世界遺産登録のさらなる推進について 近畿ブロック知事会 平成28年1月

世界遺産登録のさらなる推進について
近畿ブロック知事会
平成２８年１月
世界遺産登録のさらなる推進について
海外からの訪日旅行者数は、円安傾向や東南アジア諸国に対する査証
発給要件の緩和等により好調な伸びを示しているものの、今後も海外と
の国際観光の厳しい地域間競争にさらされることが予想される。日本の
魅力を更に世界へ発信するため世界遺産の活用は大変有効であるが、日
本の世界遺産登録数は１９件であり、イタリアや中国に比べ３分の１程
度にとどまっている。
近年は、国内の世界遺産登録が順調に進んでいるが、いまだ推薦登録
を受けていない資産が数多く残されていることから、政府として推薦登
録を着実かつ速やかに進めていくべきである。
一方、世界遺産登録には、まず国内の「世界遺産暫定一覧表」に記載
されることが必要であるが、文化庁では、平成１８・１９年に地方公共
団体から公募して以来、外国からの要請と既登録資産の拡張を除いて「暫
定一覧表」の追加記載に係る調査・審議はなされていない。
また、平成１８・１９年の公募の結果、「世界遺産暫定一覧表」候補
資産となった資産を持つ地域では、文化庁から示された課題の解決に、
約１０年にわたる取組を続けてきたところである。
国においては、各地域におけるこれまでの取組を評価し、「世界遺産
暫定一覧表」の追加記載に向け、具体的な検討を開始する必要がある。
さらに、近畿ブロック圏内には、現在「暫定一覧表」候補となってい
る資産のほかにも世界的に価値のある資産が多数あり、地方公共団体か
ら広く公募を行い、世界遺産暫定一覧表への追加記載が進められる必要
がある。
「地域の誇り」を創出し、「世界への発信力」が増すなど確実に地方
創生へつながる世界遺産登録を実現することができるよう、また、世界
遺産のほか、近畿ブロック圏内にある世界に誇るべき、価値ある資産を
有効に活用できるよう、国に対して以下の事項を提言する。
１ 「世界遺産暫定一覧表」候補となっている資産について、「世界遺
産暫定一覧表」の記載に向けた具体的な検討を開始するとともに
国内「暫定一覧表」候補の公募を再開すること。
２ 「世界遺産暫定一覧表」に記載された資産の世界遺産登録について
は、国による取組み及び自治体への支援がなされてきたところである
が、より着実かつ速やかに世界遺産登録を進めるため、国として一層の
体制整備を図ること。
３ 世界遺産のほか、ユネスコの正式プログラムに位置付けられたジオ
パークや、先般選定された日本遺産など、近畿ブロック圏内の世界に誇
るべき価値ある資産を、観光客を呼び込むための有効なツールとして活
用できるよう、世界に発信する取り組みも合わせて行うこと。
平成２８年１月
近畿ブロック知事会
福井県知事
三重県知事
滋賀県知事
京都府知事
大阪府知事
兵庫県知事
奈良県知事
和歌山県知事
鳥取県知事
徳島県知事
西 川
鈴 木
三日月
山 田
松 井
井 戸
荒 井
仁 坂
平 井
飯 泉
一
英
大
啓
一
敏
正
吉
伸
嘉
誠
敬
造
二
郎
三
吾
伸
治
門