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「 」 伊座利の未来を考える推進協議会 【むらづくりの経緯】

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「 」 伊座利の未来を考える推進協議会 【むらづくりの経緯】
「伊座利の未来を考える推進協議会」
1
代表者の氏名: 坂口
進
役職: 会長
2
所在地
徳島県海部郡美波町伊座利
3
地区名及び規模、性格、地域区分
伊座利地区、 集落の単位 (1集落)
地縁的な集団、沿岸漁業地域
【むらづくりの経緯】
伊座利地区では、平成4年、急激な過疎
化・高齢化により児童生徒数が激減し、地
区の「伊座利校(へき地2級の小・中併設
校)」の廃校問題が勃発した。地区では、伊
座利校と住民が一体となった活動を長年行
地 区 の 概 要
総世帯数
総人口
漁業世帯数
専業
兼業(魚業が主)
兼業(魚業が従)
ってきており、学校は地区の宝であり、住
民の心の灯火であり、シンボルとなってい
51
124
16
9
3
4
戸
人
戸
戸
戸
戸
漁業概要
大型定置網
65t (24百万円)
小型定置網
25t (17百万円)
採貝
6t (36百万円)
個人経営体1戸当り
所得 616 万円
た。学校の廃校はまさしく集落存亡の危機でもあった。
こうした中、住民の有志が「学校の灯火を消してなるものか」と議論を重ね、全ての住
民の心をまとめ一致団結という大きな力となった。議論の中から、「魅力ある楽しい海の
学校」をつくろうという思いがまとまり、平成11年に「第1回おいでよ海の学校へ」とい
う交流イベントを開催した。このイベントは、伊座利校への転校を呼びかけるため、県内
外の子ども達を対象に、定置網漁やクルージングなどを楽しんでもらう一日漁村留学体験
で、開校には、地域住民の知恵が結集され、伊座利を思う心、未来への願いが込められた。
この「海の学校」の開催は課題も提起し、解決に向けて、受入施設の整備、組織体制の
整備に取り組んだ。
計画的・継続的に地域づくりを実
施するため、地区の全ての組織を融
合する新たな組織として、平成12年
に住民全員参加による「伊座利の未
来を考える推進協議会」を設立した。
協議会は、11の実行委員会で構成
され、町内会、漁協、伊座利校等全
ての組織と連携し、地域全体を課題
にしたむらづくり活動を展開してい
る。
【むらづくり活動の特徴】
∼ 親子一緒の漁村留学ー地域と学校は一つ ∼
活動の原点である「海の学校」は、年々大きな話題と
共感を呼び、今年で13回を迎えた。この活動により、全
国各地から家族ぐるみの移住者があり、地区の若者の定
住化促進へとつながり、人口の増加・高齢化率の低下、
秋祭りのかき太鼓の復活等、大きな成果となっている。
伊座利校に地区外の子ども達を受け入れる漁村留学は、
〔第13回おいでよ海の学校へ〕
親子で転入してもらうのが伊座利流で、これまでに約50
人の子ども達が転入してきている。転入家族には協議会
で住居を用意し、家族同様の思いで接している。
地区では、協議会発足以前から、「磯学習」として、地
区の良さを子ども達に教える活動が行われており、現在
は、子ども達が地区の歴史や産業等を調べ、大人達の前
〔磯学習の様子〕
で毎年発表している。また、地域の漁師が先生となり、
子ども達はアワビ漁・ひじき狩り等様々な体験をし、その収穫物は給食に出されている。
∼ アワビの出荷調整、アラメ加工品開発で漁業振興 ∼
むらづくり活動を通じた漁業者の意識改革で、アワビの出荷調整を実施し、また旬の
海の幸の直送、海藻アラメの加工品の開発等により、漁業者の収入増を図っている。
「イ
ザリcafe」もオープンし新たな魅力づくりに取り組んでいる。
地区の頑張りを肌で感じた若者や漁業に憧れ他県からやってきた家族など、漁業後継
者やIターン就業者も育っている。
∼ 大きく広がる交流の輪 ∼
多彩な交流活動を通して、全国各地から多くの人が訪れ住民との交流を深めており、
地区をモデルとした物語も出版されている。また、関西・関東・徳島市内等に、伊座利
のむらづくりを支援する「伊座利応援団」を組織し、交流の輪を拡大させている。
〔旬の海の幸の直送〕
〔漁師のおばちゃんのイザリcafe〕
〔関西伊座利応援団発足会〕
「伊座利の未来を考える推進協議会」のむらづくりは、地区のシンボルである「伊座
利校」を残そうと、地域住民が一体となって自主的・創造的な地域おこしに立ち上がっ
た。「交流」をキーワードに、地域全体を課題にして、全員が主役の草の根的なむらづ
くり活動を開始した。工夫をこらした多彩な活動により、各地からの転入者や地区の若
者の定住、児童生徒数の増加等、地区ににぎわいが戻ってきている。
小さくとも輝き続ける伊座利を目指して、むらづくり活動が展開中である。
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