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中等教育と高等教育
岡山大学大学院教育学研究科研究集録 第 1 4 9 号 ( 2 01 2 )2 7 -3 2 第 2次世界大戦後におけるオース トラリアの 中等教育 と高等教育 野達 政雄 メルボル ンのグレン ・アイラ市 に住む高齢女性 に2 0 0 5 年 と2 0 0 6年 に聞 き取 り調査 をお こな い,彼女たちの語 りを既 に 『 研究集録』 に発表 した。その語 りを理解す ることの助 けとなる ように,1 9 4 5 年か ら1 9 8 0年 頃 までのオース トラリアの中等教育 と高等教育 につ いて要約す る。 Keywor ds:オー ス トラリア,中等教育,高等教育,女性 1 本稿の 目的 年 まで進 む生徒 の割 合 は増加 していった。 それで 筆者は2 0 05 年 と2 0 0 6 年 にメルボル ンで6 5歳以上8 0 歳未満の高齢女性 にライフヒス トリーについての聞 き取 り調査 を実施 した。テープ起 こしをして彼女 た ちの語 りを文章化 し,分析 を始めた。 この分析 をお こなってい く中で,彼女たちのライフヒス トリーを 理解す るためには,彼女たちが 1 0 代であった当時, オース トラリアの教育 はどうであったかを知 ってお かねばな らない こ とに気づ いた。 そ こで,筆者 は オース トラリアの教育 に関す るテキス トを読む とと もに,それに関す る統計 を収集 した。本稿の 目的は, 1 9 4 5 年か ら1 9 8 0年頃 までのオース トラリアの中等教 育 と高等教育について要約す ることである。 2 中等教育 中等教育の前期が 日本の中学校,後期が高校 に相 当する。1 9 4 3 年 に, タスマニア州 は義務教育 を終 え る年齢 を1 6歳,ニュー ・サ ウス ・ウェールズ州は1 5 歳 とした。その他の州 はその年齢 を1 歳 9 6 0年代 に1 5 とした。1 9 4 5 年以降, オース トラリアの教育制度 は 急速に整備 されていった。 しか しなが ら,1 9 7 0年頃 までは,義務教育 を終 えてか らも中等教育機関に在 学 し続ける生徒 はそれほ ど多 くなかった。例 えば, 1 9 4 8 年 には中等教育の最終学年 ( 通例 5年)まで進 むの は約 1% 0 にす ぎなか った。1 9 6 0年代 に中等教 育 の修業年限が 1年増 えたが, 中等教 育の最終学 ち,1 9 6 9 年 に は, その割 合 は2 8% にす ぎなか った ( Cr i t t e nde n1 9 8 9 :7 1 ) 。 オー ス トラリアでは,公立学校の中等教育 を担 う 割合が大 きい。 1 9 7 0年に中等教育機関の生徒の うち, 7 8 7 %が カ トリック系の私立学校 %が公立学校 に,1 に, 5%がそれ以外の私立学校 ( 英国国教会系の私 立学校 など)で学んでいた。1 7 歳以上の中等教育機 関の生徒 ( 義務教育ではない生徒である)に限る と, カ トリック系以外の私立学校 に在学す る生徒の割合 が相対的に大 きくなる。中等教育機 関に在学す る1 7 歳以上の男子生徒の うち,7% 0 が公立学校 に,1 7 % が カ トリック系の私立学校 に,1% 3 がそれ以外 の私 立学校 に通学 していた。1 歳以上である女子生徒の 7 それぞれの割合は, 6 7 %.1 7 %, 1 6 %であった ( Enc e l 77 8 ) 。 1 9 7 4 :1 - まず ,1 9 5 0年代 と1 9 6 0年代 に,中等教育が どの よ うに普及 していったか を跡づけたい。オース トラリ アでは,学制や義務教育の期 間が州によって違 って いる。 また, 同 じ学年 を再度履修する生徒 もいる。 それゆえ,学年が高 くなるにつれて, どの くらいの 割合の男子 と女子が学校 をやめないで中等教育機関 に在学 し続けているかを学年 ごとに見てゆ くことは あ ま り意味が ない。そ こで,すべての若者の うち中 等教育機 関に在学 している若者の割合 を年齢 ごとに 見てゆ くことにす る。 ところで,中等教育機関には 岡山大学教育学研究科 社会 ・言語教育系 社会科教育講座 7 0 0 8 5 3 0 岡山市北区津島中 3-1-1 Changesi nSec ona dr yadT n er t i ar yEducat i oni nAus t r al i af r om 1 9 4 5t o1 9 8 0 Ma s a oNOBE Di vs ii onorSoc i a lS山di e sa ndLa ng ua g eEd uc a t i on,Gr au da t eSco h olorEd uc a t i o n,Oka ya maUnv ie r s l t y ,3 1 -1 Ts us hi ma naa k,Ki t a k u, Oka ya ma7 0 0 8 5 3 0 - 27 - 野連 公 立 学 校 と私 立 学校 が あ るが , 義 務 教 育 後 に在 学 す 政雄 を見 て ゆ く。 る生徒 の割 合 で両 者 の 間 に差 が あ るo この ため, 中 に通 う男 子 生 徒 , 表 とに中等 教 育 機 関 に在学 して い る男 子 と女 子 の割 合 表 表1 4は私 立 学 校 に通 う女 子 生徒 につ い て の デ ー タを 公立 学 校 の 男 子 生徒 の在 学 率 (1950年 代 と 1960年 代 ) 1 944年 年齢 1 2歳 1 3歳 1 4歳 1 5歳 1 6歳 7歳 1 1 8歳 + 1 9 45年 1 946年 1 9 56年 1 957年 1 958年 1 00 1 00 1 00 99 99 1 0 0 88 88 90 5 6 58 63 28 31 35 1 2 1 4 1 6 6 7 6 1 971 年 1 972年 1 973年 表 2は私 立 学校 3は公立学 校 に通 う女 子 生徒 , 表 1は公 立 学 校 に通 う男 子 生私 等 教 育 機 関 を公 立 学 校 と私 立学校 に分 け て, 年 齢 ご ( 単位 = %) 1 947年 1 948年 1 949年 1 95 0年 1 951年 1 952年 生徒が 1 2歳のときの年 1 959年 1 960年 1 961年 1 962年 1 963年 1 964年 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 01 92 92 93 96 98 1 00 67 69 69 72 76 79 37 39 42 44 46 51 1 7 1 8 1 9 2 4 26 28 6 6 9 1 0 11 11 1 97 4年 1 975年 1 976年 1 977年 1 97 8年 1 979年 生徒が 1 8歳のときの年 ( 出目 目 口) Ence leta / . ( 1 97 4:1 78) D 表 2 私 立 学 校 の男 子 生 徒 の在 学 率 1 944年 年齢 1 2歳 1 3歳 1 4歳 1 5歳 1 6歳 1 7歳 1 8歳+ 1 9 45年 1 946年 1 95 6年 1 957年 1 958年 1 00 1 00 1 00 1 00 1 02 1 00 92 95 93 7 4 76 75 52 53 54 n. a. 32 33 11 1 2 1 5 年 1 97 2年 1 973年 1 971 ( 1950年 代 と1960年 代 ) ( 単位 = %) 1 9 47年 1 9 48年 1 949年 1 95 0年 1 951年 1 952年 2・ のときの年 生 が1 1 960年 1 961年 1 959年 1 963年 1 964年 1 962年 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 99 98 99 93 93 93 9 4 95 93 93 77 77 79 81 83 8 4 56 58 60 63 64 66 35 37 35 42 43 4 5 1 7 1 7 1 7 1 4 1 4 1 6 1 97 4年 1 975年 1 976年 1 97 7年 1 978年 1 979年 8歳のときの年 生徒が 1 ( 出目 日 日 ) Enceleta / ,( 1 97 4:1 78) D 表 3 公立 学 校 の女 子 生徒 の在 学 率 (1950年 代 と1960年 代 ) ( 単位 = %) 1 94 4* 14 95年 14 96年 1 9韻 が . 1 2 9 *0 484 ,tきd fi9年 15 90年 15 91 年 15 92 年 1 956年 1 957年 1 958年 1 959年 1 960年 1 961 年 1 962年 1 963年 1 964年 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 99 99 99 1 00 99 9 8 99 99 98 90 93 96 99 83 84 85 87 88 61 65 69 75 46 49 52 56 58 32 35 39 44 21 22 25 27 30 1 2 1 6 1 8 21 7 8 1 0 11 1 2 4 5 5 6 2 2 2 2 3 年 1 97 2年 1 973年 1 97 4年 1 975年 1 976年 1 977年 1 978年 1 979年 1 971 生徒が 1 8歳のときの年 ( 出 曲) Enceleta / . ( 1 97 4:1 79 ) 。 年齢 1 2歳 1 3歳 1 4歳 1 5歳 1 6歳 1 7歳 1 8歳+ 表 4 私 立 学 校 の女 子 生徒 の在 学 率 1 9 44年 年齢 1 2歳 1 3歳 1 4歳 1 5歳 1 6歳 1歳 7 1 8歳 + 1 945年 1 946年 1 956年 1 957年 1 958年 1 00 1 00 1 00 1 03 1 04 1 03 93 95 95 69 70 71 41 42 44 ∩. a 1 8 1 9 5 3 4 年 1 97 2年 1 97 3年 1 971 ( 出典) Encl e eta/(94 .1717) 19。 ( 1950年 代 と 1960年 代 ) ( 単位 = %) 1 947年 1 948年 1 949年 1 95 0年 1 951 年 1 952年 生^が 1 2口 のときの年 1 959年 1 96 0年 1 961 年 1 962年 1 963年 1 964年 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 03 1 02 1 01 1 02 1 03 1 03 98 97 97 95 96 96 81 80 84 72 74 74 54 56 58 46 48 51 28 30 3 1 21 22 21 5 4 6 6 7 7 1 97 4年 1 975年 1 976年 1 97 7年 1 97 8年 1 979年 竪琴垂i 1 8歳のときの年 -2 8- 第 2次世界人戦後におけるオース トラリアの中等教育と高等教育 示 している。表 1にある1 9 4 4年生 まれの男子生徒 を 6歳か らである。 か ら,私立学校 に通 う女子生徒で1 例 に して これ らの表 の見方 を説 明 してお きたい。 性別や学校が公立か私立かで若干の差があったが, 1 95 6年 に1 2歳 となる男子生徒の うちで,公立学校 に 在学す る男子生徒 の合計 を基準 に してお り,その年 0 0としている。そ して,年齢が上が る の生徒 数 を1 9 4 4年生 まれの男子 につれて,公立学校 に在学す る1 2歳の ときの男子生徒数 と比べ て どの よう 生徒数が 1 に変化 したか を示 している メルボル ンでの聞 き取 り調査の調査対象者 となっ 9 2 6年生 まれか ら1 9 41 年生 まれ までの女性 たのは,1 9 4 4年生 ま である。そ こで,表 1か ら表 4における1 れの生徒が在学する割合を見 ることで,最 も若い調 査対象者 は中等教育機関での在学状況が どうであっ 。 しか し,1 9 4 4年生 まれの生徒 たかを推測で きる 17 歳の とき私立学校に在学す る人数の割合 に では,1 関す るデー タが欠 けてい る。 そ こで,代 わ りに, 1 9 4 5年生 まれの生徒 を見てゆ きたい。表 1か ら表 4 にある1 9 45年生 まれの生徒のデー タか ら,次の 2点 を読み取 ることがで きる。 第 1に,男性で も女性で も,1 7歳 まで中等教育機 7 関に在学する生徒の割合はそれほど高 くないが.1 歳 まで在学する生徒 の割合は女性 よ りも男性 のほ う 7 が高いことである。そ して,男性で も女性で も,1 歳 まで在学す る生徒の割合は公立学校 よ りも私立学 校 のほ うが高いことである。数値 をあげれば.公立 7歳 まで在 学す るの は1 4%であ 学校 の男子 生徒 で1 2%である。これに対 し, り, 私立学校の男子生徒 で3 7 歳 まで在学す るのは 8%で 公立学校の女子生徒で1 8%である。 あ り,私立学校の女子生徒で1 1 9 6 0年代初頭,義務教育終了後 も中等教育機関に 在学す る女性 の割合 は男性 のそれ よ りも低 か った が.これは次の ような理 由か らである。男性 の場合, 学校教育 を受けることは将来 において よい職業 に就 95 0 年代 には,女 業す ることに繋がる。 ところが,1 性 は若 くして結婚 し,結婚後 は退職 して専業主婦 と なることが一般的であった。 さらに,女性 は専門的 な職業 に就業す る機会が限 られていた。 こうした事 情か ら,両親は ( 義務教育 を終 えた後)中等教育機 関の高学年 まで娘 を学校 に通 わせ るのに熱心 で な Enc el1 9 7 4:1 7 6) 01 9 6 0年代 に入っ か ったのである( てか らそ うした制度や価値 観 は変化 し始 めたが, 1 9 6 0年代初頭では1 9 5 0年代 とそれほ ど違 いがなかっ たのである 第 2に, 中等教育機関に在学 し続 ける生徒の割合 0%を切 るのは,1 6歳前後であることである。数 が5 0%未満 となるのは,公立 値 を示せ ば,その割合が5 6歳か ら,私立学校 に通 う男 学校に通 う男子生徒で 1 子生徒で 1 7歳か ら,公立学校 に通 う女子生徒で1 5歳 1 9 4 5年生 まれの人は多 くが 1 6歳 くらいで中等教育機 関をやめていたのであるO その後.中等教育機関の高学年 に在学 し続ける生 徒 の割合 は増加 してい ったが, その割合 の増加 は 1 9 6 0年代後半 に顕著である。 この ことを,表 1に示 7歳の ときに在学す る割 した公立学校 の男子学生が1 9 4 4年生 まれの男子学 合で例示 したいOその割合は1 2% ( 1 9 61 年 に該 当す る) ,1 9 4 8年生 まれの男 生で1 8% ( 1 9 6 5年 に該 当す る),1 9 5 2年生 まれ 子学生 で1 80 / . (99 16年 に該当す る)である。在 の男子学生で2 学する生徒の割合 は1 9 6 0年代 にかけて一貫 して高 く なっているが,その後半 にとりわけ上昇 している。 中等教育機関の高学年 に在学す る生徒 の割合が増加 す る傾 向は,私立学校 の男子生徒 ( 表 2を参照), 公立学校の女子生徒 ( 表 3を参照),私立学校 の女 子生徒 ( 表4を参照)で も見 られる。 1 9 6 0年代 にわたって在学する生徒の割合が増加 し た。その結果,中等教育機 関に在学す る生徒の割合 9 6 0年代終わ りに どうなったかは,表 1か ら表 4 が1 にある1 9 5 2年 に生 まれた生徒のデー タを見ることか ら分か る。 このデー タか ら,次の 2点を読み取 るこ とがで きる。 第 1に,1 7歳 まで在学す る生徒 の割合 は女性 より 7歳 まで在学する生徒の割合 も男性 のほ うが高 く,1 は公立学校 よ りも私立学校 の ほ うが高 い こ とであ 9 45年生 まれの生徒 に見 られたが, る。 この傾 向は1 95 2年生 まれ その後 もず っ と続いているのである01 の生徒 の数値 をあげれば,公立学校の男子生徒 で1 7 歳 まで在学す るのは2 8%であ り,私立学校の男子生 徒で45%である。 これに対 し,公立学校の女子生徒 7 歳 まで在学す るのは21%であ り,私立学校の女 で1 子生徒で31%である。 第 2に, 中等教育機 関 に在学す る生徒 の割 合が 5 0%を切 るのが,1 7歳前後 となったことである。数 0%未満 となるのは.公立 値 を示せば,その割合が5 7歳か ら,私立学校 に通 う男 学校 に通 う男子生徒で1 7歳か ら,公立学校 に通 う女子生徒で 1 6歳 子生徒で 1 7歳か らである。 か ら,私立学校 に通 う女子生徒で1 性別や学校が公立か私立かで若干の差があったが, 1 9 5 2年生 まれの人は多 くが 1 7歳 くらいで中等教育機 関をやめるようになった。 9 7 0年代 に中等教育機関に在学する生徒の 次に,1 割 合が どの ように変化 したか につ いて見てゆ きた 95 3年か ら1 9 6 3年に生 まれた若者 い。 このため に,1 について,年齢 ごとに中等教育機関に在学 している 若者の割合 をまとめ,表 5か ら表 8に示す。表 5は 。 。 -2 9- 野遠 政雄 表 5 公 立 学 校 の男 子 生 徒 の 在 学 率 ( 1970年代) 1 953年 F 2霊 1 3歳 1 4歳 15歳 1 6歳 17歳 1 95 4年 1 955年 1 956年 1 957年 1 958年 1 959年 生徒が1 2歳のときの年 ~盲 了莞 16孟 9号 16誌 97 16蓋 97. 16 9浩 17o 9?*0 17芸 9 1. 1 00 1 02 1 01 1 01 1 01 1 01 1 00 1 01 1 02 1 01 1 01 1 01 1 01 1 0 81 82 82 83 8 4 82 81 5 3 5 4 55 5 6 5 4 52 5 4 29 3 0 31 29 27 28 28 ( 単位 = %) 1 960年 1 961 年 1 962年 1 963年 1 972年 1 973年 1 97 4年 1 975年 10 0 10 0 10 0 10 0 1 00 1 00 1 00 99 99 99 1 00 98 84 85 86 86 56 55 5 6 5 4 27 27 26 23 9 8 7 7 1 978年 1 979年 1 980年 1 981年 竺 + .7紅 9. 922 7; .7; 93 .7i 94 l 9 i5 憲9 A. . 1 87 96 0 4tfl A7 gi Commow n eJ at hBueu ra o fSai tts t i csA (ut srl ai a nBueu ra o fSal ttS t i c)Sc s,oi aSai ltts t i c:ut sA srl ai aSh .co ol s , ( 出典) 1 965 -1 981 . にもとづいて著者作成 。 表 6 私 立 学校 の男子 生徒 の在 学 率 ( 1970年代) 1 953年 年齢 1 2歳 1 3歳 1 4歳 15歳 1 6歳 1 7歳 1 8歳 + 1 954年 1 955年 1 956年 1 965年 1 966年 1 967年 1 968年 1 00 1 00 1 00 1 00 9 8 98 98 98 94 96 94 9 4 87 89 85 85 67 69 66 66 47 48 46 46 1 4 1 4 1 5 1 6 1 971年 1 972年 1 973年 1 974年 ( 単位 = %) 1 957年 1 958年 1 959年 1 960年 1 961 年 1 962年 1 963年 生 が1 2・ のときの年 972年 1 973年 1 974年 1 975年 1 969年 1 97 0年 1 971年 1 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 01 1 01 98 98 98 1 01 99 99 96 1 00 99 97 97 96 90 90 90 93 9 4 93 95 7 3 72 71 70 71 73 75 49 48 49 48 49 48 48 11 11 1 3 1 2 11 9 8 1 975年 1 976年 1 977年 1 978年 1 979年 1 980年 1 981年 生徒が 1 8歳のときの年 )o 日C mmow n eM a IBueu ra o fSai tts t i csA (ut srl ai a nBueu ra oSai f tts t i c)Sc s,oi aSai ltts t i c:ut sA sr aaSh i.cool s , 白 ( 出目 1 9 65 -1 981 . にもとづいて著者作成 O l 表 7 公立 学 校 の女 子 生徒 の在学 率 ( 1970年代) 1 953年 年齢 1 2歳 1 3歳 1 4歳 1 5歳 1 6歳 1 7歳 1 8歳 + 1 954年 1 955年 1 956年 1 965年 1 966年 1 967年 1 968年 1 00 1 00 1 00 1 00 99 1 02 1 00 1 01 99 1 01 1 00 1 00 76 77 78 79 44 46 47 49 22 23 24 25 6 6 6 6 1 971年 1 972年 1 973年 1 97 4年 ( 単位 = %) 1 957年 1 958年 1 959年 1 96 0年 1 961 年 1 962年 1 963年 生 が1 2口 のときの年 I 969年 1 97 0年 1 971年 1 972年 1 973年 1 97 4年 1 975年 1 00 1 00 1 00 1 0 0 1 00 1 00 1 00 1 01 1 01 1 00 99 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 99 98 99 99 98 8 0 79 80 82 84 85 85 5 0 49 52 55 56 57 56 25 26 28 29 3 0 3 0 27 7 7 8 8 8 8 7 1 975年 1 97 6年 1 977年 1 978年 1 979年 1 980年 1 981 年 生徒が1 8歳のときの年 Commow n el at hBueu ra o fSai tts t i csA (ut srl ai anBueu ra o fSai tts t i c)Sc s,oi aSai ltts t i c.ut sA sr a l i aSh .co ol s . ( 出 典) 1 965-1 981 . にもとづいて著者作成 。 表 8 私 立 学 校 の女 子 生 徒 の 在 学 率 ( 1970年代) 1 953年 年齢 1 2歳 1 3歳 1 4歳 1 5歳 1 6歳 1 7歳 1 8歳 + 1 9 54年 1 955年 1 956年 1 965年 1 966年 1 967年 1 968年 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 02 1 00 99 97 97 97 97 84 85 86 87 57 59 60 61 33 34 35 37 7 8 7 8 1 971年 1 972年 1 973年 1 97 4年 ( 単位 = %) 1 957年 1 95 8年 1 959年 1 96 0年 1 961 年 1 962年 1 963年 生 が1 2日 のときの年 972年 1 973年 1 97 4年 1 975年 1 969年 1 97 0年 1 971 年 1 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 1 00 99 99 1 01 1 02 1 02 1 00 98 97 99 99 99 1 02 98 89 90 91 92 93 97 89 64 68 70 71 7 4 7 6 63 41 43 45 47 47 47 40 9 7 7 8 8 8 8 1 975年 1 976年 1 977年 1 978年 1 97 9年 1 98 0年 1 981 年 生徒が1 8歳のときの年 日 日Co mmow n el at hBueu ra o fSai tts t i csA (ut sr aa HnBueu ra o fSai tts t i c)Sc s,oi aSai ltts t i c:ut sA srl ai aSh ,co ol s , ( 出 目) 1 965 -1 981 . にもとづいて著者作成。 -3 0- 第 2次世界大戦後におけるオース トラリアの中等教育と高等教育 公立学校 に通 う男子生徒,表 6は私立学校 に通 う男 表 9 大学 にお ける女性の割合 子生徒,表 7は公立学校 に通 う女子生徒,表 8は私 立学校 に通 う女子生徒 についてのデー タを示 してい . 9 。 時 1 91 6年 1 9 6 6 年 2歳の ときの生徒数を る。 これ らの表において も,1 0 0としている。 基準に してお り,その年の生徒数 を1 儲 人篭 8 2 6 . ベての芸 . 2 2 . 1 2. 84 3. 22 2. 33 2. 74 ne cT T 7,a J( . %1 .12 =9) O 3・ 15 。 ・, 2。 0 0. 216 2. 53 1狙 そ して,年齢が上が るにつれて,生徒数が 1 2歳の と きの生徒数 と比べて どの ように変化 したかを示 して 人 にす ぎなか った。1 9 7 0年 には大学 の数 は1 5とな いる。表 5か ら表 8までを見ることか ら,次の こと が分かる。 1 6 0 0 人 となった。1 9 7 8 り,大学 に登録す る学生 は1 年には大学 は1 9 校 まで増 え,大学に登録す る学生 は 1 6 0, 0 0 人となった ( Cr i t t e nde n1 9 8 9:72)。 第 1に,男子生徒が中等教育機 関の高学年に在学 す る割合は1 9 7 0年代 にあま り変化 していないことで 1 91 8年 か ら1 9 5 0年 まで 6つ の大学 で学 ん だ学生 の約2 0% は女性 であ った と推測 されている ように ( Ene cle ta. l17:9) 94 12 .大学 で学ぶ女子学生 は 9 5 0年代 か ら.新入生,登録学生, 少なかった 2)。1 卒業生 に占め る女子学生の割合が徐 々に高 くなっ 9 71 年 には登録 ていった ( 表 9を参照)。そ して,1 1 .% 5 が女子学生 となった。 ド- ソ ン す る学 生 の3 ( Da ws on1 9 6 5:2 2 83 0) ち,かつ てはシ ドニー大 学で女子学 生が少 なか った こ とを明 らか に してい 8 81 年か ら1 9 5 9 る。その研 究 によると,同大学か ら1 年 までの間に学位 を取得 した人の うち,学士号取得 2.% 6 ,修士号取得者の1.% 75 ,博士号取得者 者の2 の5.% 9 が女性であった。 6歳 まで在学す る男子生 ある。例 えば,公立学校 に1 9 5 3年生 まれで5 3%であ り,1 9 7 5年生 徒の割合は,1 まれで5 4%である。その割合は 1%増加 したにす ぎ 7歳 まで在学す る男子生徒の割合 ない。公立学校 に1 は,逆 に減少 している。つ ま り,その割合は1 9 5 3年 9%であ り,1 9 6 2年生 まれで2 3%である。 生 まれで2 第 2に,女子生徒が中等教育機関の高学年に在学 9 7 0年代 に顕著 に増加 したことであるO する割合は1 数値 をあげれば,公立学校 に1 6歳 まで在学す る女子 生徒の割合は,1 93 5年生 まれで4 40 /であ O り,17 95 年 6%であるOそ して,公立学校 に1 7歳 まで 生 まれで5 9 5 3年生 まれで2 2%で 在学す る女子生徒の割合は,1 9 7 5年生 まれで2 7%である。私立学校 の女子 あ り.1 1 9 6 8年 に, 高 等 教 育 カ レ ッ ジ ( c ol l egeof a dva nc ede duc a t i on) と呼 ばれ る新 しい高等教育 機関が設立 された。そ こでの教育は,職業教育に力 点が おかれ て いた。登 録す る学 生数 は,1 9 71 年に 生徒では,その増加は更に顕著である。私立学校に 1 6歳 まで在学する女子生徒の割合は1 9 5 3年生 まれで 5 7%であったが ,1 97 5年生 まれでは7 6% となった。 7歳 まで在学する女子生徒の割合は1 9 5 3 私立学校 に1 年生 まれで3 3%であったが,1 9 7 5年生 まれで4 7%で ある 7 0, 50 5 人,17 95年 に15 2, 33 8 人 で あ ったO 高 等 教 育 9 71 カ レッジの学生 に占め る女子学生 の割 合 は,1 年 に2 0%であ った。大学 と高等教育 カ レッジ以外 Te ac he r s ' に,高等教育機 関 として,教員養成大学 ( 。 1 9 7 0年代 に中等教育機関の高学年に在学す る女子 生徒の割合が顕著に高 くなっていった。特筆 に値す 9 7 7年か ら義務教育後 に中等教育機関で学 るのは,1 ぶ生徒の割合は男子 よりも女子が高 くなったことで ある。す なわち,その年か ら1 6歳 と1 7歳の若者の う ち中等教育機関 ( 公立学校お よび私立学枚)に在学 す る若者の割合 は男性 よりも女性 のほうが高 くなっ 9 61 年生 まれの若者が1 6歳の た。数値 をあげると,1 1 9 7 7年 に当たる)中等教育機関に在学す る割 とき ( 9%であ り,女性で6 0%である。 また, 合は,男性で5 1 9 6 0年生 まれの若者が 1 7 歳の とき( 1 9 7 7年 に当たる) 2%であ り. 中等教育機関に在学する割合 は,男性 で3 3%である 女性で3 Col l e ge)があ った。そ こで学ぶ学生 には女子学生 9 7 0年頃には,その学生の約 が圧倒的に多かった。1 7 0%が女子学生であった。そ して,大学,高等教育 カ レッジ.教員養成大学 といった高等教育機関で学 9 71 年 に3 4%を ぶ学生全体 の うちでは,女子学生 は1 占めていた。 ちなみに,1 9 87年か ら大学 は高等教育 カレッジや 専門学校 と合併 した り,大学以外の高等教育機関が 大学 に昇格 した りした。その結果,オース トラリア では大学 の数が とて も多 くなった ( マ ッケ ンジー 1 9 9 2:3 05) 。 。 ( 注) 3 高等教育 第 2次世界大戦前,オース トラリアには大学は 6 つ しかなかった。1 9 45年に 7番 目の大学が設立 され 6, 0 0 0 たが,その年 に 7つの大学 に登録 した学生 は2 - 1)表 1か ら表 8 は Soc i alSt a t i s t i cs ,Aus t r al i a. No. 1Sc hool sに掲載 されているデー タか ら作 成 されている。 この統計書 は1 9 6 0年か ら発行 さ 9 4 3年生 まれ以前の生徒のデー タは れてお り,1 31 - 野遠 政雄 Unv ie r s i t yPr e s s , 7 0 9 3 . Da ws on,Ma dge,1 9 6 5, Gr au d at eadMa n r r i e d, De pa r t me ntofAdul tEd uc a t i o n,Unv ie r syo i t f Sd yne y. Enc e, lS. ,N.Ma c Ke nz l e,a ndM.Te bbut t ,1 9 7 4, Wome nandSocL ' et: y AnAu sr tal i anSt uy d, Me l boumeC : he s hi r ePb u l i s hi ngPy t Lt. d 2 「オース トラ リアの マ ッケ ンジー, コ リン,1 9 9 0 『 書斎の窓』有斐閣,3 1 5 . 教育現状 について」 入手で きなかった。 2)第 2次世界大戦中に連邦政府は文部省を設立 し, 大学 についての統計 を組織的に収集す るように なった。 このため,それ以前の大学 に関す る統 計 はあま りない。 ( 引用文献) , Ci rt t e ne dn,Br i a n, 1 9 8 9,I Educ ao t ini nAl l S t r a l i a : c onf br t n i ve r s i t y, ' 'Kei t hHa nc oc ke d. mi y adD , Au s t r a l i a nSocL l et y,Cambr i dge:Cambr i dge - 3 2 -