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H24年度アオコ調査結果
H24年度アオコ調査結果 霞ケ浦環境科学センター 湖沼環境研究室 小日向寿夫 1 ○調査目的 以下の2点を明らかにする。 (1)アオコの原因となるラン藻がどこで,どの位発生しているか? (2)アオコの発生量や発生場所に影響を与えた条件は何か? (1)の調査方法 表面付近の湖水を採水して, 含有するフィコシアニン濃度を 調べる。 ※一部検鏡を実施 調査場所 安塚沖 土浦 湖心 武井沖 (2)の調査方法 フィコシアニン濃度と気象,水 温,栄養塩との関係を調べる。 調査期間 6/19~8/31 2 ○フィコシアニン濃度 ≒ アオコの原因となるラン藻類の発生量? 〈土浦の場合〉 アオコの原因と なるラン藻類 3 アオコの原因となるラン藻がどこで,どの位発生しているか? ○調査地点別のフィコシアニン濃度の経日変化 4 アオコの発生量や発生場所に影響を与えた条件は何か? ○アオコの発生量と気象の関係 アオコの発生条件 高水温 光環境が良い 水の移動が少ない 気象の条件 高気温 日照時間が長い 少雨 弱風(<=4m/s)※1 今回 ○(7月以降) ○ ○ △(場所による) ※1 岩佐義朗編著 湖沼工学 372-374 (記載は3.7m/sだが,3.7m/s≒4m/sとした。) 〈土浦〉 〈湖心〉 5 データ:気象庁 アオコの発生量や発生場所に影響を与えた条件は何か? ○アオコの発生場所と気象(風向)の関係 湖心 土浦 ◎ ◎ 釜谷沖 ◎ ◎ 掛馬沖 6 データ:霞ヶ浦河川事務所及び(独)水資源機構 アオコの発生量や発生場所に影響を与えた条件は何か? ○アオコの発生場所と地理的条件の関係 〈高浜入り 8/15〉 1 4 3 2 5 6 7 12 8 9 10 11 13 14 7 アオコの発生量や発生場所に影響を与えた条件は何か? ○水温とフィコシアニン濃度の関係 〈安塚沖の場合〉 8 アオコの発生量や発生場所に影響を与えた条件は何か? ○栄養塩とフィコシアニン濃度の関係 〈安塚沖の場合〉 総窒素/総リン比 ・29を超えるとラン藻類が出現しない(V.H.Smith 1983) ・5未満や20を超えるとラン藻類の出現率が低下する(藤本ら 1995) 9 ○まとめ (1)アオコの原因となるラン藻がどこで,どの位発生しているか? (2)アオコの発生量や発生場所に影響を与えた条件は何か? フィコシアニン濃度は調査地点毎に大きく異なった。風下側(土浦, 安塚沖)で高く、風上側(湖心,武井沖)で低かった。 今年の夏はアオコの発生しやすい気象条件(高気温,日射量大,少 雨)であった。ただし,調査地点毎に,風の強弱,地理的条件(風上 or風下,閉鎖的or開放的)、栄養塩の状況が異なっており、この条 件の違いが,アオコの発生量や発生場所に影響したと推測される。 例えば・・・ 場所 条件 アオコ 土浦 風下,弱風,閉鎖的 発生しやすい 湖心 風上,強風,開放的 発生しにくい 10