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SMBC China Business Information
NO.200708
2007 年 6 月19日
SMBC 中国ビジネス情報
SMBC China Business Information
三井住友銀行
中国業務推進部
外資による不動産投資管理強化に関する新通知について
2007 年 5 月 23 日付で商務部、国家外貨管理局より《一段と外商直接投資不動産業の審査批准及び監
督管理を強化、制度化することに関する通知》1が公布されました。本通知は、外資による不動産投資に
対して改めて、コントロールを強化する内容となっています。
外資による不動産市場参入制限に関しては、既に《不動産市場の外資参入及び管理の制度化に関する
意見》2(以下《意見》という)が公布されていますが、一部の地域では未だ規制の効果が十分でないことか
ら、今回の通知の発表となったものと考えられます。
以下、通知の概要をご説明いたします。
1. 外商投資不動産業の審査批准(認可)・監督管理の強化
各地域の商務主管部門は《意見》及び《商務部弁公庁:<不動産市場の外資参入及び管理を制度
化することに関する通知>を徹底的に実施することについての問題に関する通知》3を厳格に執行し、
法に則って外商投資不動産企業の審査批准(認可)及び監督管理を強化し、厳格に外商によるハイ
レベルの不動産投資をコントロールしなければならないと規定されました。
2. プロジェクトの審査批准(認可)
外商投資による不動産開発、経営については、次の手続きに沿って行うことと規定されました。
(1) 不動産会社設立申請を行う場合、予め、土地使用権、不動産建築物所有権を取得しなければ
ならない。或いは予め、土地管理部門、土地デベロッパー/不動産建築物所有者との間で土地
使用権または不動産権の予約譲渡/購買契約を調印しなければならない。本件が未達成の場
合は、当局は不動産会社設立申請を批准(認可)しない。
(2) 既に設立されている外商投資企業が不動産開発または不動産業経営業務を追加しようとする
場合、及び外商投資不動産企業が新たな不動産プロジェクト開発・経営を行う場合、審査批准
(認可)部門に経営範囲の追加または規模拡大の申請手続きを行う必要がある。
1
2
3
商弁法函〔2007〕50 号
建住房〔2006〕171 号:2006 年 7 月 11 日公布、同日施行
商資字〔2006〕192 号
1
3. 還流投資4の制限
還流投資方式(実質的な同一支配を含む)による国内不動産企業の買収または投資を厳格にコント
ロールする。《意見》公布後、非居住者による中国国内への不動産投資は制限が加えられており、商
品建物の購入は不可能となっています。しかし、一部の国外投資者は、不動産会社の持分を譲り受
ける方式で、商品建物の購入を行っていました。この方法では、外商投資不動産会社の設立審査を
回避することができ、また実質的に中国国内で不動産を入手することが可能となっていました。今回
の通知で、このような方式を用いて実質的に中国国内不動産を取得することができないこととなりまし
た。
4. リターンの保証に対する制限
「外商投資不動産会社の中外各投資者は、いかなる方式でも、一方に固定のリターンを供与し、或い
は形を変えた固定のリターンを保証してはならない」旨の規定は、《意見》において既に記載されてい
ましたが、このような行為をより厳格に規制するため、今回の通知でも改めて、同様の規定が記載され
ました。
5. 商務部への届出
地方審査批准(認可)部門が外商投資不動産会社の設立を批准(認可)する場合、商務部に届出を
行うことが規定されました。これにより、地方審査批准(認可)部門が原則ルールを緩めて、批准(認
可)を実施することが難しくなります。
6. 資本取引の制限
商務部への設立届出が完了していない、または外商投資企業連合年次検査に合格していない外商
投資不動産会社は、資本項目における外貨の売買ができないと規定されました。《意見》において、
外商投資不動産会社の登録資本が全額払い込まれておらず、「国有土地使用証」が取得できていな
い場合、又は開発プロジェクトの資本金がプロジェクト投資総額の 35%に達していない場合、国内・
国外借入を行うことができず、当該会社の外貨借入の人民元転換も認可されないと規定されていま
すが、今回の通知の規定により、より一層規制が厳しくなります。
7. 外貨登記の制限
地方審査批准(認可)部門が規定に反して認可した外商投資不動産会社に対して、商務部はこれを
糾明し、是正を指導しますが、外貨管理部門はこのような会社に対しては外貨登記手続きを行わな
いと規定されました。つまり、資本金口座の開設などができないこととなります。
以上
4
原文「返程投資」:一つの経済体の国内投資者が、所有する貨幣資本または株式を国外に移転させ、ふただび直
接投資としてその経済体に投下する経済行為。狭義での「返程投資」は、貨幣資本の越境往復を指し、講義では
それに買収されたことによる株式のえっ起用移転を含む。http://baike.baibu.com/view/766879.htm
2
【本件に関するご照会先】
日本総合研究所
研究事業本部 海外事業・戦略クラスター
平田 Tel: 03-3288-5273
E-Mail:[email protected]
日綜(上海)投資諮詢有限公司
副総経理
呉明憲
Tel: 86-21-6841-3368
E-Mail:[email protected]
1. 税制、法律等は中国当局により変更されることがありますので、ご参考としてご利用ください。
2. 本資料は、当社が入手し得る資料及び一般に信頼できると思われる情報源に基づいて作成さ
れたものですが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
3. 本資料は、情報の提供を目的として作成されたものであり、法令、税務、会計に関する助言を
含むものではありません。法令、税務、会計に関する案件につきましては、各専門家にご相談
ください。
3
商務部、国家外貨管理:一段と外商直接投資不動産業の審査批准及び監督管理を強化、
制度化することに関する通知
商資函〔2007〕50号
各省、自治区、直轄市、計画単列市及び新疆生産建設兵団商務主管部門、外貨管理部門:
不動産市場への外資参入及び管理を制度化するために、国務院六部門は連名で《不動産市場への外
資参入及び管理の制度化に関する意見》(建住房〔2006〕171号、以下《意見》とする)を公布した。各地、
各部門は真剣に《意見》の各項規定及び要求を執行し、一定の実効を得ることができた。しかし、少数の
地区では、やはりいくつかの問題が存在している。外商投資に関する法律・法規及び《意見》の関連規定
に基づき、一段と外商投資不動産会社の審査批准、届出及び監督管理を強化、制度化することについ
ての関連事項を次の通り通知する。
一、 各地の商務主管部門は《意見》及び《商務部弁公庁:<不動産市場の外資参入及び管理を制
度化することに関する通知>を徹底的に実施することについての問題に関する通知》(商資字
〔2006〕192 号)を厳格に執行し、法に則って外商投資不動産会社の審査批准及び監督管理を
強化し、厳格に外商によるハイレベルの不動産投資をコントロールしなければならない。
二、 外商投資で不動産開発、経営に従事するものは、プロジェクト企業の原則に従わなければならな
い。
(一)不動産会社設立申請を行う場合、予め、土地使用権、不動産建築物所有権を取得しなければなら
ない。或いは予め、土地管理部門、土地デベロッパー/不動産建築物所有者との間で土地使用権
または不動産権の予約譲渡/購買契約を調印しなければならない。本件が未達成の場合は、当局
は不動産会社設立申請を批准しない。
(二)既に設立されている外商投資企業が不動産開発または不動産業経営業務を追加しようとする場合、
及び外商投資不動産企業が新たな不動産プロジェクト開発・経営を行う場合、審査批准部門に経営
範囲の追加または規模拡大の申請手続きを行う必要がある。
三、 還流投資方式(実質的な同一支配を含む)による国内不動産企業の買収または投資を厳格にコ
ントロールする。国外投資者は国内不動産会社の実質的支配者を変更するという方式で、外商
投資不動産会社の審査批准を回避してはならない。外貨管理部門は、回避目的、虚偽陳述など
の手段で違法に設立された外商投資不動産会社を発見した場合、無断で送金した資本及び派
生収益行為に対し、その責任を追及する。
四、 国外投資者が国内で不動産開発または経営業務に従事する場合、商業上の原則を遵守し、法
に則り外商投資不動産会社設立申請を行い、認可された経営範囲に従って関連業務に従事し
なければならない。外商投資不動産会社の中外各投資者は、いかなる方式でも、一方に固定の
リターンを供与し、或いは形を変えた固定のリターンを保証してはならない。
4
五、 地方審査批准部門が外商投資不動産会社の設立を批准する場合、直ちに法に則り商務部へ届
出を行わなければならない。
六、 外貨管理部門・外為指定銀行は、商務部への設立届出が完了していない、または外商投資企
業連合年次検査に合格していない外商投資不動産会社は、資本項目における外貨の売買手続
きを行ってはならない。
七、 地方審査批准部門が規定に反して審査批准した外商投資不動産会社に対して、商務部はこれ
を糾明し、是正を指導する。外貨管理部門は規則に違反して設立された外商投資不動産会社
に対しては外貨登記等手続きを行わない。
二00七年五月二十三日
(仮訳:日綜(上海)投資諮詢有限公司)
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