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研修を振り返って

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研修を振り返って
研修を振り返って
はじめに
元旦明けより間もなく期末試験の準備期間に入り、学期末は別れを惜しむ暇もないほど、
あっという間に過ぎていきました。この半年間を振り返ってみても、杭州に来たのがつい
先週の事のように思い出されます。今回の留学は私の人生の大きな転機であり、言葉では
言い表せない程の実り多いものでした。語学力が向上したことはもちろんのこと、様々な
国の友人と出会うことができ、親友と呼べるほどの友人を作ることもできました。さらに
中国・日本文化をより深く理解することができ、この数か月はとても濃く充実した毎日を
過ごすことができました。
中国語と授業
研修に来る前、沼津日中友好協会が主催する中国語講座で月3回のレッスンを約二年間続
けてきました。王先生の厳しい発音指導の下、四声から始めました。何度も同じ間違いを
する私を見捨てず、口の形が大事だと何度も何度も繰り返し、熱心に指導して下さった王
先生のお陰で今の私があるのだと思います。
9 月から始まった浙江大学の授業で学ぶ中国語は今まで日本で接してきたものとは異なり、
スピードも速く、数字の 10(shi)が 4(si)と聞こえ戸惑ったり、授業の半分の内容が聞き
取れず焦りましたが 1 ヶ月を過ぎたころから段々聞き取りができるようになり、先生のジ
ョークも笑えるようにまでなりました。私が入った 3.5 班は精読、閲読、听力、口語の 4
科目で、口語のクラスでのプレゼンテーションはアガリ症で思っていることを中々言葉に
できない私にとって胃が痛くなるものでしたが、中国と自国の文化を比べて紹介する良い
機会でもあり、また他の国の文化を知ることもできる貴重な機会でした。クラスは 20 人程
で、日本人は私一人、韓国人が最も多く、次いでロシア人、スペイン人その他オーストラ
リア、ウズベキスタン、ウクライナ、スコットランド、タイ、イタリア、フランスと国際
色豊かなクラスでした。また学期の後半の教科書では急にピンイン表記が無くなり一気に
難易度が増しましたが、やはり授業だけでなく教科書に付属しているCDを何度も繰り返
し聞き、自分で練習することが大事だと感じました。特に口語の教科書は日常会話で使う
言い回しが多く、精読の教科書では会話に入れて使うと「お~!」となるような成語やこ
とわざが多いので私は自分で興味のある言葉や言い回しを携帯電話に登録して、とりあえ
ず使ってみるということをしていました。授業は月曜~金曜の 1 日 90 分×2 コマで少ない
のですが、中国では宿題が多いのが当たり前のようで、70 個の単語を 3 回ずつノートに書
いて、自分でその単語を使った文章を作るといった宿題や、街に出て知らない人に話しか
ける宿題、一人でタクシーに乗ってみる宿題などユニークなものも有りました。毎日 2 時
間の授業への集中も大切ですが、残りの時間を自分でどう使うかが中国語上達の鍵ではな
いかと思います。
食文化
友人に日本人は毎日寿司を食べるの?と何度か聞かれたことがあります。そんなわけない
でしょ?と突っ込みたくなりますが、インド人はほぼ毎日カレーを食べますし、中国人も
ほぼ毎日中華料理を食べるので、一概に可笑しな質問とは言えないと思いました。そうは
いっても中国は広いため中華料理の種類も様々で、杭州料理、上海料理、湖南料理、広東
料理、四川料理などなど数えきれないほど種類があります。杭州料理の代表はやはり东坡
肉、龙井虾、私のお気に入りは湯葉の皮を揚げてケチャップをつけていただく料理です。
また火鍋料理が多く、私も冬になると週に 1-2 回は火鍋を食べに行きました。日本でも冬
には鍋料理を食べるのですが、中国の方は輪をかけて鍋料理を愛しているのだと感じまし
た。また中国に来る前に中国では料理を少し残すことが礼儀と聞いたことがありました。
確かにその習慣はあり、注文するときも食べきれない量の料理を注文し、半分位残して帰
る人を見かけます。しかし一方で残したものを持って帰る人や、私の友達の中でも注文す
るときに自分の胃袋と相談して注文する人もいます。レストランでも食べ物を無駄にしな
いようにとテーブルの上にステッカーが貼ってある所も多く見かけます。
支付宝
杭州に来て携帯電話アプリの発達に驚きました。中でもアリババが運営する「支付宝」と
いうアプリは今中国国内で最も熱いアプリで、携帯電話と銀行口座が連結することで、か
なりの数のお店やウェブショップでの買い物をこれ一つで済ませることができます。レス
トランで注文するときも、このアプリを使ってお店のメニューを読み取り、ケータイで注
文することができます。お店の予約もこのアプリから行うことができ、待ち時間まで表示
されます。支払いが便利なだけでなく、このアプリを使うと割引もあるので大半の人はこ
のアプリで買い物をします。他にも友達にお金を支払う時や、タクシーの手配と支払い、
航空券の手配まで行うことができます。中でも杭州はアリババの本拠地でもあるため最も
盛んに使われています。
好朋友
私の杭州での生活がここまで充実していたのも浙江省外事弁の皆様をはじめ、出会いに恵
まれていたからだと思います。中でも李玉成君は私の中国語学習から中国の文化に至るま
で本当によくしてくれました。元々言語交換を通じて知り合ったのですが、出会った当初、
私は彼の話していることが半分も理解できず、彼もひらがなの練習を始めたばかりのレベ
ルだったので私たちの会話は成り立たず、そのころは親友になるなど思ってもいませんで
した。当初私は日本語の話せる中国人の友人とよく交流していましたが、中間試験の頃よ
りほぼ毎日彼が宿題を見てくれるようになり、それをもとに中国の習慣や日本の習慣、お
互いの家族や学生時代の話などしていくうちに一番仲の良い好朋友になっていました。私
よりも 6 歳も年下ですが、礼儀や友情をすごく大切にしています。曲がったことが嫌いで
真っ直ぐな性格は、一緒に居ると私の気持ちを温かくしてくれ、また、自分の在り方を考
え直させてくれました。この留学で得た大事なことの一つとして、彼を含め様々な人と出
会えたことをあげることができます。色んな偶然が重なることで色々な方々と出会えるこ
とができたと思うと、それはまるで奇跡であるような気もしますし、会うべくして出会っ
た必然的な出会いだとも思えます。全ての出会いに心から感謝しています。
まとめ
私が初めて杭州を訪れたのは中学 2 年生の夏休み、同じく浙江省と静岡の姉妹都市交流の
一貫で訪れました。あれから 17 年経ち、またこのような貴重な機会を下さり本当にありが
とうございました。
「雪中送炭」の言葉通り、少しでも困ったことがあるとすぐに手を差し
伸べて助けてくれました。お返しできないくらいの優しさや心遣い、思い出をいっぱいこ
の研修でいただきました。私はあと半年ここ杭州で留学を続けますが、更に多くを学びな
がら私も炭を送ることができるような人になれればいいなと思います。
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