プログラムという
き抜く力」を育 成できる取り組みとして
を行います。施設での宿泊とは異なり、
テ
ことで、子どもたちには、他の学年以上
「自然 体 験 活 動 」の重 要 性が言われ、
ント泊は子どもたちの緊張も高まります。
にしっかりとした事前準備が必要と考え
積雪量はどんどん増えていきました。そ
長期宿泊を伴う活動をカリキュラムに組
沼田校舎の竹を利用したそうめん流し、
ました。雪上活動は、非日常体験である
のような中での、スノーシュー体 験と雪
み 込もうとする学 校 が 増えてきていま
広島名物のお好み焼き作りなど、常に班
ことから深い学びが得られると同時に、
上運動会です。初めて履くスノーシュー
す。なぎさ公 園 小 学 校では、開 校当初
で活動し、仲間と共に学び合います。
三瓶に近づくにつれ降雪が見られ、
怪我のリスクも高い活動だからです。そ
に悪戦苦闘しながらも、
「靴だけで歩く
こで、グループごとに各 活 動の調 べ 学
のとスノーシューを履いて歩くのでは歩
集 団 宿 泊を通じて集 団 生 活の規 律を
習をすることにしました。今回は、
スノー
きやすさが全然違う」
と驚きの声が上が
きました。そして、昨年度ついに1年生か
再 確 認し、子どもたちの自立を促しま
シュー体験、雪上運動会、雪上自然観
りました。
ら5年生まで自然体験宿泊学習を実施
す。同時に、4・5年生の本格的な自然体
察、歩くスキー、
イグルーづくり、天体観
することができました。
験活動の土台を形成するようにプログ
測、
「自然館サヒメル」や「小豆原埋没
ラムされています。
から自然 体 験 宿 泊 学 習を実 施してお
り、年を追うごとにその形を変化させて
このように、1年生から3年生までは、
4年生のサマーアドベンチャー
各学年のしおり
1~3年生の自然体験宿泊学習
雪上自然観察
ご協力いただき、
グループごとにスノー
めての体 験ばかりだったことから、
「お
雪だるま作り、雪 合 戦と、全身を使って
シューを履いて雪上自然観察を行いま
互いに支え合いながら活 動した」
「日
林公園」の見学についてです。様々な
仲 間と共に活 動しました。雪の色や温
した。子どもたちは、雪の結晶を見たり、
頃、関わりの少なかった友 達の意 外な
資料を活用し、体験する意味や学習で
度、その性質など、遊びを通じて冬の自
冬芽を観察したり、動物の足跡を追跡
一面を見つけた」
「一緒に笑い合えた」
きること、その方法を調べまとめていくう
然を感じました。
したりと、学芸員の方の説明を食い入る
と活動を振り返っていました。
これも大自
また、雪上運動会では、雪盛り対決、
ちに、活動の見通しを持つことができた
ように聞き、時には質問をしました。
どん
然の中で非日常体験を共有したからこ
キャンプ場」、
「県立もみのき森林公園」
ようでした。
また、調べたことをお互いに
な質 問にも的 確に答えてくださる学 芸
その効果ではないでしょうか。
を使用し、自然体験宿泊学習を行いま
発表し合う解説会を開き、わからないこ
員の方と接する中でほんもの体験がで
す(昨年度は台風の影響で1泊2日とな
とは子どもたち同士で聞き合い、
自分の
きたことは、子どもたちにとって大きな収
り、
もみのき森林公園でのみ宿泊)。
キャ
担当した活動に対する自信をさらに深
穫だったようです。学校に戻ってから雪
昨 年 度の自然 体 験 宿 泊 学 習は、天
ンプ場でテントを張り、
自分たちでご飯を
めていました。
が降っていた時に、
「この雪は、三瓶の
候により予定通りには進まないことがた
4年生は、廿日市市吉和にある「立野
作ります。そして、保護者にもお手伝い
雪上運動会
いただき、沢歩きを行います。水の勢い
1年生は沼田校舎、2年生は八千代校
に押されながらも仲間と共にゴールを目
一方、子どもたちは、雪上活動の楽し
舎(昨年度はスケジュールの都合から沼
指して歩く中で、
自然の力を痛感し、同
田校舎に変更)、3年生は本校と本学園
時に仲間の大切さを実感します。
また、
「雪が降っていると目を開けることができ
施設を利用し、1泊2日で実施します。
夜にはキャンプファイヤーを行い、水・火
なくて、だれがどこにいるのかわからな
さだけでなく、その 怖さも感じました。
今後の課題
雪の結晶と同じなのかな」
とつぶやく声
くさんありました。3年生は、急な豪雨に
を聴いたときに、
自然に対しての見方や
見舞われ、テントの片づけが一時中断
接し方を学ぶことができた学習だったの
することとなりました。4年生のサマーア
だと確信しました。
ドベンチャーは、台風に見舞われ、
日程
ミュージアム学習
変更を余儀なくされたばかりか、歩く予
定の沢を台風によって倒された巨木が
1年生では、野遊びや虫捕りなどを通
という自然の持つ様々な姿に触れ、先
かった」
「みんなの気持ちが高まってい
本校では、5年生の自然体験宿泊学
覆い、別の沢に変更となりました。5年生
じて、
自然の中で生き物や仲間と群れて
人の知恵や自然の神秘を体験します。
て、指示がいつもの何倍も伝わりにくか
習をミュージアム学習と呼んでいます。
は季節がらインフルエンザが猛威を振
った」
「まとめていた荷物が雪に埋まり、
子どもたちにとって自然そのものがミュ
るい、短縮日程で実施となりました。
遊ぶことの楽しさや面白さを実 感 する
スノーシュー体験
5年生~冬プログラムに向けた事前学習~
どこに何があるのかわからなくて大変だ
ージアムだという考え方から名付けてい
自然が相手である以上、
自然の力に
2年生は、千年杉登山、ハンモック体
5年生は昨年度より、冬の自然体験活
った」。事前に周到な準備をしてきたつ
ます 。様々な施 設を見 学 するだけでな
対応できる代案を考えたり、場所を探し
験など、群れ遊びに加えて、頭と体を使
動となりました。2月に3泊4日の行程で雪
もりの子どもたちでしたが、
自然が相手
く、その周辺の豊かな自然にも触れる活
たりして、
よりよいプログラムを追求してい
動がたくさんあるのです。
くことがこれからの課題です。自然を活
活動を構成しています。
10
5年生~自分たちで企画・運営した雪上運動会~
近年、小学校教育の中で「社会で生
いながら自然と触れ合う活動を組み込
上活動を行います。島根県の「三瓶青
では、予想をはるかに超える事態も起こ
んでいます。
また、
ナイトウォークを行い、
少 年 交 流の家 」に宿 泊し、
「 三 瓶自然
りうると学習できました。
天体観測や夜の自然観察を行う中で、
館サヒメル」、
「三瓶小豆原埋没林公
木々や生き物の昼とはまた違った一面
園」など、様々な施設とその周辺の自然
を体験します。
を活用しました。
季刊誌「鶴学園」 No.154 2014 春号
5年生~雪上自然観察~
小豆原埋没林公園
三瓶自然館サヒメルの学芸員の方に
子どもたちは、今回の自然体験宿泊
用していくこと、その自然から多くを学び
学習を通じて、
自然の壮大さを味わい、
取ること。
日常の学習をよりよいものにす
五感をしっかりと使いながら、
ほんものに
るために、
この非日常の体験活動をこれ
触れ続けました。多くの子どもたちが初
からも充実させていきたいと思います。
季刊誌「鶴学園」 No.154 2014 春号
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