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ペース分析は試料を直接ガスクロマトグラフィー (以下GCと略

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ペース分析は試料を直接ガスクロマトグラフィー (以下GCと略
〈
新機種紹介》
ヘッドスペースサンプラーTe
k
ma
r7
0
0
0
/
7
05
0
工学部応用化学科
君 島 克 憲
ヘッドスペース分析法とは :本文でのヘッドスペースというのは、閉鎖系中の気相を意味 し、ヘッ ドス
ペース分析は試料を直接ガスクロマ トグラフィー (
以下 GCと略する)に導入せずに、そのヘッドスペース
部分だけを導入する方法である。 したがって試料中の揮発性成分だけが導入されるので、GC本来の特徴に
合致する非常に都合のよい分析ができることになる。
ヘッドスペース分析には 「
動的ヘッ ドスペース法」と 「
静的ヘッドスペース法」との 2通 りの方法がある。
前者は連続的に不活性ガス (
パージガス)を試料に送 り込み、揮発性成分を系外に追い出し、追い出される
目的成分の濃度は最大値をもつ経時変化をする。そしてその成分は多量のパージガスとともに存在するので
捕集材などによる濃縮過程が必要となる。 このパージを液体のバブリングにより行 う方法はパージアンドト
ラップ法と呼ばれている。一方後者は試料を閉鎖系中に保ち、液相または固相 と気相との間に平衡状態を成
立させ、その状態の気相の一部を採取 して GCに導入する方法で、普通ヘッドスペース法とはこの静的方法
を指す。 目的成分の濃度は平衡状態 にあると一定
値 を示す。 このヘ ッ ドスペース法はパージアン ド
トラップ法よ り感度では落ちるが、成分濃度の安
定性に優れた方法であ り、紹介するTe
kma
r
の装置
は この後者の原理 に基づ くサ ンプラーである。す
なわち、ヘッ ドスぺ-ス GC法は、バイアルを一
定温度 に加熱 し、水試料中の揮発性化合物が気液
平衡 に達 した状態で気相の一部を採取 しGCに注
入 す る。 以 下 に い くつ か の特 長 を記 載 す る。
000
/
7050は、Te
kma
r7
000を基本ユニット
Te
kma
r7
としてオー トサ ンプラーTe
k
ma
r7
05
0を組み合わせ
たものである。
ヘッドスペ
Te
k
ma
r7000/
7050仕様
Te
k
ma
r7
0
0
0
式 :12バイアル同時加熱、ニー ドル固定サンプリング方式
方
G C 接 続 :セブタムニードルアダプター、キヤピラリーインターフェイス
バ イ ア ル 瓶 :9m 1、 12m 1、 22m l
検
量
管 :1m l (
標準)(
オプション :0. 1- 5m l)
加熱ブロック :オイルフリー、室温 +15℃∼200℃ (1℃刻み)
バ
ル
ブ :モーター駆動 6万切替えバルブ、サンプル加圧用 2方電磁弁
MI
XT
M平衡システム、0. 1-999mi
n
サンプル捜拝 :opTI
操 作 モ ー ド:Ma
n
ua
l:一回分析、 st
a
nda
r
d:多検体連続 自動分析
1
メソッ ド16条件設定可能
サンプリング :サンプリングメソッ ドを4つ記憶 ,
制 御 方 式 :マイクロプロセッサ制御、液晶パネルディスプレイ
Te
k
ma
r7
0
5
0オー トサンプラー
0
バイアルをT
e
k
ma
∫7
0
0
0
操作モー ドで運転
方
式 :5
バ イ ア ル 瓶 :9m 1、 12m 1、22m l
加 熱 機 構 :な し、室温保持
e
k
ma
r7
0
0
0
より制御
制 御 方 式 :T
サンプリング法 :ガスタイ トシリンジで気相を採取 し、GCに導入するシリンジ方式と、キャリアガス
により試料を加圧し、ヘッ ドスペース部分をカラムに導入する圧力バランス方式とバルブ中にもうけられた
e
k
ma
r
ループにサ ンプルを送 り込み、そのループ分だけカラムに導入するサンプルループ方式がある。 T
7
0
0
0
/
7
05
0はサンプルループ方式をとってお り、注入量はループサイズにより設定されるので再現性がよく、
0
0
0
ユニット
またカラムのヘッド圧 と独立 してサンプルを加圧できることも大きなメリットとなっている。7
2
検体であったのが、7
00
0
/
7
05
0となると、5
0
検体 自動運転分析可能である。
で1
opTI
MI
XT
M平衡システム :スターラーを使用 しない独自のサンプル捷拝方式の採用で、サンプルの吸着
現象を解消するとともに平衡到達時間の大幅な短縮、抽出効率、再現性の向上がみられる。
完全自動化 :装置本体はマイクロプロセッサ制御の完全自動化運転で、操作が簡単であるO温度.時間等
の分析条件は、キー入力で簡単に設定でき、また、運転中は温度と各ステップの進行状況が液晶パネルにリ
アルタイムで表示される。
「
水質汚濁に係る環境基準」等が改正され、「
下水道法施行令」の一部改正 とともに 、平成 6年 2月 1日よ
り施行されている。それによると、排水規制、地下浸透水の浸透規制等の対象 となる有害物質として、新た
e
k
ma
r
にジクロロメタンなど 13物質が追加され、そのうち 9物質が揮発性有機化合物である。紹介 したT
7
000
/
7
05
0は最新のヘ ッドスペースサ ンプラーであ り、GCあるいはGC ・M Sへ簡単に据え付けできるこ
とか ら、既設の JM S-DX 303と連結することによって、環境試料中の揮発性有機化合物の研究に大い
に威力を発揮できるであろう。
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