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1 第6回知恵袋会議(H24.8.30 10:00~12:00 於:新庁第5

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1 第6回知恵袋会議(H24.8.30 10:00~12:00 於:新庁第5
第6回知恵袋会議(H24.8.30
10:00~12:00
於:新庁第5会議室)
○ 開会(総合政策部長)
○ 知事あいさつ
知恵袋会議も今回で6回目となります。ここでいただいたご提案をもとに、
県民との対話の広場を実施しました。7月27日(金)に「世界で活躍する国際
人材の育成」をテーマに開催したところ、120名の県民の皆さまにお集まりい
ただきました。高校生もたくさん来てくれて、率直な意見交換ができ、対話の
広場というのもなかなか面白いなと思いました。そこで学べることがたくさん
あって、刺激的な会となりました。そして、この会が、さらに開かれた神奈川、
国際色豊かな神奈川になる一歩になればいいなと思いました。今日はその報告
も踏まえながら、改めてさまざまな視点からご意見をいただきたいと思います
ので宜しくお願いします。
○ 議題「対話の広場の報告と議論について」政策局長より説明
○ 議事
知事:ゲストの土井香苗さんには、基調講演をいただきました。土井さんはス
ーパーレディーで、紛争地帯での人権保護活動をしている国際弁護士です。
あまりに講演が格調高かったので、参加者は圧倒されたという感じでしたが、
いろいろな刺激になったのではないかと思います。この対話の広場の中身に
ついてでも結構ですし、それ以外でもこれはと思うことがありましたらぜひ
自由にご意見いただきたいと思います。
野村委員:国際人材の育成ということで、私は労働組合関連の仕事をしていま
すが、私たちの世界でも最近は、世界的な活動が増えています。企業活動の
グローバル化と同時に組合活動もグローバル化している。通訳を介して話す
のはまどろっこしく、コミュニケーションのツールとして語学は不可欠だと
思います。資料にもありますが、国際人とは自分が日本人であるというアイ
デンティティをもっていないと、きちんとした付き合いができないと思いま
す。外国人が興味を持つのは、日本の禅だとか、文化的なことをいろいろ話
しますから、そういうことを知らないとコミュニケーションができない。デ
ィベート能力が欠如していては、彼らからはじかれてしまう。きちんと相手
と対時して議論をする能力が求められている。
それから県政の関係ですが、知事は今、神奈川臨調を進めておられるわけ
1
ですが、我々の間でも、いろいろな場面で話題に上ります。厳しい財政状況
の中で、方向性が厳しいものとなるのはやむを得ないと思いますが、今後報
告を受けて具体的な論議に入る際には、詳細な扱いについて各々がいろいろ
な意味で影響を受けるということになると思います。良くも悪くも、結果は
別にして丁寧に説明をして欲しいと思います。具体的なことはまだ全然分り
ませんが、その点ぜひお願いしたい。
知事:補足しますと、緊急財政対策本部というのを設けていて、県財政のあり
方を根本的に見直そうとしています。知事に就任して、県の財政状況を知る
につれ、「これでは県が破綻するぞ」という危機感を持ちました。昨年の予
算編成当初、900億円の不足があって、何とかいわゆる埋蔵金を発掘して必
死で埋めましたが、この先2年を見ても、1,050億円も不足している。そし
て、借金は3兆5千億もあると。1年の予算の倍が借金として積み重なって
いる。今臨時財政対策債として、国の借金を肩代わりさせられている。県と
しては借金をどんどん減らしていこうとしているのに、地方交付税代わりの
そうした借金がどんどん積み重なっていって、今3兆5千億にまで膨れ上が
っている。まさに破産直前状態。何とかしなければいけないということで神
奈川臨調を行っています。
知恵袋会議の石原委員、高橋委員にもメンバーに入っていただいて、ダイ
ナミックな議論をしていただいています。3年間で県有施設は原則全廃、補
助金は凍結するというご指摘をいただき、それを県としてどう受け止めて、
どう具体策に進むかというところに現在あります。具体的な話が出てくると、
いろんなところから反対の声が沸きあがってくるのも当然だと思います。記
者発表するときには、神奈川県という船が沈没しかけている。これに対する
解決策の一案として報告したわけですが、それが駄目だということになると
どうすればいいのか。ただ単に批判するだけではなくて、皆でどうすればい
いかを考えたい。そこをぜひ知恵を絞って欲しいということでお願いしてい
るところです。それと同時にこうした財政状況が厳しい中でやっていくには、
削るだけでは駄目で、経済のエンジンを回すということを考えて同時にやっ
ていきたい。そういう状況に今あります。
竹村委員:育成ということで言うなら、小・中学生の若い時に英語に触れるか、
または海外に視野を向けるチャンスを得るということが非常に大事だと思い
ます。私自身も外国に行って言葉の壁というものに苦労する場面があって、
振り返るともう少し若い時に語学に触れるような、海外に触れる場面があっ
たらよかったのにということがあります。通訳を介すと微妙なニュアンスを
伝えられないというもどかしさがあります。言わんとしていることがなかな
か伝わらないということがあり、言葉の壁が本当になくなればいいと思って
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います。今学校では、交流事業とか、外国人教師も多くなっていますし、留
学制度も非常に多くなっていると聞いていますが、学生に対してのきっかけ
づくりや、海外に行くチャンスを少しでも多く与えられるような制度を増や
せたらいいと思います。
また、外国人に触れるというのは行くばかりではなく、呼び込むというの
も非常に大事だと思います。県ではかながわ国際ファンクラブを積極的に進
めていると聞いていますが、いかに外国人に触れる場面を作るか、中学生、
高校生、大学生なりに提供する場面を増やすという努力が必要なのだと思い
ます。私ども中小企業では、交換留学のような、取引先の子どもを受け入れ
ることはやっているのですが、どうしても限界があって、その輪がなかなか
広がっていかないということもありますので、企業のアプローチについても
県として何かできるのではないかと思います。
高橋委員:グローバル人材ですが、この会議で観光を議論した時に留学生の話
が出て、国際ファンクラブを作り、留学生との交流を具体的に積み重ねると
いうことを即座にやっていただいたことに非常に敬意を表します。そういう
積み重ねが必要だと思います。
日本人のグローバル人材化について、私も長年ビジネス界にいましたが、
今度のオリンピックを見ていて一番感じたのはチーム力です。なでしこジャ
パンだとかいろいろな競技で、日本のチーム力のすごさを感じました。しか
しよく見ていると、日本で培った仲間意識、あるいはチームの役割を大切に
するとか、日本の文化、物の考え方を身につけているだけでは通じなくて、
女子サッカーが典型ですが、個人の資格をベースに世界に出て行っている。
ゴールキーパーとして、海外に出て切磋琢磨している。その両方がないと、
日本は戦えないのではないかと思いました。
その視点から産業を見てみると、産業界は外に出ざるを得ない。データに
もありましたが、海外に出て行く中小企業は増えています。そして、学生が
海外に行かないと言いますが、これだけの国際戦略をやっていればいずれ増
えていくと思います。そうするとそこへ行く人に、日本的なものをどう身に
つけさせるか。海外から戻ってきた人を地域社会に還元していくという点を
神奈川として考えてはどうかと思います。
かつて、江戸の末期から明治維新にかけて、藩校がたくさんできました。
何百という藩校ができて、グローバル化が始まって、藩校で日本のものの考
え方とか、歴史観とかを学んだ人たちが海外に出て行った。私は中小企業の
人たちが出て行かざるを得ないと言いましたが、そういう講座を県がやって、
安いお金で、ボランティアもたくさん呼んで、歴史観とか、地政学的な知識
を教える。そういうことを勉強させれば、藩校のようなイメージになると思
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います。具体的な策として提案します。
志方委員:私は大学で、防災関係を教えると同時に、東京都の災害対策をやっ
ています。大学の立場から言いますと、帝京大学は1万人くらいの学生の中
の1割、約千人が外国からの留学生です。主として中国が多いんですが、彼
らの日本語能力というのが、ずば抜けている。どうやって勉強してきたのか
分りませんが、それとは逆に、日本の学生が北京の大学へ行って中国語で
丁々発止できるだろうかと考えますと、全然駄目だと思います。英語も大切
ですが、世界の人口の5分の1は中国人ですから、中国語は国際語そのもの
だという気がします。日本の学生の語学能力は非常に弱い。それからもう一
つは、学生に、外国から来た教授を鎌倉へ案内してもらうのですが、学生は
観光地の歴史的背景などほとんど知らない。周りの人に聞いても知らない。
日本人は何も知らずにただ集まって食事しているだけかと。そういう話にな
る。書いてあるとおり、日本人は日本のことを知っていないと駄目だという
ことがまず一つ。
それから防災の日が近づいているので準備をしていますが、東京都では、
アジネットというアジア各国の首都の危機管理関係者が集まる会議を年に1
回やっています。東京でやったら、次は台北、その次はマニラでというよう
に首都で持ち回っていますので、7~8年に一度事務局が回ってきます。今
回は東京が幹事で、韓国から来てくれるのかと心配していましたが、ちゃん
と来てくれる。そして首都圏直下型の地震が来たときには、ソウルから駆け
つけて来れる。シンガポールからも来る。台北からも来る。そのレセプショ
ンが昨晩あったんですが、普通国際的な会合だと、その国の言葉が分らなく
ても、英語が喋れれば何とか通じるものですが、今度来ているのは消防士。
リーダーくらいは何とかなりますが、他の台北の消防隊の人などは、台湾語
しかできない。同時通訳を英語でやっても全然通じないんです。シンガポー
ルの人は英語が通じますが、ソウルの消防士も英語が通じない。そうなると
マルチランゲージが必要なのかなと思いました。つまり国際化イコール英語
が喋れればよいというものではないということです。
もう一つは、私は学生に、夏休みの過ごし方として、3人でグループを組
んでなるべく海外旅行をするよう薦めています。就職活動が始まるとなかな
かできませんから、2年生や3年生の間に。そして行くならば発展途上国に
行きなさい。アメリカやヨーロッパは就職したらいつでも行けるし、観光で
も行ける。それよりも途上国を回りなさいと。3人いれば危険性も少なくな
る。そして現地の状況を見て帰ってくると、日本がどんなに素晴らしい国か
ということが自覚できる。ですからなるべくリコメンドして、学生を途上国
に行かせて、その経験を話させる。そういうことを今やっています。
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それからもう一つ、国際人行政とは離れますが、東京都内にはたくさんの
外国人が住んでいて、大地震があったような時にもその人たちが日本人と同
じようにいろいろな救急のサービスや食糧などを受けられるかというところ
に気を配っているんです。東京都では防災関係の書類は中国語、韓国語、英
語、スペイン語の4ヶ国語で作って配っています。普段はフランス人など何
の不自由もないですが、一端大災害が来るとその人たちはいきなりエトラン
ゼになってしまう。そういうわけで、そうした人たちを助けるコミュニティ
がない。そこでフランス語のうまい都民をボランティアで集めると言ってい
ますが、平常時はできますが、地震の際にそうしたボランティアが集まって
来れるのか。それはほとんど不可能だろうということで、外国から来ている
人を危機の時にしっかり支えられる体制に気を配っています。
石井委員:私は農業関係の仕事をしていますが、現状では、日本は平和で暮ら
しやすいためか、あまり外国へ出て苦労をしたくないという傾向があります。
1年あるいは2年、外国へ出て研修してきても、再度出て頑張ってみようと
いう考えを持つ人が見当たらないというのが現状です。私もJICAの仕事
を手伝っていますが、私の年代はまったく英語ができない。我々の時代で英
語が出来ない時代は終わるかと思っていましたが、そういうわけには行きそ
うもないのが現状です。1ヶ国語をきちんとマスターすると、あとはどこの
国の言葉を取得しようとしても非常に早いです。世界の公用語はまだ英語で
すから、英語をきっちりやったらスペイン語もポルトガル語も喋れるように
なります。そのあたりの教育の方法を変えていかなければいけないと感じて
います。
また、私は小学校3年で戦争が終わったので、戦争のことが全く分らない。
先般もルソン島に行きましたが、田舎に行っても我々より現地の人のほうが
戦争のことをよく知っていました。お金を出して道路などいろいろ協力をし
ておりますが、これでは、現地の人たちには理解されないという気がしまし
た。我々は農業をマンツーマンでやりますので、かなりの意思疎通はできま
すが、戦争の歴史などをあまり教えられていないため、非常に残念だなとい
う感じがしました。
いずれにせよ、1年ないし2年の研修に行って帰ってきた者に聞くと、面
倒だというんです。例えばアメリカでは、方法によっては6年間までは滞在
期間を延長できますが、その努力をしたくないと聞きます。日本が平和で暮
らしやすいというのはよく分りますが、若い人たちの目をどうやって外に向
かせるかは課題です。現状ではアメリカへ100人、ヨーロッパへ60人、農業
者を中心に送っており、逞しくなって帰ってきてくれますが、再度いろいろ
挑戦しようという気持ちがおこらないのは残念でなりません。
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渡辺委員:対話の広場の第5回の資料、よく出てくるデータですが、米国に留
学している各国の学生数の比較ということで、日本の場合は2000年から2010
年でおよそ半減している。中国は3倍くらいに増えています。これは、単に
留学している人の数が少ないということだけではなくて、多分長い目で見た
ら、日本の学問の世界にかなり深刻な影響を与えているのではないかと思い
ます。学問というのはやはり、一つの国の中で閉じたものではなくて、開い
て、その交流の中で育っていくものが学問なのではないかと思います。そう
いうことを志向しない人が増えてしまうと、長い目で見て、日本の学問の将
来的なものに影響を及ぼしてしまうのではないかという気がしてなりません。
どうしてそうかということですが、企業は、外国に出なければいけないと半
ば強制的に外を向けさせられていますが、多分全般的に言うと大人も含めて
日本人全体が内側を向いている。その結果として、若者も内側を向いている
という気がしてならない。知的な好奇心というか、知的なバイタリティとい
うか、そういうものを育てていかなければいけないと思います。数年前に中
国で、学部の1・2年生300人を前に物理の講義をしたことがあります。
1回だけの講義ですが、物理といっても外国の学生ですから、おもちゃに関
連したような物理の話をして、最初英語で話していましたが、学生が中国語
に翻訳したいと言ってきて、私がいいから英語でやりましょうと言っても、
やっぱり中国語に翻訳したいと。そういう積極性というか、中国の学生は侮
れないと思いました。こういう学生が中国を引っ張っていくのだという印象
を持ちました。やはり若い人が外を向くような知的好奇心、知的バイタリテ
ィを育むような教育を何とか実現していただきたいと思います。
山下委員:渡辺委員にまったく同感です。日本全体が内向きだというのは非常
に深刻だと思います。うちのようなミドルレベルの大学だけでなくて、東大
とか京大とかそういうところでも留学枠が余っていて、希望する学生がなか
なかいないと聞いています。言葉の問題は確かにありますが、ここに書かれ
ているように未知の世界にチャレンジしようという気概ある若者あるいは大
人が非常に減ってきている。それから、自分と異なる考え方、価値観、文化
そういうものをなかなか受入れられなくなってしまう。これは、国際人材の
育成と同時にこれから日本がどういう人間を育成していこうかという、ここ
のポイントが非常に大きいと思います。それが日本の活力、学問だけではな
くて非常にダメージになるのではないかと思います。そういう意味から言い
ますと、県民との対話の広場で、世界で活躍する国際人材の育成を挙げられ
て議論されたというのは非常にタイムリーで良かったと思います。実はうち
の大学でも全国から20の学部長が集まってきて、一泊二日の学部長研修会と
いうのを年2回やっていますが、先月の会のメインの議題がグローバル人材
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の育成でした。さまざまな意見が出てきたんですが、グループディスカッシ
ョンなども含めて、副学長という立場でそれをいかに東海大学の中で具現化
していくかというのが、私の役割じゃないかなと思っています。身近なイベ
ントを増やすとか、米軍基地との交流とか、資料にも書いてありますが、で
きることから始めて、お金をそんなにかけなくてもできることはあると思い
ます。そしてそんな環境を若い人たちに作ってあげることが大事じゃないか
なと思っています。内向きであると同時に、内向きであるからこそ食わず嫌
い。これもあると思います。実は私の娘は昨日、スイスに1年間バレエ留学
に行きました。また娘の学校では、高校2年生の時に全員が海外に2週間ホ
ームステイしたんです。それが非常にいい体験だった。その時は帰ってきた
後、アメリカからの留学生を2人、3週間受入れました。そういう環境を作
ってあげると、だんだんと食わず嫌いから楽しいな、言葉ができなくてもつ
ながる、もっと勉強したいな、知りたいなと変化していくと思います。そう
いうところを刺激してやるのが非常に大事だと思います。私は、2003年から
2007年まで国際柔道連盟の理事をやっていました。こういう立場で見ても、
日本はすごくハンディがあるんです。ヨーロッパなどはしょっちゅう行き来
して、しょっちゅう会いますから、いろんな意見交換ができる。日本人は、
英語など自信がなくて、会って話す分にはまだいいですが、電話で早口で喋
られるとなかなかうまくコミュニケーションが取れない。ですから、私が理
事になってから決めたのは、当時年間3分の1くらい海外に行っていました
から、行った時には日本人とは一切食事をしない。なんだかぶれてとか、か
っこつけてとか言われましたが、ともかく日本人と一緒にいない。日本人同
士つるんでしまっては、外国人と人間関係を深められない。会議の場だけで
やろうとしても、とてもじゃないけれど無理なんじゃないでしょうか。でき
ればそういう環境を作ってあげて、そこで触れながら、試験のためではなく
て、子ども達に自発的に海外に興味を持ってもらう。これをぜひ神奈川で、
恵まれた環境にある神奈川で実践していただいて、発信していただきたい。
これは、今後も暫く、非常に大きな問題になるのではないかと思います。実
は今、神奈川県体育協会の交流事業で、中国、韓国の学生が神奈川に来てい
ます。両国とも今非常に難しい問題がありますが、好意的な場所だからこそ、
これからも交流を続けていかなければいけない。国レベルでは対立があって
も、民間レベルではむしろもっともっと交流が必要だという話で初日盛り上
がったと聞きました。この日曜日から、東海大学の附属の高校生たちと柔道
で交流します。こういう情勢だから何かあったらまずい。取り止めることも
含めて検討した方がいいのではないかという意見もありました。皆どうして
もリスクをすぐに考えます。しかしほんの一部は騒ぎますが、あとは全く問
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題ない。みんな来てくれることを楽しみにしています。私が大学に言ったの
は、これでもし取りやめた場合には、向こう側はこの問題があるからという
理由で止めたと感じる。逆にこういう問題があるからと感情的に取り止めて
は、今後にとって非常にマイナスではないかと言いました。非常に充実した
実証でした。政府間では国益がぶつかっていろいろありますが、やはり前進
が大事じゃないか。
もう一つ、神奈川臨調の話がありましたが、野村委員から丁寧に説明して
欲しいという話がありました。ぜひ、任期中に評価を得るのではなくて、10
年、20年後にあの時の決断が今の神奈川を作っているという、その時に光が
差すような、若い、神奈川に住む人たちが希望を持てるようにしていただき
たい。大変ご苦労は多いと思いますが、それを目指してやっていただきたい
と思います。私も立場によって、それぞれの立場でいろいろあります。しか
し、一県民としては丁寧に説明をしていただいて、頑張っていただきたいと
応援しています。
桃田委員:先生方からいろいろなお話がありましたが、小中学校で語学力を養
う場がないと困るのではないかと思います。また、私どもは医療の分野にな
りますが、病院も今までと違った形でいろいろな国の方達と関わる機会が増
えています。肌の色も違うし、言葉の壁という所で、非常に入院生活も大変
です。外でも、コンビニに行きますと、夕方になるとほとんど店員の方が外
国の方になります。短期間でよくこんなに話せるなと感心しています。また、
日本人より非常にサービス精神が旺盛です。駅で会ってもしっかり覚えてい
て、声をかけてくれます。どちらのお国ですかと尋ねたら、バングラデシュ
ですと。何かあったらお互い助け合いましょうねと話しています。神奈川で
も、特に私が住んでいる所は外国人が住むマンションが多いのですが、神奈
川の空き家を、これから高齢者用の賃貸住宅に計画的に変えていくようです
が、同様に、外国人が安く生活できる場というのを、空き家を改装して作っ
てはどうでしょうか。そういうシステムを作ると、神奈川に留学生などいろ
んな人たちが生活するために来て、日本のいい所を国に帰って広めていって
くれるのではないかと思います。それと近隣諸国とは仲良くしてもらいたい。
例えば高いホテルに泊まれない外国人観光客には、どなたか中心になって、
安く、修学旅行生みたいな形で神奈川のいいところを見てもらう。例えば横
浜市だと2時間で観光バスが2万円です。それでも使われないとこの前聞き
ました。そういう使われていないものを活用して、神奈川に呼び込めたらい
いと思っています。私も外国の人が嫌だなという想いがありました。でもそ
れではいけません。今しっかり外国人を受け入れる体制を作っておかないと、
医療も介護も崩壊します。そういう意味も含めてぜひ、短期間の交流、ある
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いは私どもは1年間ドイツに行かせていましたが、やはり帰ってくると随分
成長していますし、ものの考え方から、人に接する態度も変わってきますの
で、そういう場をどんどん作っていければいいなと思います。また、魅力あ
る方を講師に招いて、学生が行ってみよう、やってみようと思えるような場
をぜひ作っていただきたいと思います。私は神奈川マラソンを実行していた
だきたい。たまたま先日北海道に行きましたら、ホテルも飛行機もいっぱい
でした。何故かというと北海道マラソンのランナーにおさえられてしまった
んです。私が泊まったホテルには、日本語が分らない人がたくさんロビーに
いましたが、ぜひそうした、「人が集まる場」を考えていただくといいよう
に思います。
藻谷委員:プロジェクトベースでいくつか申し上げたいと思いますが、海外に
行ってコミュニケーションができるという話と、ごく普通の人の教育と分け
たいと思います。まず普通の方からですが、英語はペラペラ喋れないけれど、
外国人を嫌だなと思う人がいなくなるようなそういう教育です。やはり神奈
川らしいということが大事だと思います。神奈川はご存知のとおり日本で長
崎の次に国際化した所です。だから、そもそも県の成り立ち自体が国際化の
ために作った県ですから、有体に言うと横浜を開港するために、東京にくっ
つけずに作った県と言えます。外国人は西洋人だけでなく中国人、アジア人
も対象にしていた。ちなみに東京にはチャイナタウンがない。世界の大都市
でチャイナタウンもコリアンタウンもないのは東京くらい。いかに東京が日
本人だけのために作られたか。神戸にだってある。何故作れなかったか。東
京にも在日の方がいらっしゃるけれど作れなかった。神奈川だと作れた。そ
ういう神奈川独自の、外国と交流するためにできた県だということを教育す
る、県民皆が知っているということがとても重要なんです。ペリーが浦賀に、
マッカーサーがなぜ厚木に降りたのか。そういうものも含めて宿命的に外国
と向き合っているということをちゃんと教えたい。蒙古襲来の時も鎌倉幕府
が対処するわけですが、過去はそういうことがあっても、今は白鳳が来てこ
んなに強いのですよとか、そういうことをちゃんと教えたらいいと思います。
神奈川らしい、神奈川独自の歴史教育。そのうえで、神奈川ならではのでき
ることがあって、まず留学生が非常に多いこと。県内に大学は山ほどありま
す。よくある交流会館みたいなことをやっていると思いますが、カリキュラ
ムの中に地元の大学に外国の学生が自国のことを教えにくるようなものが入
っているといいと思います。それに対して、正規のカリキュラムでは無理だ
と、ゆとりの時間でやるべきだと。しかし、皆がゆとり教育は駄目だと大合
唱します。しかし、今回ゆとり教育のおかげでオリンピックでメダルが獲れ
たと思っているのは私だけかもしれませんが、3.14って円周率を覚えるくら
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いだったら、いろんなスポーツをやる人が増えてオリンピックでメダルを獲
れるほうがずっと面白い。ゆとりの時間がないのであれば、放課後でも居場
所作りはあります。その中に積極的に留学生が来て、交流するにはお金がな
いとは思いますが、そうした人たちに知事が表彰状を出すとか、認定証を出
すといったことに意味があると思います。それだけでやる気が出ます。知事
が言っているのであればと。小さなことかもしれませんが。すごくやる気が
出ます。いいことを公に選ばれた人に褒められたら、知事が思っている以上
にやる気が出るものです。また、県内の企業に、同じくたくさんの外国人が
働いているはずです。そして急速に増えていると思います。国民が内向きで
も、企業では外国人採用を増やすしかないという結論にとっくになっていて、
多分この5年くらいで県内の中小企業クラスの外国人採用が急激に増えてい
ると思います。神奈川に留学して気に入って、そのまま就職している人もい
るはずなので、そういう人たちに、なぜ私は日本に留学して就職したのかと
いう話を学校に来て話してもらうだけで、就労意欲の低い日本の学生達には
勉強になると思うんです。そういうことを授業なり、放課後なり、クラブ活
動なりでやったらどうか。先ほどのマラソンという話も非常に良くて、いろ
いろなイベントの時に一泊だけ外国人をホームステイさせるということをイ
ベント事務局にぜひやってもらう。本当は山下さんがおっしゃったように3
週間とか1ヶ月とか外国人が家に泊まるというのがいいですが、なかなかそ
こまで踏み切れないし、責任も取りきれないところがあります。そこで、事
務局は大変ですが、1泊だけ泊まって交流するとか、より多くの人のところ
に外国人が泊まるだけでも、神奈川県だけでも人の心が開けてくると思いま
す。特にマラソンですと近隣国の人もたくさん来るでしょうから。今の日
中・日韓の問題など、人が住んでいるところを追い出して領土を奪った人た
ちとこれだけ軋轢無く仲良くやってきたのに、なぜ無人島でこんなに喧嘩を
しなければいけないのか。しかしそんなことを言ってもしょうがないので、
まずは日常的に交流しておくことが必要だと思います。そのためにもマラソ
ンだとか、県内のイベントを活用する。県が絡むイベントでは外国人と交流
できるようにするとか、NPO等も活用してはどうかと思います。これがベ
ースの話です。次に産業ですが、県内企業は外国人を採用せざるを得ないは
ずです。その時に何か支援できないのでしょうか。やはり日本人が内向きだ
という話もありますが、外国人を増やしてブレイクスルーするしかないわけ
です。看護師などは規制があって難しいですが、普通の企業だったらいろい
ろやり方はあります。外国人が日本に住む時には、特に住宅を借りるのが一
番大変なので、そういう時のサポートの仕組みができればだいぶ変わるんじ
ゃないかと思います。要するに県内企業が外国人を採用するのを促進する。
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3つ目にこれは既にやっていると思いますが、観光です。神奈川県は外国人
観光客が多いので、外国人観光客に対応するということですが、これについ
ては非常に簡単で、しかしまだ弱い。福岡に比べるとすごく弱い。福岡がや
っているくらいのことは横浜でやるべきです。まず外国語の標記が少ない。
これを増やしましょう。それから、外国語のアナウンスが少ない。東京は英
語だけ。福岡では韓国語、中国語をやります。中華街もあるのだから、やっ
てもいいんじゃないかと思いますが。東京の人たちはアジアの人への蔑視が
強いのか。環境からして違います。福岡みたいに日常的に接していればアジ
アの一員だと思えます。それから観光案内所をなるべく分りやすい所に作っ
て、ある程度3ヶ国語、4ヶ国語対応できる人がいるという、この3つ。非
常にベースのところですが、この3つをまずしっかりやることが必要だと思
います。オバマ大統領が鎌倉で抹茶アイスクリームを食べたか食べてなかっ
たかで彼の対日観は随分と違うと思います。神奈川県で、鎌倉の大仏で抹茶
アイスクリームを出していて本当によかった。それだけのことでも全然違い
ます。やはりもっともっと神奈川に来て、将来何になるか分らない人がいい
思いをした。神奈川県でちょっと楽しかったという人をともかく増やすこと
が大事なので、その点ぜひ宜しくお願いします。あと、米軍というのがちょ
っとありましたが、米軍とも交流していますよね。私は山口県出身ですが、
山口県は本当にドメスティックで、正確に言うと在日の朝鮮・韓国人の方が
非常に多いので、東京の人たちに比べて在日の人に対する偏見が全然ない。
ごく普通に友達にいるので。神奈川の場合は中国人もいるし、韓国人もいる
し、それから米軍もいるので特に横須賀の人などオープンだと思う。いろい
ろ経緯はあって難しいのでしょうが、米軍などを活かしてやられるというこ
とは、県としてはできないのかもしれませんが、もっともっと奨励した方が
いいと思います。以上がプロジェクトベースです。最後に皆さんがおっしゃ
っている個人の英語力についてですが、私は英語力の問題ではないと思いま
す。実は、皆さんが話している日本語をそのまま英語にすると絶対通じない。
日本語の表現は言語として英語には訳せない。どちらが悪いということでは
なくて、二重人格にならないと喋れません。そして、二重人格になるために
は先ほどの山下さんのように、徹底的に日本人を排除してそこで飲むみたい
なことをしないとできません。日本人相手の柔道と外国人相手の柔道と全く
違うやり方ですよね。そのように二重人格ループなので、県にはハードルが
高い。そこで、私はむしろ大学に期待したい。しかし今言ったように二重人
格教育を大学ができるかというと、大学の上の方たちが二重人格ではないの
で、自分ができないことを他人に教えられるわけがない。二面性があって、
スイッチを入れ替えることができなければ留学生に通用しない。上の方には
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申し訳ないですが、いくら精神論を言ってみても今の教育では100年経って
も絶対に英語が喋れるようにはならないと思います。
松井委員:日本は本当にいい国だと思います。日本語だけで全てが済む。他の
国だと英語ができないと上には行けない。今や世界的に見れば日本は韓国や
中国に完全に取り残されています。そうなるとグローバル社会に対応するに
はやはり英語ができないと駄目です。国レベルで取り組まないと駄目です。
英語を勉強して世界に出て行けというメッセージを出してでも、ともかく英
語を勉強する。それぐらい危機感を持って訴えないと駄目だと思います。韓
国などは徹底的に外国語の教育をやっています。日本もそれぐらいやるべき
だと思います。また中国の人たちも本当に一生懸命勉強している。そういう
状況なので、皆で危機感を持たないといけない。現在、EPAで、6名が受
かって看護師になった。でも母国に帰ってしまう。どうしてかというと、日
本に来て家族も呼んで一緒に暮らしたかったが、手続きが難しくて諦めた。
このように日本は本当に手続きが多いですから、もう少し簡素化してもらっ
て外国人が日本に住める環境をもっと作ってもらいたいと思います。ぜひ神
奈川からやってもらいたいと思います。
堀田委員:国際化が言われて久しい。グローバルとローカルを合わせたグロー
カルという言葉は私が入社した頃から社長が言っていました。我々はグロー
カルになるんだと。もう30年も前から言われています。古くて新しいという
のもあるのかもしれませんが。そこで二つお話します。一つは質問というか、
疑問というか、先ほどの委員のお嬢さんの話ではないですが、高校生、大学
生で女性の海外進出が目立っている。私の友人も、お嬢さんがバスケットボ
ールをやっていて、アメリカの大学に行きたいと、敢えて日本人のいない大
学を自分で探しました。それで南部のアメリカを選んで、そこに行ってバス
ケットボールをやった。その後はニューヨークに行った。結局彼女はアメリ
カで結婚しました。例えば米国に留学している各国の学生数では、日本が半
減しているということでしたが、男女比というのは分るのでしょうか。もう
少しスパンを広げてもいいですが、内向き志向なのは男性であって、女性は
どんどん外に出て行っているのではないでしょうか。今の若い会社員も含め
て。草食系・肉食系と言われて久しいですが、何だか変だと思います。日本
男子はどうしてこうなってしまったんだろうと思うんです。ぜひ行政の方た
ちには調べていただきたい。そしてその傾向を皆さんどうお考えなのか。子
ども達に何か変化があるのだろうか。じゃあ、それをどうしたらいいのか。
尻をたたくべきは男だと思います。また、子ども達の教育ということで言え
ば、語学力というと英語力をつけなさいと言うんですが、読み、書きに加え
て発表する、発言するという能力が必要です。読み書きは日本人は何とかで
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きますが、発表する、発言する能力、これはそもそも、今の若い人たちは日
本語の能力も乏しい。だから、例えば作文を書かせる。神奈川新聞では「新
聞を読んで」というコンテストをやっていますが、子ども達にどんどん書い
てもらいます。毎年何千の単位で県内の学校から応募があります。中にはび
っくりするような素晴らしい内容のものもあります。これだったら日本の将
来は大丈夫だなと思うくらいに、中身的には非常にレベルが高い。そういう
方々もいらっしゃる。だから日本はそんなに捨てたもんじゃないとも思いま
すが、しかし、読解力が落ちているというのはよく指摘されています。日本
人が全体的に落ちてきてしまっている。世界的に比べても中国や韓国に劣っ
ている。だから、読解力そのものが今問われているように思います。語学力、
英語力もいいですが、その前にまず日本語を何とかしなければいけないと思
います。先ほどの発信力、発言力ということで言えば、これも皆さん聞き古
しだと思いますが、日本は地政学的に世界の文化を受け入れる場所です。例
えば、仏教、神道を融合するだとか、文字が伝わってかな文字を発明し、日
本独特の文化を作っただとか。ただ、逆に日本から何かを発信していくとい
うことがなかなかなかったということは、古来からの民族性というのが影響
しているのかと思います。つまり、日本人は物事を受入れて、自国の民族性
に都合のいいようなものに高めていく。もっと素晴らしいものに高めていく
という能力は優れているけれども、自分たちの思いや考えを発言する、発信
していく、理解を得ようとするということは弱いように思います。ではどう
したらいいのかと考えたときに、テキストの選び方がちょっと違うように思
います。最近の子ども達のテキストを詳しくは知りませんが、一つの文章を
読ませてというだけではなく、その文章全体から、英語圏の人たちの価値観
が分るようなそういう文章、テキストを選んでいって、全体に対してあなた
はどう思いますか、日本人はどう思いますか、神奈川県民としてどう思いま
すかというような訓練の仕方がまず必要ではないかと思います。このように、
テキストの選び方を少し考えていただけたらありがたいと思います。もう一
つ、ある社長さんが商売でロシアに行った。モスクワで30代後半の現地の青
年実業家と話をした。そしてモスクワ市内のさまざまな観光施設を案内して
もらった。すると彼はとうとうと喋るわけです。それは先ほど皆さんがご指
摘されていましたが、要するにロシアに対する愛国心というか、自国の文化
に誇りを持っている。だからぜひ、この素晴らしさを外国人に理解して欲し
いということになる。先ほど委員のお話にもありましたが、日本の学生は鎌
倉の大仏ですらよく知らない。だから、国際人とは、皆さんおっしゃるとお
り、日本のこと、日本人のことをまずよく認識していくというところから始
まらないといけないと思います。日本の歴史観、伝統、文化、こういうもの
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を知らずして何が国際人だろう。そういった意味から、私は道草塾というの
をやっています。これは神奈川の賛同する企業の方に来ていただいて、日本
文化に触れてもらう。例えば能狂言を見るとかお茶をやるとか、見たことも
無ければ飲んだことも無いような人たちに触れてもらう。先日は古事記を読
んで出雲に行きました。結局、私もそうでしたが、皆知らないし、知ろうと
していないというよりは、知る時間がなかった。今の日本の経済を牛耳って
いる方々が気の毒です。これはやはり上に立つ方々が、そういう機会を設け
る、あるいは勉強の機会を与える。幅広い教養を育むという、そういう人材
教育をやっていかないと、そういう人たちが子ども達を育てているわけです
から益々駄目になってしまうのではないか。日本人が日本を知って、日本人、
日本文化とは何かということを咀嚼した人たちを育てないといけないと思い
ます。
浜野委員:益々、異質なものを受け入れない社会になりつつあるように思いま
す。企業でもそういうことがあって、私はもともと創業者の人たちと仲良く
してきましたが、今の人たちは私と触れたくない。私の子どもは長男が8年、
次男が12年アメリカに居ました。そうするとなかなか日本社会に入れてもら
えないんです。帰国子女より、もっと強く反発がある。それでいいのかなと
思う反面、私は浜野ネイチャースクールというのを長年やってきて、最低2
週間は海外に連れて行きました。しかし2週間、日本の子どもを海外に連れ
て行くのは本当に大変でした。また大学で浜野ネイチャースクールをやって
みようとしましたが、やってはいけないことがたくさんありすぎて、何も出
来なかった。何とかしたいと思ってはきたんですが。さらに、親が参加する
学校は駄目です。日本の親は自分の子どものことばかりで、非常に危険です。
どうしても医者に来て欲しくて、自分の子どもも一緒なら行くというので親
子で参加してもらったことがありました。しかしその人は危険だといってプ
ログラムに子どもを参加させない。典型的な日本の親でした。そうした中で
もそれなりにやってきましたが、自立した日本人が少ないと思いました。私
は年に1ヶ月はアメリカで暮らしていますが、国際人どうこうというよりも、
好きなことを通じて人間関係が広がっていく。管理しすぎては自然にも人に
も悪影響を及ぼします。1回、楽しいことを海外でさせることは非常に大事
です。以前、美容師の卵たちに、カンボジアに行って現地の人たちの頭を刈
ってこい、沖縄でおばあの毛を刈ってこいと言いました。そういう異質なこ
とをさせるのが大事です。学生だけでなく若い人たちにどんどんそういう経
験をさせることが大事だと思います。それから、学校について、私は諦めて
いるんです。文科省とか、大学が絡むと規制ばかりです。リスクに対して過
干渉なのです。企業の中での国際人というのは比較的やりやすいと思います
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が、幼児のときから国際人にするというのは、各親がその気にならないとい
けません。例えば我が家の次男はアメリカの全寮制の学校に行っていました。
その学校では各国3人以上の外国人は入れないということだったんですが、
13人の韓国人学生が入ってきてしまったんです。その子達とうちの子供とコ
ンフリクトがあって、うちの子供が退学になりました。私はアメリカに行っ
て自主退学にしてくれと言いました。これは言い換えれば、それくらい韓国
は勢いがあるということです。それに対して日本は減っている。非常に恐ろ
しい限りです。世界に出していくということを制度化する必要があると思い
ます。
知事:先日の対話の広場を見ても、120人のうち30~40人くらい高校生が来て
くれました。みんな積極的にどんどん発言をする。こういう子たちもいるの
だなと感心しました。また、かながわ国際ファンクラブという、海外から神
奈川に来ている人たちに神奈川のファンになって帰ってもらおう。そのため
に会員になってもらおう。併せてサポート会員も募集しよう。そういう場を
作ってみたところ、個人の立場でいろいろなことをやっている方がいらっし
ゃる。留学生の母みたいな人もいて、留学生が住居を探すときに全部サポー
トしてあげるとか、ボランティア活動をするとか、そういうネットワークが、
かながわ国際ファンクラブに来れば全部分るよというそういうシステムを充
実させていく。そうするともっともっと細かいニーズにも応えていけるので
はないかと思います。それも、県が何とかするのではなくて、県は場を作っ
て、皆さんの活動を集約していく。こういう方向性を今考えているところで
す。国際ファンクラブの現状について、水田理事からどうぞ。
水田理事:少しずつファンクラブの参加者が増えてきています。今400人弱の
会員がいます。できたら、正式にまだ決まったことではないですが、ステー
ションのようなものを作って、外国人だけでなく日本人も交流できる場にす
る。県内の留学生と出て行く学生の両方の交流の場を作りたいと思っていま
す。皆さんがおっしゃった仕組みが新たに付け加わってくるのではないかと
思っています。
高橋委員:国際ファンクラブは、非常に良いと思います。神奈川のファンを増
やすことと併せて、日本の外で神奈川大使になってもらうような、海外に行
く人に神奈川の由来などを学んでもらうということをセットで考えていただ
きたい。特に中小企業は今海外進出を図ろうとしています。大企業はそれな
りに教育できますが、今回の大震災で分ったように、世界的に中小企業がキ
ーです。日本の強みは出て行かなければいけないし、世界も欲しがる。そう
いう時に大使を通してネットワークが広がっていく。事前に少しでも日本、
神奈川に関する知識を身につけさせる。そういう神奈川大使をセットでやっ
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ていただきたい。高度成長期、日本はある意味国際化に成功したと思います
が、あの頃は海外に行くというと非常に期待を集めていました。数は少なか
ったですが、非常に影響力があった。これが底辺に広がって、今や、「海外
に行くの。大変だね。ご苦労さん。」という感じになっています。そこで、
神奈川から行く人は大使的な役割を持っているとか、そういうネットワーク、
そういう場ができればいいなと思います。
志方委員:私は今は東京に住んでいますが、防大の4年間と大学院、それから
防大の職員として10年弱くらい神奈川県人でした。その時に一番困ったこと
は、防大にいろいろな国から留学生が来ますが、そういう人たちが休暇の時
などにどうしようもないのです。国に帰るお金もないし。例えばタイから来
た学生はタイの大使館に頼んだりしましたが、クリスマスなどは大使館もク
ローズしてしまう。そうすると皆寝袋を持って大使館の廊下で寝ているとか。
これじゃひど過ぎると横須賀を中心にクリスマス休暇中くらい留学生を自宅
にホームステイさせてくれないかと頼みました。教授などに頼むとやってく
れましたが、白人は受入れてもらいやすいですが、東南アジアなどは駄目な
んです。それから女性の場合も全然駄目です。そういうことで今のファンク
ラブというのができたのは、そういう意味でもいいかなというのが一つあり
ます。それからもう一つは、帝京大学にはベルリンとロンドンとデンバーと
3つキャンパスがあります。そこに4年留学する人、2年の人、1年の人と
いますが、他にも夏休みだけとか、なるたけ外国に住むチャンスを与えてい
ます。ベルリンキャンパスを見に行ったら、どういうことをやっているかと
いうと、日本人同士5、6人つるんでいるのです。そしてベルリンの街を歩
いて、全部日本語でやっている。寮に帰ってきてもずっと日本語でやってい
て、2年間ドイツに居ても全くドイツ語が話せない。要するにただそこに居
ただけの話なのです。ドイツに居たという意味は何にもない。もう一つはそ
ういうこともせずに一人ひとりが自分探しの旅をしている。もう何も分らな
いということです。ですから、こちらからホームステイさせるとか、留学さ
せると言っても今の日本の学生が向こうに行って、ローカルコミュニティに
入って行くかというとそうではない。資料の中の5つのCのcuriosityです
が、それがないのです。何でも見てやろうというのがない。日本のマスコミ
も悪いと思います。テレビを見ればだいたい何でも済みますから。タレント
がインドの山奥に行ったという番組を30分くらい見れば、ああ、インドはそ
ういう国かと。もう行くことも何もないという話になってしまう。それから
もう一つは大学に入るときに、我々のころは英語はmandatoryでした。必ず
受けなければいけない科目でした。今は2科目とか3科目で大学に入れて、
その中に英語がない大学もあります。そうすると我々は受験のために一生懸
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命英語を勉強しましたが、今はどうせ受験で必要ないからと勉強しなくなっ
てしまう。そして、大学に来て英文科に来てもI am a boy.から教えないと
いけない。これでは話にならない。だから私は日本人に国際性を持たせるな
らば、少なくとも大学の入試には英語を入れたらいい。必ず受けさせるとい
うのが一つ。もしそれが駄目な場合には、例えば法学部に入ったら、法学部
の科目の一つだけでも必ず英語で勉強させる。それを必修にする。そういう
ふうにしてやらせないと、個人に任せてはだめだということ。それからもう
一つ、この間の東日本大震災に関連して、私は危機管理を担当していますか
ら、東北にボランティアに行った人間にはどれだけ休んでも単位をやると。
その代わりボランティアのレポートを提出させる。文科省が学問とはこうだ
ということを決め付けないで、外に行ってやってきたことも認めてやるよう
な制度を作らないと、なかなか国際性だとか、curiosityというものは出て
こないと思います。
山下委員:海外に対して、日本人は壁を自ら作ってしまっていると思います。
それを、我々も力を合わせながら崩していく。実際ちょっと踏み越えてみる
と違った素晴らしい世界があって、新しい発見があったり、つながりができ
たり。私も東海大学の学生含め、柔道関係の学生たちにも海外に出るように
言っています。海外青年協力隊に応募させたり、先月はミャンマーに文化交
流ミッションで行きました。行った人間は99%、勉強になりました。行って
良かったですと言います。要は食べず嫌いなのです。みんなで協力して敷居
を低くしてやる。壁がない方が、もっと我々の人生が充実して、希望にあふ
れて、もちろんリスクもあるけれど、生きているという感じがする。そこの
ところを何かやっていかないといけないと思います。そこに対して見る目が
出来てくると、新しいことにチャレンジするということにもつながっていく
のではないかと思います。県だけの話ではなくて、まずそれと同時に自分た
ちのところで、今ここに居る方たちは、皆各界を代表される方たちですから、
我々自身ができることから始めていくことが、併せて必要じゃないかと思い
ます。
野村委員:これだけ日本人が海外旅行に行っているのに、何しているのだろう
と思います。レジャーが中心ですが、こんなに多くの国民が、お金を持って
海外に行っている国はなかなかないのではないか。最近、韓国人とか中国人
とかが増えてきていますが、それで何でこんな話をしているのだろう。多分、
若い子達に聞いたら、卒業旅行だ、就職祝いだと何かにつけて海外旅行に行
っているわけです。それでどうして改めて国際化という話をしなければいけ
ないのでしょうか。翻ってみると、島国根性というか、異質を認めないとい
うような国民性が影響しているのではないでしょうか。昔はハングリーとい
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うか、企業戦士と言ってとにかく何が何でも外に出て行っていましたが、そ
れが今や韓国にも負けていますから。私が言いたいのは、やはり日常的に日
本は島国ですから、海外に攻められたこともないし、そこを一度がらっと変
えないと駄目なんじゃないか。私は移民政策もどんどんやるべきだと思いま
す。将来少子高齢化で労働力人口がどっちみち減るのですから。また逆に、
最初にあった女性が海外に出て行くということ、私は言われて確かにそうだ
なと思いました。日本ではきちんと社会が女性を受入れていない。管理職率
だって低いし、能力なんて見ていない。多分海外に行ったら、仕事のできる
人はどんどん偉くなる。大学を出て1回海外の企業に入って帰ってきたとい
うような人は何となく受入れられるけれども、最初からスタートしている人
は受入れてくれない。また、インターナショナルスクールがありますよね。
日本人で今本当に国際人を育てようとしたら、インターナショナルスクール
に入れますね。逆に外国の人が日本に来るインターナショナルスクール神奈
川版が作れないのかなと思います。
浜野委員:ニセコはそのインターナショナルスクールを作りました。
野村委員:そういうふうにインターナショナルスクールを日本のシステムで作
れれば、やはり高校生とか頭が固まってしまう前に幼少の頃からそういう環
境に置いてあげることが大事だと思います。大人になってしまっては、よっ
ぽど目的があって、ビジネスとか必要性がないと、国際性は身につかないの
ではないかと思います。
浜野委員:長期滞在客を入れたければ、子供を連れて来るから、やはり子供の
学校は絶対大切で、ニセコはそれを始めたから、教育だけ考えてもいっぱい
やることはあると思います。それと私、さっき女性の話が出たけれど、やは
り男女差というのは出した方がいいと思います。きっと女性は圧倒的に世界
に出ているのではないでしょうか。
知事:先ほど堀田委員からもありましたが、内向き志向だというのは男だけな
のかもしれません。こういう指摘は結構どきっとしますね。私の前職場でも
そういう傾向があって、一時、女性特派員を出すというルートがありました。
そのルートを変えて女性アナウンサーをニューヨークやパリに出すようにし
ました。しかしそれを途中で辞めました。なぜかというと、行った女性は皆
辞めてしまう。戻って来いというと、皆嫌だと辞めちゃうのです。辞めてど
うするかというと、いろいろなパターンがありますが、ニューヨークに派遣
されていた人は、1回戻ってきて、退社してすぐまたアメリカに行ってコロ
ンビア大学に留学して、MBAの資格を取っただとか、また国連の職員になっ
たり、つまり、優秀な女性は我慢しないのです。どんどん外に出て刺激を受
けて、実はしがみついているのは男ばっかり。そういう傾向が確かにありま
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す。
堀田委員:他の企業でもそうでしょうが、採用のときに何人かを選ぶと、どう
やって男を紛れ込ませるか大変です。まともに選んだら全員女性になってし
まいます。これが、結構大変なのです。10年以上前から、例えば新入社員研
修をやっている時に、事件があったと。よし丁度いい、皆現場に行けという
と、面白かったいい経験をしたというのは女性で、男はこんなにつらいのは
嫌だと逃げてしまいます。
松井委員:おそらく男性に対する教育がちゃんとされていないのですね。国を
守るとか、家族を守るとか、そういうことが理解出来ていない。他の国では
大概出来ていますから、女性は海外に出ると、こちらの方が自分を守ってく
れると思ってしまうのではないでしょうか。日本の男性は男性としての役割
をきちんと知らないのではないでしょうか。
桃田委員:女性の発言力が強くなったのと、今まで私たちは本当に男性陣に虐
げられてきた。それが許せないと思って、私たちの職能団体では、はっきり
言おうということで、皆相当強いです。いつ首切られてもいいというくらい
強いです。女性の進出、私は素晴らしいと思います。
藻谷委員:皆さんのおっしゃるとおりで、若い男は内向きです。私には男の子
が2人いますが、本当に面白いことに、家庭環境が、私みたいな人間が育て
ていても、全然アグレッシブになりません。私は自分みたいなのを子どもに
押し付ける気はないので、アグレッシブにしようとは特に思っていませんが。
今の若い男性をアグレッシブにするには、自分の経験からしてなかなか容易
ではないと思います。アグレッシブにならない子どもの気持ちを代弁すると、
シンガポールに駐在していたことがあるのですが、逆に外国を見れば見るほ
ど、シンガポールだって住みやすいところですが、住み易い国に比べても日
本が住み易いということは、子ども心にも直感的に分ってしまって、非常に
内向きになる。一方女性はその住みやすいはずの日本で非常に不利な状況に
置かれていて、男性のアファーマティブアクションの中で、企業だって本来
女性を採りたいはずなのに、女性が増えると中の人事制度も変えなければい
けないので、出産等のリスクを回避したくて女性を採らないだけです。だか
ら、外国人を採らないのと女性を採らないのと理屈は一緒です。女性は中に
入っても昇進できないから、仕方なく外国に行くだけで、日本にいて男性を
やっていると少々ぼんくらでもうまいこと潜り込めれば楽なのです。そうい
う甘え考えでいるのだと思います。だから女性が強いというよりも、日本が
ぬるま湯社会であるということの非常に強い表現だと思います。でも、ぬる
ま湯社会というのは今できたものでもなくて、ずっと昔からそうで、皆さん
の時は単に破綻が見えて無かっただけなのではないでしょうか。日本の子ど
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もが劣化していると言いますが、オリンピックのメダルの数を見ても分るよ
うに全くそうではなくて、どんどん良くなっていると私は思います。戦争を
経験している世代は凄かったと思いますが、基本的に戦争を覚えていない世
代から以降、若い世代の方が全然優秀だと思います。ただ、やはり全体とし
て通用しない。それに対してどうしたらいいかというと、ぬるま湯はなかな
か続かないぞという、さっきのような交流をさせる。もう一つは女性がたく
さん採用されて活躍できる会社が増えれば外国人がたくさん増えて活躍でき
る会社も増える。これは完全に一致します。かつ営業利益などは絶対にそう
いう会社の方が高いです。それならば、神奈川県庁だけでもどんどんそうい
う組織にしてしまおうということをきっと黒岩知事ならされると思います。
先ほどの知事のお話の女性のことも私は知っていますが、彼女も日本が嫌い
とかそういうことでは全然無くて、会社も好きだったと思います。しかし、
やはり不利だと思って辞めたんだと思います。中国や韓国からの留学生が多
いというのは、中国とか韓国は金で押し込んでいると思います。みんな水増
しなので、そういうのにあまりあたふたしてもしょうがないというか、本当
に行って役に立つ人が行けばいいので、質だと私は思います。だからそのあ
たりはあまり心配していません。さっきのドイツみたいなのが増えるだけで
す。中国人同士つるんでいるだけですから。
竹村委員:私は自分の経験談として、私たちも民間レベルの世界との交流をす
る中で、やはり日本の大学を出て、留学までしていながら、残念ながら英語
が喋れない。海外とのコミュニケーションがとれないという率が日本は圧倒
的に高い国だという印象があります。やはり私はちょっと強い言い方かもし
れませんが、学校教育、学校のカリキュラムを抜本的に変えていかないと、
無理があるように思っています。やはり草食系だったり、男性のマインドが
弱かったりといった話がありましたが、これは自主性に任せていては非常に
時間がかかるでしょうし、大きな改善は難しいように思います。やはり義務
教育のレベルであったり、皆が学校教育を受けられるレベルの段階で、抜本
的に、文法も大事ですが、やはり会話の能力を高めるような授業を増やして
いったり、外国人に触れるチャンスを強制的に増やしていくというのが一番
の近道ではないかなと感じています。私が携わっている学校も、交換留学生
で韓国人の女性を受入れましたが、韓国人の高校生が母国語と英語は喋れる。
今文化的な交流も激しいですから、大まかな日本語も話せます。それはなぜ
かと聞くと、やはり韓国人は母国語以外に英語はあたりまえ。話せないこと
が恥ずかしいと。話せて当たり前になりたいと。今一番興味のある日本語は
カタコトですが、話せるようになりたいという意欲が非常にある。逆に受け
入れした日本の女子高生に聞くと、知っている単語の数はさほど変わらない。
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韓国人の高校生と日本人の高校生が知っている英単語の数は変わらない。た
だ日本人の場合は間違えたら恥ずかしい。話すことが恥ずかしい。話せない
ことが恥ずかしいと言っている韓国人の女子高生に対して、日本の女子高生
は英語を話すのが恥ずかしいと。そもそもの入口の違いがあるので、やはり
その辺をどうにか改善していかなければいけない。間違えてもいいから口に
しようという積極的な入口を作ってあげる、機会を作ってあげるというよう
なところから、底辺を下げるところが近道ではないかと思います。
高橋委員:先ほどから、データで男女を分けた方がいいという話がでています
が、国別も、どうしてもアメリカへ留学するとなりがちですが、時代はどん
どん変わって、今やエリートは、海外というと中国やインドです。そこへ行
きたがる。これからを考えると意外とそうかもしれません。今後アジアで生
きていくためには。そうした動向をちゃんとつかまえて、要はマーケティン
グです。人材のマーケティング。どこへやっていくかという。とにかくあち
こち出て行けばいいというものではないと私は思うので、そういう意味で神
奈川の特色を作るためにも、伝統的に中国やインドとのつながりも深いわけ
ですから考えた方がいいと思います。
松井委員:テレビで24時間、英語放送をやって欲しい。24時間、ニュースでも
ドラマでもいいから流してもらえれば、英語を勉強しようという人たちには
役立つのではないでしょうか。そういう番組を普通のテレビで誰もが見られ
るようにして欲しい。
山下委員:内向きなのは楽だから。ここから変えていかないと。これは若者だ
けかというと、我々が可能性にチャレンジしていこうとか、エキサイティン
グな人生を送ろうとか、いろいろな経験を通して成長していこうとか、仕事
を通して自己実現していこうとか、そういう気持ちを我々が失くしてから、
子ども達もこうなってしまったのではないか。日本はいい国だからというよ
りも、楽だから、ぬるま湯だからというのでは、これは国際化云々の前に生
きる力がなくなってきているのだと思います。だから逆に言うと、グローバ
ル化なんかも使いながら、もっと逞しく力強く、自分で自分の人生を切り開
いていくようなそんな日本にしていかないといけないと思います。うちの息
子は8年間ニュージーランドにいて、日本の企業に勤めているんですが、先
日話をしたら、10年後くらいには日本にいないかもしれないと言うんです。
日本の会社を辞めて海外に永住するかもしれないと。やはり閉鎖的でぬるま
湯でそういうところを感じたのかなと思います。そういう、楽がいいとか、
ぬるま湯がいいとか、そういうものを無くしていかないといけないと思いま
す。
堀田委員:やはりこの議論の先には、国家論とか、この国の在り方論があると
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思います。国際人材の育成ということで、せっかくこの参考表をいただきま
したが、グローバルに活躍する人材に求められる資質、能力、この設問、回
答の選択肢がいかがかと思います。これ、しかも昨年の震災前ですよね。こ
ういう設問の仕方ってあるのかというくらいお粗末な設問だと思います。こ
こからどう読み取ろうかと考えましたが、全く読み取れなくて、設問、回答
自体が間違っている。
知事:国際人材の育成をテーマにした対話の広場での議論を受けてさまざまな
ご意見をいただきました。いろいろな角度から問題が出てきた中で、次の対
話の広場に持ち込むテーマとしてご提案させていただくと、国際化というの
は先ほどのお話でも、実は女性のほうが国際化していると。女性の力って、
今本当に日本が生かし切っているのか。こういった問題を伝えて、真正面か
ら本音で語り合ってみようじゃないか。そういうことにしたいと思いますが
いかがでしょうか。
野村委員:女性の方に多く参加してもらったらいいですね。多く発言してもら
いたい。
知事:本当に長い時間ありがとうございました。それでは次回の対話の広場は
「女性」に焦点を絞って、対話の広場でご意見を伺って、またその結果を知
恵袋会議で議論いただきたいと思います。
(以
22
上)
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