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「人を育てて勝つ!!」 ~人間力を高めることが勝利に

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「人を育てて勝つ!!」 ~人間力を高めることが勝利に
「人を育てて勝 つ!!」
~人間力を高めることが勝利につな がる~
広島工業大学高等学校
教 諭 関
指導方針
根 浩 司
れる心が成長のカギだと考えています。
た食事の2つが必要不可欠です。
の強 化目標が見え、春の結 果からは、
ちを謙虚に受止め、感謝の心を持ち、今
広島工業大学高等学校野球部は、
また、野球というゲームは不確定要素が
トレーニングに関しては専門家に依頼
冬の成 果と夏に向けての課 題が明 確
まで戦った相手の気持ちまで背負い、
目
学校生活、野球を通して人間力を磨き、
多く、自分の思い通りにならないことば
して月1回の指導を年間を通して行って
に見え、選手たちのモチベーションも高
の前の一戦一戦を必死に戦っていたの
将 来 的には社 会に貢 献する人 財を育
かりです。そこで大切なのが「我慢力」
います。内 容は、大きく分けて4つありま
まります。
この体力測定の結果が、甲子
です。野球を通して、勝つことを通して、
成することを指導方針としています。
ま
と
「徹底力」の2つだと考えています。
自
す 。1 つ目は「ランニングの動き作り」で
園レベルの体格と体力に達しているか
人間として大きく成長した2週間だった
た「心・技・体」のうち、
「心」と「体」の2
分たちにとって苦しい展開や悪い流れ
す。走ることはすべてのスポーツの基本
の目安となります。
と感じました。その成 長ぶりは2 学 期に
つの育 成にこだわりを持って取 組んで
になったとき、気持ちが切れたり、集中力
となる動きです。2つ目は「野球のスキル
入っても変わらず、今 度は自分の進 路
決定に向けての力となっています。
います。
「心」は人間力を磨くこと、
「体」
がなくなったりすれば、ゲームは一気に
アップにつながる動き作り」です。ボール
はトレーニングコーチや管 理 栄 養 士の
負けに転がっていきます。そこでいかに
を投げる・打つ・捕るという動作につなが
指導により甲子園レベルの体格と体力
我慢強くゲームを作れるか、終盤に向け
るトレーニングになっています。3つ目は
を身に付けることです。
この2つの力が
てやるべき事を徹底できるかが、勝利に
「投手の投球動作の分習」です。複雑な
付くことで「技」は後から伸びてくると考
近づくカギとなります。そのためにも普段
投球動作を分割して、それぞれの動きを
えています 。本 校 野 球 部は、人 間 力を
の 学 校 生 活 や 勉 強 、日々の 練 習の中
反復しながら体に覚え込ませ、最終的に
磨き、体を鍛え上げ、技 術を伸ばし、甲
で、辛いことを我慢強くやること、最後ま
はすべてが一 連の動 作でつながり、最
子園への切符を勝ち取るべく日々精進
で諦めずにやるべき事を徹底して行う
大のパフォーマンスを発 揮できる動きを
食 事に関しては管 理 栄 養 士に依 頼
しています。
ことが大切だと考えています。当たり前
作ります。4つ目は「ウエイトトレーニング」
して、年 2 回の栄 養 指 導と夏の大 会に
のことに気づき
「感謝の心」が持てる感
です。
まずは怪我をすることなく、1年間
向けた食事やサプリメントのプログラム
「心」と「体」にこだわりながら、野球
性を磨いてほしいと思っています。好き
練習や試合を継続できる強い体を作りま
を作 成していただいています 。春の栄
の技術練習と年間約100試合の練習試
学校生活も勉強も野球も、同じ一人
な野 球を思う存 分やらせてくれている
す。最終的にはパワーアップによる野球
養指導では、新入生を対象とした食事
合を通して実践力を身に付けて臨んだ
の人間がするわけですから、人間として
両親や先生方など、周囲の人たちへの
のパフォーマンス向上が目的です。
の基本と、2・3年生を対象としたシーズ
平成27年夏の広島大会。過去最高成
この夏の広島大会ベスト4で、夢の甲
の成長がなければ野球選手としての成
感謝、
グランドや施設や道具があること
ン中の食事の考え方を、
また、秋の栄養
績に並ぶ、3 4 年ぶりのベスト4という結
子園へ一歩近づいたと思います。
しか
長もないと考えています。今、掲げてい
へ の 感 謝 、試 合に出 場している選 手
指導では冬場の体作りを考えた食事の
果を残すことができました。
し、高校野球、そして勝負の世界はそん
るテーマは「 素 直な心 」
「 我 慢 力」
「徹
は、控え選手や応援をしてくれる選手へ
仕方を指導していただきます。
この夏、私が一番嬉しかったことは、
なに甘くありません。9月に行われた秋季
人間力を磨く
試合期の食事
体力測定
ト4となった原動力の1つであったことは
間違いありません。
夏の大会ベスト4
勝利の瞬間
夢の甲子園へ
底力」
「感謝の心」の4つです。
の感謝、相手チームや審判がいるから
ベスト4という結果ももちろんですが、そ
大会では、
リーグ戦は勝ち上がりました
人の話やアドバイス、厳しい注意など
ゲームができることへの感謝…。感謝の
れよりも開会式から準決勝までの2週間
が、県 大 会では1回戦で敗れました。6
に対して「 素 直な心 」で耳を傾けて受
心があれば、負けるチームがいるからこ
での3 年 生たちの成 長 ぶりです 。この
回までは1点リードした展開で、
自分たち
入れることができなければ、人としての
そ勝たせてもらえるのだと謙虚に勝ちを
夏、6試合戦い、5試合に勝ちました。試
に流れがありましたが、7回の1つのプレ
成長がないのはもちろんのこと、野球選
受止めることができ、相手へも敬意を払
合に勝つたびに選手に話したのは、
「自
ーで流れが大きく変わりました。そこを踏
手としても伸びません。
どんなことでも自
うことができます。
これらの感謝の心が
分たちが勝ったということは、相手の高
ん張り切れず、
もう一度自分たちに流れ
あるからこそ、
さらに努力する力が湧い
校野球が終わりを告げたということであ
を持ってくることもできず、終盤で逆転さ
てきたり、チームの絆が強まったりするの
るわけだから、相 手に対して敬 意を払
れてしまいました。あらためて野球の怖
い、勝てば勝つほど謙 虚に、感 謝の心
さ、勝負の世界の厳しさを教えられた試
分のため、チームのためと素 直に受 入
だと思います。
甲子園レベルの体格と体力
甲子園レベルの体格と体力を手に入
トレーニングスケジュール
栄養指導
を忘れてはならない」
ということでした。3
合になりました。
この秋の敗 戦は、自分
そして、
これら4つがどれだけ自分の
夏の大会に向けた食事の仕方やサ
回戦に勝ったあと、選手からこんな言葉
たちの力不足であったことを素直に受
ものになっているかを測るために、体力
プリメントのプログラムは、ベストコンディ
が出てきました。
「実るほど 頭を垂れる
入れ、人間力を磨き、体を鍛え上げ、技
れるには、理にかなったハードなトレーニ
測定を秋(10月)
と、ひと冬越えた春(5
ションで試合に臨むために大変重要な
稲穂かな」選手たちは勝ちに浮かれる
術を伸ばし、来年の夏の甲子園出場に
ングと、ボリュームのあるバランスのとれ
月)に実施します。秋の結果からは、冬
ことであり、今年の夏の広島大会でベス
ことなく、相 手に対して敬 意を払い、勝
向けて新たなスタートを切っています。
3塁側ダッグアウト
6
季刊誌「鶴学園」 No.160 2015 秋号
季刊誌「鶴学園」 No.160 2015 秋号
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