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文字認識・デジタル化と選択文字拡大の弱視者読書支援システムの一検討

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文字認識・デジタル化と選択文字拡大の弱視者読書支援システムの一検討
平成 21 年度電子情報通信学会東京支部学生会研究発表会
講演番号:160
文字認識・デジタル化と選択文字拡大の弱視者読書支援システムの一検討
A Study of Assist for Low Vision with Recognition and Enlargement
D-6
ジャンタラー ジャッカラポン
Jakrapong Jantra
宮地 泰造
Taizo Miyachi
東海大学 情報理工学部 情報メディア学科
Tokai university School of Information science and Technology
1.はじめに
弱視の実感のために被験者が老眼鏡+5.0 をかけ比
日本には視覚障害者の数は 31 万人[1] で あ り 、 視 覚
較した。2人が Zoom Text、6人が J-system で文章を読
障害者の約 8 割が弱視者と言われ、弱視や低視力の数
む方が速かった。全体では平均 13 秒(13.30%)で Jが多くなっている。本稿では、弱視者や低視力者の日常
system が速く文章を読め、J-system の拡大機能の有効
生活での読書の負担を軽減する支援システムを提案する。 性が確認できた。
実験2 A4 用紙 と HMD で表示文章の比較
2.現在のシステムの問題点
A4 用紙の片目読みと単眼 HMD との比較する実験。
現在の文字拡大ツールのほとんどは画面の一部しか拡
大しない、文字自体だけを拡大するのが難しい。
3.弱者読書支援 J-system
弱視者が本を読むことは文字が小さくて困難である。
視覚による容易な紙面上の情報入手のために、文字認識
を行い、読みにくい文字を拡大するシステムを提案する。
[特徴]
(1)デジカメで文書画像を取り込めて屋内屋外で利用可能。
(2)画像の文章のデジタルテキストへの変換により、簡単な
情報を入手、自由な表示、音声読み上げを実現
(3)小型軽量で深い深度の大画面 HMD(2.5m先 50 イン
チ相当、視野角 23°)で見やすい文字を大きく表示し
て、視野を動かさずに簡単に文章を読める。
(4) 指定可能な1行の文字数、行間、文字サイズ文字拡大。
(5)HMD でも使える 1 文字拡大機能(ダブルクリック型自
作ソフト、(画数の多い漢字用))
拡大前
図3.HMD 実験の読み取り時間比較
3人が A4 用紙、5 人が HMD(J-system)の文章の方が読
み速度が速かった。全体平均 1.3 秒(2.50%)で HMD で
の読書が速く読め、HMD での読書ができることを確認で
き、J-system の有効性も確認できた。
実験3 エアマウス(z-motion)との比較
モバイルでの実験にエアマウス(z-motion)を利用した.
拡大後
図1.システムの1文字拡大例
4.実験・評価
実験1 既存システムの文字拡大ツールとの比較する
既存システム(Zoom text)と J-system の文字拡大の比
較により有効性を確かめる。被験者:晴眼者8人(20 代)
表示データ/表示形式:「ヒヤリ地図づくり」提案,報告書
(IATSS),p.51,約 225 文字,サイズ 150px,行間隔 180px
図2.PC 実験の読み取り時間比較
図4.エアマウスとの読み取り時間比較
エアマウス(z-motion)との文字拡大機能の比較(図 4)で
は、J-system(PC マウス)の方が平均 74 秒(59.40%)、エ
アマウス+J-system の方が 39.2 秒(31.46 %)、エアマウス
だけより速く読めた。エアマウスは次の画面で拡大領域の
再設定が必要である。エアマウスは操作が難しいが、慣れ
れば J-system のみの操作時間に近づけると考えられる。
5.おわりに
高い拡大率を必要とする低視力者への J-system の有効
性が確認できた。外出先でのエアマウスとの併用の有効
性も確認できた。文字の拡大倍率の途中での容易な変更
が今後の課題である。
[参考文献]
[1] 平 成 18 年 身 体 障 害 児 ・ 者 実 態 調 査 結 果 : http:
//www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/shintai/06/index
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