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ファーストクラスの車椅子を目指して
ファーストクラスの車椅子を目指して ~利用者に合った車椅子を考える~ ウエルハウス協和 栁田 節子 療養棟4階 猪飼 和也 はじめに 51床の一般療養棟である。平均介護度は3.1 日中を車椅子で生活する利用者が多く、 姿勢くずれのために、ずり落ちや転倒の 危険性がある 坐位姿勢の改善、安全性の確保のために リハビリテーション科職員と検討した 研究期間:平成24年5月11日~12月8日 対象者 A氏 女性 89才 パーキンソン病、慢性関節リウマチ 認知症度Ⅱb、寝たきり度B2 介護度2 B氏 80才 男性 脳梗塞 認知症度Ⅱb、寝たきり度B2 介護度2 C氏 76才 男性 頚椎症 脳梗塞 両膝関節症 認知症度Ⅲa 寝たきり度B2 介護度5 D氏 77才 男性 脳出血 認知症度Ⅲa 介護度5 寝たきり度B2 倫理的配慮 対象者とその家族に研究の説明を行い、同意を得た 当施設の車椅子 小型、普通型、大型 モジュラー型 ティルトリクライニング型 アンケートの結果 対象者の車椅子からの転倒(ずり落ち) 防止に必要なこと → A氏とD氏はクッションの活用 → B氏とC氏は移乗直後の安定した坐位 の確保と坐位姿勢の観察 アンケート結果をふまえ、 個別にリハビリテーション科職員と検討 A氏の場合 取り組み前の 座位姿勢 隙間ができてしまう 左右への傾きや 前屈姿勢がみられる L字型クッション 作成 B氏の場合 取り組み前の 座位姿勢 麻痺側に傾いてしまう 隙間ができてしまう モジュラー型 車椅子使用 麻痺側に付属の クッションを使用 健側にもクッションを使用 取り組み後 食事の姿勢が良くなった A氏 B氏 隙間がなくなった 臀部のずれが減少した 左右の傾きがなくなった C氏とD氏は・・・ C氏・D氏 ・・・自分で殿部をずらす行為が 多く、除圧タイムや、クッションの工夫をした が、改善しなかった。 ずり落ちや転倒に関するひやりはっと・インシデント報告 A氏 B氏 C氏 D氏 ひやりはっと インシデント 取り組み前 取り組み後 取り組み前 取り組み後 3 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 考察 A氏・B氏は坐位姿勢が安定すること で、転倒・転落のリスクが軽減できた。 食事をとる姿勢も良くなり、QOLの 向上につながったと考える C氏・D氏のように殿部を自身でずら す姿勢くずれへの対応は困難であった 施設では、車椅子は利用者一人ひとり にオーダーメイドは出来ない 既製品の車椅子を個々の利用者に適応 させることが重要である