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桶を担ぐ人、水を引く人 今がチャンス!

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桶を担ぐ人、水を引く人 今がチャンス!
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こ お ろ ぎ
桶を担ぐ人、水を引く人
今がチャンス!
お葉書ありがとうございます。
一月の経営戦略立案会議に参加したいと
思い、申し込みをしました。私は、ランチ
ェスター戦略は、ちょっとかじっただけ
です。初心に返って勉強したいと思います。
今年もいよいよ年末ですね。この一年は、昨年のリーマンショッ
クに始まり、民主党への政権交代と、世の中が大きく変わった一年
でした。
経済的にも、国民の7人に 1 人が「貧困」となるなど、お勤めさ
れている方たちも大変だと思いますが、たった一年で企業からの税
収が33%も減る状況の中で、社員さんたちの雇用を守ろうとして
いる経営者の方たちも、本当に苦しい日々を過ごされた方がたくさ
んいたと思います。
しかし、この景気は簡単には戻らないと私は思っています。です
から、ただ我慢するのではなく、この環境に適応しなければ、マン
モスのように死に絶えてしまうと思うのです。
そうした状況にもかかわらず、経営の仕方を抜本的に変えようと
する人はごくわずかです。私は、なぜ多くの経営者が、きちんと経
営戦略を立て直さないのか、ずっと不思議でなりませんでした。
しかし、このところ多くの経営者の研修をさせてもらって、やっ
とその理由が分かった気がします。
それは、ほとんどの人が「経営」を学ばずに、
「仕事の仕方」を学
んでしまっているからです。
左の寓話に登場してくるケンジ君は、よく頑張ったと思います。
しかし、一度、水路が出来てしまったら、わざわざケンジ君の高い
お水を買う人がいなくなることは仕方のないことだと思うのです。
私は、経営を学んだおかげで、この二つの仕事の仕方の違いを知
ることができました。そのおかげで自分が病気になっても水が手に
入る水路(システム)を作ることが出来たのです。
メガネをかけたことがない人には、メガネをかけるとどれほどハ
ッキリ見えるかが分からないように、経営をきちんと学んだことが
ない人には、経営を身につけるとどれほど自由になれるか想像もで
きません。ですから経営状態が悪くなっても、経営を学ぶという面
倒なことを選択しないのです。そのため、時代に合わなくなったこ
れまでのやり方をやり続けるしかなくなるのです。
人は苦しくなればなるほど、これまでのやり方にしがみつくもの
です。それはこれまでのやり方が、一番慣れていて考えなくていい
し、結果の予測が立つという意味で一番安心なやり方だからです。
しかし、そのやり方を続けていて本当に助かるのでしょうか?
私は、不況の時期は、経営を抜本的に考え直す良いチャンスだと
思っています。こうしたことでもないと、小手先の工夫をする程度
で、経営の基本に立ち戻って経営の仕方を考え直さないからです。
ピンチをチャンスに変えるのが経営者の仕事です! この機会に、
経営を見つめ直してはどうでしょうか?
右のお葉書は、蒲郡で会計事務所を経
営されている吉見典生先生からのもので
す。
吉見先生は、多くの方の経営指導をさ
れてこられた立派な経営者です。そんな
方がこの機会に学び直そうというのです。
私は本当に頭が下がる思いがしました。
私にお教えできることなどあるとも思
いませんが、1月の「緊急、経営戦略立
案会議」では、一緒に学ばせてもらおう
と思っています。
皆さんも、この機会に経営戦略を立
て直してみてはどうでしょうか?
経営者として、良い年の始まりになると思います。
よろしくお願いします。
昔、山の奥にある村がありました。その村には川が流れていない
ため、丘の向こうの泉まで水を汲みに行っていました。
水を汲みに行く権利は、村の長老が持っているのですが、歳をと
って山道がきつくなったため、後継者に水の権利をゆだねることに
しました。
水の権利は大きな財産をもたらしますが、水の入った桶を担いで
歩く山道の往復はきつく、責任の伴う重要な仕事です。多くの若者
は尻込みをしましたが、2人の若者が後継者に手を挙げました。
一人は、力が強く、頑張り屋のケンジ君。もう一人は、あまり身
体が丈夫ではありませんが、皆のことを大切に考えるヒトシ君です。
長老は、どちらの若者に任せようか迷いましたが、やる気になっ
ている2人を見て、2人共に任せてみることにしました。
ケンジ君は、翌朝、陽が昇る前から桶を担いで泉に向かって山道
を登り始めました。しかし、ヒトシ君の姿は見えません。せっかく
水の権利を任せてもらったのに、ヒトシ君はどうしたのでしょう?
ヒトシ君は、水を汲みに行かないで旅に出てしまったのでした。
それから一年が経ちました。ケンジ君は、一生懸命に水を運んで
お金持ちになっていました。それでも毎日、額に汗をして、山道を
往復しています。この頃には、ヒトシ君のことを話す人はいなくな
っていました。
それからまた一年が経ちました。ますますケンジ君はお金持ちに
なっていましたが、それでも一生懸命に桶を担いで山道を往復して
います。お金持ちになったのはよいのですが、お金持ちになればな
るほどケンジ君は疲れていくのです。夜になれば夕食も食べないう
ちに寝てしまうこともあるほどで、かわいい子どもたちと遊ぶ気力
も残されていませんでした。
そんなある日、ヒトシ君が村に戻ってきました。
ヒトシ君は、遠くの町に土木の勉強に行ってきたそうで、村に水
路を引くというのです。ヒトシ君は、村人一人ひとりに水路のすば
らしさを説明して、仕事の合間に水路建設に協力してくれるように
依頼して回りました。
そうしている間も、ケンジ君は、山を登って水を運び、お金を稼
ぎ続けました。ヒトシ君が帰ってきたことを知ると「ヒトシ君に負
けてなるものか」と、これまでよりも水を汲みにいく回数を増やし
て働きました。
ヒトシ君の工事は、思ったように進みませんでしたが、夏の暑い
日も、冬の寒い日も、ヒトシ君が先頭に立って工事を進めていきま
した。そして、工事を始めてから3年、水の権利を任せてもらって
5年で水路は完成したのでした。
確かに楽な工事ではありませんでしたが、ヒトシ君のおかげで水
の値段は半分以下に下がり、これまでお金がなくて水を控えていた
人たちも飲みたい時に飲みたいだけ水が飲めるようになりました。
そしてヒトシ君はみんなから感謝され、時々、水路の管理をする
だけで、十分なお金を得ることが出来るようになったのでした。
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皆さんは、ケンジ君とヒトシ君の、どちらの生き方をしているで
しょうか? 私は一生懸命に働いたケンジ君は、本当に立派だと思
います。しかし、もし体を壊したらどうするのか心配になります。
また、ケンジ君の頭の中には、村の貧しい人たちのことが、どれ
だけあったのでしょう? ヒトシ君が自分の収入だけのことを考え
ていたら、ケンジ君と同じように桶を担いで水を汲みに行っていた
と思うのです。多くの人が豊かになれないのは、今の自分の利益だ
けを求めているからかもしれませんね。
2009 年 12 月 1 日
No.203
株式会社
オリジン・コーポレーション
発行者 杉 井 保 之
〒 426-0044 静岡県藤枝市大東町 777-1
TEL 054-636-4300 FAX 054-636-6187
E-mail [email protected]
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