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日本におけるドイツ学術交流会（DAAD）
ウェブマガジン『留学交流』2013 年 5 月号 Vol.26 日 本 に お け る ド イ ツ 学 術 交 流 会 （ DAAD） ド イ ツ 学 術 交 流 会 （ DAAD） 東 京 事 務 所 所 長 ホルガー・フィンケン Dr. Holger Finken キーワード： 学術交流、留学関係機関、ドイツ DAAD の 使 命 と 目 標 ド イ ツ 学 術 交 流 会 （ DAAD） は 、 学 生 及 び 研 究 者 の 国 際 交 流 の た め の 世 界 最 大 の 支 援 組 織 で す 。 DAAD は 、 ハ イ デ ル ベ ル ク の 学 生 達 と 、 後 に ハ ー バ ー ド 大 学 教 授 と な っ た カ ー ル ・ ヨ ア ヒ ム ・ フ リ ー ド リ ッ ヒ 氏 の 主 導 に よ り 1925 年 １ 月 １ 日 に 設 立 さ れ ま し た 。 以 来 DAAD は 、 150 万 人 を 超 え る 国 内 外 の 大 卒 者 に 対 し て 助 成 を 行 っ て き ま し た 。 D A A D は 、ド イ ツ の 大 学 と 学 生 団 体 に よ り 組 織 さ れ て い ま す 。D A A D の 予 算 は 、主 に 外 務省及びその他省庁の連邦予算から、また欧州連合のほか様々な企業や組織、外国政 府からも拠出されています。本部はボンにありますが、そのほかにも首都ベルリンに 事務所を設置しており、ここには知名度の高いベルリン芸術家プログラムの担当部署 も 併 設 さ れ て い ま す 。 14 の 在 外 事 務 所 と 50 の イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン セ ン タ ー を 通 じ て 世界中の最重要パートナー諸国とのネットワークを構築し、また、現地で相談業務を 行っています。 2 01 1 年 に D A A D の 助 成 を 受 け た ド イ ツ 人 と 外 国 人 は 、世 界 中 で 7 0 , 0 0 0 人 に 上 り ま す 。 助成の対象は、学部生の留学、博士号取得を目指す留学、海外インターンシップ、客 員 講 師 、情 報 調 査 、外 国 で の 大 学 設 立 な ど 、多 岐 に わ た り ま す 。助 成 を 決 定 す る の は 、 国内外の大学教官から構成され、名誉職として活動する独立した選考委員会です。こ の 委 員 会 の 委 員 は DAAD の 理 事 会 に よ っ て 任 命 さ れ ま す 。 DAAD は マ ー ケ テ ィ ン グ ・ サ ービス、出版、イベント、研修を通じてドイツの大学の国際的な活動を支援していま す。 数 年 前 か ら D A A D は 「 交 流 で 世 界 が 変 わ る （ C h a n g e b y E x c h a n g e ）」 と い う 標 語 を 全 組 織 的 に 掲 げ て い ま す 。こ の 標 語 の 下 、D A A D は 次 の ３ つ の 主 要 テ ー マ に 取 り 組 ん で い ます： 最も優秀な人々のための奨学金： 優 秀 な 学 生 や 研 究 者 に 対 す る 助 成 は 常 に 大 き な 成 果 を 上 げ て い ま す が 、DAA D は さ ら に 、 将来専門的及び指導的立場に立つ方々が国際交流の理解のもと、活動できるよう支援 し 、全 世 界 と の 持 続 的 な 結 び つ き を 創 出 し た い と 考 え て い ま す 。DAAD は 、奨 学 生 や 同 窓生による専門的・文化的なネットワーク構築をより一層強力に支援していきます。 世界に向けて開かれた構造： D A A D は 、大 学 が そ れ ぞ れ 独 自 の 国 際 化 戦 略 を 実 現 す る た め に 利 用 で き る 助 成 プ ロ グ ラ ムを提供します。世界で活躍する学生にとって主要な受入国であるドイツの地位を維 独立行政法人日本学生支援機構 Copyright 1 © JASSO. All rights reserved. ウェブマガジン『留学交流』2013 年 5 月号 Vol.26 持 す る た め に は 、2 02 0 年 ま で に 3 5 0, 0 0 0 人 の 外 国 人 学 生 を 受 け 入 れ る 必 要 が あ り ま す 。 ま た 、そ の 成 績 を ド イ ツ 人 学 生 と 同 レ ベ ル に 高 め る こ と も 必 要 で す 。ま た 、2020 年 ま でに、ドイツ人大卒者の２人に１人が在学中に多くの国外経験を積むことが目標とさ れ て い ま す 。 DAAD は 、 学 術 言 語 と し て の ド イ ツ 語 の 地 位 を 守 る と 同 時 に 、 ど の 分 野 に お い て も 多 言 語 主 義 を 支 持 し て い ま す 。D A A D は 、欧 州 の 大 学 及 び 研 究 の 領 域 に お い て その一翼を担っています。 学術交流のための知識： D A A D は 、世 界 に お け る 大 学 間 の 協 力 関 係 と 学 術 制 度 に 関 す る 総 合 的 か つ 多 様 な 知 識 を 有 し て お り 、 こ れ が DAAD の 活 動 の 基 盤 と な っ て い ま す 。 こ の 点 で DAAD は 、 専 門 家 で ある職員の経験と在外事務所、インフォメーションセンター、講師の世界的なネット ワークを活用することができます。この知識は絶えず更新され、関係者の戦略的意思 決 定 の た め に 提 供 さ れ ま す 。こ う し た 知 識 が あ る か ら こ そ 、D A A D は 学 術 制 度 の 国 際 化 推進機関としてのその機能を、より一層強力に果たせるようになるのです。 日 本 の DAAD 学 術 に お け る 日 独 関 係 に お い て 、D A A D の 奨 学 生 は 常 に 重 要 な 役 割 を 果 た し て い ま す 。 既 に 第 二 次 大 戦 前 か ら 、D A A D は 日 本 人 留 学 生 3 6 名 、お よ び ド イ ツ 人 留 学 生 1 8 名 に 奨 学 金 を 支 給 し て い ま し た 。日 本 人 奨 学 生 第 １ 号 は 、1 9 9 9 年 ５ 月 に 亡 く な っ た 東 山 魁 夷 画伯でした。 戦 後 1950 年 ８ 月 ５ 日 に DAAD は 再 興 さ れ 、 1952 年 に は 早 く も 第 一 陣 の DAAD 年 間 奨 学 生 が 日 本 か ら ド イ ツ に 到 着 し ま し た 。 そ の 中 に は 、 後 に DAAD 友 の 会 を 日 本 で 設 立 し、その初代会長となった医学教授の吉田久氏も含まれていました。 DAAD 東 京 事 務 所 は 1978 年に設立されました。初代 所長のウルリッヒ・リンス 氏 は 、そ の 後 も 1 9 9 9 年 か ら 2004 年 ま で 再 度 所 長 を 務 め ています。現所長は私、ホ ルガー・フィンケンが務め ています。 D A AD の 幹 部 は 定 期 的 に 日本を訪れています。例え ば、ドロテア・リューラン ト事務総長は、日本外務省 の 招 請 を 受 け て 2 012 年 ２ 月 に来日しました。滞在中、 筑 波 大 学 とドイツ学 術 交 流 会 （DAAD）とのパートナーシップ・プログラムに リューラント事務総長は、日 関 する協 定 を締 結 2012 年 2 月 ：写 真 前 列 右 ：山 田 信 博 筑 波 大 学 長 、 本の外務省と文部科学省のほ 写 真 前 列 左 ：ドロテア・リューラント DAAD 事 務 総 長 ，写 真 後 列 左 端 ：ホ か 、 日 本 学 術 振 興 会 （ J S P S）、 ルガー・フィンケン DAAD 東 京 事 務 所 所 長 独立行政法人日本学生支援機構 Copyright 2 © JASSO. All rights reserved. ウェブマガジン『留学交流』2013 年 5 月号 Vol.26 東京大学、東京工業大学、また、東京、京都、仙台のその他の大学など、提携機関や 大 学 を 訪 問 し ま し た 。 筑 波 大 学 で は 、 DAAD と 日 本 の 大 学 と の 間 の 「 マ ッ チ ン グ ・ フ ァ ンド」による初めてのパートナーシップ・プログラムに署名しました。 そ し て 、 70 年 代 に 入 っ て か ら 、 ド イ ツ に 留 学 す る 日 本 人 学 生 の 数 が 急 増 し ま し た 。 現 在 、 ド イ ツ の 大 学 で は 約 2 , 1 4 0 名 の 日 本 人 学 生 が 学 ん で い ま す 。 そ の う ち 4 7 %は 人 文 ・ 社 会 科 学 系 、 36%は 音 楽 ・ 芸 術 系 、 ま た 17%は 自 然 科 学 ・ 工 学 系 の 学 部 に 在 籍 し て います。 日 本 の 大 学 で は 、2 0 1 2 年 1 2 月 の 時 点 で 5 6 9 名 の ド イ ツ 人 学 生 が 在 籍 し て い ま し た 。 こ れ は 今 ま で の 記 録 を 更 新 す る 最 大 値 で あ り 、2 0 1 1 年 の 東 日 本 大 震 災 に よ る 落 ち 込 み を 完 全 に 帳 消 し に す る も の で し た 。 正 規 に 学 籍 登 録 し た ド イ ツ 人 学 生 162 名 の う ち 、 50%は 人 文 ・ 社 会 科 学 系 、25%は 自 然 科 学 ・ 工 学 系 、３ %は 音 楽 ・ 芸 術 系 の 学 部 に 、ま た 22%は 留 学 生 の た め の 特 別 プ ロ グ ラ ム に 登 録 し て い ま す 。 特 に 挙 げ て お か ね ば な ら な い の が 、 1984 年 に DAAD が 創 始 し た 「 日 本 語 学 習 と 企 業 内研修」プログラムです。このプログラムは、法学、経済学、自然科学または工学の 修士課程を優秀な成績で修了したドイツ人を対象としています。奨学金は、ボーフム 大 学 内 の 州 語 学 学 校 の 入 門 コ ー ス 、長 沼 ス ク ー ル 東 京 日 本 語 学 校 に お け る 1 0 か 月 弱 の 語学レッスンと、それに続く８か月間の日本企業での実習をカバーします。授与され る 奨 学 金 は 年 に 1 0 件 で す 。既 に 3 2 0 名 近 く が こ の プ ロ グ ラ ム を 修 了 し 、そ の 過 半 数 は 日本、ドイツ、欧州の企業で重要なポジションに就いています。 大 学 学 長 会 議 （ HRK） の 統 計 （ 2012 年 ） に よ れ ば 、 ド イ ツ の 大 学 115 校 と 日 本 の 大 学 1 79 校 と の 間 に 合 計 4 5 2 件 の 提 携 関 係 が 結 ば れ て い ま す 。現 在 D A A D は 、独 日 の 大 学 の パ ー ト ナ ー シ ッ プ 1 5 件 を 支 援 し て い ま す が 、こ の う ち ４ 件 は ド イ ツ 、日 本 、韓 国 の 三 国 間 の 大 学 提 携 で す 。2 01 1 年 に は 、助 成 を 受 け た 日 本 人 研 究 者 計 7 0 2 名 が ド イ ツ に 、 ま た 27 9 名 を 超 え る ド イ ツ 人 研 究 者 が 日 本 に 渡 り ま し た（ 日 本 学 術 振 興 会 の 統 計 2 0 1 2 ）。 D A A D 東 京 事 務 所 は 、日 本 の 大 学 で 教 え る お よ そ 2 5 0 人 の ド イ ツ 人 講 師 に 対 し 、定 期 的 な 情 報 提 供 イ ベ ン ト や シ ン ポ ジ ウ ム の ほ か 、D A A D の 資 料 を 提 供 す る こ と に よ っ て サ ポ ー ト を し て い ま す 。2 0 0 8 年 に は 、ド イ ツ 人 講 師 有 志 3 0 名 と と も に 全 国 レ ベ ル の「 D A A D 留学アドバイザーネットワーク」を発足させました。これらのアドバイザーは自身の 大 学 で DAAD 奨 学 金 や ド イ ツ 留 学 に つ い て 説 明 し 、 ま た 、 DAAD 東 京 事 務 所 と 密 接 に 連 携してドイツ・デーなどの情報提供イベントを企画・実施しています。 D A A D は 2 00 0 年 1 0 月 よ り 、東 京 大 学 駒 場 キ ャ ン パ ス の ド イ ツ ・ ヨ ー ロ ッ パ 研 究 セ ン タ ー （ DE SK ） に 対 し て 助 成 を 行 っ て い ま す 。 同 セ ン タ ー に お い て 東 京 大 学 は 特 に ハ レ 大 学 と 協 力 し て い ま す 。 DESK の 欧 州 研 究 プ ロ グ ラ ム （ ESP） に は 日 本 の 欧 州 研 究 に お ける一つの修士課程が設けられています。 DAAD 奨 学 金 プ ロ グ ラ ム と 日 本 人 大 卒 者 の た め の 学 術 賞 2 0 0 6 年 以 降 、日 本 に お い て 最 も 重 要 な D A A D 奨 学 金 プ ロ グ ラ ム は 、 「 学 部 卒 業 生・大 学院生および若手研究者のための研究・留学奨学金」という統一プログラムです。こ の奨学金は、 独立行政法人日本学生支援機構 Copyright 3 © JASSO. All rights reserved. ウェブマガジン『留学交流』2013 年 5 月号 Vol.26 ・ドイツでの博士号取得 ・日本で博士号を取得するための研究 ・ドイツでの卒業を目的としない研究 ・ドイツでの修士号取得 という４つの目的のために利用することができます。 留 学 機 関 が ６ カ 月 以 内 で あ る 短 期 奨 学 金 は 随 時 DAAD 東 京 事 務 所 で 受 け 付 け て い ま す 。留 学 機 関 が ７ ～ 36 か 月 で あ る 長 期 奨 学 金 は 毎 年 秋 に 締 切 が あ り ま す 。選 考 は 、日 本人とドイツ人の教授からなる選考委員会が行います。 同 奨 学 金 の 応 募 件 数 は 増 え て お り 、2 0 1 3 年 度 の 応 募 件 数 は 前 年 比 1 3 % 増 の 8 8 件 で し た 。2 0 1 3 年 度 の 学 部 卒 業 生 ・ 大 学 院 生 及 び 若 手 研 究 者 の た め の 研 究 ・ 留 学 奨 学 金 は 1 4 名に、芸術・音楽系学科専攻者向け奨学金は５名に授与されました。 応 募 者 数 が 増 加 し て い る と い う こ と は 、D A A D の 学 部 卒 業 生 ・ 大 学 院 生 及 び 若 手 研 究 者のための研究・留学奨学金が日本の若手研究者にとって魅力的であり続けているこ とを示しており、実際に、優秀な方々から多くご応募いただいています。 日 本 向 け の DAAD の 奨 学 金 に は 、 こ の ほ か 夏 期 ・ 春 期 講 座 、 語 学 研 修 、 学 生 グ ル ー プ研修、元奨学生再招待のための奨学金があります。 D A A D は ま た 、日 独 の 学 術 交 流 に お い て 優 れ た 業 績 を 上 げ た 方 に 授 与 さ れ る 格 式 高 い ２つの賞にも関与しています。 ひ と つ め は 、1 9 78 年 の ド イ ツ 連 邦 共 和 国 大 統 領 の 日 本 へ の 公 式 訪 問 を 機 に 開 設 さ れ た フ ィ リ ッ プ ・ フ ラ ン ツ ・ フ ォ ン ・ シ ー ボ ル ト 賞 （ 賞 金 ５ 万 ユ ー ロ ） で 、 DAAD は 、 ド イツ大使館と共にフンボルト財団のために同賞の選考を行っています。この賞は、日 独両国の文化と社会の相互理解の推進に特別な功績をあげた日本人研究者に毎年贈ら れます。 も う ひ と つ は 、 2009 年 か ら 提 供 し て い る ド イ ツ ・ イ ノ ベ ー シ ョ ン ・ ア ワ ー ド (GIA) （ ま た は 「 ゴ ッ ト フ リ ー ト ・ ワ グ ネ ル 賞 」） で あ り 、 ド イ ツ の 大 手 技 術 系 企 業 1 0 社 、 在日ドイツ商工会議所、ドイツ科学・イノベーションフォーラム東京により、特に環 境、エネルギーおよびメディカルエンジニアリングの各分野における優れた日本人研 究 者 に 対 し て 毎 年 贈 ら れ て い ま す 。D A A D は G I A の パ ー ト ナ ー と し て 、ド イ ツ の 大 学 ま たは研究施設に滞在するための奨学金を受賞者に提供しています。 日本と東アジアにおける活発な同窓会活動 日 本 の D A AD 同 窓 生 の 中 に は 、 世 界 で 名 の 知 ら れ た 人 々 が 数 多 く い ま す 。 1 9 3 4 年 ～ 1935 年 の DAAD 奨 学 生 第 １ 号 は 、 20 世 紀 の 最 も 有 名 な 日 本 人 画 家 、 東 山 魁 夷 画 伯 で し た 。ノ ー ベ ル 文 学 賞 受 賞 者 の 大 江 健 三 郎 氏 は D A A D の ベ ル リ ン 芸 術 家 プ ロ グ ラ ム の 奨 学 生でした。また、ノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊氏もその研究の一部をドイツで 行い、当時、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団のフンボルト賞を受賞されて います。 DAAD 元 奨 学 生 の 会 で あ る 「 DAAD 友 の 会 」 は 、 1985 年 ３ 月 28 日 に 設 立 さ れ 、 日 本 の 約 4 0 0 0 名 の 元 D A A D 奨 学 生 の う ち 、お よ そ 1 , 1 0 0 名 が D A A D 友 の 会 会 員 で す 。日 本 は 何 独立行政法人日本学生支援機構 Copyright 4 © JASSO. All rights reserved. ウェブマガジン『留学交流』2013 年 5 月号 Vol.26 十年も前から模範的なドイツ同窓会活動を行っています。非常によく組織された同窓 会 が ５ 団 体 あ り 、 そ の 最 大 の も の が 会 員 お よ そ 1,100 名 の DAAD 友 の 会 と 会 員 お よ そ 800 名 の 東 日 本 ア レ ク サ ン ダ ー ・ フ ォ ン ・ フ ン ボ ル ト 協 会 で す 。 こ れ ら の 団 体 は 、 実 に良く組織された団体構造の中で緊密に協力し合っています。多数のプログラムの企 画準備や調整を担当する重責を担う秘書ポストが共同で設けられており、長年にわた って関映子さんがこれを担当しています。 D A A D 友 の 会 の 現 会 長 は 、音 楽 学 研 究 者 の 樋 口 隆 一 明 治 学 院 大 学 教 授 で す 。同 教 授 の 前任者として長く会長を務めた 現在の名誉会長は、法学者の石 川明慶應義塾大学名誉教授です。 石 川 教 授 は 、 日 独 交 流 150 周 年 の 年 で あ る 2011 年 の 11 月 ３ 日 に 、そ の 活 動 を た た え 、D A A D の マックス・フーバー副会長（当 時 ）か ら D A A D 顕 彰 メ ダ ル を 授 与 されました。 日 本 の DAAD 同 窓 会 は 国 内 だ けでなく地域的規模でも活発に 活 動 し て お り 、2 0 1 2 年 ３ 月 に は 、 石川明 慶應義塾大学 日 本 、 韓 国 、 台 湾 出 身 の D AA D 名 誉 教 授 、写 真 左 ：ホルガー・フィンケン DAAD 東 京 事 務 所 同窓生が共に集う会合が初めて 所長 ソウルで開催されました。 写 真 右 ：DAAD 友 の会 名 誉 会 長 ド イ ツ の 大 学 と DAAD の 助 成 手 段 に 関 す る 情 報 DAAD 東 京 事 務 所 の 業 務 で は 、 情 報 の 発 信 に よ り 重 点 が 置 か れ る よ う に な っ て お り 、 日本人にドイツの大学や研究拠点に関する情報のほか、ドイツの機関や個人に対して 日 本 の 大 学 分 野 の 動 向 に 関 す る 情 報 も 発 信 し て い ま す 。D A A D 東 京 事 務 所 は 、様 々 な 留 学 フ ェ ア に 毎 年 参 加 し て い ま す 。例 え ば 日 本 学 生 支 援 機 構（ J A S S O ）の 留 学 フ ェ ア の ほ か、東京大学、東京工業大学、慶應義塾大学、東北大学、上智大学、中央大学ほか多 数 の 大 学 で 開 催 さ れ る 留 学 フ ェ ア な ど が そ の 例 で す 。そ れ に 加 え て 、D A A D ア ド バ イ ザ ー が 企 画 す る ４ ～ ５ 日 間 の ド イ ツ ・ デ ー も 開 催 さ れ て お り 、 2012 年 に は 横 浜 、 松 山 、 岡山で行われました。 2 0 1 1 年 ５ 月 に は 、駐 日 欧 州 連 合 代 表 部 と ブ リ テ ィ ッ シ ュ ・ カ ウ ン シ ル 、フ ラ ン ス 政 府 留 学 局 、そ し て J A S S O の よ う な 日 本 の パ ー ト ナ ー と が 連 携 し 、欧 州 留 学 フ ェ ア（ E H E F ） が 初 め て 日 本 で 実 施 さ れ る 予 定 で し た が 、 こ れ は 、 2011 年 ３ 月 11 日 の 東 日 本 大 震 災 を 受 け て 延 期 と な り ま し た 。 第 １ 回 欧 州 留 学 フ ェ ア は 、 そ の 1 年 後 の 2012 年 ５ 月 10 日 と 11 日 に 東 京 の 明 治 大 学 で 、 ま た ５ 月 12 日 に 神 戸 大 学 で 開 催 さ れ ま し た 。 こ の フ ェアでは、日本人学生や博士号取得希望者は、欧州の大学の担当者から直接説明を受 け 、欧 州 留 学 に 向 け て 大 い に 心 を 動 か さ れ て い ま し た 。こ の フ ェ ア に は 1 2 0 0 名 が 来 場 し 、 大 成 功 を 収 め ま し た 。 日 本 で の 第 ２ 回 欧 州 留 学 フ ェ ア は 2013 年 ５ 月 17 日 と 18 独立行政法人日本学生支援機構 Copyright 5 © JASSO. All rights reserved. ウェブマガジン『留学交流』2013 年 5 月号 Vol.26 日 に 再 び 明 治 大 学 で 、 19 日 に は 京 都 の 同 志 社 大 学 で 開 催 さ れ ま す 。 欧 州 関 係 の も う 一 つ の イ ベ ン ト は 、 2012 年 11 月 21 日 か ら 23 日 に 東 京 と 京 都 で 開 催 さ れ た 欧 州 博 士 課 程 留 学 フ ェ ア 「 PromoDoc」 で す 。 エ ラ ス ム ス ・ ム ン ド ゥ ス 計 画 の 一 環 で あ る 「 PromoDoc」 プ ロ ジ ェ ク ト を 通 じ て 、 EU は 、 欧 州 域 外 の 先 進 国 に お い て 欧 州への博士課程留学の志願者を募っています。日本の留学希望者とイベントに参加し た 欧 州 の 大 学 1 9 校 は 、事 前 に オ ン ラ イ ン ツ ー ル を 使 っ て 連 絡 し 合 っ て い ま し た 。残 り の 半 数 の 人 々 は 、 そ の 場 で 情 報 を 収 集 し ま し た 。 合 計 で 約 350 件 の 個 別 面 談 が 行 わ れ ました。 展望 D A A D は 、「 交 流 で 世 界 が 変 わ る 」 と い う 標 語 の ほ か に も 、 常 に 年 間 テ ー マ を 掲 げ て お り 、 2013 年 の 年 間 テ ー マ は 「 世 界 規 模 で 築 く 持 続 可 能 性 」 で す 。 こ の テ ー マ を 受 け て DAAD 東 京 事 務 所 は 、 ド イ ツ 大 使 館 と ド イ ツ 連 邦 教 育 研 究 省 の 支 援 を 受 け て 2013 年 ４月６日、東京大学農学部において「日本とドイツ、そして世界のさとやま環境」と いう独日シンポジウム を 企 画・実 施 し ま し た 。 東京大学に加え、国連 大学と慶應義塾大学の ほかその他の日本の大 学や機関も、またドイ ツ側からはマールブル ク大学とギーセン大学 も参加しました。 2 01 3 年 に DA AD 東 京 事務所が開催する最も 独 日 シンポジウム「日 本 とドイツ、そして世 界 のさとやま環 境 」 重要なイベントの 1 つ 2013 年 4 月 6 日 東 京 大 学 にて と し て 、 20 1 3 年 6 月 1 日 の D A A D 東 京 事 務 所 3 5 周 年 記 念 お よ び「 日 本 学 習 と 企 業 研 修 プ ロ グ ラ ム 」3 0 周 年 記 念 の D A A D ア ル ム ニ 会 が 挙 げ ら れ ま す 。日 独 両 国 か ら 2 0 0 名 を 超 え る 参 加 者 を 見 込 ん で い ま す 。 2013 年 の 末 頃 に は 、 ド イ ツ 科 学 ・ イ ノ ベ ー シ ョ ン フ ォ ー ラ ム の 一 環 と し て 、 日本で初めてジャーマン・サイエンス・デーが京都大学で開催される予定です。 独立行政法人日本学生支援機構 Copyright 6 © JASSO. All rights reserved. ウェブマガジン『留学交流』2013 年 5 月号 Vol.26 巻末資料： 独立行政法人日本学生支援機構 Copyright 7 © JASSO. All rights reserved. ウェブマガジン『留学交流』2013 年 5 月号 Vol.26 独立行政法人日本学生支援機構 Copyright 8 © JASSO. All rights reserved. ウェブマガジン『留学交流』2013 年 5 月号 Vol.26 独立行政法人日本学生支援機構 Copyright 9 © JASSO. All rights reserved.