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Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅

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Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅
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楽器の非線形振動 : 木管楽器について(特別寄稿)
井戸川, 徹
物性研究 (1990), 55(2): 154-176
1990-11-20
http://hdl.handle.net/2433/94366
Right
Type
Textversion
Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
物性研 究5
5
-2(
1
9
9
0-l
l)
特別寄稿
楽器 の非線形振動
*
- 一木管楽器 につ いて 1-
筑波大
物工
井戸川
徹
(1990年 9月 1
4日受理)
1. は じめに
オー ケ ス トラには さま ざまな楽器 が用 い られ る。 バ イオ リンその他 の弦楽器 、 トロ ンボー ン
等 の金管 楽器 、 フルー トや オー ポェの よ うな木管楽 器、多 くの打楽器 、等 、 と多彩で あ る。 ピ
ア ノや -ー プが これ に加 わ る こ と もあ る. これ らの楽器 は物理 学 とは殆 ど如綾 な経験 の積 み重
ね に よ って出来上 が っ七来た。
と ころでバ イオ リンは何故 あの よ うな形 を持 つのか、 その一 つ一 つ の部分 は楽器全体 に対 し
て どの よ うな役割 を持 つ′
のか 、弦 に して も胴 に して もそれ に用 い るよ り適 切 な材料 はないのか。
演奏 によ り適 した構造 のバ イオ リンは作 れないのか。他 の楽器 につ いて も同様 にいろいろ と考
えた くな る。物理学 を駆 使 した ら もっとす ぼ らしい楽器 を作 れ ないのか。 プ ロの演奏家 に よ る
音 楽 を聴 くの もよいが、合奏 メ ンバ ーの一員 と して音楽 に参加 す る とき、素 人 は素 人 な りに、
音楽 の最 高 の楽 しみを味 わ うら しい。楽器 の研究 に は人間 の感 覚 や熟 練 を無視す ることはで き
な い。前 世紀 頃か ら現在 に至 るまで 、多 くの物理学 者が楽器 の研究 に挑 ん で きたが、多 くの未
解 決 の問題 が残 され て い る.音楽 や楽器 の中 に新 しい物理 学 が潜ん で い るか も知 れ ない。
全 く偶然 の機会 か ら、筆者 は楽器 の研究 を始 めたが、現 在 の研究対 象 は、 ク ラ リネ ッ ト、 オ
ー ボ ェ、バ スー ン、 サヰ ソフォ ン等 の リー ドを持 つ木管楽 器 で あ る。 これ らの楽 器 の発音機 構
は物 理学 的 に見て ほぼ同 じで あ る。 本 報告 は、 これ らの楽 器 の共 鳴気 柱 の性質 や楽器全 体 の振
舞 の理解 を 目的 と して、多 くの学 生 諸君 と共 に行 って きた、 そ して現 在 も進行中 の、実験 や測
定 につ いて述 べ る。細部 に立 ち入 る ことな く、筋道 をお伝 え したい。
2節 で は、木管楽 器 の構造 と発草 機構 につ いて 、 おお よそを述 べ る。 特 に リー ドの振舞 や、
リー ドと共 鳴気柱 が どの よ うに結 合 し作用 し合 うか の概略 を述 べ る。 3節 は、木管楽 器 の管 体
の中 の共 鳴気柱 につ いて記す。 まず 共 鳴気柱 の音響学 的性 質 の記述 法 を紹 介 し、つ ぎに異体 的
な共 鳴気 柱 の性質 を計算 あ るい は測定 した結 果 の例 を示 す。 4節 に は、 ク ラ リネ ッ トの発 振 を
記 述 す る gchumacher の微分方 程式 を紹介 し、その解 を数値計 算 した結 果 を、実験結 果 と比 較
*本 稿 は編 集 部 の方 か ら特 に お願 い して 執 筆 して いた だ い た解 説 記 事 で あ る。
-
154
-
楽器の非線形振動一木管楽器について-
し易 い形 の図 と して示 す。 5節 は木管楽器 を人工吹鳴 した実験結 果 を示すo木管楽器 の振舞 は、
吹鳴条件 によ って極 めて複 雑 に変化 し、典型的 な非線形振動 の例 と思 われ る。
この報告 を通 じて使用 す る記号 を以下 に まとめて定義 し、 また図 1の中 に記 してお く。 この
図 は木管楽器が吹奏 されて い る状態 を示 してい る。
P (t) -吹奏者 の 口の中 の空
気圧 力 くその平均値
を Poとす る) 、
p (t) -マ ウス ピー スあ るい
は ダブル リー ド内 の
圧 力 (音圧 ) 、
∫ (t) -口の中か ら リー ドを
通 して気柱 に流 れ込
む空気 の体積流量 、
y (t) -静止状態 か らの リー
ドの変位 (リー ドが
図 1 吹奏 され る木管楽 器 のマ ウス ピー ス部分
開 く方向 を正 に とる) 、
ち(t) - リー ドとマ ウス ピー スの間の隙 間、あ るいはダブル リー ドの開 Po
2.木管楽器 の構造 と振界 いの概要
木管楽器 は、共鳴気柱 を形成す る管体 と、それ に空気流 を供給 す るための リー ドか ら成 る。
木管楽器 の基本的な構造 を図 21に示 した。
管楽器 の管体 の中 にあ る共 鳴気柱 は、基本的 には円筒 あ るい_
は 円錐形 に限 らn2、管体 の端 の
部分 で はベルによ って滑 らか に拡 が って大気 に接 して い る。 例 えば ク ラ リネ ッ トの気柱 は、基
本的 には円筒形であ り、管端 の部分 で は滑 らか に大 き く拡 が って い る。 オー ボエ、バ スー ンお
よびサキ ソフォ ンにおいて は、気柱 は円錐形であ り、管端 の部分 で は僅か に拡が ってい る。
リ.
⊥ ドは、葦 の茎 を薄 く削 った振動片で あるが 、プ ラスチ ック態 の もの もあ る. ク ラ リネ ッ
トやサ キ ソフ ォ ンで は シγグル リー ドす なわち 1枚 の振動片 の リー ドが用 い られ る。 この シン
i
g
at
ur
e と呼 はれ る金属 のバ ン ドで マ ケス ピー スに取 り付
グル リー ドは、図 1に示す よ うに、l
け られ るが、静止時 には リー ドとマ ウス ピー、
チの、
甲 に嘩圃 弓 を残 しているo
オー ボェやパ スー ンに は ダブル リー ドが用 い られ る.図 一
3に示 したのはバ スー ン用の ダブ ル
リー ドの一例である。 ダブル リー ドは 2枚 の振動片か ら成 り、正面 か ら見 ると 2つ の円弧 が向
一、
1
5
5-
井戸川 徹
き合 っているよ うに見 え る。 ダ ブル リー ドは木管楽器 の管 体 に畢 し込 み、それを 口に くわ えて
吹 奏 す る。
満 足す べ きよい吹奏 音 は、熟 練●
の結 果 、 よい ア ンプ シュア とタ ンギ ングか ら生 まれ る。 ア ン
プ シュアとは、唇 が リー ドを くわ え る深 さや唇 と リー ド間 の圧 力 の調節 を言 う。 またタ ンギ ン
グ とは音 を発生 させ る瞬 間 に舌 を使 う演奏技法 を言 う。楽 器 が発生 す る音 の基本周波数 は、基
本 的 には気柱 の長 さす なわ ち管 体 の長 さあ るいは音孔 の開 閉状 態 さ らにはア ンプ シュア と吹 鳴
圧 力 Po によ って定 ま るo シ ングル リー ド楽 器で もダブル リー ド楽 器 で も事情 は同 じで あ るO
楽器 が演奏 され発音状態 にあれ ば、気柱 は振動 し、 p は周期 的 に変化 して い る。 この とき
さ1
.とn
l
ヽ
.
f は、億 圧 p- p お よび 弓 に よ って定 ま るo P を一定 と考 えた ときの p と f の関係
を図 43に示す o p が Poよ り もか な り低 い ときには、 リー ドはマ ウス ピー スに密着 し、
- o であ るか ら、 f-0 で あ る。 p が次第 に増加す ると、 リー ドの弾性復元 力 に よ り、
>o とな り、 f>0 とな るo p の増 加 とと もに、 弓 も増 加 L f も増加す るo さらに p
が増 して Poに近 ず くと、 ㌔ - p が減少す るので 、 f は減 少 す るo p が減少 す る ときには こ
の逆 の経過 をた どるo
p>P。に な るとす ると、 f<0 とな る可能性 もあ るo
木管楽器 は、 リー ドと共 鳴気 柱 が結 合 した 自励発振 系で あ る。 この系 はおお よそ図 5の よ う
に考 え ることがで きる。 振 動 の エ ネルギー は口か ら気柱 に流 れ込 む空気流 によ って供給 され 、
エ ネルギーの一部 が管端 あ るい は開 いた音孔 か ら音 と して楽 器 の外 へ放 出 され る。 発振状 態 に
お け る、 P、 p、 f お よび 弓 の間の関係 を まとめ る と以下 の よ うにな るo
▲
q
Ⅰ
L
M
li
.:
・
t.
・・:・・;・3
. ._I
L
L
I
L
f
'∴
T
:T
'.・:''
'
'轟
■
q
nn
一帖 且 ,
図 2 木管楽 器 の基本 的構成
図 3 バ ス- ン リ
ー
- ドの一例
ー1
5
6-
楽器の非線形振動一木管楽器について-
(I) f は 弓 と圧 力差 p- p によ って定 まる'
o f と p の関 係 は、おおよそ図 4の よ う
( 2) f が増加 す る と、 リー ドのす ぐ下流 、す なわ ち気柱入 口 におけ る .
p
に な って い る。
が増加 し、 この圧 力波 は気柱 の中 を管尻 に向か って進 み、管 体 に開 け られた音孔 や管端 で反射
し、再 び リー ドに戻 って くる。
(3) P が一定 の とき、 リー ドの内面 にかか る p が高 くな
(4) 守 と p は同 じ周期 で周期
る と 弓 は大 とな り、 p が低 くな る と 弓 は減少 す るo
(5) p が高 い状 態 で空
的 に変化 し、 その基本周 波数 は楽器 が発生 す る音 のそれ に等 しい。
気 流 が供給 され るか ら振動 は持 続 す る。
管 体気柱 の形状 は入 力 f に よ って どの よ うな出力 p が発生 す るか を定 め る。
気柱 の性
質 は線形 系 と して扱 われ 、音響 イ ン ピー ダ ンスによ って表 され る。 同 じ楽器 で も気柱形状 の設
計 の詳細 は各 メー カー に よ って異 な り、 また同 じメー カー の同 じ形式 の楽器 です らも出来上 り
は微 妙 に異 な る。管 体 は木製 あ るい は金属製 で あ り、 その材質 が楽 器 の音色 に大 き く影響 す る
こ とは経験的 によ く知 られ た事 実 で あ る。 しか し何故 どの よ うに材質 が音色 に影響 す るか は殆
図4
空気 の体 積流 量 f とマ ウス ピー ス内音圧 p の関係
i
I
;I
:
i
;
f
三…=
Ii
-I
I
I
図5
=
t
i
=
'
I
自励 振動 系 と しての木管 楽器
-1
5
7-
…I
,
==
=
。
-
井戸川
徹
ど知 られて いな い。 演奏 者 が楽器 を購入 す るときに は、通常 幾 本 か の楽器 を試奏 して好 み に合
った楽器 を選 び出す . リー ドの音響学 的性質 は、入 力 p と出力 f の非線形 な関係 によ って
表 され る。 個 々の リー ドの性 質一
は異 な ってい るので 、演奏 者 は リー ドを選 びまたそれ を削 って
自分 に合 った よ うに仕上 げ る。 ダブル リー ドとシングル リー ドで はその性質 は異 な る。 また シ
ングル リ- ドの場 合 、 リー ドが当た るマ ウス ピー スの面 (図 1にお いて は 1
a
y とき
己して あ る)
が 、 どの よ うな カー プに仕上 げ られて い るか も重要 で あ る。 この カー プについて は、楽器 メー
カー は 2- 3、
種 類 を用意 して あ り、演 奏者 は自分 の好 み に合 った ものを選 ぶo各種 の リー ド木
管楽器 は、 リー ド、管体気柱形状 およ びその組 合せ に差 が あ るので 、そnぞれ に異 な る特 徴 を
持 つ ことは言 うまで もな い。 演奏者 の好 みは さてお いて も、個 々の木管楽器 の性質 を正確 に表
現 し、 あ るい は最長 の楽 器 を設計す る ことは、 それ程 容易 で は な さそ うであ る。
3.共鳴気柱 の性質
木管楽器 の管体気 柱 の音響 学 的性質 は、それを リー ドの側 か らみ た ときの、音響 イ ン ピー ダ
ンス Z (め ) 、 あ るいは イ ンパ ル ス応 答 g (t) に よ って表現 で きる。両者 は互 いに他 の
F
o
u
ri
e
r変換 の関係 にあ る。 さ らに、後 に導入す る反 射 関数 r (t) は
g (t) よ り も速
やか に零 にな るか ら、例 えば後 に示す ク ラ リネ ッ トの振動 波形 の計算等 に便利 で あ る。
3. 1 円柱 気柱
もっと も簡 単 な- 様 な円柱気 柱 を一端 か ら見 た と きの音響学 的性質 の説明か ら始 め る。 図 6
に示す よ うに、硬 い面 を持 つ ピス トンを点線 の状態 か ら急 激 に右 に押 し、長 さ L の円筒管 内
にイ ンパ ル ス状 の体 積流 量
f (t) - S (t)
を加 え る. この ときこの円筒 管 の左 端 で の
圧 力変化 p (t) は図 、
6に示 す よ う定な る. まず f (t) - S (t) によ りイ ンパ ル ス状
の圧 力が発生 し、 これ は音速 C で右 方 向 に伝わ り、右 端 (開端 )で正負反転 して反射 して再
び左 端 に帰 って来 るが 、管 内 を伝搬 す るときお よび管 の右端 で周波数 に依存す るエ ネルギー損
失 を伴 うので 、 2L/ C 時 間後 の p (t) 波 は幅 が拡 が りまた背 が低 くな って い る。 この
波 は硬 い ピス トンの面 で その 事ま反 射 し、向 きを変 えて右 端 に向 か うo その後 は同様 な プ ロセ
スを無 限 に繰 り返 す。 こ甲場 合 の p (t) は■
ィ ンパ ル ス応答 g (t)
・に他 な らない.
g (t) の
F
o
u
ri
e
r変換 を この 円柱気 柱 を人力端 (左 端 ) か ら見 た音響 イ ン ピーダ ンス と呼 び、
Z (
t
A
l) -
F t g (t)I
(1)
-1
5
8-
楽器の非線形振動一木管楽器について-
で表 す。音響 イ ン ピー ダ ンスは また
Z(
L
カ)-
F fp (t) I ・/ F I ∫
(2)
(t) )
と して与 え られ る。 円柱 気柱 の断面積 を S と して、体積流 量 f の代 わ りに流 れの速 さ
V-
f/S を用 いて
Z (山 ) -
F (p (t)) / F IV (t)i
(3)
を定 義 す るとき、 これを比 音響 イ ン ピー ダ ンスと呼ぶ。
図6
円柱気柱 の イ ンパル ス応答
と ころで、円柱気柱 につ いて の音響 学 的情報 は図 6に示 した t - 2L/ C 付近 に現 れ る
反 射 波 にすべて含 まれて いて、 それ以 降 の反射波 は串 にそれ まで の繰 り返 しに過 ぎないか ら何
の役 に もたたない。反射 関 数 r (t)
は、 図 7に示す よ うに、 この無駄 を省
いて くれ る。 r (t) を見 る と t-
●
●
●
-
■
l
-
0 に イ ンパル スが現 れて いな い。 ま
た反 射 波 の谷 の深 さは、 g (t) の第
1回 日の反射波 に比 較 して、半 分 にな
って い る。反射 関数 を得 るには
図 7 円柱 気柱 の反射 関数
-1
5
9-
井戸川 徹
r (t) - F-1くくZ (A)) - Zo) /
を計 算 す れば よい こ とが知 られ -
.
(Z (山 ) +zo))
る叫O こ こに zo(
-
(4)
P c) は特 性 イ ン ピー ダ ンスと呼 ばれ 、
P は空 気の密度 で あ るo具体 的 に考 え る と r (t) は・長 さ L の円筒 管 の左 側 に無 限 に長
い- 様 な円筒 を接続 した状 態 で の、 X -0 にお け る p (t)
られ る。 この とき管 の右端 か らの第 1回 目の反射 波 は
X- 0
(t>0) を与 え る と考 え
で反射 す る こ とな く左 に向 か っ
て進 み 2度 と帰 って くる ことはない。
音響 系 を扱 うと きに は電 気 回路 の アナ ロ ジーが用 い られ る ことが多 い。 上 記 で は、 イ ンパ ル
ス応 答 か ら音 響 イ ン ピー ダ ンスを導 出 した が 、通 常 は、円筒 気柱 の左端 か ら見 た音響 イ ン ピー
F
ou
ri
e
r変 換 と して イ ンパ ル ス応答 を定 義す る。 しか しイ ンパル ス応答
ダ ンスを求 め、 その逆 _
や反 射 関数 が直感 的 に理解 しやす い の に比 較 して 、音 響 イ ン ピー ダ ンス特 に そ の位相 曲線 を読
み こなす の は至難 に近 い。 円柱気 柱 は図 8 (a) に示 す よ うな-様 な伝送 線 路 と して考 え る。
音圧 を電圧 に 、空気 の体積速度 を電 流 に対 応 させ る と、円柱気 柱 と線路 の イ ン ピー ダ ンスは同
じ形 の微分方 程式 か ら出発 して計算 で きる。 円筒 気 柱 や円錐 気柱 のみ な らず 、管 楽 器 の共 鳴気
i
t
ni
kら5'な らび にC
a
u
s
s
gらもの 論 文
柱 の イ ンピー ダ ンスの計算 法 は 、Pl
に
詳 しく述 べ られて い
る。 線 路 の入 力 イ ン ピー ダ ンスを計 算 す る と き、線 路 の負 荷 イ ン ピー ダ ンスが必 要 にな る。線
路 の負荷 イ ン ピー ダ ンスは、音響 系 で は、放 射 イ ン ピー ダ ンス と呼 ばれ る もの に対 応 す る. そ
の実 数部 は円筒管 の右 端 か ら放射 され て失 われ る音響 エネ ルギー を表 し、虚 数 部 は開 口端 補正
e
vi
nらワ の論文 に記 されて い る。
を表 す。放 射 イ ン ピー ダ ンスの計 算法 は L
e
n
dC
o
r
r
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c
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;
o
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m
p
e
da
n
c
e
図 8 電 気 回路 アナ ロ ジー。
(a) 円柱 気柱 。
-1
6
0-
(b)
音孔 を持 つ 円柱気柱 。
楽器の非線形振動一木管楽希について-
円筒管 に昔孔 のあ る場合 には、,
図 8 (b) に示す ネ うに音孔 のあ る位 置 に分岐線路 を並列 に
接続 し、 その端 に放射 イ ンピー ダ ンスを接続 し、全体 の イ ンピー ダ ンスを計算 す れば よい.
3. 2 共鳴気柱 の応答 の計算 および測定例
(1) 円錐気 柱
円錐気柱 や径が変化す る気柱 は、図 9 (a) に示す よ うに、径 の異 な る短 い円筒気柱 を次 々
に接続 して近 似す る。 また例 えば ク ラ リネ ッ トの管端 にあ るベルの部分 の気柱 もこの よ うに し
て近似 で きる. 図 9はこあ る円錐気柱 の イ ンパ ル ス応答 g (t) の測定 および計算結果であ
るSo 測定法 は文hX9.に詳細 に述 べてあ るO この円錐気柱 は、実 はバ スー ンの共 鳴気柱 を摸 して
作 った もので 、長 さ 2 5 2 0m m ,入 口で 4m m 、出口で 4 0m m の直径 を持 つ。バ ス- ンの
リー ドを用 いて これ を吹奏 す ると基本周波数 が 58- 59H zの音 を発生 す る。 図 9 (b) は、
入力音響 イ ン ピー ダ ンスの測定結果 を逆 F
ou
ri
e
r変換 して得 た イ ンパル ス応答 で あ る。図 9 (
C) はその t-0- 17.5 m s の部分 を拡大 した ものであ る。 図 9 (d)は人力音響 イ ン
ピー ダ ンスの計算結 果を逆 F
ou
ri
e
r変換 して得 た イ ンパルス応答 の t-0- 17.5 msの
区間 を示 して い る。計算 および測定 結 果 は極 めて よい一致 を示 してい るか ら、共 鳴気柱 の応答
を知 りたいと きには、計算 あ るいは測定 何 れか便利 な方法 によればよい ことが知 られ る。
図 9 に示 した円錐気柱 の イ ンパ ル ス応答 g (t) において、 t- 0 付近 の鋭 い ピー クは
体積 流量 の入 力 イ ンパル スに伴 う音圧 で あ り、 t- 15 m s 付近 の谷 は円錐管 の端 か らの反
射 波 で あ る. これ らの特徴 i
串円柱気柱 の g (t) に も見 られ るが、次 の 2点 で円柱気柱 の場
合 とは大 き く異 なる。 (1)初期 イ ンパ ル スのす ぐ後 に谷 があ り徐 々に回復 す る。 (2) t15 m s 付近 の鋭 い負圧 のす ぐ後 には再 び正圧が現 れ、 ゆるやかに減衰 す る。 これ らの差 が
生 ず る原因 は定性 的 には以下 の よ うに考 えることがで きる。 す なわち円錐気柱 においては、円
柱気柱 と異 な り、気柱 の径が人 口か らの距離 に比例 して増加 す る。 そのために円錐気柱内を伝
搬 す る圧 力波 は、出 口へ向か うときに も人 口へ向か うときに も、常 に進行方 向 とは逆 向 きの反
射波 を発生 させ る。例 えば正 の圧力波 が入 口 (小 さい径) か ら出口 (大 きい径) に向か って進
む ときには、常 に到 るところで人 口方向 に向か う負 の反射圧力波 が発生 す る。 この圧力波が入
口方 向 に進 む とき、気柱 の径が減少す るので、出口方 向に向か う負 の圧 力反射波 が到 るところ
で常 に発生す る。 このよ うに無数 の反射波が重 な った結果、円錐気柱入 口の圧 力 p (t) は
図 9 に示 す よ うに変化す ることにな る。
円錐気柱 の反射関数 r (t) を計算 して見 ると、 t-01 17. 5 m s の範 囲で は g
-1
61-
井戸川
徹
(t)
と大差 はないが、それ以降 の減衰 が g (t) に比較 して著 しく速 いo g (t) で
は、図 9bに示す よ うに 9回 目の反射 波 までが認 め られ るが、 r (t) においては、 3- 4
回 目以降 の反射波 は減衰 して殆 ど紐 め られ ない. r (t) において は、人 口での波 の反射 の
影響 が少 な くな るためで ある.- (4) 式 に よ って円錐気柱 の r (t) を計算す るとき、円錐
気柱 入 口には、入 口径 と等 しい径 の無 限 に長 い円柱気柱 を接続す ることにな る。 この場合 には
図 7に示 した円柱気柱 の場合 と事情 は異 な り、人 口に不連続 な径 の変化 が存在す る。 したが っ
て 円錐気柱入 口に向 か って進 ん だ波 の入 口での反射 を完全 には取 り除 き得 ない と思 われ るo
0
(a)円錐気 柱 の円柱気柱 によ る近似
5
1
0 (
ms
)1
5
(C) 測定値 の一部
山
1
8 d
V
∝ト
E
g
∝
V
S ^
山1
VUS^
∝J
dヒ山∝V
0
1
.
02
5
2
0
mm
0
50
(
氾
1
1
5
0(
ms)2
a)
0
5
1
0 (
ms
)1
5
(d) 計算値 の一部
(b) 測定値
図 9 円錐気柱 の イ ンパルス応答
(2)バ スー ンの イ ンパ ル ス応答
図 10には、 19等0年代 に製作 された Heckel社 のバ スー ンの イ ンパ ル ス応答 を測軍 した
q. なお音孔 はす べて閉 じてあ る_
ので正 しく吹奏す れ ば基本周波数が
結 果 を示 して あ ㌔ ,
B
?
(58.3 Hz)の音 を発生す る。 基本 的 には図 9に示 した円錐気柱 の イ ンパル ス応答 と似 て
い るが、 t- 0- 1 5 m s の間 に多数 の凹凸が見 られ る。 バ スー ンの管体 内部 には多 くの音
孔 や僅 か な段差 が あ るか らであ る。 またバ ス- ンで は、痛 角が僅 か に異 な る円錐気柱 を接続 し
-1
6
2-
楽器の非線形振動一木管楽器について-
て共 鳴気柱 を作 って い る と も聞 いて い る。 イ ンパ ル ス応答 に沿 って引 いた直線 の下側 には 1-
29の数字が あ るが 、 これ は音孔 の番号 と位 置 を示 してい る。 音孔 の位 置 は、直線 の上側 に示
した数字 によ り、共 鳴気柱 の入 口か らどれ程 の距 離 にあるかで示 され る。音 孔 23, 24, 2
5はバ スー ンに特徴 的 な深 い音孔 で あ る. この辺 に大 きい振幅 が見 られ る. 他社製 のバ スー ン
で は この辺 に 3つの鋭 い ピー クが見 られ る もの もあ る。 しか し音孔 とイ ンパ ル ス応答 の谷 の位
置 は正確 には必 ず しも一致 しない。
多数 の音孔 によ って 、共鳴気柱 の中 を伝 わ る波 は極 めて複雑 な動 きをす る。 体積流量 の イ ン
パ ル スに よ って発生 した正 の音圧 イ ンパ ル スは t-0 に現 れ、右 (気柱 出 口)方向 に進 むが、
音孔 に出会 うと負 の反射波 を入 口に送 り返 す と同時 に気柱 の右方 向 と音孔 の方 向 に分 かれて進
む。音孔 の出 口で反 射 した圧力波 は音孔 入 口 に戻 り、気柱人 口に戻 る もの 、気 柱 の右 方 向 に向
か うもの、再 び音孔 に戻 る ものの 3つ に分 か れ る。 共 鳴気柱 の右方 向 に向 か った波が第 2の音
孔 に出会 うと、第 1の音孔入 口にお け る と同様 な ことが起 こる。 第 2の音孔 か らの反 射波が入
口方 向 に もどる とき第 1の音孔 で また同様 に 3方 向 に分 かj
・
1て進 む.時間 の経過 と共 に気柱 入
口や気柱 右端 か らの反 射 波 が幾重 に も重 な って くる。
この よ うな複 雑 な プ ロセ スの結果 が図 10に示 されてい る。 そ して メー カー に よ って楽器 に
TI
ME
1
0
Bi丘ngerl
ng
図 10 バ スー ンの イ ンパ ル ス応答
-1
6
3-
1
5 (
ms)
井戸川
徹
相 当 な違 い'
の あ ることや、同 じメー カー の同 じ形式 の楽器 で も微妙 な違 いを持 つ ことが測定結
.
H
.
B
e
n
a
d
e教 授 やヤ マ- の竹内氏か ら聞 いた話 で は、 「楽器作 りの職 人 は出
果か ら知 られ た .A
来上 が った楽 器 の気柱入 口に唇 を寄 せ て フ ッ、 フ ッと吹 いて見 る」 そ うで あ る。 「共鳴気柱 の
上流 側程 重要 だ 」 と ウィー ンフィルの演奏 家 か ら聞 いたが、 もっと もな こ とで あ る。 人 口は リ
ー ドで ほぼ閉 じられて い るので そ こか らの反射波 が後 へ後 へ と影響 を及 ぼす か らで あ る。
(3)、
ク ラ リネ ッ トの反射関数
図 11は、 あ るク ラ リネ ッ トの反射 関 数 r (t) を S
c
h
u
n
a
c
h
e
,
V が計算 した結 果で あ るが 、
この場合 には、 G3(196Hz)の音 を発生 す るよ うに、管端 に近 い幾 つか の音孔 は開 かれた
c
h
u
nq
c
h
e
rによ って計算 され た同 じ場 合の イ ンパ ル ス応答 g (t) は 196
状態 にあ るo S
Hzの音 の 8周期分 の間変動 して 0にな らないの に対 して、 この反射 関数 は 196Hzの 2周
期程
(約 10m s) 以後 は殆 ど 0にな って い る。 この違 いは気柱人 口に おけ る音波 の反射 の
有無 によ って生 ず る。 しか し複数 の音孔 の相互 間 のあ るい は音孔 と管 端 間 の相互 干渉 は r (t)
に も現 れ る。 t- 2. 5- 3. 5 m sに見 え る 2つの谷 とそれ に続 く 2つ の山 は管端 にあ るベ
ルの影響 と思 われ る。 ベルの部分 で は気柱 が滑 らかに しか し急激 に開 いて い るので、波 は、気
柱人 口に圧 力波 を送 りなが ら、その ベルの斜面 と管端 の間で行 きつ戻 りつ複 雑 な動 きをす る。
図 1l S
c
h
u
n
a
c
h
e
r
Vの計算 に よ る ク ラ リネ ッ ト (G3:196 Hz漸 旨) の反射関数
4. クラ リネットの気柱振動 を計算 す る Schumacherの式叫
クラリネットの発音機構 は、 S
chu
na
c
h
erによる下記の (5)∼ (9)式 に よ って一応記述 で
きる。
-1
6
4-
楽器の非線形振動一木管楽器について-
'
打 如
十戒 甘 -
(
卜P
o
)
/
t
h
(5)
y は リー ドが開 く方 向 を正 と した リー ドの変 位 を表すO左辺 は リー ドの性 質 を 2階 の式 で近似
した ものであ り、
鋸 まリー
ドの
減衰 定数 、
W
oは リ- ドの共 振周 波数 で あ るo リ
ドにかか る
力 は 口の中の 定圧 力 Poとマ ウス ピー ス内 の圧 力 p の差 で きまるo なお、 卜 は り
単位面積 あた りの質 量 で あ る。
:
n
L i
3
/
1
卿
Met-P
.-p-
A3
/
1
ドの
(i)
号
1
6)
(
この式 は リー ド部分 を流 れ る空気 に関 す る運 動 方程式 であ る。 リー ド開 口 は、 リー ドの幅 を W
Me
(= 14mm) と し、W 〆弓 の長方形 の ス リ ッ トと考 えて い るo
は この ス リ ッ トを流 れ
る空 気 の実効 質 量で 、下 の (8)式 か ら計算 す る。 右辺 の最後 の項 は この ス リッ トを流 れ る空
気 の摩擦 を表 し、
A は定数 であ る。
P-P
k十Zo卜
zoS
拍
(7,
この式 は、マ ウス ピー ス内圧力 p に関 す る式 で あ る. 右辺第 1項 はあ る時 刻 か らみて過去 の
p や
f の影響 を表 し、下 の (9)式 にあ るた たみ込 み積分 で計 算 され る。 右辺 第 2項 は現在
の f に よ って発生 す る圧力 を表す 。第 3項 は リー ドの動 きがつ くり出す流 れ によ って発生 す
る圧 力で あ るo
Me-
また 、 sr は リー ドの実 効 面 積 で あ る。
(
P
/)
(
J
T
2"
十
ここで、 9は空 気 の密度 、 r=
‰C-戸0 出
2J
Tk
n2r
)
(8)
W/弓 で あ るo
[Z。
叶
t
t
,・P(
ト中
(9)
1
図 12は (5)、 (6) 、 (7)式 の数値 解 す なわ ち振動 が定 常 に達 した後 の p (t) 、 f
(t) 、
y(t) 波 形 を示すが 、その とき、 Po
.
-3
- 0. 4m,
m、
Z。- 2. 5 lx 10b
る以下 の数 値 を即 、た 0
k P a、
リー ドの静止 時 の開 口
H
pa s/ m3と した . また S
c
hu
m
a
c
h
e
,の論文覧 あ
%r-30 0 0 S
上
山。- 2 3 5 0 0- 19 5 0 0 S ㌧
ー1
6
5-
卜 -
井戸州
徹
o・
/023 1
k g/ m2、 A- 0・ 0797 M KS単臥
Sr- 1・ 46メ 1㌔ m20 さ
らに r (t) は、 クラ リネ ッ トに音孔 が ない もの と仮定 して計算 した。 その ときの r (t)
は図 12 (d) に示す よ うにな るt
。 これ は実際 の ク ラ リネ ッ トの内径寸法 の精密 な測定結果か
ら計算 した ものであ るが、実験結 果 と詳 しく照 合す るには、 もう少 し改良 が必要 であ る。
図 13は、図 12 a、 b、 Cか ら得 た ∫- p, y- ∫, y- pの関係 を示す。図 13の f
- p 曲線 と図 4 の差 に注 目 された い。
(a)
L
LPI
p (t)
(
'c
b,
'
f (t,
gD一
転
y (t
工
.
A:
W
(H-0. 4 m m 、 P。- 3 k P a)
0
図 12
1
0
2
0
ク ラ リネ ッ トの D3音 波形 と
図 13
クラ リネ ・
yトの D3音 の
f- p、
y- f、 p- yの関係
反 射関数
5.木管楽 器 の人工吹鳴
木管楽 器 が音 を発生 して い るとき、 p (t) 、 y (t) , ∫ (t) は どの よ うに変化 してい
るのか ?
この よ うな測定 デー ター は、以 前 たは報告 さnて いなか った。本節 には我 々が これ
-1
6
6-
楽器の非線形振動一木管楽器について-
らを測定 した結 果 を示 すQ 人間が吹奏 す る と安定 した吹奏条件 を長時 間持続 す る ことが難 しい
ので 、人工吹 鳴 の装 置 を作 って測定 した。 図 14 は人工 の 口の一例 であ る。 シ リコ ンゴムで人
間の唇 に似 た感 じの人工 の唇 を作 ●
りその間 に リー ドあ るいはマ ウス ピー スを は さん で、 は さみ
込 む深 さや唇 の締 め付 け具 合 いを調節 し (今後 これ を Ii
p-a
dj
ust
ment と呼 ぶ) 、人工 の 口の
p-a
dj
ust
ment を固定 して 、減圧 装 置 を手 で
中の圧 力 po を調 節 す ると、楽器 は発音 す る. li
操作 して、 Po を 0か ら、 リー ドがつぶれ て音 が 出 な くな るまで ゆ っ くり次第 に上昇 させ、 そ
p
-a
dj
ust
ment を変 えて繰 り返 した . この とき、 p (t) は、 マ
れか ら下降 させ た。 これ を li
ウス ピー スあ るいはパ ス- ン リ- ドに開 け た穴 の中 に プ ロー ブマ イク ロフォ ンの先端 を入 れ て
測定 した。 オー ボェの リー ドは小 さす ぎて p (t) の測定 は不 可能 で あ った。 y (t) はフォ
トダ イオー ドを用 いて測定 したO ク ラ リネ ッ トや オー ポェの場 合 には、ベ ル外側 か ら平行光 を
入射 し、 リー ド開 口を通過 して くる光 量 を観 測 した 。 バ スー ンの場 合 には リー ドの槌 か ら平行
光 を あて、 リー ドの陰 を フォ トダイオー ドで受 けて y (t) を観測 した。 P (t) は プ ロー ブ
マイ ク ロフォ ンあ るい は半導体圧 力計 で測定 した。 f (t) は直接測定 が困難 なので、熱線 風
速計 で空気 の風速 Ⅴ (t) を測定 した。 その とき熱 線風 速計 プ ロー ブの先端 は、人工 の 口の方
か ら、 リー ド開 口にで きるだけ近 ず け た位 置 に置 いた。 プ ロー ブを楽 器の内部例 えば マ ウス ピ
ー ス内部 に置 くと、 そ の位 置での粒子速度 を検 出 して しまい、 目的 を達成 で きなか った.
5. 1 ク ラ リネ ッ ト
ク ラ リネ ッ トの音孔 をす べて閉 じて人工吹 鳴 の実験 を行 った。従 って 、本 来 で あれば、 ク ラ
リネ ッ トの発振音 の基 本周 波数 は平均 律音階 の D3 (147 Hz)に近 い周波 数 を持 つ筈 で あ
p-adjust
me
nt を適 切 に調節 して固定 し、 Po を次第
るo ところが事情 は極 めて複雑で あ る。 li
に増加 させ また減少 させ る と、 Poの変化 に伴 って p (t), y (t), f (t) の振動 波形
は複雑 に変化 した。
ransiti
ondi
agra
m と呼 ぶ こ とに してお く。
その一例 を図 15に示 す。 このよ うな図 を t
Po を Oか ら上昇 させ て行 くと P0- 3. 8 kP a (- Ps) で ク ラ リネ ッ トは突然 発音 し
。
た。 その と きの音 の基 本 周波数 は、平 均 律音 階 の C菅 (1109 Hz)に近 い。 その後 P
の増加 に伴 -て音 の基 本周 波数 は僅 か ず つ連 続 的 に変化 したが、 やは り C
苦に近 い0
した枠 に対 応す る 3・ 8< P。 < 8・ 2
C
菅で示
kP a の範 囲で は、 P。 の変 化 に伴 って、発生音
の周波 数 お よび p (t) 、 V (t) ・弓 (t) の琴 形 は連続的 に可逆 的 に変化 し、突然大 き く
変化す るこ とはなか った. D3、D3H 、 Eい
C誉
L等 の他 の枠 で囲 まれた範 囲 で も同様 に、発
生音 の周波 数 や波 形 は連続 的 に可逆 的 に変化 したo P
0
-1
6
7-
- 8・ 2 kPaにな る と、突然 D3の
井戸川、徹
ai
rL
I
n
l
e
t
10
I
ll
卜
0
■一
一
O
65
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→
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t
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c
o
nr
u
b
b
e
r
図 14
人工 の口の一例
s
t
o
po
fvi
b
r
a
t
i
o
n
図 15
クラ リネ ッ トの transiti
ondi
agra
m の一例o実線 は Po 上昇時の、点線 は Po下 降
時 の tiansiti
oん を示 すo数値 は t
ransiti
on が発生 す る Po を kPa 単位 で表 すo
-1
68-
07
0
'0
細
州
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o
(
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2
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M
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2.
3
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(
b
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)
3
H
波形 。P
o:
ll
.
2
k
P
a
o
k
P
a
,
(
C
)C極 形 。 P
o=
4
・
8
k
P
a
,
1
1
0
8
.
7
H
z
+
2
0
c
e
nt.
l納
ユ
3
(
d)iL波形 oP
o:
3
.
7
k
Pa,
C
誉波形 に比較 的
近 いので省略 したo静止 時 の リー ド開 口 H
=
0
・
7
1m
m
o (a)、 (C) につ いて は吹 鳴 され るクラ リネ ッ トの横 のおい
たチ ューナーで測定 した周波数 を付記 して あ る。 c
e
n
tと言 う単位 につ いて は文末 の証 を参照。
T
3ぐ
レバ ー
図 16 クラ リネ ッ トの t
r
a
n
s
i
t
i
o
ndi
a
g
r
a
m (図 15) に示 した各振動状態 の波形 o E6
波形 は
- 牙 噸源輩 8
;
(
a
)D
3波形 oP
o:
7
・
!
k
P
a
.
1
4
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.
8
H
z
3
0
c
e
nt.
3
源難e
)等 箪 帯 新 野
5
二
s L等
且
L
13
刷呈
I
井戸州
徹
音 が聞 こえたo 上 に述 べ た よ うに、 D3枠 内つ ま り 5・5< Po< 11・ 5 kPaの範 囲 で
は、 Po の変化 によ って発生 者 の周 波 数 や波形 は連続 的 に可 逆 的 に変化 した o この間 Po の上
昇 は D声 の近 くで発 振 音 を増 加 -
た 。 P。-11・ 5 kPaになる と、 C篭 と D,の昔 が混
ざ った音 が さ らに低 い周 波 数 で変 調 され たよ うな音 が聞 こえ たo この状 態 を DaH と名付 けて お
くo P0-11・9 kPa (-Pc) にな る と、 リー ドが マ ウス ピー スに密着 して発振 が止 ま
ったo ここか ら Po を下 げ る と、 (多分 po を下 降 させ る速 さに よ って) 、 D3また は Eb(1
3 19 H z) の音 が発 生 した . E`か ら P。 を上 げ る と D,I
lの状 態 が再現 され 、下 げ る と
の音 が再 び聞 こえた .
P。-3・ 8 kPaにな る と、
C
苦
し と名付 けた状 態 が現 れ た
O
C
菅
この
状 態 で は、い ろいろ の高 さの音 に雑 音 が重 な っ
た よ うに聞 こえたO .
Po - 3・ 6 kP aで振
動 は止 ん だ。
上 記 の様子 を まとめて 、他 の楽 器 、 バ スー
ンや オー ボェや ソプ ラノサ キ ソ フ ォ ンで も成
り立 つ規則 と して以 下 に述 べ る。
(1)木管楽 器 は Ps <Po<PC の範囲
(
J
I
J
で発 振す る。 P。>PC で は リー ドは完全 に
y (t)
3
_
○
c の値 は楽 器 や
閉 じるo (2) Ps お よ び P
i
p
リー ドによ って変化 す るの み な らず 、 l
a
dj
u
st
n
e
nt
に よ って も変 化 す る. (3)同一
楽 器 を同 じ リー ドで 吹 鳴 して も、l
i
p
-a
dj
u
s
t
-
Y(
i
l
●701I.I - I)
me
ntによ って 、励 振 され る p (t)波形
の種 類 が異 な る。 (ク ラ リネ ッ トの I
i
ム
ー
a
d
-
- 8.2 1
0
y
tt)
一
日)
7.10
j
u
st
m
e
ntを変 え る と図 15とは全 く別 のいろ
r
a
nsi
t
i
o
J
ldi
a
g
r
a
mが得 られ 、その
い ろな t
中 に含 まれ る音 の種 類 も異 な る。 ) (4) Po
の あ る範 囲 の中 で は 、 Po の変 化 に伴 って発
生 音 の基本周 波数 や p (t) 波 形 は連続 的
に可逆的 に変化 す る。 (例 えば ク ラ リネ ッ ト
が 図 15で D3 の音 を発 生 す る と き、 Po 奄
図 17
ク ラ リネ ッ トの D 3状態 に お け
Ⅴ - p、y- V、y - p
5. 5- 11. 5 kPa の間 で変 え る と、
る
発生 者 の基 本周 波数 や p (t) 波 形 は連 続
の関 係
-1
7
0-
楽器の非線形振動-木管楽器について-
-
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e d q O ・l
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∫′●
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1.+
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I
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I.
-
D,
㌃霜
p`
numberofdata
図 18
的 に可逆 的 に変 化 す る。
:
257
D
pi
a
nM ber f data :470
aH
5.
O k P
o
cfL I
Td a p i
・
n
Mb
e
ro
f data :465
ク ラ リネ ッ ト p (t)波形 の fi
rstret
urnmap
)
(5) Po - Pt において p (t) 波形 は突然 不 可逆 的 に変 化 す
ansiti
on と呼 ぶ。 Pt の値 は Po を上 昇 させ る と き と下降 させ る と きで は一 般 的
る。 これ を tr
ransiti
on が発生 す る と Po を少 し く らい もど して も transiti
on はそ の
には異 な る. 一度 t
ま ま進 行す る。 (6) t
ransiti
on は 2つ の安定 領域 の間 で 、場 合 に よ って は、一 方 向 に しか進
行 しな い。 このため に Po の上 昇 下降 に伴 って発生 す る振動 状 態 には ヒステ リシスが あ るo
D3、D3日、C苦
および
p
(
、C
苦L
の状 態 にお け る
p
(
t), Ⅴ (t),
(t) , P (t) 波形
t) のパ ワ- スペ ク トル を図 16 a、 b、C 、 d に示 す。 (プ ロー ブ マ イ ク ロ フ
ォ ンの周波数 特性 は補 償 した。 ) 図 17は図 16aにつ いて
を示 す が 、図 13とよい一 致 を示 す. 図 18は D3、 D3Ⅰ
-、
,etur
nma。 で あ る.
算 され るか ら、
5. 2
ち
C空しの
V-p,y- V, y- p の関係
C
菅L状 態 の
p (t) の fi
rst
firstretur
n ma。 か らは 、fract
aldi
mensi
on - 1. 4
が計
C
誉Lの状 態 は chaotic regime にあ る と思 わ れ る
。
バ スー ン 1
0
バ スー ンの音孔 をす べて 閉 じて人工 吹 鳴 した ときの t
ransili
ondi
agra
m の一例 を図 19に
示す。 この図 の見方 は図 14の場 合 と同様 で あ る。 長方 形 の枠 の中 に は発振状態 の記 号 を記 し
て あ るo これ らの枠 を結 ぶ実線 は Po を上 昇 させ る と きの 、点線 は Po を下 降 させ る と きの
transiti
on を示 す o これ らの線 の傍 らにあ る数字 は Pt で あ るo 枠 の中 の B lはバ スー ンの最
低音
B
†(58. 3 H z) に近 い基本 周 波数 の音 を意味 し、 - 1、- 2、- 3‥
.等 は同 じ
周 波 数 の音 で も異 な る p (t) 波形 を持 つ もの を区別 す るため に図 19で左 の方 か ら付 けた
-1
71-
徹
井戸州
匡IQ
t
ue 1 叫 e !p
s u e11 Q ヽ-Yケ
、
uo !) !
6 t囲
-
72
-1
楽器の非線形振動一木管楽器について-
IQ ∈
C
零
1 叫 e !p
u
≡
o
se
u1
t Q I第 - セ
O N区
1
7
3
井戸川
徹
番号 で あ る。 音 孔 をす べ て閉 じた状態 で演 奏 家 が吹 奏 す る定 常 音 は、 バ スー ンの transiti
on
di
agra
m に お け る B l- 1状 態 の音 で あ る。 これ は耳 で聴 けばす ぐわ か る。 B2は Bヤ の 2倍
音 (B>
i :I 16. 5 I
・
Iz) に近 い基 本 周 波 数 の音 を意 味 す るo 同様 に 8 3 よ̀可
の 3倍 音
(F3:174・ 6 H z) に近 い周波 数 の音 で あ るo B (1- 6・ 3- 1) は、 B 1- 6 と B
3- 1の間 で発 生 す る うな りに似 た音 で あ る。 また Qを付 した transiti
on の線 は P。 を速 や
ansiti
on を示 す 。 ク ラ リネ ッ トの項 で示 した transiti
on の
か に変 化 させ る と きに生 ず る tr
規 則 が バ スー ンの場 合 に もあて は ま る。
5. 3 オー ボ ェ
オー ボ ェの音 孔 をす べ て閉 じて人工 吹 鳴 した と きの t
ransiti
ondi
agra
m の一 例 を図 2 0に
示 す 。 この図 の見 方 は ク ラ リネ ッ トや バ スー ンの場 合 と同 様 で あ る。 オー ボ ェの音 孔 をす べて
閉 じて演 奏 家 が 吹 奏 す る定 常 音 は Bい
233・ . I
・
Iz) で あ るo 音 楽 的 に満 足 出来 る の は
0 1- 1状 態 の音 で あ る こ とは 、聴 いて み れ ば す ぐわ か る。 また例 え ば 0 1- 5は 、基 本 周 波
数 が B雪 の音 で あ るが 、 5番 目に見 つ か る 、
y (t) 波 形 で あ る。 0 2の音 の基 本 周 波 数 は
B宝 の倍 音 (Bい
4 66・ 2 I
Iz) に近 い 0 0 3は B宅 の 3倍 音 (F5 ‥698・ 5 H z)
に近 い基本 周 波 数 を持 つ 。
6. 考察
バ スー ンに して もオー ボ ェ に して も、 1例 と して挙 げ た複 雑 な t
ransiti
ondi
agram は 、同
L
:I
)- ドを用 い 、 li
p-adjust
nent を そ の通 りに調 節 す れ ば何 度 で も繰 り返 し得 られ た。 しか し、
リー ドを変 え 、異 な る li
p-adjust
T
n
ent の もとで は異 な る transiti
ondi
agra
m が得 られ た.
4節 に述 べ た Schumacher の式 は ク ラ リネ ッ トに関 す る もの で あ るが 、 バ スー ンや オー ボ ェに
つ い て も同 様 な式 が 存 在 す る筈 で あ る。 そ して その安 定 解 が 、例 え ば オー ボ エ に お いて 見 られ
た極 めて多 数 の y (t) 波 形 を与 え る筈 で あ る。 しか しそ の方 程 式 は まだ知 られ て い な い。
Schumacher の ク ラ リネ ッ トに関 す る式 に して も、 ク ラ リネ ッ トの tr
ansiti
ondi
agram のす べ
て を与 え な い の で 、 まだ不 備 で あ る。 ク ラ リネ ッ ト、 バ スー ン、 オー ボ ェの振 舞 を完 全 に記 述
す る非線 形 方 程 式 が 明 確 にな った と き、木 管 楽 器 の発 音 機 構 は明 か に な る。
p-adjust
ment を固定 して P。 を変 化 させ る と き、人 工 の唇 と リ
人 工 吹 鳴 の実 験 に お いて li
ransiti
on が発 生 す るので はな いか と言 う疑 問 が あ
ー ドの接 触 位 置 が相 対 的 にず れ るため に t
る。 しか し t
ransiti
on に際 して は、 目に見 え る程 の唇 のず れ は観 測 され なか った 。 ま た鉛 筆
の先 端 で 目に見 え る程 度 故 意 に リー ドを動 か して みて も transi
ti
on は発生 しな か った。 いず
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7
4-
楽器の非線形振動一木管楽器について-
れ に して も l
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nt と Po に よ って多 くの種類 の振動 波形 や振動周 波数が発生 す る こ
とは確 実 であ る。
そ れ に して も、例 えば オー ボ L・
が示 す多様 な波形 の中か ら望 ま しい一 つ を選 び出す演奏者 の
修練 は驚嘆 に値 す る。 それ は タ ンギ ングと呼 ばれ る演奏技法 に よ る ところが大 であ る ら しい
。
木 管楽器 を演 奏す る とき、 ク ラ リネ ッ トであれ ば D3、バ スー ンで あれ ば B l- 1、オー ボエ
であれ ば 0 1- 1の状 態 に おけ る p (t) 波形 を吹奏 で きれ ば、持続 音 と して は充分 で あ る。
その他 の音 は初 心者 が しば しば誤 って発 す る音 で あ り、 また相 当 に熟達 した演奏家 で も時 と し
て誤 って発す る音 であ る。 これ らの音 が出 ない よ うに楽 器 を改良 出来 た と した ら、演奏 は容 易
にな る筈 であ る。 しか しそ の とき木管 楽 器 は果 して現在 よ り も優 れ た性 能 を持 ち得 るで あ ろ う
か。 木管楽器 の レスポ ンス等 、過 渡状 態 におけ る振舞 いにつ いて は、現在 の ところ、殆 ど何 も
知 られて いない. ク ラ リネ ッ トの D3、 バ スー ンの B l- 1、 オー ボェの 0 1- 1以外 の音 は果
して邪 魔 もので あろ うか。 それ らの存 在 を許す構造故 に レスポ ンスの よい木管楽 器が作 られ、
あ るいは演奏 において多彩 な表現 が可能 にな るのか も知 れ な い I
l。
これ までの楽 器 の物 理学 の研 究 は多 くの知見 を与 え は したが 、電 子 楽 器 を除 けば、従来 の楽
器 の構造 を根底 か ら変 えて しま う程 には到 らなか った と思 う。 一 つ に は我 々の耳 が現存 の楽 器
の音 を よ しとす るよ うに馴 らされて しま って い る ことに もよ るが 、長 い年月 をか けて改良 が加
え られて きた楽 器 の完 成度 の高 さに もよ るので あ ろ う。 電子 楽 器 の発達 は、合奏 と言 う音楽 す
る こ との、素人 は素人 な りの、最高 の楽 しみを我 々か ら奪 い去 って しま うか も知 れない。
7. ま とめ
木 管楽器 につ いて、我 々の研究室 で行 って きた実験 や測定 につ いて概要 を述 べた。
共 鳴気柱 の イ ンパ ル ス応 答 や反射 関 数 の測定 は、楽器 の検 査等 に実 用 に供 しうる有効 な新 し
い手 段 で あ る。 イ ンパ ル ス応答 や反射 関 数 の解釈 は、本文 に は示 さなか った共 鳴気柱 の簡単 な
モデ ルにつ いて の計算結 果 1
2に もと・
i
t
いて述 べ たo
吹 鳴条件 によ って木 管楽 器 が示 す極 めて複雑 な振舞 につ いて の デー ター は得 られた。 それ を
ど う理解す るか は今後 の問題 で あ る。 楽 器 の振舞 を物理学 の立 場 か ら理解 す ることと楽 器 の製
作技 術 とは、多 くの接 点 を持 つ には遵 いないが 、本来異質 な もので あ ろ う。
楽 器 は、演奏者 の熟 練 に よ って は じめて楽器 とな る。
謝辞
研究 を進 め るにあた って多 くの方 々か らご教示 あ るい は ご援助 を頂 いた。九州芸術工科
大学 安 藤 由典学 長 、京都大学 池 田研介 教 授 、筑波大学 の小川 泰教 授 や平 田隆 幸助 手 、 ロゲル グ
-
1
75 -
井戸川
徹
研究所 の近藤正夫先生 、ヤマ-株式会社 の竹内明彦氏 、電気通信大学 中村動教授 、東 京大学南
雲仁一名誉教授 に厚 く感謝す る。 最後 に物性研究 に投稿の機会 を与 えて下 さ った池 田研介教授
にお礼 を申 し上 げ る。
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(註 ) 2つ の音 の音程 (i
L
nt
er
val
) は cent と言 う単位で表 され る. 2つの音 の周波数 を fい
f2 とす る と き、 fI/ f
ユ -2托/l
200 な らば、 これ ら 2音 の音程 は n c
ent
で あ る と言 う.
平均律音階 の 1半音 は 100 c
entで あ り、 1オクターブは 12半音 つ ま り 1200 ce
nt
であ る。
ー1
7
6-
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