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SMBC China Business Information
NO.200604 2006 年 5 月 19 日 SMBC 中国ビジネス情報 SMBC China Business Information 三井住友銀行 中国業務推進部 外資系企業に対する「改正会社法」の適用について 2006 年 4 月 24 日付で《外商投資企業の審査批准登記管理についての若干の法律適用問題に関する 執行意見》(工商外企字〔2006〕81 号)が公布されました(以下執行意見)。本執行意見は 2005 年 10 月 27 日公布、2006 年 1 月 1 日より施行された改正会社法(以下新会社法)の規定が外商投資企業にどこ まで適用されるかを明確化したものです。主なポイントは以下の通りです。 1. 外商投資企業設立審査・設立登記時の外国投資者の主体資格証明について 従来より、外商投資企業の設立申請及び設立登記に際しては、主体資格証明書類として日本企業 の場合は商業登記簿謄本の提出が要求されていましたが、今後は商業登記簿謄本に日本の公証機 関の公証を経て、在日中国大使館(領事館)の認証を得たものを提出することになりました。 2. 資本金の出資期限及び払込方法について 設立形態の大部分を占める有限責任公司の場合、新会社法では分割払込の場合の初回払込金額 は登録資本の 20%以上で且つ法定の登録資本最低限度額以上であることとなっています。この 20%以上という数値は従来の三資企業法1及び関連法律規定とは異なる数値となっていますが、これ について執行意見では次の通り明確化しています。 新会社法 執行意見 ① 企業の全出資者の初回出資額は、登録資本の 20%以上且つ法定登録資 本最低限度額以上。 ② 残余部分は、企業設立の日から 2 年以内に満額払込むものとし、投資公 司の場合は 5 年以内に満額払込みも可。 ① 一回で全部出資する場合、企業成立日より 6 ヶ月以内に払込み。 ② 分割払込の場合、初回出資額は払込出資額の 15%以上、且つ法定の登 録最低資本金限度額以上、且つ企業成立日より 3 ヶ月以内。その残余部 分の出資期限は《会社法》、関連する外商投資の法律及び《企業登記管 理条例》の規定に符合すること。 尚、増資の場合は登録資本変更申請時に増加登録資本の 20%以上を払込まなければならず、その 残余部分の出資は 2 年以内2に完了する必要があります。 1 外資企業法、中外合弁経営企業法、中外合作経営企業法のことを指します。 投資公司の場合は新会社法に従うと 5 年以内の満額払込みで可、ということになりますが、実際の運用は今後 の推移を見る必要があると思われます。 2 1 3. 分公司の設立について 外商投資企業の分公司の設立または取り消しに当っては、直接分公司所在地の企業登記機関へ登 記申請を行うことができます。但し、外商投資制限類プロジェクトやサービス貿易分野等の分公司の 設立及び取り消しには関連部門の批准が必要となります。従って商業企業の分公司設立に当っては 関連部門の批准が必要ということになります。 4. 外商投資企業の国内投資について 2004 年改正の会社法では「企業はその他有限責任公司、株式有限公司に投資する場合、国務院 が規定している投資公司及び持株公司を除き、累計投資額は自社の純資産の 50%を超えてはなら ない」と既定されていました。また、外商投資企業の国内投資についても《外商投資企業の国内投資 に関する暫定規定》3により、その要件として①登録資本を既に全て払込んでいる、②黒字に転じて いる、③法に依って経営を行い違法経営記録がないこと、を前提としてその累計投資額は自社の純 資産の 50%を超えないこととされており、この規定は現在まで廃止されていません。しかし新会社法 では「企業はその他企業に投資することができる」4と規定しており、また執行意見でも「外商投資企業 は設立以降、法に依って国内投資を展開することができる」5としており、今後は外商投資企業であっ ても国内投資に当っては新会社法の適用を受けて累計投資額が自社の純資産の 50%を超えて投 資することができるようになるものと考えられます。 5. 事務所登記について 執行意見では「企業登記機関は外商投資企業の弁事機構の登記登録を行わない」と明記しており、 経営活動に従事しない事務所の工商登記は必要としない旨明文化しています。従って既に存在して いる事務所については経営活動に従事しないのであれば改めて登記せずにそのまま継続することが でき、必要に応じて経営活動に従事する分公司を設立することも可能となります。事務所登記を行う 必要がないということは一見負担が減少したようにも見えますが、登記のない事務所で勤務する外国 人従業員の就業手続きや居留許可手続きを行うに当って、勤務先の登記がないという情況をどう解 決するか、また登記のない事務所の銀行口座開設問題なと、未解決の問題も存在しています。 また、経営活動に従事しない事務所、経営活動に従事する分公司という明確な区分は、今後の工商 部門の監督管理の強化も予想され、特に保税区企業が区外に事務所を有しているような場合、どの ような影響が生じてくるか今後の動向に留意していく必要があると思われます。 以上 中華人民共和国対外経済合作部、中華人民共和国国家工商行政管理局令 2006 第 6 号:2007 年 7 月 25 日公布、 同年 9 月 1 日施行 4 新会社法第 15 条 5 執行意見第 7 条 3 2 【本件に関するご照会先】 日本総合研究所 研究事業本部 海外事業・戦略クラスター 平田 Tel: 03-3288-5273 E-Mail:[email protected] 日綜(上海)投資諮詢有限公司 副総経理 呉明憲 Tel:86- 21-6841-3368 E-Mail:[email protected] 1. 税制、法律等は中国当局により変更されることがありますので、ご参考としてご利用ください。 2. 本資料は、当社が入手し得る資料及び一般に信頼できると思われる情報源に基づいて作成さ れたものですが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。 3. 本資料は、情報の提供を目的として作成されたものであり、法令、税務、会計に関する助言を 含むものではありません。法令、税務、会計に関する案件につきましては、各専門家にご相談 ください。 3