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常総市まち・ひと・しごと創生総合戦略(素案)

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常総市まち・ひと・しごと創生総合戦略(素案)
議員全員協議会資料
常総市
まち・ひと・しごと創生総合戦略
[ 素 案 ]
平 成 27年 8 月
茨 城 県 常 総 市
本「素案」
素案」について
最新の統計によれば,平成26年の国の合計特殊出生率(一人の女性が一生に産む子供の
平均数)が1.42と9年ぶりに低下するなど,年間出生数も約100万人と過去最低を記録して
いる。また,依然として東京圏への過度な人口流入が続く社会情勢となっている。
人口減少対策は日本全体の共通課題である。本市も例外ではなく,合併当時(2006年)
から現在まで,転出者数が転入者数を上回る社会動態が続く中,現在6万人を超える人口
が,2060年には3万9千人台にまで減少することが見込まれている。
これまでも,本市においては「行政は最大のサービス産業である」という基本理念のも
と,市民サービスの向上に努め,誰もが住みやすいまちとするため,常総市総合計画に基
づき様々な施策を実施しているところであるが,全国の自治体同様,人口構成の過渡期を
迎えており,人口減少に歯止めをかける対策が急務となっている。
このような状況の中,国においては人口減少・少子高齢化問題の克服を最重要課題とし
て位置付け,将来にわたって活力ある社会を築いていくため,中長期的な「地方創生」の
取り組みが進められているが,本市においても総合計画との整合性を図りながら「常総市
まち・ひと・しごと創生人口ビジョンおよび総合戦略」の策定に取り組み,来年2月の公
表を目指すものである。
本「素案」は,これまで進めてきた「有識者会議」等による意見交換の成果を踏まえ,
今後さらに議論を重ねていくため,筑波大学との共同研究により「たたき台」として作成
したものであり,市議会はもとより,市民や有識者の方々と課題や目標を共有し,本市の
目指すべき方向性を提示することを目的としたものである。
目 次
第1部
問題認識
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
1
今,何が起きているのか ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2
本市の特徴 ~まち・ひと・しごと創生の観点から~ ・・・・・・・・・・・ 3
3 「人口ビジョン」
「総合戦略」の位置付け ・・・・・・・・・・・・・・・ 8
第2部
人口ビジョンの骨子
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
1
人口減少・少子高齢化の現状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
2
目指すべき将来の方向 ~現実的目標と理想目標~ ・・・・・・・・・・・ 15
第3部
総合戦略の骨子
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
1
本市のミッション ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
2
日本一の「食」のまち戦略 ~ナンバーワンのまちを目指す~ ・・・・・ 20
3 「健幸」な一生涯の支援戦略 ~オンリーワンのまちを目指す~ ・・・・ 22
今後の総合戦略策定の流れについて
補足資料
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
市議会・有識者会議・プロジェクトチーム
及び庁内全職員を対象とした電子会議室での主な意見 ・・・・・・・・・・・・ 26
第1部 問題認識
1 今,何が起きているのか
我が国の人口は,2008年をピークとして人口減少局面に入っている。そして,国は人
口減少について,次のように示している。
◇合計特殊出生率は1970年代後半以降急速に低下し,人口規模が長期的に維持される水
準「人口置換水準」(現在は2.07)を下回る状態が,約40年続いている。
◇現在の人口1億2,700万人(2014年9月現在)は,2050年には9,700万人程度,2100
年には5,000万人を割り込む水準にまで減少する。
◇東京圏への一極集中は,地方の衰退を進行させ,さらに,厳しい住宅事情や子育て環
境などから,地方に比べてより低い出生率にとどまっている東京圏に若い世代が集中
することによって,日本全体としての人口減少に結びついている。
「地方創生」とは,少子高齢化の現状に的確に対応し,人口の減少に歯止めをかけ,
東京圏一極集中を是正し,それぞれの地域で住みよい環境を確保して,将来にわたって
活力ある日本社会を維持していくことである。これを実現させるために「まち・ひと・
しごと創生法」が平成26年11月に制定され,12月には取組指針となる「まち・ひと・し
ごと創生長期ビジョン」及び「創生総合戦略」が定められた。まち・ひと・しごと創生
とは,「しごと」が「ひと」を呼び,「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環を確立す
るとともに,その好循環を支える「まち」に活力を取り戻すことにある。
本市も,2004年の67,551人をピークに人口減少が続いており,このままだと2060年に
は39,413人にまで減少する見込みとなっている。本市の合計特殊出生率は,2003~2007
年には1.49と県内9位の高さであったが,2008~2012年には1.39と県内25位となってい
る。また,高齢化率は26.8%(2015年4月1日現在)であり,県内44市町村の中で24
位となっている。この値は,県平均26.3%,全国平均26.4%よりも高い値を示している。
つまり,本市においても,人口減少・少子高齢化が地域経済の縮小を呼び,地域経済の
縮小が人口減少を加速させるという負のスパイラルに陥るリスクが高い。
そこで本市は,この厳しい現実を正面から受け止め,断固たる姿勢で立ち向かうため
に,図表1の体制で本市の将来の人口ビジョンとまち・ひと・しごと創生のための総合
戦略を検討することとした。そして,そのアプローチとして,本市の人材やこれまでの
官学連携実績等を生かし,以下に列挙する方法を採用することとした。
1
図表1
常総市まち・ひと・しごと創生総合戦略策定の体制
・市長をリーダーとする「常総市まち・ひと・しごと創生本部」を組織し,本市の誇り
と責任を持って人口ビジョンと総合戦略の策定にあたる。
・行政と車の両輪である市議会と適切に情報共有し,相互に連携を図る。
・本市の広報紙「広報 常総」等による,積極的な市民への情報共有と意見・提案募集
を行う。
・企業や女性等を対象として,必要なアンケート調査を行う。
・本市が推進してきた情報化や電子行政の成果である,電子会議室および市民の声デー
タベースをフル活用し,市役所職員を総動員して議論を行う。
・本市の未来を担う市民代表(公募)と本市役所中堅職員からなるプロジェクトチーム
を組織し,本市の明るい未来とあるべき姿を一丸となって追求する。
・産業界,行政機関,教育機関,金融機関,労働関係団体,メディア(産・官・学・金・
労・言)等から有識者を集めた総合戦略会議を組織し,本市の明るい未来とあるべき
姿についてご助言を頂く。
・筑波大学・社会工学域との共同研究により,国が提供するRESAS(地域経済分析
システム)を含む使用可能なデータをフル活用し,人口ビジョンと総合戦略の策定に
あたる。
2
2 本市の特徴 ~まち・ひと・しごと創生
まち・ひと・しごと創生の
創生の観点から
観点から~
から~
「しごと」が「ひと」を呼び,「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環を確立すると
ともに,その好循環を支える「まち」に活力を取り戻すために,本市は以下の2点を重
要視することとした。
本市の最大の強みを把握し,生かす,ナンバーワンを
ナンバーワンを目指
ナンバーワンを目指した
目指した戦略
した戦略
本市の弱みを把握し,それらを克服する,オンリーワンを
オンリーワンを目指
オンリーワンを目指した
目指した戦略
した戦略
ここでは,まち・ひと・しごと創生の観点から,これら2つの戦略を検討するための
現状把握を行う。これにあたり行った主な作業等は,以下のとおりである。
・官学連携による行政評価の実施と評価結果の分析(2014年度)
・市役所職員代表による,本市のSWOT分析および市役所庁内の多種多様なデータの
利活用方法の検討(2015年1~4月)
・転入転出アンケートの実施と集計(2015年3月~現在)
・全公共施設および代表的な観光スポット等の実態把握(2015年3~5月)
・市役所が行う全事務事業のマスターデータの作成(2015年4~7月)
・RESASおよび使用可能なデータによる分析(2015年4月~現在)
・電子会議室による,市役所職員を総動員した戦略ブレーンストーミング(2015年6~
7月)
・市民の声データベースの分析(2015年6月~現在)
・プロジェクトチームおよび戦略会議における戦略ブレーンストーミング(2015年6月
~現在)
上記の一連の作業の結果,データの裏付けがある本市の最大の強みとして,「食」が
特定された。本市ならではの特長としてまず注目すべきは,人口
人口一
人口一人あたりの食料品製
あたりの食料品製
造業の
造業の出荷額である。本市は,昭和40年代の工業団地の形成と企業誘致の施策が実り,
出荷額
全国でトップクラスの食料品製造業の出荷額を誇っている。図表2は,RESASから
入手可能なデータをもとに作成した,2010年における全国
全国958
全国958市区
958市区のランキングであ
市区
る。図表2のとおり,人口一人あたりの食料品製造業の出荷額に関して,本市は全国
全国で
全国で
6位である。そして,海
海に面していない市区
していない市区としては
市区としては全国
としては全国トップ
全国トップとなっている。
トップ
3
出所:RESAS から市作成
図表2
人口一人あたりの食料品製造業の出荷額ランキング(2010 年)
4
次いで注目すべきは,本市の農業
農業である。図表3は,農林水産省が公表する農林水産
農業
業の統計情報である。図表3のとおり,本市
本市の
本市の耕地面積率は
耕地面積率は全国トップクラス
全国トップクラスであり,
トップクラス
耕地面積に
また,水田だけでなく,
耕地面積に占める水田面積率
める水田面積率も
水田面積率も全国トップクラス
全国トップクラスとなっている。
トップクラス
茨城県が茨城農業改革として本市とともに推進してきたズッキーニ
ズッキーニの生産は,
質量とも
ズッキーニ
に茨城県を代表するまでに至っている。さらに,田畑だけでなく,本市では良質な常陸
牛が多く飼育されるなど,日本でも有数の様々な「食」が存在している。
出所:農林水産省HP, 統計情報「わがマチ・わがムラ」
図表3
本市の農耕地面積率等の全国的位置づけ
本市には,その他にも多数の強みや,県・国を代表する実績をあげてきたものが数多
く存在する。それらは全て,本市として誇るべきものであるが,その中でも特に際立っ
て,我
我が国約1,740市区町村
740市区町村の
市区町村の中でナンバーワンに
ナンバーワンに最も近い強みが,
みが,旧水海道市と
旧水海道市と旧石
下町が合併したからこその
本市の
合併したからこその本市
したからこその本市の
本市の「食」であり,本市
本市の「食」を構成する
構成する「
する「農業」
農業」と「食
料品製造業」
料品製造業」を掛け合わせ,
わせ,本市ならではのまち・ひと・しごと
本市ならではのまち・ひと・しごと創生
ならではのまち・ひと・しごと創生につなげていく
創生につなげていくこ
につなげていく
とができる。
一方で,本市にはまち・ひと・しごと創生との関係で,いくつかの弱みが存在してい
る。そして,本総合戦略に先んじて,重要な2つの計画を策定している。
図表4は,本市周辺の分娩取扱施設の配置図である。図表4のとおり,本市
本市には
本市には分娩
には分娩
取扱施設はなく
取扱施設はなく,
はなく,近隣の
近隣のつくば市
つくば市,守谷市,
守谷市,下妻市,
下妻市,土浦市等の
土浦市等の分娩取扱施設に
分娩取扱施設に頼って
5
いる状況
本市の
いる状況である。また,本市
状況
本市の合計特殊出生率(
合計特殊出生率(1.39)
1.39)は,全国(
全国(1.43)
1.43)を下回ってお
下回ってお
り,早急な対応が求められている。加えて,幼稚園
幼稚園・
幼稚園・保育所は
保育所は,地域ごと・
地域ごと・年齢
ごと・年齢ごとに
年齢ごとに
偏りがあり,
公立の
りがあり,0~2歳児は
歳児は空きがない状況
きがない状況になっている。また,公立
状況
公立の幼稚園・
幼稚園・保育所
は,民間施設に
のびのびと家族
民間施設に比べるとかなり老朽化
べるとかなり老朽化が進んでいる。さらに,のびのびと
老朽化
のびのびと家族で
家族で遊べる
きれいに整備
きれいに整備された
整備された公園
された公園が
公園が近隣に
近隣に比べて少
べて少ない。
ない
こうした子ども・子育てに関する弱みに対して,本市は常総市子
常総市子ども・
常総市子ども・子育
ども・子育て
子育て支援事
業計画を
「未来にはばたけ!常総の子どもたち」を基本理念に5
業計画を策定し
策定し(2015年
2015年3月),
か年計画で重点的に取り組んでいる。また,子ども・子育てを含め,全ての世代に共通
する本市の重要施策として,本市の総合計画の中で6つの実現目標の1つ目に位置づけ
られている「
「健やかで幸福
やかで幸福を
幸福を分かち合
かち合うまち(
うまち(保健・
保健・医療・
医療・福祉の
福祉の充実)
充実)」がある。こ
」
れについては,健康
健康プランじょうそう
健康プランじょうそう『
プランじょうそう『健康増進計画・
健康増進計画・食育計画・
食育計画・歯科保健計画』
歯科保健計画』が策
定され(
「生涯すべて
され(2014年
2014年3月),
生涯すべての
すべての市民が
市民が健やかで心豊
やかで心豊かに
心豊かに生活
かに生活できる
生活できる常総市
できる常総市」
常総市」を目
指し,10か年計画で重点的に取り組んでいる。
出所:周産期医療の広場HP, 日本産科婦人科学会
図表4
常総市周辺の分娩取扱施設
6
人口減少・少子高齢化問題に際し,女性が安心して出産・子育てをし,活躍できるま
ちづくりをすることは必達事項である。しかしながら,日本全体として産婦人科医のな
り手が限られている現状を鑑みると,本市の
本市の分娩取扱施設ゼロ
分娩取扱施設ゼロ問題
ゼロ問題に
問題に即座に
即座に対応するこ
対応するこ
とは困難
とは困難であろう。むしろこの問題は,近隣地域と協力しながら,かつ市民に経済的・
困難
心理的・社会的な支援を行い,
「常総市で
常総市で出産したい
出産したい」
したい」「常総市
「常総市で
常総市で育てたい」
てたい」「常総市
「常総市で
常総市で
働きたい」
市民の
きたい」「常総市
「常総市で
常総市で余生を
余生を過ごしたい」
ごしたい」と思われる,市民
市民の健康で
健康で幸せ(「健幸
「健幸」
健幸」)な
)な
一生涯を
一生涯を支援するオンリーワンのまちづくり
支援するオンリーワンのまちづくりが必要である。
するオンリーワンのまちづくり
7
3 「人口ビジョン
人口ビジョン」
ビジョン」「総合戦略」
総合戦略」の位置付け
位置付け
本市は,平成20年に「健やかに ひとを育み みどり豊かな まちづくり じょうそう」
を将来都市像とした「
「常総市総合計画」
常総市総合計画」を策定し,その実現のために,市民とのパート
ナーシップのもと,各種施策の推進に努めてきた。そして,この将来像の実現に向けて
「地域協働によりまちづくり推進力を強めます」というまちづくりスローガンを掲げ,
市民と行政が連携・分担・融合し,協働したまちづくりを行ってきた。
出所:常総市総合計画(基本構想・前期基本計画)より抜粋
さらに,本市の総合計画では,上記6
6つの目標
つの目標を掲げ,市の総合力の向上を図ること
目標
により,誰もが住みたくなるまち『じょうそう』の実現を目指してきた。特に,人口減
少・少子高齢化問題に対して,以下に掲げる施策を重点的に推進することに留意してき
た。
8
出所:常総市総合計画(基本構想・前期基本計画)より抜粋
まち・ひと・しごと創生に係る「人口ビジョン」「総合戦略」は,これまでの本市の
総合計画や施策・事業に矛盾するものではない。むしろ,総合計画
総合計画や
総合計画や施策・
施策・事業を
事業を基礎
として,
として,まち・ひと・しごと創生
まち・ひと・しごと創生のために
創生のために特
のために特に重点的に
重点的に行う施策・
施策・事業を
事業を戦略的に
戦略的に分類
し,それら施策
それら施策・
施策・事業間の
事業間の相乗効果
相乗効果を
効果を強く意識した
意識した行政運営
した行政運営を
行政運営を行うことを本旨としてい
る。加えて,上述した常総市子
常総市子ども・
常総市子ども・子育
ども・子育て
子育て支援事業計画,健康
支援事業計画 健康プランじょうそう
健康プランじょうそう『
プランじょうそう『健
康増進計画・
康増進計画・食育計画・
食育計画・歯科保健計画』
歯科保健計画』の2つの計画と一貫し,本市ならではのまち・
ひと・しごと創生を目指すものである。
なお,
「人口ビジョン」
「総合戦略」は,まち・ひと・しごと創生法第10条に基づく「市
町村まち・ひと・しごと創生総合戦略」である。本市の人口ビジョンは45年後(2060
年)を見据えた将来展望を示すもので,本市の総合戦略はこのビジョンを踏まえた今後
5年間の具体的な戦略を示している。
【本市の「人口ビジョン」「総合戦略」の対象期間】
人口ビジョン:国の「長期ビジョン」と整合させ,2060年までとする。
総合戦略:国の「総合戦略」と整合させ,2015年度から2020年度までの5年間とする。
また,本市では2013~2014年度にかけて,筑波大学
筑波大学との
筑波大学との共同研究
との共同研究として
共同研究として常総市流
として常総市流の
常総市流の行
政評価システム
その結果,本市の行政評価システムは,
政評価システムに
システムに関する実証実験
する実証実験を行ってきた。
実証実験
PDCAサイクルがうまくかみ合い,工夫した質の高い次年度予算要求が実現される蓋
然性の高いものへと進化しつつある。
「人口ビジョン」
「総合戦略」は,この常総市流
常総市流の
常総市流の
行政評価システムを
行政評価システムを基礎
システムを基礎として
基礎として,
として,戦略マネジメントを
戦略マネジメントを行
マネジメントを行う予定である。
予定
9
第2部 人口ビジョンの
人口ビジョンの骨子
ビジョンの骨子
1 人口減少・
人口減少・少子高齢化の
少子高齢化の現状
(1)総人口,年齢3区分別人口の現状
ここではまず,本市の総人口や年齢構成がどのように変化してきたかをみていく(図
表5)。総人口は,2004年頃をピークに減少傾向にあり,全国の多くの市町村と同様に,
人口減少が続いている。ここで常住人口による実績値を用いたのは,国勢調査をベース
に出生や死亡者等の増減を反映したより実際の人口に近い数値となっているためであ
る。
出所:茨城県常住人口調査,国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」
図表5
常総市の人口推計
10
次に,年齢3区分別人口(図表6)をみると,老年人口は2025年まで増加し続け,そ
の後横ばいとなり,生産年齢人口と年少人口は減少し続け,特に生産年齢人口にあって
は,ピークの1995年に比べ,4割程度減少すると予測される。
出所:総務省「国勢調査」
,国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」
図表6
年齢3区分別人口の将来推計
一方で,本市の人口構成の比率(図表7)を見てみると, 2010年の実績値と2040年
の予測値の比較をすると,人口減少の典型的な逆ピラミッド型となり,今後少ない若年
者で多くの高齢者を支える構造になることが予想される。
出所:総務省「国勢調査」
,国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」
図表7
2010 年及び 2040 年の人口ピラミッド
11
(2)出生率や移動率による自然増減・社会増減の影響
ここでは出生数,死亡数,転入数・転出数の推移(図表8)をみていく。出生数・死
亡数については,死亡数が増加傾向にあり,出生数は緩やかに減少傾向にある。転入数・
転出数については減少・増加を繰り返しており,2010年からの3年間については転出超
過の傾向にある。転入数・転出数の差については,均衡状態にもっていくことは十分に
可能であると考えられる。
なお,2013年に転入数・転出数が大幅に増加しているのは,2012年から外国人が住民
基本台帳に含まれることになったためである。
出所:総務省「住民基本台帳に基づく人口,人口動態及び世帯数に関する調査」
図表8
出生数・死亡数・転出数・転入数の推移
12
また,自然増減・社会増減の推移(図表9)をみると,2004年以降自然減に加え,社
会減による影響が大きくなっており,急激な人口減少が続いていることがわかる。
出所:総務省「住民基本台帳に基づく人口,人口動態及び世帯数に関する調査」
図表9
社会増減・自然増減の年度別推移
さらに,男女別年代別の社会増減の状況(図表10・11)をみると,20代前半から後半
にかけて,若い世代の転出が目立つ。
出所:総務省「国勢調査」
,総務省「住民基本台帳に基づく人口,人口動態及び世帯数に関する調査」
図表10 年代別社会増減(男性)
13
出所:総務省「国勢調査」
,総務省「住民基本台帳に基づく人口,人口動態及び世帯数に関する調査」
図表11 年代別社会増減(女性)
14
2 目指すべき
目指すべき将来
すべき将来の
将来の方向 ~現実的目標
現実的目標と
目標と理想目標~
理想目標~
総人口及び年齢3区分別人口の将来展望
ここでは総人口の将来展望について図表12のとおり,試算した。まず,国のシナリオ
に基づく試算の仮定について以下に示す。
推計①:全国の移動率が今後一定程度縮小すると仮定した推計(社会保障・人口問題
研究所推計準拠)
推計②:全国の総移動数が,平成22年から平成27年の推計値とおおむね同水準でそれ
以降も推移すると仮定した推計(日本創成会議推計準拠)
推計③:合計特殊出生率が人口置換水準(人口を長期的に一定に保てる水準の2.1)
まで上昇したとした場合のシミュレーション
推計④:合計特殊出生率が人口置換水準(人口を長期的に一定に保てる水準の2.1)
まで上昇し,かつ人口移動が均衡したとした(移動がゼロとなった)場合の
シミュレーション
以上の4つの推計値について試算した結果を見ると,現状のままの合計特殊出生率で
人口が減少したとすると,2060年には本市の人口は39,413人に減少する。国が目標とす
る合計特殊出生率が2.1まで回復したとすると,人口は5万人程度を維持できるとの試
算結果が出た。ここで,合計特殊出生率について,国の試算では,2030年には2.1の水
準に回復するという仮定を置いているが,本市の2015年時点での合計特殊出生率は1.39
という水準にあることから,今後15年で2.1まで回復することは難しいと考え,5年で
0.1%ずつ緩やかに回復し2050年には2.1に回復するというシナリオを設定した。概要を
以下に示す。
推計⑤:国の推計④の合計特殊出生率の上昇率を緩やかに設定し,かつ人口移動が均
衡したとした場合のシミュレーション
推計⑥:国の総人口の減少率(約22%)にあわせ,同様の減少率で市の人口が減少し
たとした場合のシミュレーション
推計⑤の人口減少率は26%となっており,推計①では40%で推計⑤を達成できたとす
れば,国の総人口の減少率よりも数%ではあるが,減少率を抑えることができる。そこ
で,本市
本市としては
本市としては,
としては,現実的な
現実的な人口の
人口の目標値として
目標値として48,498
として48,498人
48,498人,理想的な
理想的な人口の
人口の目標値とし
目標値とし
て51,232人
51,232人の2つを目標数値
つを目標数値として
目標数値として,
として,2060年
2060年にはそれらの間
にはそれらの間の人口を
人口を維持することを
維持することを
目標とする。しかし,ここで注意したいのは「人口移動が均衡した場合」つまり,転入
目標
転出がイコールとなった場合という仮定を置いているため,今後総合戦略に位置付ける
各種施策および本市が現在行っている施策の効果により,転出超過から転入超過へと構
15
造転換できるか否かが重要な鍵となってくる。今後,社会増減の影響を加味した施策を
戦略的に構想する中で,人口ビジョン及び総合戦略を柔軟に修正しながら,取り組みを
行っていく。
図表12 人口推計結果(総人口)
図表13 人口推計結果(年齢3区分別人口0~14歳)
16
図表14 人口推計結果(年齢3区分別人口15~64歳)
図表15 人口推計結果(年齢3区分別人口65歳以上)
17
第3部 総合戦略の
総合戦略の骨子
1 本市のミッション
人口減少・少子高齢化を克服するまち・ひと・しごと創生のために,国は以下の4つ
の基本目標を提示している。
1.地方における安定した雇用を創出する
2.地方への新しいひとの流れをつくる
3.若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
4.時代に合った地域をつくり,安心な暮らしを守るとともに,地域と地域を連携する
これらの国が提示する4つの基本目標に従うと,本市にとっての基本目標は以下のよ
うになる。
1.常総市における安定した雇用を創出する
2.常総市への新しいひとの流れをつくる
3.常総市で若い世代が結婚・出産・子育てをする希望をかなえる
4.時代に合った常総市をつくり,安心な暮らしを守るとともに,常総市と他の地域を
連携する
ここで,本市では,戦略会議やプロジェクトチームでの戦略ブレーンストーミング,
そして本素案で上述した問題認識・人口ビジョンの骨子等をふまえ,ミッションの再定
義を行った。
常総市の
常総市の4つのミッション
つのミッション
ミッション1
「食」と「健幸」
健幸」を中心に
中心に,常総市における
常総市における安定
における安定した
安定した雇用
した雇用を
雇用を創出する
創出する
ミッション2
「食」と「健幸」
健幸」を中心に
中心に拠点を
拠点を形成し
形成し,常総市への
常総市への新
への新しいひと
しいひとの
ひとの流れをつくる
ミッション3
「食」と「健幸」
健幸」を中心に
中心に,常総市における
常総市における明
における明るい家庭
るい家庭づくり
家庭づくり,
づくり,楽しい子育
しい子育てを
子育てを応援
てを応援
する
ミッション4
「食」と「健幸」
健幸」を中心に
中心に,安心・
安心・安全な
安全な地域コミュニティを
地域コミュニティを形成
コミュニティを形成するとともに
形成するとともに,
するとともに,国
内外の
内外の他の地域と
地域と連携する
連携する
18
これら4つのミッションは,本市の2つの戦略と関連づけられ,本市ならではのま
ち・ひと・しごと創生を確実に実現することを目指す。なお,本市のまち・ひと・しご
と創生に係るミッションと戦略の関係は,図表16に示されている。
常総市の2つの
常総市の2つの戦略
の2つの戦略
戦略1
戦略1 日本一の
日本一の「食」のまち戦略
のまち戦略 ~ナンバーワンのまちを目指
ナンバーワンのまちを目指す
目指す~
戦略2
戦略2 「健幸」
健幸」な一生涯の
一生涯の支援戦略 ~オンリーワンのまちを目指
オンリーワンのまちを目指す
目指す~
ミッション1
ミッション2
ミッション3
ミッション4
戦略1
戦略1
◎
◎
○
○
戦略2
戦略2
○
○
◎
◎
◎:特に強く関連している
関連している ○:強く関連している
関連している
図表16 常総市のミッションと戦略の関係
素案におけるミッションと戦略は,確定したものでなく,今後の戦略策定作業の中で
変わり得るたたき台としての位置づけとなっている。いずれにせよ本市は,図表16の戦
略フレームワークのもと,現実的な人口の目標値として48,498人,理想的な人口の目標
値として51,232人の2つを目標数値として,2060年にはそれらの間の人口を維持するこ
とを目指す。
19
2 日本一の
日本一の「食」のまち戦略
のまち戦略 ~ナンバーワンのまちを目指
ナンバーワンのまちを目指す
目指す~
素案の戦略1は,日本一の「食」のまち戦略である。これにより,本市は我が国の中
でナンバーワンのまちを目指したい。ここでの焦点は,上述した,本市の最大の強みで
ある「食」にある。図表2のとおり,人口一人あたりの食料品製造業の出荷額に関して,
本市は全国
全国で
全国で6位である。そして,海に面していない市区
していない市区としては
市区としては全国
としては全国トップ
全国トップとなって
トップ
いる。加えて,図表3のとおり,本市
本市の
耕地面
本市の耕地面積率は
耕地面積率は全国トップクラス
全国トップクラスであり,耕地面
トップクラス
積に占める水田面積率
ズッ
める水田面積率も
水田面積率も全国トップクラス
全国トップクラスとなっている。また,水田だけでなく,ズッ
トップクラス
キーニや常陸牛
キーニ 常陸牛など,本市には日本でも有数のさまざまな「食」が存在している。
常陸牛
本市には,その他にも多数の強みや,県・国を代表する実績をあげてきたものが数多
く存在する。それらは全て本市として誇るべきものであるが,その中でも特に際立って,
我が国約1
国約1,740市区町村
740市区町村の
市区町村の中でナンバーワンに最
でナンバーワンに最も近い強みが,
みが,旧水海道市と
旧水海道市と旧石下町
旧石下町
が合併したからこその
本市の
合併したからこその「
したからこその「食」である。そして,本市
本市の「食」を構成する
構成する「
する「農業」
農業」と「食
料品製造業」
料品製造業」を掛け合わせ,
わせ,本市ならではのまち・ひと・しごと
本市ならではのまち・ひと・しごと創生
ならではのまち・ひと・しごと創生につなげていく
創生につなげていくこ
につなげていく
とができる。
図表2の再掲(上位7位のみ)
図表2によると,人口一人あたりの食料品製造業の出荷額を2.3百万円まで向上させ
れば,名実ともに本市は日本一の「食」のまちになると考えられる。これはつまり,総
合戦略の最終年である2020年の人口目標が約63,000人であるため,1,449億円(=63,000
人×2.3百万円/人)の出荷額を実現できればよく,本市の理想目標として位置づけら
れる。ただし,この理想目標を達成するには2010年の出荷額を1.4倍にする必要があり,
困難を極める。
そこで,現実的には3位の碧南市の水準である1.8百万円が必達目標となろう。この
場合,総合戦略の最終年である2020年の人口目標が約63,000人であるため,1,134億円
(=63,000人×1.8百万円/人)の出荷額を実現できればよい。そのためには,2010年
20
と比較して約100億円の出荷額の向上が必要である。この増分出荷額は,本市
本市の
本市の「食」
を構成する
構成する「
する「農業」
農業」と「食料品製造業」
食料品製造業」を掛け合わせた相乗
わせた相乗効果
相乗効果を中心に達成を目指し
効果
たい。
<戦略1
戦略1 日本一の
日本一の「食」のまち戦略
のまち戦略>
戦略>
●戦略目標:名実ともに日本一の「食」のまちになる
●戦略KPI:人口一人あたりの食料品製造業の出荷額(2020年)を1.8百万円以上に
する
●主な戦略的重点施策:
☆ミッション1
「食」を中心に,常総市における安定した雇用を創出する
・本市の農作物による6次産業化の推進
・新規就農・就業者への総合的支援
・農業女子プロジェクトの推進
・市内に本社を置く食料品製造業の優遇・誘致
等
☆ミッション2
「食」を中心に拠点を形成し,常総市への新しいひとの流れをつくる
・豊田城のリノベーション
・本市の「食」が全て集まる城外市場の形成
・あすなろの里等における「食×健幸」プログラムの実施
・耕作放棄地を活用した体験農園や貸農園の実施
等
☆ミッション3
「食」を中心に,常総市における明るい家庭づくり,楽しい子育てを応援する
・地域コミュニティによる「食×子育て」の助け合い支援
・安心・安全な地産地消による食育プロジェクト
・耕作放棄地を活用した家族農園の推進
等
☆ミッション4
「食」を中心に,安心・安全な地域コミュニティを形成するとともに,国内外の他の
地域と連携する
・新たな「食」を生み出す地域コミュニティの強化支援
・「食」を通じた地域コミュニティ間の交流支援
・「食」を通じた友好・姉妹都市の締結
21
等
3 「健幸」
健幸」な一生涯の
一生涯の支援戦略 ~オンリーワンのまちを目指
オンリーワンのまちを目指す
目指す~
上述した図表4のとおり,本市には
本市には分娩取扱施設
には分娩取扱施設はなく
分娩取扱施設はなく,
はなく,隣接するつくば
隣接するつくば市
するつくば市,守谷市,
守谷市,
下妻市,
下妻市,土浦市等の
土浦市等の分娩取扱施設に
分娩取扱施設に頼っている状況
っている状況である。人口減少・少子高齢化問題
状況
に際し,女性が安心して出産・子育てをし,活躍できるまちづくりをすることは必達事
項である。しかしながら,我が国全体として産婦人科医のなり手が限られている現状を
鑑みると,本市の
むしろ
本市の分娩取扱施設ゼロ
分娩取扱施設ゼロ問題
ゼロ問題に
問題に即座に
即座に対応することは
対応することは困難
することは困難であろう。
困難
この問題は,現状では近隣地域と協力しながら,かつ市民に経済的・心理的・社会的な
支援を行い,
「常総市で
「常総市
「常総市
「常総市
常総市で出産したい
出産したい」
したい」
「常総市で
常総市で育てたい」
てたい」
「常総市で
常総市で働きたい」
たい」
「常総市
で余生を
余生を過ごしたい」
ごしたい」と思われる,市民の
市民の健康で
健康で幸せな一生涯
せな一生涯を
一生涯を支援するオンリーワン
支援するオンリーワン
のまちづくりが必要である。
のまちづくり
そこで素案では,戦略2として,「健幸」な一生涯の支援戦略を位置付けた。これに
より,本市の総合計画の中で6つの実現目標の1つ目に位置づけられている「
「健やかで
幸福を
幸福を分かち合
かち合うまち(
うまち(保健・
保健・医療・
医療・福祉の
福祉の充実)
充実)」を一生涯にかけて保障し,ゆりか
」
ごから墓場まで「健幸」たる「ライフサイクル・ウエルネス
ライフサイクル・ウエルネス」の実現を目指したい。
ライフサイクル・ウエルネス
<戦略2
戦略2 「健幸」
健幸」な一生涯の
一生涯の支援戦略>
支援戦略>
●戦略目標:ライフサイクル・ウエルネスを実現する
●戦略KPI:一人あたり生涯医療費の低さを我が国トップレベルにする
●主な戦略的重点施策:
☆ミッション1
「健幸」を中心に,常総市における安定した雇用を創出する
・市内に本社を置く「健幸」関連事業者・医療機関の優遇・誘致
・空き家・空き店舗の利活用の推進
・耕作放棄地を活用した高齢者の農業従事への総合的支援
等
☆ミッション2
「健幸」を中心に拠点を形成し,常総市への新しいひとの流れをつくる
・あすなろの里等におけるスポーツツーリズムやアグリツーリズムの推進
・JOSOパス導入による関東鉄道常総線(守谷駅⇔市内7駅)の利用客増加
・豊田城周辺施設における筑波大学生による子ども教育支援の推進
等
☆ミッション3
「健幸」を中心に,常総市における明るい家庭づくり,楽しい子育てを応援する
・常総市子ども・子育て支援事業計画の推進
・健康プランじょうそう『健康増進計画・食育計画・歯科保健計画』の推進
・本市における結婚・出産の支援(隣接市町村の分娩取扱施設への交通費支援,
22
結婚祝金・出産祝金など)
・JJライフ(常総市に住む女性にとってお得な情報満載の広報誌)の創設
等
☆ミッション4
「健幸」を中心に,安心・安全な地域コミュニティを形成するとともに,国内外の他
の地域と連携する
・「健幸」な一生涯の前提となる防災・防犯体制の充実
・地域の歴史・町並み・自然・文化・芸術・スポーツ等を大切にした地域コミュ
ニティの強化支援
・地域対抗スポーツ大会の実施
・東京など人口密集地域との災害協定の締結
23
等
今後の
今後の総合戦略策定の
総合戦略策定の流れについて
Ⅰ
推進体制
1
筑波大学および市議会・市民との協働
現在の推進体制として,市長をトップとした庁内の部長級職員で組織する「常総市ま
ち・ひと・しごと創生本部」,行政と車の両輪である「市議会」,産・官・学・金・労・
言等の有識者に市議会議員と公募の市民を加えた「常総市まち・ひと・しごと創生総合
戦略本部」,市役所内の若手および中堅職員に市内在住・在勤の有志が加わった「常総
市まち・ひと・しごと創生プロジェクトチーム」の4部門で,市独自の総合戦略策定に
向けて,議論を重ねている。
また,本市は2012年から地域課題の解決に向けて,国立大学法人筑波大学と包括連携
協定を締結している関係から,今回の地方人口ビジョンおよび地方版総合戦略の策定に
関して,筑波大学との共同研究の形で策定に取り組んでいる。
その中でも,本市は2014年度に筑波大学システム情報系社会工学域サービス工学専攻
が取り組んでいる「ビッグデータCoE(ビッグデータを活用した社会問題の発見・解
決方策の研究および社会実装の取組)」に行政組織として唯一参加している。その強み
を生かし,大学にとっては研究成果や大学内の人材の社会への還元,市にとってはデー
タに基づく政策立案のできる人材育成の観点から,今後も協力して地域の課題解決に努
めていきたい。
今回の取り組みには,多くの市民の方にご参加いただいている。総合戦略本部には公
募により2名の市民の方,プロジェクトチームは11名の市内在住・在勤の有志の方に,
ボランティアで具体的施策提案の段階から議論に加わっていただいている。
こういった策定段階からの市民との協働についても,他の自治体では例のない取り組
みであることから,市民の代表である市議会とも積極的に情報共有を図りながら,今後
の常総市の地方創生の取り組みも現在の体制を継続し,より発展させてまいりたい。
2
効果検証
戦略や個々の施策は,PDCAサイクルを適切にまわしていく。具体的な仕組みとし
ては,総合戦略本部がチェック機能を有することとなるが,行政評価の仕組みを応用し
ていくことが可能である。この効果検証の部分についても,先に記載した筑波大学との
共同研究として,2年前から行政評価および実施計画の改善等についての共同研究を行
っていることから,併せて検討を行っていく。
24
Ⅱ
今後のスケジュール
今後,8月および9月に総合戦略会議や市民,市議会からいただいた意見を検討しな
がら,11月に公表予定の骨子作成に向けて引き続き作業を進めていく。
加えて,現在窓口で行っている転出転入者アンケートの他,企業の従業員等に対して
雇用や定住意向等を伺う企業等アンケート,20歳から44歳までの女性に対して出産や子
育て等に対する意向を伺うアンケートの実施を予定しており,その結果なども踏まえて,
人口ビジョンや総合戦略の策定を行っていく。
策定された人口ビジョンおよび総合戦略は来年1月から2月にかけて,市民等に対し
て,パブリックコメントを実施し,最終的に今年度内の策定及び公表を目指していく。
25
補 足 資 料
市議会・
市議会・有識者会議・プロジェクトチーム
有識者会議・プロジェクトチーム及
・プロジェクトチーム及び
庁内全職員を
庁内全職員を対象とした
対象とした電子会議室
とした電子会議室での
電子会議室での主
での主な意見
【市議会】
◆施設使用料金のパッケージプラン作成の提案。市内にある施設を二つ以上使用する場
合,料金の割引を行うことで集客力アップにつなげる。
◆空き家の有効活用および自主解体する場合の補助制度の創設。
◆地域活性化を考慮した空き家バンク制度の創設や,民間団体・各業界等との連携を図
る計画はないのか。
◆空き家になる前段階で,所有者が方向性を結論づける作業に手を差し伸べてあげるこ
とが行政の仕事ではないか。
◆公営住宅の建設により定住促進を図る。
【有識者会議・プロジェクトチーム・電子会議室】
ま
ち
≪地域(コミュニティ)≫
◆姉妹都市・友好都市の締結。
◆他市との公共施設の共有化。
◆常総広域でのつながりを活かすべき。(事務委託による取組)
◆他市との乗合交通の接続連携。
◆公共交通機関が脆弱であり,自家用車に頼らざるを得ない。
⇒ 市民が歩いて行動する範囲に施設を設置・整備する必要がある。
◆都会的なインフラ整備がすでに整備されているつくば市・守谷市に,これからインフ
ラ整備で追いつけるか。
◆常総市民の生活は他市に依存している。広域連携により,他市と同じようなサービス
が受けられるようにならないか。
◆つくばみらい市や守谷市と同じことはやらない ⇒ 他市にはないふるさとづくり・
コミュニティの充実・あったかい常総・防災組織の充実を図る。
◆都市構造の面では,社会インフラ整備において全てを維持管理するのは困難であり不
合理。
⇒ 今後は郊外での新規住宅地開発を抑制し,従来からの市街地内でスクラップ・アン
ド・ビルドや,中古住宅の流通を進めるべき。郊外に新たな住宅地を作らなければ
インフラを整備する必要がない。
26
⇒ 既存インフラのメンテナンスに重点を置く。
◆今は情報の時代。市のHP・ツイッター・フェイスブックだけで外部への情報発信は
足りているか ⇒ SNSをフル活用。
≪観
光≫
◆あすなろの里のコンテンツを生かし,昭和に特化したテーマパークとする。
◆「花」で人を呼び込む。
◆花火大会時に,守谷駅発無料臨時バスを運行。
◆神社仏閣などの周遊コース設定。
◆観光案内人のようなものを任命・名刺を支給し,市民による観光PRを可能にする。
◆自然の中で,心静かに写経や茶会・着付けなどの体験が出来ることを売り込む。
◆「ロケの街」という特色を生かし「ロケ地巡り」で映画ファンなどを取り込めないか。
◆ランドマーク(市のシンボル)が必要ではないか。タワーや建物だけでなくソフト面,
例えば294号沿いや公共施設にキンモクセイや,ブラジルの国花・イペーを植栽。
◆施設を見せるだけでなく,体験やイベントを付加する。
◆観光以前に,水海道の街中を何とかしなくてはならない。
車なし,人なし…寂しい。⇒ ひとが集まる場所を再考し,まちづくりを考え直すべき。
≪空き家・空き店舗≫
◆市で一括情報管理できないか。
◆転入者向けに提供するなど,税制面での優遇措置を含めた空き家の利活用。
◆空き家対策については,金融機関との連携を図るべき。
◆カスミ跡地を利用し,子ども用の複合施設や寺子屋,運動後に常総市のお米や野菜を
使った料理を安価で提供できる食堂を併設。土日・祝日も解放されれば,子育て世代
には理想的な施設になる ⇒ 地産地消・雇用にもつながる。
◆カスミ跡地が閑散としているので,市民の広場とともに町中の活性化を図るべき。
◆カスミ跡地を拠点として活用できないか。
◆まち自体は古いが,報徳銀行跡地を資料館にするなど,散在する趣のある建物を生か
すべき。
◆趣のある建物・古民家を利用しカフェに。
◆休憩所など憩いのスペースとして活用。
≪安全・安心≫
◆居住促進区域である市街化区域の歩道未整備箇所を重点的に整備することで,子育て
世代・高齢者に優しいまちとして,地方移住者を迎える体制を整える。
◆県では,災害時の緊急輸送道路ネットワークを指定しており,市内では国道294号・
354号などが指定されているが沿線自治体(つくば市・守谷市・坂東市など)と災
27
害時の協定を結び,広域的な協力体制を整えることが大事である。
◆災害協定は近隣のみでなく,遠くの都市と締結することも求められるのではないか。
ひ
と
≪結婚・子育て・出産≫
◆出産・育児政策の充実を図らなくてはならない。
◆第2子の保育料無料・給食費の助成・子育て世代の新築住宅建築費補助などがあれば
良い。
◆特定不妊治療の助成を拡充できないか。
◆生殖補助医療に対する支援は可能か。
◆子育てに不安を感じる。
⇒ 世代を問わず集まれる場所・交流が図れる場所が各地に出来ないか。
◆本市の人口変動は、社会減が自然減を上回っている。人口再生能力世代,特に女性の
流出が問題である。
◆若い世代の女性が働く場所・子育てしながら働ける場所がない。
◆出産費用は若者に大きな負担であり,その後の養育を考えると出産に躊躇してしまう。
⇒ 支援策の充実を図るべき。
◆トータル的にサポート出来るまちづくりを目指すべき。市内に産婦人科がないが,な
ければ他市を利用するので,以前あったチャイルドシート補助制度などが出来ないか。
◆男性の育児休暇取得率No.1の常総市を目指す。育児は長期的なものであり,収入減
となった場合の補填・支援策の充実を図る。
◆新しく家を買う子育て世代は,その地域の子育て支援を良く勉強している。近隣と比
較して,圧倒的に優位になる支援策が出来るか。
◆0~2歳児のみを預かる施設(保育所の分園・小規模保育施設)を増やし,乳幼児保
育の充実を図る。
◆子育て世代のニーズをしっかり把握することで,常総市特有の課題が見えてくるので
はないか。
≪医療・福祉≫
◆高齢化を逆手にとったまちづくりの推進。弱者に優しいまちは,全てのひとに優しい。
◆高齢者福祉政策の充実。スーパーや商店との共同で,宅配サービスの充実などを図る。
◆移住する際に医療の充実は必要不可欠であるが,産科と小児科が不足している。
◆市内の病院の充実を図る。市外に行かない・回されない,市内で完結できるような安
心して生活できるまちづくりを目指す。
⇒ 雇用の創出・高齢者福祉施設の充実。
◆市内に産科がない。若者が安心して結婚・出産・子育て出来る施設整備が必要。
28
◆任意の予防接種がすべて無料になるよう助成金を支給する。
≪教
育≫
◆特色ある教育体制を構築すべき ⇒ 他地域からの人材流入につながる。
◆若年層が結婚や子育てをためらう理由は,経済的な基盤に対する先行きの不透明感と
思われるが,保育施設や学童クラブの整備・教育の充実が必須。
◆ほっとサタデー教室や,かしのきスクールの拡充。
◆放課後活動・土曜日学校開放の充実 ⇒ これがあるだけでも家族で引っ越してくる。
◆保育所での英語教育や音楽教育など特色ある教育に取り組むことで,他市との差別化
を図る。
◆筑波大の学生に勉強を見てもらえたら最高です。
◆地域の元気なお年寄りに協力してもらい,安心して子どもを預けられる場所を作る。
≪定住促進≫
◆同居を嫌う若者世代が多い ⇒ 2世帯住宅建築補助制度の創設。
◆現状,つくば市・つくばみらい市・守谷市の間で埋没している。
⇒ これらの市と同じことを行うべきではない。
◆つくば市・つくばみらい市・守谷市との棲み分けが必要。
◆TX沿線から外れていることを考えると,新たな若年層の流入はあまり期待できない。
⇒ 高齢者をターゲットに。
⇒ 高齢者が流入すれば介護・福祉施設が必要不可欠であり,安定的な雇用が創出可能。
◆守谷市の住宅地と比較すると,地価公示レベルで約3~4倍以上の差があり,常総市
は比較的良好な住環境の土地を安価で購入できる点を強調すべき。
◆自然が豊富・都心への通勤も可能であることをアピールすべき。
◆TXや圏央道ICの開通により都心へのアクセス良好。
⇒ 土地を,都心では考えられない価格で提供し若者を誘致。
◆高い質のサービスや娯楽は都心に敵わないが,都心へほぼストレスなくアクセス出来
ることをアピールすべき。
◆TX沿線地域に建っているようなマンション建設は難しいが,最低限ないと困るもの
を検討していけば,常総市なりの強みを生かして,居住地を選ぶ際の選択肢の一つに
なり得るのではないか。
◆日野自動車の古河移転に伴い,本市への定住をPRする。
⇒ 固定資産税の減免や,住宅建築費の補助などを検討。
◆税の減免・医療費の助成や,食費・住居への支援を総合的に行うことで,子育て世代
に優しい常総市をPR。
◆田舎暮らしを求めて移住してくるファミリー層をターゲットに,遊休農地を活用し「営
農指導付き田畑無料貸し出しサービス」を実施。
29
⇒ 移住先として,空き家を利活用。
◆金融機関との連携により,住宅ローンを活用。
◆他地域から人を呼び込むことも大切だが,今いる人たちを流出させないことも大切。
◆常総市で生まれた人に定住してもらえるまちなのか,本気で定住策を考えなくてはな
らない。外部から訪れる人を増やすだけでは不十分であり,満足してはいけない。
≪交流人口≫
◆豊田城のリノベーション。最上階をカフェとしたコンセプト図書館へ。
◆あすなろの里にドッグランを作り交流を図る。
◆日本版CCRCの推進。
◆オリンピック開催の際に外国人観光客を誘致。ネット環境や通訳等コーディネーター
配置などの整備を行い,民家を活用した下宿制度の創設。
◆外国人観光客への農業体験・伝統工芸体験などを実施。
◆豊田城でバンジージャンプ。石下統合幼稚園用地で,モトクロス・BMXなどの巨大
ハーフパイプを設置するなど,若者を呼び込むことで,常総市にしかないもの・常総
市に行けば「これがある」というものを作る。
◆ミズノグループが指定管理者である機会を活用し,トップアスリートなど本物に触れ
る機会を増やす。教育効果や,体育は介護予防・未病対策としても有効。
◆スポーツツーリズム(例えば,公式の大会誘致だけでなく,合宿誘致や練習場所の提
供に特化)によって,交流人口の拡大や地域経済への波及効果を狙う。
◆あすなろの里やアグリサイエンスバレーでのグリーンツーリズム。
◆都会の喧騒から離れたい人達には「ほどよく田舎」・「都心に近い田舎」をアピール。
◆市内に駅が7つある。関東鉄道常総線を巻き込んだ取り組み(常総線を利用するメリ
ットを作る)が出来ないか。
≪外国人≫
◆筑波大学の留学生・労働力以外の高学歴の外国人の受け入れ推進。
◆外国人向けの就職情報の発信。
◆外国人は常総市にとって財産であるが,反面「怖い」という市民意識があることも事
実 ⇒ 意識改革が必要。
◆市内には外国人経営の商店が点在しているが,駅周辺の1箇所にまとめて,横浜中華
街のように観光地として人を呼び込む。
◆ブラジル人街&サッカーのまちにして定期的にイベントを開き,外国人観光客の集
客・ブラジルの都市との友好都市・姉妹都市締結など,常総市ならではの取り組みに
なるのではないか。
30
しごと
≪雇
用≫
◆圏央道IC周辺の活用。
◆安定した雇用の創造=食。食を中心とする企業を積極的に誘致し,食の企業が集積す
る常総市を目指す。
◆福祉施設などにおいても人材確保が必要であり,若年層が福祉施設で働く際に「奨励
金の交付」など優遇措置を設ける。
◆市営の高齢者福祉施設を作り,過酷な労働条件に見合った給与を支給し,離職率をカ
バー ⇒ 安定した雇用を目指す。
◆各企業には工場見学などにより,若者への門戸を広げてもらう。
◆若い世代の流出を防ぐために,近隣自治体と協力して「雇用の地元枠」を創設。
◆刑務所の誘致。受刑者が増加傾向にある中,刑務所が不足している。
「負」のイメージ
はあるが,市内に存在することで犯罪抑止効果も生まれ,数百人規模の雇用を創出で
きるのではないか。
◆市内4つの工業団地と圏央道IC周辺の開発は,銀行から見てもみ魅力的である。物
流センターやコールセンター(都心に在る必要はない)を設ければ,数百人規模の雇
用が生まれる。
◆常総市らしい雇用の創出を目指すと,新しい雇用は生まれると思うが、若者世代との
ミスマッチが生じるのではないか。
≪企業誘致・支援≫
◆企業支援だけでなく「起業」支援対策も必要ではないか。
◆新規企業の誘致も大事だが,既存の企業を市内から撤退させてはならない。
(固定資産
税の減免などの優遇策)
◆県南県西地区で広域連携をして「法人減税特区」はできないか。企業誘致に効果があ
るのではないか。
◆企業だけでなく,公的機関の誘致もあるのではないか。
≪農
業≫
◆常総市の強みは農業である。農業を極めよ。
◆アグリサイエンスバレー構想を拡充し,議論を深めていくことが重要。農業の産業化・
雇用促進を図り,設けられる農業施策を重視していくことが常総市らしさではないか。
◆付加価値産品・ブランド化・プレミアム化など,バリューチューンの構築を支援して
いくべき。
◆高い価格で販売できる ⇒ 起業家精神に溢れる若者の農業や農業関連へのビジネス参
入が期待できる。
31
◆女性の労働力と知恵と繊細さを活用。
⇒ 常総市版農業女子プロジェクトを立ち上げてみてはどうか。
◆先進的な取り組みをもとにしたビジネスとしての農業を確立し「農業」を若い世代が
就職する際の選択肢の一つに出来るようになれば理想的である。
◆漬物製造工場を誘致し,市内で取れた野菜を使ってブランド化した漬物を販売。
(税制
面で優遇,高齢者の知恵も活用)
◆桑の実・桑の葉など,常総市ならではの農産物の生産・ブランド化。
◆耕作放棄地バンクを設置しての利活用。
◆圏央道IC周辺の活用。
◆筑波大学と連携し,農業に関する研究に対して実際の生産レベルにスケールアップし
て研究を行う場を提供する。
◆筑波大学との連携により「コストのかからない農業」
・
「生産性の高い農業」を目指す。
◆農業×圏央道×筑波大学
◆農業でなら近隣と勝負できる。さらなる販路拡大(国内外)や,圏央道開通による交
通アクセスも良くなることから期待できる。
食
◆食を通した健康づくりの推進。
◆赤ちゃんから高齢者まで,食を通しての一貫したプログラムを取り入れ「ひとづく
り」・「地域づくり」を行う。
◆常総市の食の資源を生かした産業・食農のコラボ ⇒「フードバレー常総」
◆市内には全国展開する有名は菓子メーカーがあるが,食品メーカーとの取り組みが出
来ないか。
◆道の駅で「うまい棒」の全種類・常総市限定味の販売。
◆外国人が多い ⇒ 食文化の交流を図る。
◆「お取り寄せ出来ない」ものを取り扱い,実際に常総市を訪れることで季節ごとの農
産物などを体験してもらう。家族で訪れて素敵な常総市は,実際に住むにも魅力のあ
る常総市につながるのではないか。
◆おいしいお米があるのに宣伝不足。斬新な手法も必要ではないか。
圏央道IC
◆農畜産物の一大生産販売拠点へ。
◆日本最大の道の駅とし,農園に好きな野菜を植えさせて,収穫するまで自己責任とす
ることで常に人が来る仕組みを作る。
◆単なる通過点で終わらせないことが重要。
◆企業誘致だけでなく物産・特産品を販売し,単なるサービスエリア的なものではなく
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「目的地」になるような付加価値を付けられないか。
◆道の駅にステージを設置し,サンバ祭りやよさこいなどの舞台に活用し差別化を図る。
◆圏央道開通に伴い,茨城県全域の特産品を網羅したアンテナショップを設置。
◆常盤道ICにも近い常総市だからこそ「茨城県内の特産品を常総市に集約させる」こ
とが出来るのではないか。常総市以外に観光に来た人にも「茨城県のお土産なら常総
市の道の駅に行けば何でも揃う」と,人を呼び込めるのではないか。
その他
◆ふるさと納税者を増やす。
◆常総市と古河市の面積はほぼ同じだが,古河市の人口は本市の倍以上である。
この差は何か ⇒ 都市計画を再検討すべきか。
◆場外馬券場の建設。
◆消防団が凄い。
◆自治区に加入していない若い世代が多いため,広報紙によらない情報発信が重要。
◆「18歳選挙権」を見据え,今回の地方創生を機に,小中高において自らの地域につい
て考える場を与えていく取り組みも必要ではないか。
◆多岐にわたる助成金 ⇒ 実際,どれだけ常総市が負担できるのでしょうか。
◆自治体単独での地方創生は難しいのではないか。
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用 語 解 説
SWOT分析(3ページ)
強み (Strengths),弱み (Weaknesses),機会 (Opportunities),脅威 (Threats) の4つの軸
から評価する手法。外部環境(機会・脅威)の変化に対応し,自らの内部要因(強み・弱み)を
分析しながら,自らの地域の成長と発展のために自らのミッション(使命)
・ビジョン(将来像)
・
戦略課題を導く方法論で,新たな戦略構築に用いる分析手法。
RESAS(2・3・4ページ)
地方自治体が「地方版総合戦略」の立案等をする際に役立てるため,国が開発したシステム。
経済分野に限らず,さまざまなデータを搭載することでビッグデータを活用して地域経済等を
「見える化」させたもの。正式には「地域経済分析システム」といい,Regional Economy (and)
Society Analyzing Systemの略。
戦略マネジメント(9ページ)
絶えず変化する社会経済環境を前提に,
「選択と集中」を実現し,政策目的の達成へ向けて経
営資源を効果的に活用していくプロセス。
ミッション(18ページ~23ページ)
果たすべき役割,使命,存在意義のこと。
リノベーション(21ページ・30ページ)
既存の建物に大規模な改修工事を行い,用途や機能を変更して性能を向上させたり,付加価値
を与えること。英語で「renovation」は「革新,刷新,修復」を意味し,リフォームがマイナス
の状態のものをゼロの状態に戻すための機能の回復という意味合いに対して,リノベーションは
プラスアルファで新たな機能や価値を向上させることを意味する。よりデザイン性の高いものに
改良したり,住環境を現代的なスタイルに合わせて間取りや内外装などを変更したりすること。
コンセプト図書館(30ページ)
新しいタイプの図書館を表現した言葉。
「~のための図書館」のように,特色を出して他と差
別化を図る図書館。
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スクラップ・アンド・ビルド(26ページ)
老朽化して非効率な工場設備や行政機構を廃棄・廃止して,新しい生産施設・行政機構におき
かえることによって,生産設備・行政機構の集中化,効率化などを実現すること。
KPI(21・22ページ)
重要業績評価指標のこと。Key Performance Indicatorの略。政策ごとの達成すべき成果目標。
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