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Si - 奈良先端科学技術大学院大学附属図書館
奈良先端大学特別講演@2007年12月17日 半導体ヘテロ成長技術の進展と多機能デバイスの夢 (二流研究者の独白@企業と大学の狭間で生きて) 九州大学・システム情報科学研究院 宮尾正信 ・1974/03 : 阪大・基礎工(博士) ・74/04-99/07: 日立製作所・中央研究所 ・1999/08 : 九州大学に転出 §1. トランジスタの発明とULSIの進展、そしてその限界 §2.Si-ULSIの技術課題とSi系ヘテロ構造によるブレークスルー 企業の研究所で生き残るには? §3.Si系ヘテロ構造の新たな展開 大学で意味ある仕事をし続けるには? §4.研究/開発に関して考えること 第1章 トランジスタの発明とULSIの進展、そしてその限界 ・ 世界の半導体市場とその成長 ・ トランジスタの発明と集積回路の概念創出 ・ MOSデバイスとスケーリング ・ スケーリング限界と新技術への期待 世界半導体市場の成長 102 市場規模 (兆円/年) LSI市場 (17%/年) 101 100 LCD市場 (26%/年) 10-1 10-2 大型コンピュータ 10-3 1960 1970 1980 時期 (年) ポストPC PC 1990 2000 2010 日経マイクロデバイス2000年1月号に基づく ポストPC:ブロードバンドインフラ,携帯端末,ロボット,------------ トランジスタの発明@ベル研究所(1947年) → ノーベル賞@1956年 集積回路の概念( Trs,R,C,Lを一つのウエーハ上に形成)創出 @1958年 ノーベル賞@2000年 Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistors ゲート電圧を印加し基板の伝導タイプと逆領域(反転層)を作り 電流を流す nチャネルMOSFET(nMOS)…電子が流れる pチャネルMOSFET(pMOS)…正孔が流れる MOSFETは何に使われているか 論理ゲートとして スイッチとして ビット線 VDD VDD VDD RL QL (D) ワード線 V out QP V out V out QA QT V in V in (E) V in QA (E) QN CS 抵抗負荷 インバータ 1MOSトランジスタセル(DRAM) ED インバータ CMOS スタティック インバータ ULSIの指導原理(スケーリング) If, L→1/k 比例縮小@電界一定 then 効果 小さくする事は良いことだ! ・集積度の向上 ・ビット当たり単価の低減(チップ数/プロセスの増加) ・高周波特性の向上 ・消費電力の減少 スケーリングが性能向上(4倍/3年)を牽引 集積回路(ULSI)の進展とその課題 LSIの指導原理:スケーリング デバイスの寸法を等倍で縮小 1k(103)ビットDRAM@1970年 高速・低消費電力化 4G(109)ビットDRAM@2004年 10T LSIの課題 100G 10G DRAM 1G 100M 10M 1 1M 0.1 デバイス最小寸法 1995 2000 2005 0.01 2010 2015 年 デバイス最小寸法(μm) デバイス数/チップ 1T 2010年以降微細化が困難 → 高速・低消費電力化限界 微細化に頼らない 独創的アプローチが必須 第2章 Si-ULSIの技術課題とSi系ヘテロ構造によるブレークスルー ・ Si系ヘテロ構造とは? ・ 素子微細化による移動度低下とSiGeヘテロ構造 によるブレークスルー ・ 素子高密度化による配線遅延とSiGe量子構造 によるブレークスルー ・ ボンド配列制御工学の夢 日立・中央研究所での仕事を例とし、 「企業の研究所で生きのこるには」を 語りたく。 Si-ULSIの技術課題と Siヘテロ構造によるブレークスルー 作成@1998 新機能で限界打破 Siに異種原子導入 「Si単独→SiGe混晶」,「Si単独→ヘテロ界面」 ,「無歪→歪み」 Siヘテロ構造を創出 チャネル長の微細化 不純物濃度の増加 スケーリング設計(ポアソンeq.同一化) 不純物散乱の顕在化 SiGe-HEMTデバイス(Bell@1984)と 我々のアプローチ(1988) 不純物はSi層にドーピング 発生したキャリヤはEg の小さなSiGeを走行 研究室を持ち、SiGe開始を決めた時(1988年)に考えた事 科学と技術:「p型Geチャンネル+歪み導入」で世界トップを狙え 本心 : ・Gr発足直後。初戦に勝たねばGrは--・Geなら必ず高μ,例えヘテロ界面がドジでも。 J.Cryst.Growth 111,912,(1991) 基板はGe, これも宮尾流の戦略 超高速用歪Geチャネルデバイスの進歩@ULSI 超高速用歪Geチャネルデバイスの進歩@ULSI μ300K =2700cm2/Vs μ77K =9000cm2/Vs μ77K=9000cm2/Vs Source P+ Gate Ga Gate Si0.5Ge0.5 歪Ge P+ Si1-xGex buffer layer Ge (100) 1991年 宮尾・村上・中川他 J. Cryst. Growth 111, (1991), 912 Drain Source Drain P+ 12年 12年 Al SiO2 Si Si0.3Ge0.7 歪Ge channel Si0.3Ge0.7 P+ δ-Sb Si0.3Ge0.7 Si (100) 2003年 白木・中川・入沢他 J. Cryst. Growth 251, (2003), 670 1989年9月8日 長期研究計画:宮尾GR@1988年 1988 1989 1990 1991 1992 1993 R/Dには戦略性のある 定義が必要 Siヘテロ構造とは? 新聞発表 研究ブランクへ SiGe研究開始 Siと異種材料の多層構造にあらず 企画室:1年(’90/9~’91/8) Si-LSIと整合性のある新構造 部長職:5年(’91/9~’96/8) 研究ブランクから復帰して考えた事 @‘96/8 ターゲット : SiGeトランジスタの実用化 アプローチ : 基板をSiに Ge濃度は30%以下に LSIプロセスとの整合 新型SiGe/Siヘテロ構造の提案(超高移動度への挑戦) 新味 「Si単独→SiGe混晶」,「Si単独→ヘテロ界面」 ,「無歪→歪み」 OURS N.Sugii, M.Miyao et al Semicond. Sci. Tech. 13, A140, (1998) 高移動度SiGeヘテロ構造の変遷、そして反省 我々(1990年) 我々(1997年) ・ SiGeを用いデバイスの高移動度化を図る研究は1984年に開始。 ・ 1990年に宮尾達が歪み導入HEMT構造を提案し、興隆。先ずは勝ち戦。 ・ でも、本当に役立つの?だってHEMTでしょう!Gmは損だよ! 歪みSiの始まり ・Si上に歪の無いSiGeを形成 ・このSiGeは単なる基板(仮想基板) ・その上にSiをエピすれば歪が導入 ・バンド構造が変調されm*が軽くなる → μが約2倍化 ・CMOSプロセスがそのまま使える 1998年よりMOS構造への展開が始まる ・Hoyt他@1998年 ・宮尾他@1999年 ・μは高々2倍 ・されどコンパチプロセスでCMOS特性が一挙 に倍化 ・大流行の兆し N.Sugii, M.Miyao et al Appl.Phys.Lett 75, 2948, (1999) SiGe-HEMT(変調ドープ構造)と歪Si-MOSFETの得失 SiGe-HEMT 歪Si-MOSFET ・最近の主流は圧倒的に歪みSi(MOSFET)。理由は簡単、CMOSコンパチだから。 ・では、1980年代にSiGe研究のターゲットを歪みSiにしていたら? → 多分、SiGe研究は20年は継続していない。 ・結局、研究には夢と飯の両方が必要。(特にR志望者には) M.Miyao,K.Nakagawa,Y.Kimura,M.Hirao: J.Vac.Sci.Tech.B16,1529,(1998) Si/SiGe混晶/Si構造に於ける室温発光の発見 間接遷移型半導体(Si,Ge)の発光 ・ボンド配列工学の始まり(科学) ・LSI光配線の夢(産業) 不思議な現象(発光強度VS成長温度)との遭遇 機構解明(仮説・理論検討&検証実験) 新たな発展 仮説: Ge-Ge対の無いSiGeで発光 理論&実験で検証 Y.Kimura,K.Nakagawa,M.Miyao: Appl.Phys.Lett. 73,232,(1998) 1999年当時の夢 但し、中々---- Si系ヘテロ構造の研究に関する纏め @1999年 第3章 SiGeヘテロ構造の新たな展開 ・ 九大に赴任して考えたSiGeの研究戦略 ・ Si基板(ULSI)からガラス基板(TFT)への展開 ・ 歪みSi技術をベースとした高機能Siウエーハの開発 ・ 珍材料(FeSi2,Fe3Si)への興味 ・ 電子・光・磁気機能混載の夢(ハイブリッドマテリアル) 九大での仕事を例にして 「大学で意味ある仕事を続けるには」 を語りたく。 九州大学転出@ 1999年8月 → 研究戦略@ 2000年4月 SiGeヘテロ材料/デバイスの研究状況と研究戦略 中島教授との討議 ウエハーとして仕事は! ・ 企業の出番。大学でする仕事 科学振興調整:先導的研究(2001~2003) ナシ。 科学振興調整:産官学の効果推進(2004~2005) 本心: SiGeも高度化し,量子井戸等の複雑構造が常識。 ゼロから日立時代レベルに持上げるには2年が要。 同レベルになった処で何が嬉しい。ならば----! 九州大学・システム情報科学院・宮尾研究室(20名) -教授/准教授/技術補佐(2名)/D2(2名)/D1(1名)/M2(5名)/M1(4名)/B4(4名)電話:092-802-3736 ファックス:092-802-3724 Eメール:[email protected] http://www.ed.kyushu-u.ac.jp/~miyao/nano_tj.html 学術振興特別研究員 1名@昨年 + 3名@本年 = DR全員(4名)@来年 A. SiGe擬似単結晶技術(非晶質絶縁膜上に於ける結晶成長) 1. SiGe/絶縁膜の低温形成とTrs試作→システムインデイスプレー応用 2. ハイブリッドマテリアルの創出→ULSIへの電子/光/スピン機能の混載 B. 歪Si,歪SOI(Si on Insulator)技術→次世代CMOSの高速化 1. 歪Si/SiGe/SOI結晶の高品質化技術 2. 歪縦方向化による歪Siデバイスの立体化 C. 鉄シリサイド技術→ ULSIへの新機能(光/スピン)の導入 1. FeSi2/Siの形成と1.5μm帯発受光デバイスへの応用 2. Fe3Si/SiGe原子層エピタキシャル成長とスピントランジスタの試作 SiGe結晶成長の新展開(Si基板からガラス基板へ): システムインディスプレーへの応用を目指して ディスプレイ:低速動作 透明石英基板 システムインディスプレイ:高速動作 a-Si 画素 駆動用TFT システム部:高速動作 CPU ボード 透明ガラス基板 画素 駆動用 TFT 高速演算用 TFT (CPU, メモリ) 高速TFTの低温形成(≦500℃)が鍵 メモリ 高機能SiGe半導体の利用を提案 何故,TFT peopleはSiに拘るの? 素朴な疑問と宮尾戦略 TFTでは Siの特長(ULSI) 良好な基板(強固,熱伝導率) 不要 (∵ガラス基板) 微細加工技術 不要 熱酸化(ゲート酸化膜他) 不要 (∵CVD, high ε) ULSIにおけるSiのメリットの大半はTFTでは消失 Si 低温成長 高移動度(cm2/Vs) Ge ~750℃(SPC) ~500℃(SPC) μn = 1880 μn =3800 μp = 400 μp =1800 TFTではGeのメリット(低温成長)が顕在化 室温動作(Eg)を考慮し、Ge(Si)に注力 触媒金属(Ni)利用による a-Siの低温固相成長 ① Niパターン蒸着 Ni a-Si 石英 MILC: Metal Induced Lateral Crystallization 自由エネルギー ② Ni直下におけるNiシリサイド形成 c-Si a-Si NixSiy/c-Si NiSi2 B NixSiy 成長核 A ③ c-Si NiSi2を成長端とした固相成長 NixSiy/a-Si Ni C 66.6% Si濃度(%) NixSiy/Si系のエネルギー相図 Si NiSi2 ④ 多結晶Si薄膜形成 Si1-XGeX(0≦X≦1)混晶系に於けるMILC成長は??? SiGeの触媒金属誘起横方向成長(MILC) (H. Kanno,M.Miyao et al: Appl. Phys. Lett. 82 (2003) 2148.) 50μm Ni NiSi2 90 o (5nm thick) annealing : 550 C poly-SiGe a-SiGe Ni quartz a-SiGe Ge:20%, 20h Lateral growth length (μm) 80 thickness : 50nm 70 dendrite(4h) 60 No Growth 50 40 30 plane(20h) 20 10 0 0 Ge:40%, 4h Ge:80%, 2h 20 40 60 Ge fraction (%) 80 100 • Low Ge fraction < 20% : plane morphology • Medium Ge fraction ~ 40-60% : plane + dendrite morphology • High Ge fraction > 80% : no crystallization SiGe-MILCにはSi存在 が必須 Ni-MILC of Ge at low temp. o 20μm 20μm 350 C 40h Limiting Factor for MILC MILC 20μm 20μm 2μm a-Ge Ni 30h 10 6 30 400oC Incubation time (min) Lateral growth length (μm) SiO2 30h 20h 350oC 20 10 550oC 0 MILC poly-Ge SiO2 30 10h 0 10μm 10 20 30 Annealing time (h) 10 4 10 2 10 0 MILC Spontaneous nucleation in Ge –2 10 –4 40 10 350 400 450 500 550 Annealing temperature (oC) Spontaneous nucleation of Ge stops the MILC 我々論文の推論を否定するAPL 89,182120(2006)論文を 700 :MILC, o Temperature ( C) × ×:No-MILC Spontaneous × Nucleation 600 × 500 MILC成長@Ge全領域 ・Ni-catalysis effectively induce lateral crystallization for all Ge fraction by lowering annealing temperature MILC 残された課題 × 400 0 20 40 60 80 デンドライト成長@Ge中濃度領域 デバイス適用には均一成長化 100 Ge fraction (%) Si poly-Si Si0.6Ge0.4 50μm 50μm Ni Si0.4Ge0.6 Ge 50μm μmm 20 20μμ 20 μm 2μ m Ni Ni Ni 550℃, 4h 550℃, 2h 350℃,30h a-Si 550℃, 20h plane morphology dendritemorphology morphology dendrite plane morphology 金属誘起SiGe成長の制御:電界印加のアイデイア dendrite growth Ni 電界 plane growth Ni 電界 plane growth Ni step1 ヒーター step2 sub-grain boundary channel direction 電界印加への期待 Step1(中電界):Niの均一拡散によるデンドライト成長の抑制 Step2(高電界):Ni拡散の電界整合による亜粒界の抑制 金属誘起成長に電界印加を重畳: SiGeが均一成長 実験方法 50μm 20V Ni (+) Ni Ni (-) Ni Ge:40%@電界(0 V/cm) a-SiGe 石英 heater 幅 = 40~6000 μm 電界強度 = 33~5000 V/cm Ni (-) Ni (+) Ge:40%@電界(25 V/cm) ・-極から+極へと成長促進(負に帯電したNi原子の移動) ・SiGeデンドライト成長が抑制され均一成長が発現 H.Kannno, M.Miyao et al, Int. Conf. AM-LCD2005 高電界下(≧2000V/cm)における金属誘起成長の整列 4μm 33V/cm poly-Si a-Si + Ni - 70.5o 4μm 333V/cm a-Si poly-Si Ni + - 4μm 2500V/cm a-Si poly-Si + 世界初 Ni - 亜粒界制御に期待 H.Kanno, M.Miyao et al: J. Cry. Growth 279, 1 (2005) 電界印加型金属誘起SiGe成長に於ける興味深い現象 横方向成長距離 (μ m) 300 o anneal: 525 C, 25h cathode side 250 Ge fraction 金属触媒 : 0% : 10% 40% : 20% 200 : 30% : 40% 150 SiGe 均一成長 10% 0 0 10 20% 0% 1 電 界 Si Ge 電界 整列領域 30% 100 50 熱 2 10 10 印可電界(V/cm) 10 3 10 4 従来研究 ・従来研究(金属-Siの熱反応)に新たなパラメータ(Ge,電界)が導入 ・統合的理解と制御には深い研究が必要 新型トランジスタ(ショットキーS/D構造) ・基板浮遊効果の抑制 ・低温プロセス(フレキシブル基板を視野に) S/D(ショットキー接合)TFT N-チャンネル動作 P-チャンネル動作 NiSiGe 0 10 -2 石英 -6 2 VG=-15V VG=11V 5 -8 -10 -12 -10 VG=12V VG=-14V ID(μA) SiGe ID(μA) -4 LApower:400mJ/cm L/W=10/100μm VG=10V VG=-16V 2 -8 LApower:400mJ/cm L/W=10/100μm -6 -4 -2 0 VD(V) 0 0 2 4 6 VD(V) 8 10 「システムインディスプレーの実現」と「フレキシブル基板への展開」 を目指し研究を加速 歪みSiによる高速MOS-Trs試作 のその後は? 原理実証は論文化。次世代CMOSの有力候補。企業の出番。 大学でする仕事ナシ(今更勝てない)。これは止めよう! 否,待て! ウェーハとしての仕事は? 国家PJ起案を!(中島教授) 数件落選後、漸くの採択 「文科省/科学技術振興調整/先導的研究の推進」 「高速LSI用歪SOIウェーハの研究開発」(2001~2003年度) PJリーダ:中島寛 (九大・九工大・産総研・SUMCO・福菱) 「文科省/科学技術振興調整/産学官共同研究の効果的な推進」 「次世代LSI用高機能Siウェーハの開発 (2004~2005年度) PJリーダ:宮尾正信 (九大・九工大・SUMCO) 高 機 能 Si ウ ェ ー ハ に よ る L S I の 高 速 化 ⎛ K ⎞ Cload td = ⎜⎜ ⎟⎟ (td :情報処理時間) ⎝ VD ⎠ μ Cload :寄生容量,μ:キャリア移動度, VD :電源電圧, K:定数 バルクSiウェーハ ゲート ソース μ VD ドレイン 空乏層 Si基板 高機能Siウェーハ VD ゲート Cloadの低減 ソース μの増加 Cload 高機能Siウェーハ (歪Si/ SiGeバッファ/ SiO2構造) ・Siへの歪導入 バンド変調 ・歪Si/SiGeバッファの極薄化 空乏層容量 ・Si基板との絶縁分離 の遮断 歪Si SiGeバッファ ドレイン 極薄 SiO2 Si基板 μの増加 Cload の低減 本 PJ本PJの達成目標@2006年3月 の 達 成 目 標 @ 2006年/3月 引張り歪 構 拡大 拡大 引張り歪 (1.2%) 歪Si 造 SiGe バッファ 0.1μm 以下 SiO2 高機能Siウェーハ 断面 断面 Si基板 絶縁分離型の極薄Si 機 歪Si 電界 能 キャリア移動度の1.5倍化 寄生容量の1/2化 ・高機能Siウェーハを量産対応(8インチ直径)で実現 ・CMOSデバイス・回路を試作し、高速化(3倍)を実証 LSIロードマップの3世代(9年)先取り 新結晶成長(結合変調型界面滑り法)考案 ウエーハ(8インチ)試作 特許出願:2002-2848, 2003-157398,157400 2005-0900083,090084 デバイス試作 PCVD oxide: 20nm Al Gate Ox.: wet 10nm + PCVD 20nm p+ SGOI p+ 100 gm [μS] BOX sub. L/W = 5/15 μm VDS = –1 V 50% SGOI (Ge:15 %) 50 SOI poly-Si 歪Si SGOI Oxide 0 0 BOX sub. –2 –4 –6 VGS [V] Trs試作@浅野研究室(九工大) CMOS回路性能の3倍化@2006/3を実証し,(A)評価で完 カーエレクトロニクス用高機能Siデバイス創製の為の基盤技術開発 (知的クラスター創製事業第Ⅱ期:1999-2012年) ベース エミッタ SiN(ストレスソース) fT(遮断周波数) コレクタ SiO 縦方向歪 Si O 2 目指す方向 SiGe(ストレスソース) Si基板 バイポーラトランジスタの基本構造 fT=1/(2π∗(τe+τb+τx+τc) τe : エミッタ/ベース接合充放電時定数 τb : 電子のベース走行時間 τx : コレクタ/ベース接合充放電時定数 τc : 電子のコレクタ走行時間 Ic(コレクタ電流) ・ストレスソース(SiN,SiGe)による縦方向歪の創出 ・歪ベース構造による低電力/高周波化 新(珍)材料への展開:動機は不純、何か珍材料は?只、それだけ。 β-FeSi2/Siによる光機能の創出(共研:前田研@京大) c 受光特性 b β-FeSi2 a 1.5μm帯光 励起光 強度 透明電極 β-FeSi2 Ip バンドギャップ 室温 0.6 Si 0.75 0.8 0.85 光子エネルギー (eV) 直接遷移型半導体の実現 0.7 0.8 0.9 1 光子エネルギー (eV) 検出信号 (2mV / div) PL強度 (a.u.) @25K 光電流 (a.u.) 発光特性 時間 (1ms/div) 1.5μm帯で動作実証 Fe-Si系のもっと面白い特徴は? そうだ!磁性だ! Fe3Si/Ge(111)構造の原子層制御エピタキシャル成長 Fe3Si/Ge(111) M (A/m) 断面TEM観察像 0o 30 o 60 o 90 o Fe3Si - 40 10 6 Fe 0 - 20 3 Si/Ge(111) 40 20 Hex ( Oe ) Ge (111) - 10 2nm Fe3Si/Ge(100) M (A/m) 断面TEM観察像 0o 30 o 60 o 90 o Fe3Si - 40 Ge (100) 6 10 - 20 6 Fe 0 20 - 10 3 Si/Ge(100) 40 Hex ( Oe ) 6 2nm ・先生、Si上でFe3Siがエピ成長している様ですが! 60℃でです。 馬鹿!あり得ない! 何度だ? ・ 共有結合の常識にとらわれた教員が馬鹿と判明。データには真摯に! 強磁性Fe3Si/半導体ヘテロ接合を用いたスピントロニクスデバイスの創製 ー特定領域研究「シリコンナノエレクトロニクスの新展開」ー ポイントはヘテロ界面の 原子層制御 Fe3Si ドレイン (強磁性シリサイド) ソース (強磁性シリサイド) ヘテロ界面 原子層整合 ゲート e スピン 注入 e e e 絶縁膜 e e e SiGe SiGe / Si基板 Fe Si Ge ・ Fe3Si/SiGe結晶のDO3化と磁気特性評価 ・ Fe3Si/SiGe界面の原子層制御と電気的特性評価 ・ スピントロニクスデバイスの試作 Fe/Si 比 & 成長温度の最適化 Fe channeling //Ge<111> II I 100 III 60 (4:1)Fe3Si 34 θ=165o Fe3Si/Ge(111) χmin (%) 2MeV 4He+ 10 29 10.0 4.0 2.2 2.2 12 (3:1)Fe3Si 2.9 Inter-diffusion: Fe,Ge 1 50 100 150 200 250 300 350 400 450 Growth Temperature TG (oC) 領域 (Ⅰ)&(Ⅱ) ・ 極小χmin (2.2%) @ Fe/Si=3/1 ・ 劣悪 χmin @ Fe/Si=4/1 領域 (Ⅱ) ∵過剰Feによる増速拡散 (Fe,Ge) 原子層制御エピタキシーの実現:Fe3Si/Ge(111)構造 Fe3Si layer Fe3Si/Ge Ge buffer Very Very low low χ χmin min :2.2% :2.2% 成長最適化(Fe/Si=3:1,成長@130℃)で原子層 で平坦なヘテロ界面を実現 現在、磁気特性&電気的特性 の詳細を評価中 電子・光・磁気機能を混載した高機能ULSIの夢 Si系ヘテロ構造の創出 ・有効質量の低減 ・二次元伝導の発現 ・バンド構造の直接遷移化 ・強磁性相の発現 大規模回路の高速化 光出入力機能 超高速スピン演算機能 “ハイブリッドマテリアルPJ”の開始(2007/4~) これらの夢は いづれ、又 超高速入/出力回路(SiGe-HEMT) センサ 超高演算回路 (Fe3Siスピントランジスタ) 超高速光配線(SiGe,β-FeSi2オプトデバイス) 大規模記憶回路 (歪SOI-FET ) ディスプレイ まとめ ・九州大学における「Si系ヘテロ構造の新たな展開」に関し、 研究活動の一端を紹介。 ・Si系ヘテロ半導体によるSi集積回路の高性能化 ・新結晶成長技術によるフレキシブルプラットフォームへの展開 ・ハイブリッドマテリアルによる電子・光・磁気機能の融合 ・ナノテクノロジーの極限を追求し、未来型情報処理デバイス の実現を通して新パラダイムの創出に努力して行く所存。21 世紀の科学技術の進歩及び新産業の創出に幾分かの貢献が出 来れば望外の喜び。 ・産官学の方々との刺激的な交流をお願いしたい。 第4章 研究/開発に関して考えること ・ 二流研究者が生き残るには? ・ 研究/開発とスポーツ ・ 若き学徒へのお願い 研究室に於ける宮尾の口癖 二流研究者が生き残るには ・我は二流との自覚 ・生き残るには工夫と戦略 ・Only-Oneの土俵を創ろう ・夢多き言葉で外に語ろう ・さすれば道は拓かれる 「研究の心」の一端取得 そう簡単に出来るものでも無い。 練ろう練ろう!その内、納豆も発酵する! オリンピック? 二流研究者が生き残るには: 否,プロレス ・研究とは参加するにあらず。勝ってなんぼの世界。 ・スポーツと異なりルール無き戦い!否、自分に有利なルー ルを作り出す事がOnly-Oneの土俵作り。 ・もし、楽天イーグルスの監督ならば [勝試合数ー負試合数]/[選手年棒] を提案。 ・これを 新しい価値観の創出 How to make から What to makeへの様変わり と呼ぶ *Figure of Merit (戦うルール)を審判に任せる or 自が作る、これがスポーツと研究の大きな差 → ならば、二流だって勝てるぞ! 一段上のOnly-Oneへ ・何でも良いのか,Only-Oneならば? ・一人よがりのOnly-One。それを“無人島攻 撃“と人は呼ぶ。 ・意味あるOnly-One。それを“新潮流の創製” と尊敬する。 ・でも、一気に目指すな。ニッチもいつかは潮流 となる。 若き学徒へのお願い “人類の進化と向上”に貢献する創造的活動は 本来的に楽しいものである。 研究/開発/製造とは新しい知的価値を創出 (否,付加で充分)して,人類に貢献する事。 自らが楽しみ、皆様に喜ばれる。こんな楽しい 仕事を選んだ幸せに感謝して、歓喜で精進を!