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会議録 [PDFファイル/209KB]

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会議録 [PDFファイル/209KB]
第3回
大分県美術館構想検討委員会の概要
期日:平成 22 年 5 月 25 日(火)
時間:13:00 ~ 16:00
場所:大分県庁新館 81 会議室
○出席委員
澄川委員長、中山副委員長、青木委員、板井委員、金村委員、酒井委員、
佐藤委員、山口(真)委員、山口(正)委員、渡辺委員
議事
(2)第2回委員会の確認事項等について(13:05~)
○県立美術館の必要性(意義)について
・事務局から資料 P1 ~ P2 及び P20 ~ P24 に基づき説明を行う。
○金村委員
○事務局
(P21の美術館事業費には)作品の購入経費は含まれているのか?
含まれていない。企画展や常設展を実施する経費である。
○金村委員
○事務局
収集経費がないと美術品が購入できないので、確保してほしい。
構想とともに考えていかなければならない。
○中山副委員長
各委員からすばらしい意見が出るが、思い切ってどこかで整理しな
ければ総花的になってしまうので、特徴的なものを優先順位をつけると後の各論に
も反映されてくるのではないか?次世代のポテンシャリティをいかに確保していく
かを考えると、芸短大の存在が大きい。ジュニアオーケストラの指導を毎週末芸短
大の学生と教職員が行い、かなりいい仕事をしてくれている。これは美術館にもい
える。お互いに交流することで想像以上に大きな成果が得られることが音楽でも証
明されたので、美術でもできるのではないか。
○青木委員
アメリカのグッゲンハイムがスペインのバスク地方の35万の都市(ビ
ルバオ)に分館を設置した。国内の美術館と差がないものを共通認識にしていると、
また同じような美術館ができてしまう。海外の美術館と協定を結ぶようなことを考
えてはどうか。
○板井委員
多くの人に来てもらわなければならない。版画の展示の中でリュートの
演奏を聞いたときに、五感を刺激する、音楽のなかで見る作品は素晴らしかった。
○金村委員
県美展の受賞者の中で、地域の高齢者が賞状を受け取る姿が印象的で、
その姿や作品を見に家族がやってくる。県内の美術を愛する人を大切にすることが
必要だ。以前は大作もあったが、展示場所の関係でそういう作品が少なくなったと
いう展示場所が狭いという弊害もある。広い展示室や本物が見れる美術館が大事で
ある。
○酒井委員
機能で言うと「8.時代の流れに対応できるフレキシビリティ」と「10展
開する事業活動」が重要である。なぜかというと美術館そのものが生き物である。活
かすも殺すも利用する人によって活きるし、だめにもなる。美術館は使う人が育て
ないとだめだ。インタラクティブな活動が生まれてこないと中長期的に生き生きと
成長しない。国際的にやる、地域に根ざした活動をするなどいろんな考え方がある
が、それはどういう形にしていくかにかかっている。最後には人材育成。
○佐藤委員
多くの県民に親しまれる美術館であってほしい。国際性も大事だし、ロ
ーカルなものも必要であり、だから「グローカル」という言葉を提案した。芸短大
の若い人が関わることは非常にいいチャンスだ。他大学とも連携し、若者とともに
育っていく美術館になるといい。
○山口(真)委員
ジュニアオケの美術版を考えると、芸術会館では難しい。ジュニ
アオケは、発表の場となるホールと練習場所という器があったからこそできた。新
しい美術館でできたらよい。五感を刺激する、風景の描写や器(建物)から触発で
きるものがよい。
○山口(正)委員
県立美術館について広がりのあるものを求めるのがいいかどうか
出発の大きな方向出しが必要である。
○渡辺委員
絞り込んでいく段階にきているのではないか。項目の中で最低限これが
いるとなるとスペースだ。新しい美術館を考えるときには、せめて全国平均の広さ、
常設展示室 2,000 ㎡企画展、県民ギャラリー併せて 2,000 ㎡の広さを確保するところ
からスタートしてほしい。時代に対応できる可変的な組み替えられるようなスペー
スがあればと思っている。展示スペースが無く、100 号の大きさだったものがだん
だんと小さくなり、50 号になっている。また、二段がけや三段がけにするなど、出
品者から作品を出しても仕方がないと思われてはならない。収蔵庫や駐車場などの
確保も必要。
○青木委員
資料に表記されているコンセプトは30年前と変わっていない。未来の
子どもたちのための美術館であって、趣味のための美術館になってはならない。
○事務局
コンセプトまで含めた広がりのある意見をいただいた。必要性については、
本日いただいた意見を含めて次回できあがりの姿として示したい。
(2)県立美術館の機能について(13:45~)
・事務局から資料 P3 ~ P14 に基づき説明を行い、県立美術館の機能に関する議論に
移る。(事務局で整理し、第4回委員会で内容整理)。
○澄川委員長
(芸術会館の調査報告書は)事業仕分けのようなものにかかるとアウ
トだ。今、これだけ不足があるからこれだけ充足するといった出し方をしないとい
けないのではないか。大分はこれだというものを出していくのがよい。スペースと
いうものは物理的なものだから狭くてはだめだ。どこの美術館でもやっていること
の先を行くものであれば報告書に載せられる。
○渡辺委員
十年一昔といっていたが今はサイクルが早くなり、それこそ2、3年の
サイクルになっている。(展示室については)十分なスペースを取り、変えない部
分と時代に対応し変えられる部分を持つとよい。高齢者が時間ができ作品作りに取
り組んでおり、こういう人たちを大事にしたい。県民ギャラリーの部分を大事にし
たい。
○板井委員
いろんな意見が出てまとめようがない。場所を先に決めると考えが先に
進んでいくのでは。
○青木委員
建築の話をすると、美術館の始まりはルーブルのような宮殿型でこれら
が第1世代である。次がフレキシビリティでポンピドウなどがそうで第2世代であ
る。その中でも作家の作品のための空間を作り出す美術館を第3世代と私は呼んで
いる。ユダヤ博物館などは第4世代の美術館だと思う。そういう時代を引っ張ると
いうキーワードを踏まえて議論していきたい。今からどうあるべきかそれが問われ
るのではないか。
○酒井委員
各論から詰めて総論にたどり着くような感じになっている。大きなビジ
ョンを持ってそこから詰めていくのが、本来の議論のあり方だと思う。着地点を求
めるとき、いろんな美術館のイメージはあるが、大分の県立の美術館を作るわけだ
から、それは刺激の少ないものになるかもしれない。時代の変化は激しい。50 年前
の彫刻は人と同じ大きさのものだったが、それが今では彫刻の概念すら変わってき
ている。絵画もより大きいものを描きたいとなれば、天井の高さも不便になるし、
構造設計も床の強度が不足することになるかもしれない。それならいっそのこと 20
年経ったら壊してしまえばよい、壊しやすい美術館にしたらどうかという意見を発
表したことがある。要は人材が育って、美術館を支える人たちが熱意を持って美術
館を活かしていかないとどんなによい建物を造っても仕方がない。その仕組みをど
う考えるか。例えば館長をできるだけ女性にするとか、世界で公募するとか。芸短
大にとどまらず、海外との連携を考えるとか。やってみないと分からない部分もあ
りこうするように決まっていると言われると身動きがとれなくなる。行政は既成化
していく。数値化するとおもしろくなくなる。前回話したことを分からなくてもい
い。この委員会は放談でいい。それを事務局でまとめればよい。スペースが小さけ
れば制約があるが、小さいなりの上手な利用方法もある。大きいとキャパもあるが、
育つものが育たなくなり、本来の性格が損なわれる。完全に貸館になってしまう。
それが大分らしいとなればよいが。
○渡辺委員
別館ができればそれでもよい。
○酒井委員
芸術会館を改築し、ギャラリー的なものだけで活用すればそれに越した
ことはないが、微妙なとこだ。改修して持つものなのか。一つに集約しなくても分
散型でもいい。例示として大分に適う美術館のデータを取ることだ。グッゲンハイ
ムとか参考にならない。
○中山副委員長
○青木委員
新しい県立美術館の性格を決めていく時期にきているのではないか。
芸術会館が使えないという前提はおかしい。耐震補強をしているという
点で問題ない。
○中山副委員長
○澄川委員長
○事務局
スペースの議論となると場所を前提に話をしないと先に進まない。
芸術会館の建物は結局どうなるのか。
場所として芸術会館がありえないということはない。現在の場所でリファ
イン等が無理であるとなった場合、県立美術館なので、当然候補地は県内になる。
そのときにまず、機能・コンセプトについて議論いただいて、その後あるべき場所
として都市型のこういう場所がいいのでは、あるいは郊外型のこういう所がいいと
そういう議論の集約を想定していた。場所ありきだと議論も狭まるという危惧もあ
り、事務局としては、場所の議論は後日協議いただきたいと思っている。
(14:35~15:00)休憩
(3)県立美術館のコンセプトについて(15:00~)
・事務局から P15 ~ P19 に基づき説明を行い、県立美術館の機能に関する議論に移る。
(事務局で整理し、第4回委員会で内容整理)。
○金村委員
「成長する」美術館とあるが、大分という土地柄での美術館を考えると
贅沢を言わないというのもあるが、本物を見せられる美術館であってほしい。海外
の連携とはどんなものなのか。
○青木委員
学芸員や館長などの人事交流を考えている。
○酒井委員
横浜の美術館でグッゲンハイムと連携した。大分が連携するなら、APU
を介しながら、誇らしい海外との人事交流もできると思う。ボストン美術館のブラ
ンチとかは何億という金を用意しなければならず、そういうのはやめた方がいい。
ただ、県立の美術館だと他の学芸員が事務を引き受けねばならず、交流しても3ヶ
月が限度だ。
○澄川委員長
○渡辺委員
○事務局
ちょっと行くだけでもいい。そういう大分らしさもある。
首藤コレクションの特別展示スペースが確保できないか。
そういう選択枝もある。
○澄川委員長
○酒井委員
将来に広がっていくコンセプトを1つ立てた方がよい。
朝倉文夫記念館で実施している大分アジア彫刻展を活かしたらどうか。
人口何千人のところで大旗を振っている。アジアに関する美術館は福岡市のアジア
美術館しかないので特徴的なものになる。
○中山副委員長
高速道路網が発達してきた。美術館が大分にできると仮定すると、
宇佐神宮や国東半島の富貴寺、臼杵の石仏など、1時間の圏内で移動できる。文化
遺産、文化財が県に散在している。美術館をセンターとしていろんな場所を組み合
わせてデイトリップで芸術の旅ができる。これも大分らしさではないか。
○酒井委員
地域活性化の拠点は大分県では可能では。他に大きな美術館がないので、
大分市美との棲み分けだけできれば拠点となる。
○渡辺委員
サテライト機能というか、点在する美術館の美術品を1点ずつ置くとい
うものよい。
○酒井委員
堺屋太一さんが大阪で地域の美術館マップを作っている。連携をスター
トさせたはずである。
○中山副委員長
千歳の公民館の上にある美術館など大分県内にはそういう場所が散
在している。そこに行き着くまでには自然もある。大分ならではのものができる。
竹田の廃校跡地を借りて芸短大のサテライトとして使用している。
○酒井委員
現在の美術館の機能にプラスして、そういう役割を担うセクションをプ
ラスする。教育的な言葉できたものでビビッドな感じでなくなった。「グローカル」
という言葉は大分のキーワードになるのでは。
○佐藤委員
地域性はある種国際性だと思う。アイデンティティを持つことがコスモ
ポリタンとしての条件だと思う。若い美術家たちを世界に発信する要として担って
ほしい。
○青木委員
自分の地域に誇りを持たないとだめだ。
○澄川委員長
青森の美術館のショップのグッズは特徴がある。
○渡辺委員
兵庫県のあさご芸術の森美術館が収益を上げている。業者を入れて県内
作家の小物を高い値段で売っている。運営費は収益でまかなっている。
○澄川委員長
観光の拠点として、ここに行ったら全ての観光マップがあるというよ
うなことも考えられる。学校との連携もよい。ジュニアオーケストラは、ホールが
あって初めてできる。熱心な指導者がいて、参加する子どもがいて初めてできる。
あれが成長するとウイ-ン少年合唱団みたいになる。美術館でのそういう教育機能
が大事だ。下につながっていく。長野で70歳以上の高齢者を対象にコンクールを
している。元子どもを狙ってシルバーアートスクールというのも一つだ。「五感を
刺激する」美術館というのもよい。対応できる設計にしては。
○佐藤委員
県庁PTの意見は県民として愛着がある。
○澄川委員長
(今回のまとめとして)コンセプトのキーワードをイメージして出し
ていくことを事務局は想定しているのか。1つだけ出すのは難しい。これだけいろ
んな意見が出ている。
○事務局
県庁PTの報告書を参考にすると2「成長する」美術館3「自然(四季)を
感じる」美術館4「五感を刺激する」美術館の組み合わせたものを検討委員会の答
申として示したいと考えている。
○中山副委員長
音楽には色がある、若葉を感じるというように芸術全般がお互いを
感じあってる。そのくらい人間の五感というのは繊細で、キャパシティの大きいも
のである。学生を見ていてそう思う。限度無く磨けば磨くほど輝く。ハブになるも
のと結びつけて県の施設との連携というコンセプトにするとよい。
○板井委員
竹田の子どもたちの作品を体育館に飾ってあるのを見ると、小さくても
いいから美術館で飾ると子どもたちの感性も刺激されると思う。
○中山副委員長
旭山動物園は動物が人を見るという逆転の発想で人気を得た。機能
という面で見ると自ずと建物にたどり着く。異空間に入ったときに日常から切り離
されて、特別な空間に入るという期待感、ワクワク感が必要。
○青木委員
エコ環境の提案ができないと、世界的なコンペは通らない。新しい省エ
ネ仕様、それ自身が美術館の値打ちにもなる。
○中山副委員長
コンセプトをはっきり示せれば、その目的に沿って、なおかつ建築
家の感性を加味されたものが出てくる。
○澄川委員長
大分県が施工主な訳だから、(建築家に)任せっきりにするとだめだ。
○中山副委員長
はっきりしたコンセプトを待って、自由度を与えてやってもらうと
よい。
○芸術会館副館長
性が生まれる。
地方でやっていくうえでは県民ギャラリーは必要。館の中で回遊
○澄川委員長
大分らしい美術館、箱ものじゃないぞというものを考えていきましょ
う。出そうで出ないものがコンセプトだが、今回の議論を付け加えて事務局でまと
めた上でもう一度検討しましょう。次回の委員会日程は。
○事務局
第4回委員会は7月27日13時から開催する。
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