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講演発表 - Japan Society of Nuclear and Radiochemical Sciences

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講演発表 - Japan Society of Nuclear and Radiochemical Sciences
講演発表
第 3日
1
0月 5自体)
第 3日
1
0月 5日制
メスパウアー効果
3A0 1,
.
,3A 11
高燃焼度燃料
3801,
.
,3804
アクチノイド
38 0 5,
.
, 3 8 11
放射化分析
3C 0 1,
.
, 3 C 05
放射能測定
3 C 0 6,
.
, 3C 11
3A01
メスパウアースベクトルの測定及び分子軌道計算による
1:
21Sb
核定数.6.R/Rの評価
(都立大・理、高エ研章、東邦大・理林) 0矢永誠人、生田茂、
遠藤和豊、中原弘道、*三浦太一、制高橋正、料竹田満測雄
く緒言>
メスバウアー分光学におげる異性体シフトの測定により、化合物内の原子核位置にお
げる電子密度を定性的に議論した研究は数多〈報告されているが、定量的に議論した研
究例は少ない。このメスパウアー原子の化学状態に関する情報を与える、重要なパラメ
ーターである異性体シフト (δ) は、次式のように、
.
6
.R
δ = τ π Ze2R2(ヲ了一) {Iψ(0)IA2- Iψ(0)IS
2
}
原子核に関する量すなわち原子核の励起に伴う核電荷半径の増加の割合(.6.R/R) と
、
電子状態に関する量すなわち化学状態の遭いに基づく原子核位置におげる軌道電子密度
の線源と吸収体での差の積で表される。したがって、原子核位置での電子密度を定量的
に議論するためには.6.R / Rを精度よく求めることが必要になる。
第 五 周 期 の 典 型 元 素 に は 特 異 的 に メ ス パ ウ ア ー 元 素 が 多 く 存 在 し (Sn、 Sb、 Te、
I、 Xe) 、また d電子の膨響をあまり受けることなく 5
s、 5
p電子の電子配置による結
1
9Snおよび 1
2'5Teについては、以前に、異性体シフト
合性を検討することができる。 1
と最外殻およびその一つ内殻の内部転換係数の相対強度比を同一試料について測定する
2
1Sbについての.6.R/Rの値
ことにより、!iR/Rの値を求めた 11¥ 本研究では、 1
を精度よく求めることを試みた。
く原理>
今回、 1
2
1Sbの.6.R/Rを求めるために、次の(1)、 (2)の二つの方法を用いることに
した。
(1)異性体シフトの測定と、分子軌道計算により求めたアンチモン核位置での電子密度
を用いる方法
(2
)スズまたはテルル化合物およびそれらと等電子配置となるアンチモン化合物につい
て、の異性体シフトの値とそれらの化合物のついて分子軌道計算により得られた核
位置での電子密度、およびスズまたはテルルの.6.R/Rの 値 を 用 い る 方 法
これら二つの方法では、すでに過去に.6.R / Rについてのいくつかの報告値はあるが、
そこで用いられた異性体シフトの値は結晶状態にあるものの値であって、必ずしも分子
についての異性体シフトの値とは限らない、等の問題があり信頼できるものではないよ
うに思われる。この問題の解決のために、アンチモン化合物については凍結溶液状態に
おいてメスパウアースベクトルを測定して得られた異性体シフトの値を用いた。また、
ゃながまこと、いくたしげる、えんどうかずとよ、なかはらひろみち、みうらたいち、
たかはしまさし、たげだますお
-1
9
0
スズおよびテルル化合物についての異性体シフトの値は、希ガスマトリックス中で測定
された文献値 3、引を用いた。
く化合物の調整と
メスバウアースベクトルの測定〉
121 S b
3、 SbFs、 SbC1
5を用いたが、
アンチモン化合物として、 SbFa, SbCb、 SbBr
これらは、市販のものを必要に応じて精製して用いた.
凍結溶媒での測定では、 [化合物分子数] : [溶媒分子数 ]=1:100(約 0.1田0
1
/1
1)
となるように調整し、既報の方法で測定した 5。
)
く分子軌道計算>
分子軌道計算は、分子科学研究所電子計算機センターにおいて、 HITAC M-680H(目立)
により行なった。計算には、 Hartree-Fock法に基づくプログラム HOND05//HONSTERGAUSS
を使用した。基底関数として、 Huzinagaによる最小 (minimal) C
GTO基底系を用いて構造
最適化を行い、その最適化した構造において核位置での電子密度を求めた。また、比較
ta
l
.および Huzinaga-Dunningによる DZ(double
のため、基底関数系として Stromberg e
zeta)ーCGTO基底関数系を用いての計算も行い検討した。
本 研 究 で 用 い た プ ロ グ ラ ム HOND05は、相対論的効果は考慮されていないため、その補
OND05に
正を行なう必要がある。その相対論的因子は、何種類かの電子配置について、 H
より原子軌道計算を行ない、核位置での電子密度を求め、これらと Dirac-Fock法により
andらによる結果との比を用いた。アンチモンについては、最小
相対論的に計算された B
CGTO基底系では、 2.96という値を得た。
<文献>
1
)H
. Muramatsu et al
.
, Hyp. Int
.
, 20,305(1984).
.
, Hyp. Int..担, 371(1986).
2
)T
. Miura e
t al
3
)H
. Micklitz,H
y
p
.I
nt
.
, ,
t
; 135(
19
7
7
)
; A
. Schichl e
t al
.
, Chem. Phys.,2
J
)
_
,
371(
19
77).
4
)P
.H
. Barrett et al
.
, Phys. Rev. B,12,1676(
19
7
5
)
.
、
第3
1回放射化学討論会 2
C
0
3、 福 岡 (1
9
8
7年 1
0月)
5
)高 橋 正 他
21
EST工MAT工ONOF THEVALUEOF l
IR
/R FOR 1
~-~SB N
UCLEUS BYMEANSOFMOSSBAUER
SPECTROSCOPY ANDMOLECULAR ORBITALCALCULAT工ON
Facu1ty of Science,TokyoMetropolitan University, Makoto YANAGA,Shigeru
工K
UTA,Kazutoyo ENDO,Hiromichi NAKAHARA, Nationa1 Laboratory for High Energy
f Science,Toho University,Masashi TAKAHASHI,
Physics,Taichi MIURA, Faculty o
Masuo TAKEDA
-1
9
1
2
71メスバウアースベクトルの測定
ヨウ紫化合物の 1
3A02
(東邦大・理.東大・原セ勺 0生滞
英典,高橋正,竹田
満捌雄,
高野 武 美 三 伊 藤 泰 男 *
一序ー
2
71と 1
2
91の二つの接種について知られている.
ヨウ棄のメスバウアー効果は. 1
1
2
71は 1
2
91と比較して,メスパウアー γ線のエネルギーが高いため低温での測定が必要であるこ
2
91に比較するとき
と,線幅が広〈スベクトルの分解能が悪いごと等不利な点があり,その研究も 1
2
71は安定同位体であるから,試料の取扱が 1
2
91 (放射性)よりも楽で
わめて少ない.しかし. 1
・
2
7 Te(
10
9
d
)を使うととができるなどの利点がある.
あること.また線源として比較的畏寿命の 1
我々は,日本原子力研究所の JRR-2を用い線源を作成し,さきに報告刊した低温メスパウアー
2
71メスパウアースベクトルの測定に成功したので,そ
スベクトル測定装置を用いることにより. 1
の方法と得られたスベクトルのいくつかを報告する.
一線源の作成ー
エンリッチした 6
6Zn(
9
9
.
0
%
.
C
E
A
)と1
2
6Te(
9
8
.6
%
.
O
R
N
L
)を用いて開 Zn
126Teを調製した.前処理として, " Znは塩酸の希薄溶液とアセトンで洗浄し, 1
2
8Teは減圧
昇華精製を行った. 8
6Zn58.9皿g
.1
2
6 Te1
0
7
.
4
m
gを精秤し,石英管の中に減圧(1.8X1
0・4
P
a
)封
入してから. 1100・
Cで 1時間加熱して. ZnTeを合成した.なお,封入に際して空隙を少な
〈するために,石英管の内径と同径の石英棒をいれてから封入すると,生成した ZnTeが塊とな
り回収がたやす〈なった.こうして得られた 66Zn126Teを,照射用高純度石英管に減圧封入し,
照射用アルミキヤプセルに入れてから. JRR-2の VT-1照射孔(熱中性子東
4n
2X1
01
27r1Teは. 2
6
.
7
m
C
iと計算された.
c
m
-2S
I
)で 1サイクル(12日間)照射した.生成した Zn1
ごれを二ヶ月間冷却してから,封管のまま 700・
Cで I時間アニーリングした後,開封し乳鉢でよ
〈粉砕した.直径が -15mmとなるように広げ,厚さ 50μmのアルミニウム箔にはさみ,さら
にその外側を同質のアルミニウム箔でつつんだ.とれを線源ホルダーに国定し,外側をさらにアル
ミニウム箔でつつみ,最後にアラルダイトでコーテインクFした.
この綿源の γ綿スベクトルを測定
E
S Teのほかわずかに 127Te. 1
23r1Te. 6GZnが検出されたが,メスパウアース
したところ, 1
悶
ig
.
H
ご純ゲルマニウム検出器をもちいて測定した低エネ
ベクトルの測定には問題とならなかった. F
ルギー領域の γ線スベクトルを示す. Teの
‘
3・
:
ノ
4A X
>
>
ピークがみられた.サムピーク (
5
4
.
6
7
k
e
V
)は
,
∞トZ20U
Z3
二男・宅
a
ーよ_)~.孔-」こごと|
2
0
E
N
E
R
G
Y
(
k
e
V
1切
Fig. 1 E
眠 時y S
p
e
c
t
r
u
mof Zn1
2
7
m
T
eH呂 田b
(
1
2
1
1
1
T
eの5
7
.印 刷 V
)に
用いてメスパウアースペクトルを測定したの
,
.:
J
メスパウアー γ線
近いととろに観測されたが,半導体検出器を
1J:bf572
月 :
鯨がかなり強<.エスケープピークやサム
で両者を分離することができ,問題とはなら
なかった.なお,このサムピークは 1半減期
を過ぎた頃には,強度が弱くなりほとんど観
c
e
. 測されなくなった.
印
削 目 白 山
いげざわひでのり,たかはしまさし,たけだますお,たかのたけみ,いとうやすお
1
9
2
ースベクトルの測定一
測定は大学開放研のメスパウアー分光器 (AustinScience S-600スベク
0K
トロメーター,半導体検出器,クライオミニ D型冷凍機からなる)をもちいた.綿源,試料とも 2
に冷却した.試料は, 30及び50mg1cm-2となるようにした.試料により異なるが質のよいスペクト
.
.
.
.
.
1週間程度の測定を嬰し, 1チャンネルあたり (512チャンネル使用)2
0
.
.
.
.
.
.
3
ルを得るには ,5日.
0万カウントまで積算した.
100い
一解析ー 1271の棋スピン
98~.
/2,第一励
は基底状臆で 5
0
i
i
i9
6
ul
ε
ul
5100
ト
・
Q)
さ98
・
・
,
.
6=
0
.
1
1
由
e'qQ=5
1
.4
.
.
'
.
2r=2
.
4
7
・
.
,
.
X'=234
.0
=0.68
L
4 68
ト
叫
占
6 e叶
909909
C
α96
凶gト由﹀一ち一山江
3
明
一 c
。)CO一間ε
298
0
1
0 20 30
Velocity(mm/s)
巴s
s
b
a
u
e
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p
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c
t
r
u
m0
1
9
.2 M
1
o
d
o
b
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n
z
e
n
eO
i
c
h
l
o
r
i
d
ea
t2
0 K.
e同
;
7
2
2
;
:
1のときは8本)観測される
.
,~ことになる.また励起準
位の寿命は短<, 陥
W
目11=
=
2r 2
.
5
6
.
.
ぷZ
L
w
f
・
・
,
.
6=-0.48
eqQ=41.1...
,
2
r
=
2
.
4
7
・
・
,
.
竃
96
'
1
2
0 1
0
1
2であるから,
起状態は 7
1
γ 線の遷移は 12本 (η=0
'
1= 0
.
4
1
4
7
1
1
脚
1m
邸S
-1であるので各遷
移は分離されずに観測さ
れる.試料.線源の厚さ
2本の
,が薄いときには, 1
2
0 1
0 0 1
0 2
0
遷移をローレンツ閑散の
V
e
l
o
c
i
t
y
(
m
m
/
s
)
F
i
g
.3 M
8
s
s
b
a
u
e
rS
p
e
c
t
r
aa
t2
0K. 和 (
S
O
L
)で近似することも
ー
可能であるが,厚さが増すと SOL近似では強度の弱い遷移を underestimationすることになり,吸収
厚みを考慮にいれた解析が必要になる, F
ig.2には SOL近似によるもの(1)と, transmission integr
2
)解析の結果を示しているが, S
O
L近似ではフィテインク'の程度が思いことが確認でき
al法による (
る.そこで trans田issionintegral法を用いて解析を行った.測定したうちのいくつかのスペクトル
を
, Fig.3に示す. (
3
)はKIのスベクトルで,ヨウ索の周囲は球対称で電場勾配が存在せず,対称
r
な 1本のピークとなっている.異性体シフトの値は既報 2)の値 0.16と一致している.また綿幅 2
は2.85m田g-1であり,自然幅 2.47mms-tより広いものの Birchallらの報告値3)3.06mms-1より狭 <,満
4
)と(
5
)はそれぞれ CI-Ph-I-C12と
足できる線源であるといえる.また (
(CI-Ph-I
-Ph)Brのスベクトルで,ヨウ索の周囲が球対称ではなくなるため分裂のあるスベクトルを示
している. (
4
),
(
5
)ではスベクトルの形状は e2qQ>
0であることを示しているが, e Qは負であるの
4
)の方が大きく e2q Qがより大きいことが
で
, eqz (=Vzz) は負であることがわかる.分裂は (
わかるが,これは, (
4
),(
5
)の分子構造の違いを反映していると考えられる.詳細については,別途
報告の予定である“.
(参考文献) l
)
T
. Takano e
ta
1
.,
Radioisotopes,29,2
9,
(
1
9
8
0
)
.2
)
W
.
T
. Krakow e
ta
1
.,P
h
y
s
.
R
e
v
.,盟主, 449 (
1
9
8
1
)
.3
)
J
. Batche10r e
ta
l
.,J
. Che圃. Phys.,7
7,3
3
8
3(
1
9
8
3
)
.4
)生湾ら.
第 38回錯塩化学討論会, 3BP16,徳島(1988)
EASURE~!ENT OF 127工
_MOSSBAUER SPECTRA OF 工ODINE C0!1POUNDS
I-
Faculty of Science,Toho University,Hidenori IKEZAWA, Masashi TAKAHASHI
and Masuo TAKEDA,
Research Center of Nuclear Science and Technology,University of Tokyo,
Takemi TAKANO and Yasuo ITO
- 193-
3A03
ルテニウムのメスパウア一分光学的研究(皿)
(東京都立大理 )0
小林義男、片田元己、佐野博敏
(埋研)岡田卓也、浅井吉蔵、坂井信彦、安部静子、安部文敏
Fe- 3d遷移金属一 Si からなる 3成分金属間化合物について、磁化測定、 5
.
'
F
eメスパウアー
分光法や中性子回折などにより遷移金属の局在磁気モーメントや磁気機造等の研究が行わi
l・ている。
最近、 3d遷移金属をルテニウムで置換した新しい磁性材料が報告されたがり、その物理化学的性質
はまだ明かとされていない。
今回我々はルテニウムと鉄を含む 2種類の金属問化合物 RuxF
e
3
XSi
.0,1
.5,2
.
0
)および Rl
1
xFe3-xSn(x=1
.0,2
.
0
) を合成し、その磁気的性質を明ら
(x=0.5,1
7
こするためにメスパウア一分光 (99Ru, 5Fe, 1
19Sn) と磁化測定を行ったので、その結果を報
かL
i
g
.1t
こ示す f
.
c
.
c
. D03
告する。 2種類の金属間化合物は、 F
型の結晶構造、
いわゆるホイスラー
l
AJ等と記す)をもち、[AJ と
[C]は磁気的にも化学的にも等価である。マトリックスの Fe3Si
では、 [A、C] と lBn
こFe
it
e (以下、
構造をとり、その単位格子は、 A、 B、C、Dの s
[D]t
こSiが位置する。
まず、 Ru
、 Fe、 Siまたは Sn
それぞれ純度 4 N以上の粉末を
x=0.5,1
.0,1
.
5,2
.
0 となるように混合し、ベレット状に加圧
成型したものをアルゴン雰囲気アーク炉で均_..~こ溶融してボタン
型インゴットを得た。これを、石英管に真空封入 (
2x1
O
.
-6
t
o
r
r
)
し、アニール(Si
系は 8
0
0
.
Cで 1
7
0h
r、 Sn
系は 7
0
0
.
C・
で 4
0h
,
"
)
をし、 Si系についてはアニール後室温水でクエンチを行った。
メノウ乳ばちで粉砕後、真空電気炉 (
2
)
:1
06
t
o
r
r
)で再度アニ
“
ー ル (Si
系は600.Cで3
0
1
1
1
"、 Sn
系は8
6
0
.
Cで9
3
h
r
) を行い、
.
2
¥
試料とした 2
.A OC
.
.B
(
)0
F
i
g
.
l Unit c
e
l
l of the
9
9Rl1メスパウア←測定は、従来の我々の方法と同様である 3に
"a
l
l
o
y
Heusle,
また、磁化測定は、 Fα百
三r
型v
i
b
r
a
t
i
n
g
s
a
m
p
l
e旧 g
n
e
t
ω
r
e
t
e
r
で行った。
.0,1
.
ら
, 2
.
0
)
Ru
xFe3-XSi(x=0.5,1
X線回折から求めた格子定数 aは
、 Fe3Si
での
与.
6
5
3
λ から X値に比例して増加することが示された。磁化測定では、この 4試料の中で、
x=0.5,
1
.0
は、共に室温で自発磁化が観測された。
ア7Kで測定した 5
7Feメスバウアースベクトルを、 F
i
g
.2(
a
)に示す。 x=1では、室温ですでに強
磁性を示すことから予想されるように、室温と 77Kで測定したスペクトルにはあまり変化がなかった
くでは内部磁場による磁気分裂が観湖され
一方、 x=2では、室温で 1本であったスベクトルが、 ηI
は
、
た
。 2つの 77Kでのスペクトルとも Fe
[A、CJにある Feと [B]にある Fe
の 2成分で解析
することができ、磁場分布て'は x=2の時 220kOeと2
90kOet
こピークがみられ、 x=1では 220kOd
こ
幅広のピークが観測された。
また、与 Kにおける 99Ru
メスパウアースペクトル (
F
i
g
.2(
b
)
)は
、 5
7Fe
メスパウアースペクト
こばやしよしお、かただもとみ、きのひろとし、
おかだたくや、あきいきちぞう、さかいのぶひこ、あんべしずこ、あんべふみとし
-1
9
4
Ru FeSi
2
tcコ﹂且帽
10
。
-1
H
1
2
e
,
r
'
a
u
由民
O
VELOCI
TY (MM/SECJ
VELOCITT (MM/5EC】
m
コ ザ 且4
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「
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;¥J
内
-
R
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t
-1
O
4
VELOCIIY (""'5EC】
)
(
υ
L
H
(
a
)
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ssbauers
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i(
a
)a
g
a
i
n
s
t5
7
F
e
(問1
)s
O
Ul
c
ea
t 77Kand (
b
)a
g
a
i
n
s
t
e
3
-XS
Ul
c
eat~jK
9
9
H
u
R
hm
e
t
a
l sO
ルでの Ru濃度変化と比較すると、 Ru
濃度と共に著しい変化を示した。特に、室温で磁性を示した試
マトリックス中に不純物として入った Ru
が
、 Fe
の局在磁気モーメ
料では、強磁性体である Fe3Si
ントに起因する大きな超撒細磁場を受けるためであると思われる。スベクトルの解析結果より、超微
濃度に対して直線的に減少す
細磁場はそれぞれの合金について 2成分からなり、各々の大きさは Ru
では [A、C]の最近接配位圏( 1nn)には 4個の Fe[B] と4f
聞の
る傾向がみられた。 Fe3Si
Si[DJ
があり、
[B]の 1nnには 8個の Fe[A、CJがある。
Ru
の超微細磁場が、 1nnの
Feに由来するというモデルにたって実験結果を:考察すると、 Ru
が Fe[A、C]または Fe[B] を
置換することにより、 Ru
の超微細磁場は 2成分存在し、かつ Hhr
(Ru[B] )>Hhr
{Ru[A、CJ
)
となることが定性的に説明できた。
RUxFe3 xSn(x=1
.0,2.0)
この 2種類の合金 RuFe2SnとRu2FeS吋
式
、 Si系合金とは
異なり室温で両者とも自発磁化を示した。この系についても、メスパウアースペクトルと磁化率測定
の結果より Si系と比較して考察する。
旺FE
舵!叱E
S
1)V
.
S
.P
a
t
iI
,
R
.G
.P
iI
l
a
y,
A
.K
.G
r
o
v
e
r,
P
.N
.Tandona
n
dH
.
G
.U
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4
1,
487
(
1988)
MOSSBAUER SPECTROSCOPIC STUDIES OF RUTHENIUM COMPOUNDS (
工
工
工
)
Faculty of Science, TokyoMetropolitan Univ., Yoshio Kobayashi, Motomi Katada
and Hirotoshi Sano
The Institute of Physical and Chemical Research,TakuyaOkada,Kichizou Asai
Nobuhiko Sakai,Shizuko Ambe and Fumitoshi Ambe
EA
噌
Ed
Qd
3A04
超伝導セラミックス YBa2Cu3-xFex07-oのメスパウア」スペクトル
(九大理・広大工勺
西田哲明・ O井手博史・前回米蔵・那須弘行玄
高島良正
超伝導セラミックスに関する構造研究は X線回折や中性子回折を用いて行われている。そ
れによると超伝導セラミックスは斜方品系から成り、平面 4配位の Cu04. (Cu(1)サイト)
と底面がくぼんだ CU05 四角錐 (Cu(2)サイト)から成る酸素欠損三重ペロブスカイト構
造を有する。 ー方それらの導電機構の解明はまだ行われていない。本研究ではガラス及びセ
ラミックス等の無機化合物の構造研究を行う上で極めて有効な手段であるメスパウアー分光
法を用い、メスバウアー用プロープとして少量の 57Fe203 を含む幾つかの超伝導セラミッ
クスを調製し、それらの局所構造並びに導電機構の解明を目的として実験を行った。
【実験】試料の調製は、試薬特級の Y?03、BaC03
、CuO並び、に Fe203 を精秤し、完全に
0
0Cで 5時間焼結した。冷却後
均一に混合した後、アルミナるつぼを用いて電気炉中約 9
2
2
0
0
k
gc
m
-の圧力をかけ直径 8mm
、厚さ 2m
mのベレットにした後約 9
0
0Cで 3
5時間焼結した。
0
0
0Cから 200Tまで 1
0時間にわたって冷却し、目的の試料を得た。それぞれ
その後、直ちに 9
0
0
.
0
2
5の試料につ
の試料について室温でメスパウアースペクトルの測定を行った。また Xニ 0
いては室温から 78Kまでのメスパウアースペクトルの測定を、 X=0.05の試料については
Co
ーグ線照射後のメスバウアースベクトルの測定も併せて行った。抵抗率は直流四端子法
で、行った。
を用いて測定し、 DTAの測定は室温から 9
0
0Cの温度範囲で昇温速度 5C m
i
n
-'
60
0
0
【結果と考察】図 1にメスパウアースベクトルを示す。得られたスペクトルはすべて 3組の
ダブレットから成り、最大の四極分裂を示すダブレット (a)は Y層と Ba
層閣のくぼんだ
四角錐中の Cu2
+ (少量の Cu3
+ を含む Cu(2
)サイト)と置換した FeH による吸収に帰属
される。次に大きなダプレット (b)は BaJ
冨閣で平面四配位の Cu3+ (少量の Cu2+を含む
Cu(1)サイト)と置換した Fe3+による吸収に、また最も内側の小さなダブレット (c)は
Cu(
1)サイトの Cu3+と置換した Fe3+ と類似
の環境下で、歪んだ四面体を構成している Fe3+の
吸収に帰属される。各試料の抵抗率を測定したと
ころ、 Tcは X=
0.025のとき 72K、X=0.05の
とき 60Kであった。 このことから超伝導セラミ
ックス中の鉄イオンの濃度が高くなるにしたがっ
て Tc は低下することがわかる。また磁化率の測
定からも Tc付近で常磁性から反磁性への転移が
みられる。これは抵抗率の温度依存性と極めてよ
く一致している。鉄イオン濃度の増加と共に Tc
が減少する原因は、鉄の導入により酸素 (0(4))
の変位が起こり、
それによって底面がくぼんだ
CU05四角錐の底面の平面性が低下する為と考え
100 ト同.-v_悼~中
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Velocity I m m 5-1
t
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図 1 YBa2
C
u
3
x
F
e
x
0
7
oのメスパウア
ースベクトル
にしだてつあき、いでひろし、まえだよねぞう、なすひろゆき、たかしまよしまさ
ム
τ,
n
p
o
ヨ
られる。 D T A曲線は極めてブ、口」ドな発熱ピークから次第に吸熱ピークへと変化している。
これはそれぞれ酸素の吸収と放出に対応している。 D T A測定から斜方晶系(発熱過程)か
7
0C付近であることが推測される。 次i
こ
ら正方晶系(吸熱過程)への相転移温度は 6
8
0
.
0
5の試料について 1
0 Rまでの 60CO-~ 線の照射を行ったところ、異性体シフト及び四
極分裂の値には大きな変化は見られなかった。これは鉄イオンの周囲の局所構造および化学
結合はグ線照射の影響をほとんど受けていないことを示唆している。ところが図 2に示した
グ線量に対する各ピークの面積強度の変化を見てみると、夕、プレット (b)の面積強度のみが
減少し、それに伴いダブレット (a)とダブレット (c)の強度が増加している。これは、グ線
照射により Cu(
1)サイトを含む一次元の CU04チェーンの切断が優先的に生じることを示
0
.
0
2
5の試料について 78Kから室温までのメスバウアースペクトルの測
している。一方 X=
定を行ったところ、 3つの夕、ブ、レットの面積強度は図 3に示す様な温度依存性を示した。特
に夕、プレット (b)の吸収強度は温度変化に伴い著しく減少している。これに対してダブレッ
ト (a) とダブレット (c)の強度はほとんど一定である。 ダブレット (b)の傾きから得ら
3
0
Kである。この比較的小さい Oの値は平面 4配位の CU04が一次
れたヂノ〈イ温度 (θ)は 3
元のチェーンを構成していることと良く一致する。 これに対し、ダブレット (a)の傾きか
ら得られたデパイ温度は 7
4
0
Kとなり、底面がくぼんだ CuOs四角錐から成る 2次元の層状
構造に良く対応している。この比較的高いデバイ温度は、くぼんだ CU04面から成る 2次
元の層状構造が超伝導に関与することを示唆している。 ダブレット (c)の傾きから得られ
0
1
0
Kとなり、温度にほとんど依存しない。 一方 1
0
0
K以下では、面積強
たデバイ温度は 1
度はいずれの場合もほぼ一定になっている。異性体シフトの値も同様の温度依存性を示して
いる。このことから Y-Ba-Cu-O系において、くぼんだ CU04平面の原子伝動が温度の低
下にもかかわらず凍結され、その際フォノンと電子のカップリングが容易になることが超伝
導発現の主たる原因の一つで、あると結論される。
x=
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図 2 グ線量に対する吸収強度(面積強度)
の変化 0:ダブレット (
a
),.:ダブレ
b
),ム:ダブレット (
c
)
ット (
(
C
)
1
.
5
200
300
T IK
図 3 吸収強度(面積強度)の温度依存性
0:ダブレット (a),.:ダブレット (b)
D.:ダブレット (
c
),口:全体の合計 (a+b+c)
M出 SBAUERSPECTRAOFSUPERCONDUCTING YBa2Cu3-xFex07_6 CERAMICS
D
E,
FacultyofScience,KyushuUniversity,Tetsuaki NISHIDA,Hiroshi I
YonezouMAEDA,andYoshimasa TAKASHlMA,FacultyofEngineering,
Hiroyuki NASU
1
9
7-
3A05
MgO-Te02系におげる結晶およびガラスのメスバウアー効果による研究
(広島大理・京大原子炉・)
0蔭岡弘失T
I・山間康治・市城純雄・酒井宏・
(締設)官官聞の放射化学討論会では、 4 価と 6 価のテルル酸化物について
129
1 発先及びt25~r
e
吸収メスパウアースペクトルを測定し、酸化物 rj~ のテルルの電子状態、イじ学結・合および( I
l,
γ)
後遺効果について発表したり。今回は、 MgO-Te()2系イじ合物に焦点を械り、組成比の異なる
2
91発光メスパウ
T e (N) 化合物、 MgTe
6
(
)
1
3、MgTe205、Mg2Te308を調製して 1
4
.
3,
3
3
.
3,
4
0
.
0
アースペクトルを測定し、
また、それぞれの結晶と同じ組成の (MgO含有量 1
m
o
l
%
) テルライトガラスも翻聴し同様の実験を行い、これらの組成比の異なるイじ合物中のテルル
物との相遣に
の噌子状態と酸素との結合の変化について、また、テルライトガラスと結晶性酸イb
ついて検討を行った。
(試料の調興と実験)マグネシウムテルル酸化物は、それぞれの割合でMgOとTe02を混合し
噴気炉 111 で加熱 (420~6300C , 48~ 1
2
0h)することによって合成した。これらの結晶性化合物は、
それぞれ!割有の粉末 X線開折パターンをもつことから同定を行った。
2)
テルライトガラスの調
U
摘に入れて加熱、融解し氷水中に落下して急冷して行い、
艇は Te02とMgOを混合し白金J
2
91発先メスパ
顕微錦、粉末 X線問折法および示差熱分析によりガラスであること会線認した。 1
圧気輸送管
ウア一線源は、試料を闘形化密封し KUR
N
O
..1で一時間照射することにより得られ、
スペクトルの測定は Cu1
2
9
・
I標準吸収体に対して、両者を 16Kに冷却して行った。
得られた
スペクトルから最小二乗法によりメスパウアーパラメータを求めた。また、これらの化合物につ
いては KBr錠剤法による赤外吸収スペクトルの測定も行った。
2
91発光メスパウアースベクトルを闘 1に、テルライトガラスの
(結果と考察)結晶性化合物の 1
γ)反応による後
スペクトルを関 21
口氏す。これらには Te (羽)化合物に見られたような (n,
遺効果は見られない。 1
2
91発光メスパウアーパラメータ(表 1) において、結晶のものでの異性
体シフトは MgOの割合が増加するにつれ減少する傾向にある。これはテルル酸アニオンの負電
荷がカチオン Mg2+の噌加とともに酸素の位寵に局在化するためであると考えられ、'1'eの電子
時l
墜を減少させていると思われる。
四根分裂は減少する傾向がみられるが、 Mg2TeaOnは
MgTe205より大きな慨をとっている。この両者の聞には Teの環境に大きな変化があると思
われる。これらの構造のうち、 MgTe205とMg2Te308の構造は T
r
o
m
e
lにより粉末X線開折
法によって決定されている 2
).
3
)。 これらの化合物では、 Te-O聞の距離が遣いもの、近いも
の、 ~Ir 間のものとに分類すると大きく Te04 と Te03 のユニットの組合せから成ると考えるこ
とができる。
赤外吸収の結果とも合わせて、 MgTe205は 2つの Te03ユニットから
Mg2Te30aはTe04と2つの Te03のユニットの組合せから成っている。(!頚 a) さらに、
α_r!'e02はTe04ユニットから成っており四極分裂の個についてはこれらの化合物を構成す
2
91発地メスパ
るユニットの組合せの結果によるものと考えられる。一方、テルライトガラスの 1
かげおかひろとも・ゃまだこうじ・いちばすみお・さかいひろし
-1
9
8
ウアーパラメ}タにおいて、異性体シフトと四極分裂の値はMgOの増加に従い、結晶のものに
比べ連続的に減少する。 Te02は、それ自身ではガラス化せず修飾酸化物を噂入することでテル
ライトガラスとなる。その構造については、 M gを囲む Te04とTe03のユニットによる三次
ww
元網目構造をとっていると考えられる。このことは、結晶の場合と異なって、 MgO量の増加に
対し Te04とTe03のユニットの存在の割合が連続的に変化し、このことがメスパウア}パラ
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川伽・
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考えられる。"
、・ヘ九 i h
メータの減沙に関係していると考えられ、テルライトガラスのガラス化条件とも関連していると
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酒.
2 テルライトガラスの 2四
闘.
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~?^<。みドミ
α-Te02
Te04 unit
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Te03 unit
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Mg2
Te04 unit
Te03+1 unit
関.
3紡
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1:化合物の初迎ユニットモデル
1
)蔭岡、山田、市城、酒井、
0
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15
VelocitY/mm 5-1
velocity/mm 5-1
rn
光メスパウア}スペクトル
MgO-To0
2系の '29HMr~メスパウア}パラメ-~
HgTe 0
61
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MgTe 0
2s
2.35
119
1
.33
0.39
1
.95
103
1
.62
0.23
M92Te30S
1.66
158
1
.88
0.19
14.3唖glass
2.00
165
1
.80
0.42
33.3¥glass
1.67
132
1
.82
0.33
40.0亀glass
1.58
126
1
.88
0.28
• Relative to ZnTe source.
第 31回放射化学討論会予稿集
2C14 (1987).
2)M.Trömel , Z.anorg.allg.Chem ,盟主, 238(1970).3)H.Trömel , Z.anorg.allg.Chem ,担~, 14 1( 1975) •
Z
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19
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MOSSBAUER STUDY OF CRYSTALLINE COMPOUNDS AND GLASSES IN THE SYSTEM Mgo-Teo2・
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9
9-
3A06
イオン伝導性と半導性が共存するパナジン酸塩ガラスの
メスパウアースベクトルと電気伝導度
(九大理)
0西国哲明・井手博史・酒井
彰・八木駿郎・高島良正
原子核による g線の共鳴吸収(メスパウァー効果)は多くの固体物質の構造を解明する上
で有効な手段である。 とりわけガラスを初めとするアモルファス物質については局所構造
や化学結合、磁性、相転移等に関する多くの情報が容易に得られる。五酸化バナジウムをベ
ースとするパナジン酸塩ガラスはガラス半導体として知られており、 V4+から V5+への電子
の連続的なホッピンク1
こより導電性(半導性)が発現する。 一方ハロゲン化銀起源の Ag+
を含む多くのガラスは、電場印加のもとで、 Aピの移動に起因するイオン伝導性を有する。
西田らは半導性を有する幾っかのパナジン酸塩ガラスとイオン伝導性を有するホウ酸塩ガ
ラスの各々については、既に構造と電気伝導度の相関性を明らかにしている。そこで本研究
では ー定量 (
4
0モル%)の AgIとプロープとして 1モル%の 57Fe203を含む幾つかのパナ
ジン酸銀ガラスを調製し、メスパウアースペクトルと示差熱分析 (DTA)により、半導性と
0モ
イオン伝導性が共存するこれらのガラスの構造を明らかにした。また AgIを含まず、 1
ル%の Fe203 のみをメスパウァー用プロープとして含む一連のパナジン酸銀ガラスの調
製も併せて行い、組成変化に基づ、くこれらのガラスの骨格構造の変化を明らかにした。その
結果これらのガラスの電気伝導度の組成依寄性から、パナジン酸銀ガラスの導電性はガラ
ス骨格の構造に大きく支配されることを明らかにした。
(59-x)V205・
p7Fe203 ならびに xAg20・(90--X)V205・1
0
【実験] 40Ag1.xAg20・
Fe203で示されるガラスは、試薬特級の各試薬 (Ag1• Ag2O.V205 並び、に Fe203)を精
秤し、混合したものを電気炉中で 9
0
0 0c
で 1時間溶融し、その後直ちに氷水で急冷すること
により調製した。これらの試料は、すべて金属光沢を有する黒色のガラスであった。この方
法 iこより、 AgI を含む系では 20~ x壬 3
5
. Ag1を含まない系では 5~ x~45の範囲でガラ
スの調製が可能となった。メスパウアースベクトルの測定と示差熱分析は、これらの試料を
粉末にしたものについて乾いた窒素気流中で行い、それぞれの測定における基準物質とし
ては金属鉄と α-A1203を用いた。電気伝導度の値は小さなブロック状のガラス試料の両
面に電極を装着し、室温で直流抵抗を測定することにより求めた。
【結果と考察】 これらのパナジン酸銀ガラスのメスバウアースペクトルは、組成や鉄イオン
濃度とは無関係にいずれも四面体型の Fe3+による吸収のみから成っている。このことから
y 5+あるいは y 4+は、アルカリパナジン酸塩ガラスやアルカリ土類パナジン酸塩ガラスの場
合と同様、 V 04 四面体の形でガラス骨格を構成していることがわかる。 1ーのまたプロープ
として導入した鉄イオンはバナジン酸銀ガラスの構造には本質的な影響を与えず、 y5+ある
いは V4+と置換した位置に存在していることがわかる。図 lには AgIを含むガラスの異性
体シフトと四極分裂の組成依存性を、また図 2には XAg20・
(90-x)V205・
10Fe203ガラ
スの四極分裂の組成依存性を示している。 先に行ったアルカリパナジン酸塩ガラスの場合
と同様、網目修飾酸化物(ここでは Ag20)の割合が増すにつれて、四極分裂の値は次第に
にしだてつあき、いでひろし、さかいあきら、やぎとしろう、たかしまよしまさ
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5 20 25 30 35 1
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Ag20(mol・
ι)
図 1.40AgI'xAg20・(59--x)V205・
7Fe 03ガラスの (
15
a
):異性体シフト
2
並びに (
b
):四極分裂の組成依存性
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.
)
Ag20(mol1
・
図 2. XAg20・(90-X)V205・10Fe203
ガラスの四極分裂の組成依存性
減少している。このことからバナジン酸銀ガラスの骨格は本来の主盗孟の層状構造から土
次元の鎖状構造へと次第に変化していることがわかる。 1-3) 図 1(
b
) に示した四極分裂の値
はAg20濃度が 3
0モル%で極小を示している。この組成は Ag20/V205=1のメタ組成に
相当し、 xAg20・(90-x)V205・10Fe203 ガラスにおける Ag20濃度 4
5モル%に該当す
b
) の四極分裂の極小は Ag20/V205=1以上で、ガラスの骨格構造が再
る。従って図 1(
び複雑化し、架橋度が増すことを示唆している。このことはメスパウアースペクトルの半値
幅の組成依存性や図 3に示すガラス転移温度 (Tg)の組成依存性においても観測されてい
る。すなわち Ag20/V205= 1以上でガラスの骨格構造はメタ組成におけるよ盗孟の鎖
状構造から立盗孟の網目構造へ変化すると考えられる。 40Ag1'xAg20・(59-x)V205・
7Fe203ガラスの電気伝導度の測定を行ったところ、図 4に示すように Ag20/V20
15
5
=1で電気伝導度が極小を示している。 このことから Ag+ によるイオン伝導よりも V,t,+
による電子伝導の方が、ガラス骨格の構造変化の影響をより大きく受けていることがわかる。
400
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区J
3
. ガラス転移温度の組成依存性 (a): 図 4.40AgI'xAg20・(59-X)V205・
7Fe203ガラスの電気伝導度の
xAg20・(90-x)V205・10Fe203. (
b
)
:
15
5
7
40Ag1'XAg20・(59-x)V205・1 Fe203
組成依存性
References
1
)T
. Nishida andY
. Takashima,Bu11. Chem. S
o
c
. Jpn.,60,9
4
1(
1
9
8
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4
1(
1
9
8
7
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2
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. Nishida et a
1
.,J
u
1
1
. Chem. S
o
c
.J
p
n
.,6
1,2343 (
1
9
8
8
)
.
3
)T
. Nishida et a
1
.,B
MOSSBAUERSPECTRAANDELECTRICιCONDUCTIVITYOF IONICCONDUCTINGAND
SEMICONDUCTINGVANADATEGLASSES
Facu1ty ofScience,KyushuUniversity,Tetsuaki NISHIDA,Hiroshi IDE,
Akira SAKAI,ToshirouYAGI,andYoshimasa TAKASHlMA
2
0
1
3A07
マイクロチャネルプレートを用いた
エネルギー選別内部転換電子メスパウアー分光器の試作
〈東理大・理)
〈序〉
0三橋正充・佐藤春雄
内部転換電子メスバウア一分光法 (CEMS) は国体表面層のメスバウアー核の状態
分析法として有用である。我々はすでに安定性および検出効率が良好なマイクロチャネルプレ
ート (MCP) を検出器として使用した常温および低温における散乱電子メスバウアースベク
トルの測定とその応用について報告した 1)。メスバウア -r線照射により固体試料から放出さ
れる内部転換電子のエネルギーは国体内を通過する際に減衰されるため、内部転換電子のエネ
ルギーを選別してメスバウアースベクトルを測定することにより断層分析が可能であり、この
手法のための円筒鏡型電子分光器を用いた装置の試作について報告した 2)。本報では MCPと
簡単な構造の平行板型阻止電場方式電子分光器を組み合わせたエネルギー選別内部転換電子メ
スバウア一分光器の試作について報告する。
く実験〉
検出器には浜松ホトニクスの F
1
0
9
4・2
3
Sタンデム型マイクロチャネルプレートを使用
0
-5P
aを
した。真空容器はターボ分子ポンプと油回転ポンプを用いて排気し、真空度は室温で 1
E
I
K
O7
8
0
0
型マルチチャネルアナライザーおよび W
i
s
s
e
l1
2
0
0
型メスバウア
得た。測定には S
P
E
L
L
門A
NR
H
R
3
0
N
ースベクトロメーターを使用した。阻止電場用グリッドへの高電圧の供給は S
型高圧電源を用いた。室温 (
2
9
8
K
) にて測定を行い、線源は6
m
C
iの5
7
C
O
/
R
h
で、試料は
1
2
0
1
1
0
0
5
7
F
e
濃縮3
1
0
S
S
箔を使用した。
く結果および考察>
1
. MCPを用いたエネルギー選別内部転挽電子メスバウア一分光器の
誼 企 図 1に試作した阻止電場方式電子分光器を示す。阻止電場用グリッドには線径O
.
0
2
m
m
の
2
タングステンの金網 (
1O
O
m
e
s
h
/i
n
)を用いた。 2枚のグリッドの間隔は 1
0
m
mとし、スベーサー
にテブロンの円筒を使用して、アクリルネジで固定した。試料側のグリッドは接地し、 MCP
側のグリッドに負の高電圧を供給してグリッド聞に阻止電場を形成した。グリッドの有効径は
MCP
1
0Preamp.
│→
F
図 1 匝止電場方式電子分光器図 2 測定用真空容器内配置図
A:9
ン
ヲ
コ
子
ン
:
/
.
'
J
:
J
. B:子7
日ンスゲート
C :i'~11Jl紛- D: 接地(i'-~)
E:高電圧端子援続 F:MCP
A:線源 B:駆動機 C :i
/J
Iド D :試料
E:阻止電場用グリッド F:MCP
G,H:真空計ヘ 1:9
*
分子*
0
)
アヘ
みつはしまさみつ、さとうはるお
-2
0
2
図 3 M C Pの結線図
2
5
m
m
φ として、
MCP有効径20mmφ より大きくすることにより効率の減少を抑え、均一な電場
を生じるように 2枚のグリッド面は平行に固定した。図 2には測定用真空容器内の配置図を示
す
。
MCPは電子以外にも γ線、 X線に感度をもつため、
γ線入射部分以外には鉛、アルミニ
ウム、そしてアクリルによるシールドを取り付けた。試料面は γ線入射方向に対して 4
5。に配
JJ
置し、阻止電場用グリッドは MCPの前面に配置した。図 3にMCPの結線図を示した。バイ
アス電圧は 2
0
0
0
Vで使用した。
2. 試作分光器による制定
図 4に3
1
0
S
S
箔のメスバウア
ースベクトルを示す。グリッドを設置していない装置のス
1
5
0
.
0
0
ベクトルに比較して、図 4aのスベクトルの効率およびS
/
N
1
4
0
.
0
0
比は MCPと試料の距離の違いとグリッドによる測定電子
1
3
0
.
0
0
5
0
0
Vの
の減少により低下している。図 4bのスベクトルは6
>-
文 句0
.
0
0
定で得られたスベクトルである。図 4b,cのスベクトル
さ 9
0.00
低下し、散乱電子の低エネルギー成分が電子分光器により
"
'
E
QJ
∞
a
:1
0
0
.∞
QJ
5110
会談ぷi
j
;
?
'
"
【
QJ
除去されていることが明らかである。ノイズは7
0
0
0
V
以下の
高電圧の印加によりほとんど変化は認められなかったが、
7
0
0
0
V
以上で増加した。
9
0
.
0
0
同;議議ぷ
ノイズの原因として、 1
2
2
k
e
Vおよ
3
6
k
e
V
の γ線の光電効果による高エネルギー電子、
び1
いMJ
M
1
1
0
.
0
0
京
8
0
0
Vを印加し、 3時間の測
時間は 2時間である。図 4cは6
/
N
比が
は高電圧の印加により、 aのスベクトルに比べると S
山
一
一
⋮
一
1
2
0
.
0
0
.
5
k
e
V
以上のエネルギ}の散
高電圧をグリッドに印加して、 6
乱電子により得られたメスバウアースベクトルであり、測定
(
a
)
1
6
0
.
0
0
MC
1
Pへの直接入射 X線および T線によるノイズ、電気放電に
よるノイズ電子などが考えられる。現在ノイズの発生源に
/
N
比を向上させるため装置の改良を検
関し調査中であり、 S
討している。
5
0 1
0
0 1
5
02
0
0 2
5
0
t
y(
c
h
a
n
n
e1
)
V
e1
0
ci
図4
試作分光器による
メスパウアースベクトル
a グリッド印加電圧 OV (
Ih
r
.
)
〈文献〉
b :印加電圧 6500V
(
2
h
r
)
c':印加電圧 6800V
(
3
h
r
)
1)佐藤春雄他第3
0
回放射化学討論会講演予稿集 2
A
0
6(
19
8
6
)
2
)H
.
S
A
T
O,e
t
.
a
l
.,J
.
A
p
p
l
.
R
a
d
i
a
t
.
l
s
o
t,3
4
(
4
)7
0
9
7
1
2(
1
9
8
3
)
C
R
OC
H
A
N
N
E
LP
L
A
T
E
AN
E
WD
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C
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H門I
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N門O
S
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B
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k
y
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ト
l
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m
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uM
I
T
S
U
H
A
S
H
I,H
a
r
u
oS
A
T
O
2
0
3-
CEMSに よ る イ オ ン 注 入 材 の 分 析
3A08
(新日織,東大工・)藤浪真紀,橋口栄弘,大坪孝至,氏平祐輔・
1.緒言
加速したイオンを材料表面に注入し表面の特性を改質することが近年盛んで
ありかっそのイオン照射された表面層の状態を解明することは材料の実用化において不可
0
k
e
Vか ら 数 1
0
0
k
e
Vで あ り そ の 侵 入 探 3は
欠である。一般に打ち込むイオンのエネルギーは 1
1
0
0
n
m前 後 に な り C
E
M
Sの 観 測 範 囲 に 適 合 し て い る た め 注 入 層 の 生 成 物 同 定 や 構 造 解 析 に 応 用
主れている。イオン照射は原子のミキシングや原子の強制的な固溶をもたらすためイオン
が打ち込まれた領域では準安定相や非晶質相がしばしば形成される。鉄にほう素,炭素,
けい索,
リンを高濃度 (5xl016c
m
-2以 上 ) 注 入 し た 場 合 は 非 品 質 相 が 形 成 さ れ る と T
E
M
に よ っ て 確 認 さ れ て い る 。 一 方 窒 素 イ オ ン の 注 入 で は 結 品 質 の F e2Nや Fe4Nが生成し
ている。この生成条件は鉄と注入原子の原子半径比と
W
I
G
N
E
R
S
E
I
T
Zセ ル に お け る 境 界 で の 電 子 密 度 の 化 学 ポ テ ン シ ア ル の 比 に よ っ て 決 ま る 。 本
eC
E
M
Sによ
実 験 で は Siと Pを 鉄 へ 注 入 し た 層 の 構 造 や 生 成 物 と そ の 熱 的 変 化 の 様 子 を 57F
って解析し、他の非品質作成法によって作られたものと比較することを目的とした。
2. 実 験
各メタロイドイオンは鋼上に蒸着きれた多結晶鉄に注入された。イオン注入
は東ドイツのドレスデンにある Z
e
n
t
r
a
l
i
s
n
t
i
t
u
tf
u
rK
e
r
n
f
o
r
s
c
h
u
n
gd
e
rA
k
a
d
e
m
i
ed
e
r
0
k
V
. 注 入 量 は 1x1018c
m
-2と 5xl017
W
i
s
s
e
n
s
c
h
a
f
t
e
nで 行 わ れ た 。 注 入 エ ネ ル ギ ー は 5
c
m
-2である。 C
E
M
S測定には 2x1017c
m
-2以 上 の 注 入 量 が 必 要 と さ れ る 。 注 入 中 は 試 料 温 度
が 上 昇 し な い よ う に 冷 却 き れ た 。 ま た 注 入 さ れ た 試 料 は 103
T
o
r
rの 真 空 中 で 様 々 な 温 度
で 30分間アニールされた。 C
E
M
Sス ペ ク ト ル は 定 加 速 度 モ ー ド で 室 温 で 測 定 き れ 、 転 換 電
子はガスフロー型比例計数管によって検出された。
3
. 結果と考察
@Si注 入 鉄
F
i
g
s
. 1と 2に Si
を lxl018C皿-2と 5x1017c
m
-2鉄 に 注 入 し た 試 料 の
ν
T
.
.
・
コ .Dο
﹂
C
C
E
M
Sスペクトルを示した。 a
S
i
m
p
l
a
n
t
e
d試料のスベク
による 6本
ト ル は 両 者 と も 常 磁 性 ピ ー ク と 基 板 の α-Fe
ピークからなっておりそれ以外の強磁性ピークは観察
m
-2注 入 し た 試 料 に お い て そ
されなかった。 5xl017c
コou
グ し て 作 成 し た 非 品 質 FeS i合金に類似している。
V
I
】
C
のスペクトルは F
e
S
iの 多 層 膜 に イ オ ン ピ ー ム ミ キ シ ン
た だ し ブ ロ ー ド な 磁 気 分 裂 ピ ー ク は み ら れ ず Si濃度が
S
S理 論 に よ れ ば
かなり高くなっていると思われる。 L
5
0
k
Vで Si を 注 入 し た 場 合 そ の 平 均 侵 入 深 さ は 3
0
.5
n
m
.
標準偏差は 1
3
.
4
n
mと な る 。 注 入 量 が 多 い と き は 必 ず し も
この理論が成り立つわけではないがいずれにしても表面
6・42 02 46
v
e
l
o
c
i
t
v(mm
-sl)
i
g
.
lS
i
+
l
018 i
m
p
l
a
n
t
e
di
r
o
n
ご く 薄 い 層 に S iが 濃 縮 し て い る た め 常 磁 性 ピ ー ク の み F
ふじなみまさのり、はしぐちよしひろ、おおつぽたかし、うじひらゅうすけ
- 204
が観測されていると考える。 45 OOcの加熱により
FeSiが生成し 50 ooCで Fe3S i
に変態した。またほう素や炭素の注入の時には高温での加熱後分解が起こりほう素や炭素
の表面への拡散が観測されていたが
Siで は 分 解 せ ず 安 定 に 存 在 し て い た 。 よ り 高 濃 度 の
1x1018c
m
-2注 入 し た 場 合 に 四 極 子 分 裂 の 幅 が 増 加 し α-Feの 面 積 比 が 変 化 し な い こ と か
ら Feの 最 近 接 原 子 が
Siで取り囲まれた非晶質相が形成されていると思われる。 500
℃ で 加 熱 し た 際 の ス ベ ク ト ル は αー
と P F eS i2に よ る 常 磁 性 ダ ブ レ ツ ト ピ ー ク か ら な っ
勾
60 OOCで F e3S iに変態したがその分解は起こらなかった。
@ P注 入 鉄
F
i
g
.3に Pを 1x1018c
m
-2注 入 し た 試 料 の CEMSスベクトルを示した。注入
ていた。
m
-2の場合でもスベクトルはほとんど同じであり飽和した状態となっていた。
量 が 5xlOl7c
このことからスベクトル中心付近の常磁性ピークは
Siの 場 合 と 同 様 に 最 近 接 原 子 が Pに
よ っ て 固 ま れ た 状 態 に あ る Fe原 子 に よ る も の と 思 わ れ る 。 結 晶 化 は 4 5 OOCで起こり
F e2 Pが生成し、 5 0 OOCで F e3 Pに変態してい(", 6 5 0 C加 熱 で Fe-P化合物は分解
0
しピーク強度は減少していく。
コ
(MM}C
コ
ou
切MC
コ .D﹂U)
とC
.0﹂O)
ω
(
コ
ou
的︼C
川内!比
5
STUDY ON THE IMPLANTED IRON BY CEMS
Nippon Steel Corp.. Masanori FUJINAMI. Yoshihiro HASHIGUCHI. Takashi OHTUBO
U
n
i
v
. of Tokyo. Yusuke UJIHIRA
FHU
AU
つ
&
3A09
耐熱藍藻
S
y
n
e
c
h
o
c
o
c
c
u
sv
u
l
c
a
n
u
sC
o
p
e
l
a
n
dの吸収および
発 光 57Feメスパウアースベクトル
(理研)
安部静
r
1.はじめに
鉄は植物の生命維持および成長に極めて大事なはたらきをしている。植物による鉄の
吸収、運搬、貯蔵および鉄の関与する酵素による反応において, Fe2+--Fe3+の般化
還元反応がおきていると考えられているが、直接
in vivoでこの反応を観測するこ
とは困難である。メスバウア一分光法は非破壊状態分析法であり、植物中の鉄の状態や機
能の解明に有用である。そこで我々は種々の植物中の鉄の化学状態をメスパウアー効果に
より研究した。
特に大豆において成熟および発芽過程における種子中の鉄の二
(1-4)
価の割合が成熟種子に比べて噌大することを見出した。臼〉ここでは藍藻を用いた 57Fe
吸収メスパウアー効果および 57C 0 発光メスバウア効果の研究について報告する。こごで
用いた藍藻は 55 Cで最も良く生育し、 6時間の培養で二倍に増加する。藍藻は大豆、
0
ホテイアオイ、トマトなどと異なり形態が小さいので培養しながら
in vivo測定が
できる手リ点カ1ある。
2。 実験
藍藻に 57Fe3+
(2. 9mg)および 59Fe3+を EDTA錯体として投与した。 2日で
4 0 %の鉄が藍藻に取り込まれた。
57F
eを含む藍藻について in vivo,凍結状態、
乾燥状態でのメスパウアー効果を測定した。引 C oは投与後 4箇月で 5 0 %の吸収が見ら
れた。これについても
in vivoおよび凍結状態でのメスパウアースベクトルを測定
した。
3。
結果と考察
えられた 57F eーメスパウアースベクトルを図 1に示す。最初線巾の等しい一組のダフ'
レットを仮定して解析した。図 1 (a) のブイツテイングは良好であるが、
(b ) 一 (d)
ではフィッテイングがうまくいかなかった。そこで綜幅の等しい二組のダフ レットを仮定
J
し て 解 析 し た 。 (a)の in
vivoス ベ ク ト ル は (b) 一 (d)のスベクトルと異な
りダプレットの切りこみが小さく、また吸収強度も小いきい。このダブレットのアイソマ
ー シ フ ト (1S)は 0.40mm/s,四極分裂 (QS)は 0.72mm/sであり六配
位の高スピン三価の鉄に帰属される。二価の鉄に相当するピークは観測されなつかった。
藍 藻 を 凍 結 し て 測 定 す る と (b)に示す吸収の大きなスベクトルになる。またこれを乾
燥して室温、液体窒素で澗定すると、それぞれ (C) , (d) に示すスベクトルになる。
凍結状態と乾燥状態でのスベクトルはほとんど同じである。これらのメスパウアーパラメ
ーターは鉄に酸素あるいは酸素と窒素が六配位していることを示している。植物中には種
あんベしずと
2
0
6一
々の鉄化合物が存在していると考えられるが、その中でも量的に大でありまた無反跳分率
の大きなものがメスバウアー吸収を与えているため比較的単純なスベクトルがえられたも
のと思われる。生体物質について今までにえられたデーターをもとに考察したところ、こ
のメスパウアーパラメターは鉄貯蔵資自白である ferritinのそれにもっともちか
いと考えられる。
C0 を投与した藍藻の i n vivoスベクトルを室温で測定したがメスパウア一発
57
光ピークは観測されなつかた。これを液体窒素で凍結して測定した結果、二つの大きなピ
ークとショルダーピークが見られた。二組l
のダプレットを仮定して得られた大きなダブレッ
トの値はすでに報告されている 57C0-dicyan0c0ba 1am inや 57C0-c
yanocobalaminの発光メスパウアーパラメーターとほぼ同じであり、鉄は三
価の low spin状態にある。他方の小さなダブレットは鉄に Nが六配位した Fe
(11)化合物のパラメーターに近い。
ビタミン B12 (シアノコノ可ラミン〉はコバルト
を含有しており、コバルトには五個の NとC Nの Cで配位している。これらの結果からコ
バルトは藍藻にとりこまれたのちビタミン B刊の生合成に利用された可能性が考えられる。
C0 で標識された種々のコパラミンでは一組のダブレットしか観測されていないが、藍
57
葎試料では鉄の二価、三価に相当するピークが観測された。これは藍藻中のビタミン Bほ
が生化学反応に関与していることと関係があるものとおもわれる。
LITERATURECITED
1
.A
m
b
e
.S
.
;A
m
b
e
.F
.
; Nozaki. T
. Appl.
Rαdiαt. Isot. I
n
t
. J. Rαdiat. Appl.
Instrum.. Part A 37. 1
3
1(1986).
2
.A
m
b
e
.S
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m
b
e
.F
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n
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〉ー
}的ZUEFZ
ト
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Appl. Rαdiat. I
s
o
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n
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-﹄包﹂凶に
>
Radiα
t
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947(1
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m
b
e
.S
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m
b
e
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-2
0
2
4
Agric. Food Chem. 35. 292(1987).
R
E
L円T1V
EV
E
L
O
C1TY
【門門
1
5V
5 門E
T向LL
lC I
RON)
図 1 藍寝中のメスパウアースベクトル
(a)in vivo(RT), (
b
)濠結 (LN)
(c) 乾 鎌 (
RT), (d)乾燥 (LN)
7
AB
コ
<
SRPTIONANDEMISSION5
J'F
eMOSSBA
lARS
PD
ごT
RAOFCYAN
コ
PHYTA,
S
Y
N
E
C
H
C
C
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幻C
USV
U
L
C
A
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SCOPELAND
TheInstituteofP
h
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n
dC
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i
c
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lR
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s
e
a
r
c
h (KIKEN)
-2
0
7
S
h
i
z
u
k
oM侶 E
3A10
遅延同時計敷メスバウア一分光法による
57CO標識セレン酸コバルト (
1
1
)の研究
〈都立大・理,高ヱ研・)
0中田正美、渡辺裕夫、三浦太一・
遠藤和豊、中原弘道、佐野博敏
これまで 57COで標識したヨウ素酸コバルト (
1
1
)、フッ化コバルト (
1
1
)について
【緒言】
r,γ遅延同時計数メスバウア一分光法及び X, r同時計数メスバウア一分光法を用いて、
E
C
壊変に伴う化学的後遺効果について研究してきた 1}-uoγ ,γ遅延同時計数メスバウア
一分光法は時間的知見を得ることができ、特に短寿命化学種の時間的情報を得られるとい
う点で優れている。セレン酸鉄は、 2価で安定に存在し、 3価では一般には存在しない。ま
た、セレン酸鉄(
1
1
)に回C
o
線源により γ線を照射すると放射線効果を起こし盟セレン酸鉄
〈圃〉の生成が報告されている 3)。今回は、それらの詳しい情報を得るために、 57COで標識
したセレン酸コバルト (
1
1
)を線源として γ,γ遅延同時計数メスパウアースベクトルを測定
したので、その結果を報告する。
57CO
で標識した炭酸コバルト(1
1
)
6水和物に、セレン酸水溶液を加え、さらにヱ
【実験]
タノールを加え沈灘させることによりセレン酸コバルト(1
1
)
5
水和物を合成した 3」示差熱
水和物であることを確認した.これをもとに、さらに
・熱重量分析及び、 X線回折により 5
油治上 1
9
0Cに加熱することにより 1
水和物とし、それを線源とした.また、窒素置換した
0
グロープボックス内で水酸化鉄(
1
1
)に、セレン酸水溶液を加え、さらにエタノールを加え
沈澱させることによりセレン酸鉄(1
1
)
5
水和物を合成し、示差熱・熱重量分析及び、 X線回
折により確認した。遅延同時法を用いて異なった時間領域についてメスバウアースベクト
ルを測定した.吸収体として 57'
F
e
混縮3
1
0ーステンレススチール箔を用いた.得られたスベ
クトルは、F'e(1
1
)、F'e(皿〉として Gaussian
最小自乗法により解析した。
【結果】 1)時間積分メスバウアースベクトル:
7
5 CO
で標識したセレン酸コバルト
(
1
1
)
5
J.k和物と 1
水和物の発光メスバウアースベクトルを比較すると 5
水和物はほとんど‘F'
e
(皿
〉
2
0
が放射線効果により O
Hラジカルを生じ、 57'
F
e
に対し酸化剤として
成分である.これは、 H
働いている乙とを示している.
なかだまさみ、わたなべやすお、みうらたいち
えんどうかずとよ、なかはらひろみち、きのひろとし
-2
0
8
2) 時間微分メスパウア}スベクトル:1
7
.
1
<
和
物
の
.
時間分割 γ,γ遅延同時計数メスバウアースベクト
ルをF'i
g
.
1に示す.
)
I
n
t
e
g
r
a
l,
b
)0・3
5n
s,
c
)3
5・6
0n
s,
d
)7
7・1
2
3n
s,
e
)1
2
5・1
8
0n
s,
f
)1
8
0・3
0
2nsoγ ,γ遅延同時計
I
82.
』
沢
b)
:
.i.・
4---
I
z
f
100Yf4A¥
v
〉
:
j cmH・相品~/.i
町、,;イ
I
数メスパウアースベクトルを解析すると、 0
3
5
n
s
の:
時間領域では他の時間領域に比べ悶〉の相対面積
ザ
.
p
材
帆
.
・
‘
¥
戸
、
a
)
T
i
m
e
測定した時間窓は、
ミ
叫
a
LJ p
idf
治:
.
1
2
i
f
i
E日分兵ふ
,
比が大きい.また、半値幅は、設定した時間窓より;
ト
、
'
.. 3
1
三
│d
}
い
切ν
'
i
.
!
び
」
2
1
算出した平均時間から予想されるものより広い.乙:
l
t
守
:
,.'内戸晶YヤNザ
ザ¥:旬、.4.,
Y
れは、 EC壊変直後では短寿命F'e(ll)化学種がより多~
1
. e)
~
二 1~ ~t匂〆志向ー.,.'>t), ~^ i
叫決別均叫《杭
〈存在していたと考えることができる.そのほかの“
│
・~:O ¥
.
r
う.,. ,
時間領域ではF'
e
(l
l
)と
F
'
e
(皿〉の面積比はほぼ一定で、
lN
1
1
:ー
v
:
それぞれ約 2
0
%
、8
0
%であり、 T
i
m
eI
n
t
e
g
r
a
lの値と
C
壊変の際に放出さ
大きくは異ならない。さらに、 E
19~~~::ぃムベ〆ゾ ifJ,q州吋砕ゆ均t
‘ ' g 1 h,
・・
84
れる X線との同時計数スベクトルを測定した結果、
e
(
l
l
)の線幅が広くなっている。壊変に伴う X線
'
F
放出過程では A
U
G
E
R過程に較べてラジカル生成が少
なく、F'
e
(ll) が多〈生成してい~ものと推定される.
これは、時間積分の 5
水和物の結果を併せて考えると
矛盾しないものと思われる。
4
0
-2
0
VELOCITY
+2
+4
(mm/s】
'
Fi
g
.
lT
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【参考文献]
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9
8
8
)
.
1
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.
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a
b
e,
2
) 渡辺、遠藤、佐野
第3
1回放射化学討論会講演予稿集、 1
0
8(
19
8
7
)
.
3
)J
.
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)•
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-209-
3A11
α-F
3
中 1
1
1C
d
(← 1
11
fn
) の時間微分摂動角相関スベクトルの最終解析結果
e2
0:
(理研、千葉工大ボ)
浅井吉蔵、 O安部文敏、安部静子、岡田卓也、
*関沢尚
1
1
1
C
d
(← 1
1
1
I
n
) は γ線摂動角相関により超微細相互作用が調べられる代表的な核種である
が、絶縁体中では 1'
I
I
n→ 1
1
1C
dの電子捕獲 (
E
C
)壊変の後遺効果により観測される超微細相
互作用は通常著しく分布している。ごの後遺効果は物質中での 1
1
1C
dの本来の超微細相互作用
を乱し、ないしは消し去るものとしてこの核種の構造化学や物質の電子(基底)状態の研究への
応用を著しく制限するものであるが、一方で E
C境変で作られる励起状態の C
d イオンの様相や
その基底状態への緩和に関する知見をもたらすものとして興味ある現象で、 γ線摂動角相聞はそ
1
t
C
d
(← t
1
1In)γ 線摂動角
の機構を明らかにする有力な手法である。又、磁性物理の観点から t
相聞をみると、 1
1
1C
d は化合物磁性体中で通常 2価の反磁性イオンとなりその観測される超微
細磁場は大部分が周囲の磁性イオンから s
u
p
e
r
t
r
a
n
s
f
e
r される磁場 (
S
T
H
F磁場)であるという
特徴がある。
2
l
C
d
(← 1
t
1
Jn)γ 線摂動角相関
本研究は、代表的な絶縁性の磁性体である α-Fe
0~中で 1 t
の測定を行い、 h
o
ta
t
o
mc
h
e
m
i
s
t
r
y の観点から重要である 1
t'
I
n→ t1
t
C
dE
C場変後遺効果を
明らかにすると同時に、 t
1
1C
dのうげる S
T
H
F磁場からこの磁性体中での磁気的相互作用に関す
る知見を得る事を目的として行われた。この研究に関しては、以前 p
r
e
l
i
m
i
n
a
r
y な結果 1
】を発
表したが、今回角相関スベクトルの最終的な解析を行ったので報告する。試料作製、 γ線摂動角
相関の測定方法は以前の報告を見られたい。
5Kから 9
8
7Kの温度範囲でド行ったが、
測定は 8
後遺効果のスベクトルへの現れ方の違いから次の 3つ
の温度範聞に分けることが出来る。
l
) T)700K
ネール温度 (
TN =9
5
0K
) 以上の T=9
8
7 Kでは っ叩雪
.
0
角相関スペクトルは軸対称な電場勾配のみ、 TN 以 下 の 手 0
各温度では軸対称な電場勾配の他に電場勾配の主軸に
垂直な方向の超微細磁場でよく解析出来た。 [
F
i
g
.
:
;0
.
1
51-._、守
;
v
・
2
で0
1
i
t
U
Jム
内角司
υ
OÐ5~
l
(
a
),(
b
)1この温度領域での特徴は、観測された電場
勾配、磁場に分布が全く見られない事であった。これ
l
1
C
d
(← 1
11
fn
) は α-Fe2
0
3 中で
らの実験事実から、 t
e3+ を置換して入っている事、この測定温度領域
は F
では E
C嬢変の後遺効果は観測されない事がわかった。
2
0
0 2
5
0 3
0
0
T
im e (ns)
2
)3
0
0 K<T(700 K
この温度領域の角相関スベクトルは基本的には上の F
i
g
.1 R
e
p
r
e
s
e
n
t
a
t
i
v
eT
D
P
A
Cs
p
e
c
t
r
a
温度範囲におげると問機軸対称な電場勾勾配と電場勾
e2
03・
o
ft
1
t
C
d inα-F
配の主軸に垂直な方向の超微細磁場で解析できたが、スベクトルの周披数成分に分布がみられ、
この周波数の分布は電場勾配の大きさ、もしくは電場勾配の主軸と磁場のなす角度。に分布が
あきいきちぞう、あんベふみとし、あんべしずご、おかた。たくや、せきざわひさし
-2
1
0
あるとして説明できた。 [
F
i
g
.l
(c
)
] これらの分布は単一の G
a
u
s
s
i
a
nで近似できその巾は温度
0
0Kではほぼ Oとなった。 (
F
i
g
.2
) ごの超微細相互作用の分布は E
C壊変の
と共に減少し 7
後遺効果によるものと考えられ、観測された温度変化は E
C壊変の結果生じ後遺効果の原因とな
る I
I
I
C
d
(← l
1
1
1
n
) の励起状態の寿命が温度上昇と共に減少するとして定性的に説明できた。
3
)8
5K(T(230K
問
。r
i
n温度以下のこの温度領域では、 α-Fe2
0
3中
e3+ の磁化が <
1
1
1
>方向を向くのに伴い角相関ス
の F
l
o
r・‘
ベクトルは基本的には軸対称な電場勾配と電場勾配の主
γ
軸に平行な方向の超微細磁場で解析できたが、 2
) の温
54
¥
:
]
:
:
度範囲においてど同様にスベクトルの周波数成分に分布
千
¥
守
¥
十;
c
a
-1
0
F
i
g
.l
(d
)
] 但し、この分布は単一の
がみられた。 [
G
a
u
s
s
i
a
n で近似できる電場勾配の大きさ、もしくは角
度 θの分布では説明できず、スベクトルは次式で表され
る様に時間と共に振幅の減少するも 2
(
t
)の振動部分
n
'
)
S吋 t
) と時聞に依存しない
(
c
o
r
eを除いた部分) G
c
o
r
e部分 G
。げの和で表された。
2
2C
G
(
t
)
=
[
(
l
f
) +f
.e
x
p
(ー λt)]XG2
.
C
(
t
)
20
2
2
+ G22aDr~
f.λ の値は各々約 0
.
5
7,(
14
n
s
)
1 でこれらの値に
Fi
g
.2 T
e
m
p
e
r
at
u
r
ed
e
p
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n
d
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c
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f
E
F
Go
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n
g
l
e θ.
6
0
0
i
n(l~F~20)
I
I
、
喝
5
0
0
-0古山
10
:
ト
。
。
6
0
400
苛d
味は現在検討中であるが、注目すべき事は c
o
r
ev
a
l
u
e~
はよく保たれている事、言い替えれば、 E
C壊変後遺効.y40
2
果によって乱された超微細相互作用が s
t
a
t
i
cであるが百
ご と く 見 え る 事 で あ る 。 : f
2
0
今回の研究で、後遺効果の機構のある面が明らかに
1
なる一方で、摂動角相関の化合物磁性体研究への応用に
関しては、後遺効果がある場合においても超微細磁場と
{ωDuzbhhE-awLZZ
n
u
u
内
n
u
υ
︽
系統的な温度変化は見られなかった。ごの式の物理的意
1(
.
)
8
0-
¥~100
o
よ
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I
,
r
I
I
札口
T
(b)
電場勾配(の平均)の値は極めて精度よ〈求めることがで 5 汁 ι~
I
きると云う重要な事が明らかになった。右図に 1
1
1C
d 三2
.
5
下、叫
におげる超微細磁場と電場勾配の温度変化を示す。電場:f2
.
t
,1
v
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0 ωo 6
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0 1
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している事がわかる。 M
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r
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n温度における不連続を含め F
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g
.3 T
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e
p
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n
d
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n
c
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so
f
観測された l
1
1
C
dの超微細磁場(主たる部分は S
T
H
F
t
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eh
y
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r
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i
n
em
a
g
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t
i
cf
i
e
l
d
sa
n
d
磁場)の出現機構をごの物質中での F
e3
+ 聞の超交換
E
F
Gat1
1
1C
di
n α-Fe2
0
s・
勾配の大きさはほぼ一定であるが、超微細磁場は広い温
度範囲で同物質中の 5
T
F
eの超微細磁場に比例して変化
ωo
1
)K
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相互作用との関連に於て考察中である。
i
可
τi
ワ
山
3801
1
吏月ヨ主斉:慰窓来斗宇容局宰弓=ご濯やI
主主要主主査0:::>会ヨトキ斤
(原研) 0安達武雄、郡司勝文、武石秀世、木村貴海
[序]核燃料再処理溶解プロセスで発生する不溶性物質には、
問
。
,
T
c
及び R
u,P
d,R
hなどの白金
族元素を主成分とする難溶性合金、燃料体の明断にともなう微片、被覆管の外側面に腐食生成物と
して付着しているクラッドなどがある。核分裂生成物から成る難溶性合金の微粒子は燃料の燃焼が
進むにつれその量が増大し、再処理の清澄及び抽出工程においてフィルターの目づまり、除染係数
の低下、配管類の腐食など厄介な問題を引起こすにもかかわらず、使用済燃料の溶解に関す否定量
0
0
0附 d
/
tまでの使用
的なデータはほとんどないのが現状である。そのため、燃焼度約九 000-39,
査の性状を調べる分析を進めている。分析
済燃料を用いて硝酸による溶解を行い、生じた不溶性残1
法として、 T線スベクトロメトリー、 X線回折 (
X
R
D
)、 X線マイクロアナライザー (
X
M
A
)、質量
C
P
発光分光分析 (
I
C
P・A
E
S
)、 α線スベクトロメトリーなどを用いた。この中で破壊分析の
分析、 I
ため、①テフロン製耐圧容器による不溶性残j
査の高温高圧溶解法、② R
u の蒸留分離一同位体希釈
1D
M
S
)1)、③溶媒抽出分離ー液体シンチレーション法による Tcの定量法、 @ICP-AES
質量分析法 (
によるト1
0,T
c,R
h,P
dなどの定量法、を開発した。一連の溶解試験は継続中であり、今回はこれ
までに得られた不溶性残漬量、成分分析、成分相
の同定結果を模擬使用済燃料 (
5- 3
0%F
I
M
A,
1%F
I剛 =
9,
6
0
0附 d
/
t
) について得られた結果 2)
と比較して述べる。
[実験]
試料.被覆管付 U
02 ベレットを約 3m
mの厚さ
02)。
にダイヤモンドカッターで切断 (2-3gU
溶解:燃料は4門硝酸 3
0m
lを加えlIeガスを通
気しながら 1
0
00Cで約 2
時間加熱した。
査は塩酸と硝酸の混酸 (
9
:1)をテフロ
不溶性残I
ン製耐圧容器中で 1
8
0C、2
0時間加熱した。
0
溶解以後の不溶性残潰分析フローシートを図 1
XMA XRD
に示す。
[結果と考察]
①不溶性残撞重量
図 2に燃焼度3
9,
0
0
0
M
W
d
/
tまでの燃料について
得られた不溶性残撞量(初期ウラン量に対する重
R
u
:I
D
門S
量%)と燃焼度との関係を示す。ほぼ直線的に増
加している。 5%
F
I
M
A
模擬使用務燃料での残漬量
は酸素ポテンシャル及び熱処理温度で変化する
が0.2-0.3%の範囲にあった。
[あだち
たけお、ぐんじ
Tc: 液体ぬ H-~3 コ Z十数
M
o,
T
c
.
R
h,
P
d等:I
C
P・A
E
S
7
'
)1)イド α
: 線計数、
α線;(,,'外 J
I測 定
図1
かっぶみ、たけいし
不溶性残涯分析フローシート
ひでよ、きむら
たかうみ]
'A
唱
nL
nL
。
(%1
8
6
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αlO
(
t
v
l
W
d
t
)
図 2 不湾住?.ii
査量と悠焼度の関係
回
②元素組成
(
3
4
T
c,
R
u,R
h,P
d
)、クラツド (
C
r,F
e,N
i
)、燃料
切断時に混入する被覆管構成成分または FP (
Z
r,
S
n
)及び超ウラン元素の中で最も多量に存在する
Tpu
分析対象元素は、いわゆる金属性析出物〈門 0,
I
R
hド
同
匹目白
P
Uである。それらの中で主成分である金属性析出
0,
0
0
0
附d
/
t
以 図 3 不溶性股凌における金属性析出物中の元素組成
物における元素組成を図 3に示す。 2
上の試料で R
uの割合が徐々に増加しその分だけ門oが減少しているように見える。これは燃焼に
ともなう酸素ポテンシャルの増加により金属として存在する門oの割合が減少することと、 2
3
9
P
U
核分裂数の増加による R
u生成量の増加のためと考えられる。模擬使用済燃料でも酸素ボテンシャ
ルの増加と共に不溶性残i
査中の門oモル分率の減少が見られた。
~XRD による成分相の同定
全ての試料でほとんど同位置に回折線が認められ、六方晶系である R
u合金 (
ε 相〉のデータと
5
%FIMA模傑模探使用済燃料では ε相のみが測定されたが、より燃焼度の高い試料では、
燃料ベレツト中に ε相と α相 (P
d合金〉、不溶性残I
査中に ε相と σ相(門0
5
R
u
3
)が測定された。
〈文献) 1
)K
.G
u
n
j
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C
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棚
.
, Letters,118(1987)225. 2)T
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d
.
eta1
一致した。
〈この報告は、科学技術庁から日本原子力研究所への委託研究として実施した「高燃焼度燃料再処
理試験研究J の成果の一部についてまとめたものである。〉
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I門U
R
A
2
1
3
3802
燃料被覆管における放射性核種の分布
(原研)
0佐 藤 忠 、
平林孝閥、佐川千明、川村亘、
吉田伸彦、正木信行、佐伯正克
はじめに
軽水炉における燃料被覆管は、核燃料、核分裂生成物等を燃料棒内
に閉じ込める働きをするばかりでなく、構造上も重要な役目をするもの
であり、その健全性および照射挙動は広〈研究されている。
使 用 済 核 燃 料 被 覆 管 ( ハ ル 〉 は 、 Purex 法 に よ る 再 処 理 に お い て 燃
料ベレツトが硝酸に溶解された後、他の燃料ピン構成物と共に高放射性
金属廃棄物として残る。ハル中放射性核種の濃度、特にアクチノイド濃
度はハルを放射性廃棄物として処分す忍際、
するか、
α放 射 性 廃 棄 物 と し て 処 分
β-γ 放射性廃棄物として処分するかを決定する上で重要であ
る。またハル内の放射性核積分布は、ハルを除染処理により低放射能化
ず る 為 に 必 要 な 基 礎 デ ー タ で あ る 。 し か し 、 ハ ル 中 の γ線 放 出 核 種 以 外
の放射性核種,について、その含有量および分布を測定した例は少ない。
本報では、ハルを内側面より段階的に溶解し、その中の核分裂生成
物、放射化生成物、アクチノイドおよびトリチウムの濃度分布を求めた
結果を報告する。
方法
燃料滞解試験により生じたリング状ハルを切断して試験片とし、秤
量、
γ 線測定、
α線 放 射 能 表 面 密 度 調IJ 定 を 行 っ た 後 、 試 験 片 の 内 側 面 を
除く他面をエポキシ樹脂でコーティーングし、}メサベー溶液により内側
面から段階的に溶解した。この時放出する
HT 状 ト リ チ ウ ム は 、 HTO 状
に変換して捕集し、定費した。ハルの段階的溶解で得た各溶解液につい
て、
γ 線測定、
1C P 発 光 分 析 、 ト リ チ ウ ム 測 定 を 行 な い 、 さ ら に 各 溶
解 液 中 の ア ク チ ノ イ ド 、 月 線 放 出 核 種 、 お よ び 微 弱 γ線 放 出 核 種 を イ オ
α線 ス ベ ク ト ロ メ ト リ ー な ど に よ り 測 定 し た 。
1000 T に 加 熱 し 、 放 出 す る ト リ チ ウ ム 費 者E求めた。
ン交換法により分離し、
また別の試験片を
結果と考察
ハ ル 内 側 面 お よ び 外 側 面 の α線 放 射 能 表 面 密 度 を 燃 焼 率 の 関 数 と し
さとうただし、ひらばやしたかくに、きがわちあき、かわむらわたる、
よしだのぶひ乙、まさきのぶゆき、きえきまさかっ
- 214-
て 図 ー 1に 示 す 。 ハ ル 内 側 面 で は 、
α線 放 射 能 表 面 密 度 が 燃 焼 率 の 3乗
に比例して増加するが、外側面では、燃焼率にほぼ比例して増加する。
両側面におけるアクチノイドの付着機構の差によるものと思われる。
ハ ル 内 部 に お け る 放 射 性 核 種 の 分 布 を 図 - 2に 示 す 。 ハ ル 内 側 面 よ
り 10μmま で の 深 さ に 、
98%
以との核分裂生成物が分布するが、ジルカロ
イ中の微量不純物から生成する
Co-60 お よ び
Sn か ら 生 成 す る
Sb-125
はハル中に均一に分布する。ハル中のトリチウムは、燃焼率が高くなる
と不均一に分布する。
(Bq/mg"、
ル
〉
1
0
'
10・
全.I!l総則能・
pu(Am.Cm)
(Bq/cm
世}
且 H 需号
87C03
間揖度・
29.400 恥~Vdノ 1
2
令 佃 期 間 : 5'
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{ハル外側面]
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外側面
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t (MWd
ノリ
白 HV
n
U
2
問機
図 - 1 ハル内側面及び外側面の全 α線放射能
国一 2
ハル中における放射性核種の分布
この報告は、科学技術庁から日本原子力研究所への委託研究として実施
した「高燃焼度燃料再処理試験研究 J の成果の一部についてまとめたも
のである。
DISTRIBUTION OF RADIOACTIVE NUCLIDES IN CLADDING OF SPENT NUCLEAR FUEL
Department of Chemistry,Japan Atomic Energy Research 工nstitute,
Tadashi SATO,Takakuni HIRABAYASHI,Chiaki SAGAWA,Wataru KAWAMURA,
Nobuhiko YOSHIDA,Nobuyuki M. MASAKI,Masakatsu SAEK工
2
1
5
3803
使用済憾料の溶解液、不溶性残I
査及び被覆管の γ線放出核種分布
〈原研) 0鈴木敏夫、伊藤光雄、中原嘉則、大貫守、本間柄正明、料椿崎仙市
[はじめに]
核燃料再処理の溶解時における放射能分布を明らかにするために、慰焼度約 7,
0
0
0.
.
.
.3
9,
0
0
0
附d
/
tの
P
W
R使用済燃料を用いて溶解試験を実施して、溶解前〈燃料ベレット+被覆管)及び
溶解後(溶解液、不溶性残I
査、ハル(被覆管))の各試料について T線スベクトル測定を行い、
1日6Ru,
125Sb,
134CS,
137Cs,
144Ce,
154Eu 等の分布を調べた。
[測定]
燃料棒を長さ 3
m
mに切断して得た試料〈約 3g) をガラス製パイヤル瓶に入れ、使用済燃料
一γ線スベクトル自動測定解析システム(AUGASS-SF )1)を用いて
γ線スベクトル測定を行っ
た。その後、 4 M
硝酸 3
0
m
l <液温約 1
0
0.
C
)中で約 2時間溶解し、得られた各試料に対して、
T線スベクトル測定を行った。ここで、溶解液は全量の約1/1
5
0
0 を分取した試料を、不溶性残
j
査及びハルは、得られた全量を測定試料とした。
[結果と考察]
3,
6
0
0附 d
/
tの試料における放射能分布を表 1に示す。放射能は、照射
一例として、燃焼度 3
終了後 5年の時点に換算して、ウラン 1g当たりの放射能の量として示した。さらに放射能分布
0
0
% として表した。この表から 134CS,
137CS 及び 154Eu は、ほ
<%)は、溶解前の放射能を 1
ぽ 1
0
0
%溶解械に存在することがわかる。これに対して、
溶解液に、約 4
0
%が不溶性残I
査に存在した。
106Ru は本溶解条件では、約
6
0
%が
lUCe は約 8
0
%以上が溶解液に存在すると考え
られる。また、これらの核種は微量ではあるがハルにも存在し、鞍分裂の反跳によるものと考え
られる。核分裂生成物の他に被覆管に含まれる Sn の放射化により生成する 125Sb は、溶解液
の他に、ハル(被覆管)に約 1
0
%、不溶性残j
査に約 7
%が存在している。
次にこれらの核種について、溶解前試料の放射能に対するハル中の放射能の割合と燃焼度の関
係を図 1に示す。図から 134CS,
137Cs,
144Ce 及び 154Eu は燃焼度と共に、
0
.
1
%から 0
.
2
%と
徐々に増加しているのがわかる。 1日6Ru は 約 0
.
3
%で一定しており、燃焼度に対する変化は、
あまり見られない。 60CO 及び 125Sb は燃焼度が増加するにつれて減少する傾向にある。これら
の傾向はいずれの場合も溶解時におけるハルへの吸着、核分裂の反跳等を考慮しても、今のとこ
ろ説明できない。
(この報告は、科学技術庁から日本原子力研究所への委託研究として実施した[高燃焼度燃料再
処理試験研究]の成果の一部についてまとめたものである。)
すずきとしお、
いとうみつお、
つばきざきせんいち
なかはらよしのり、
おおぬきまもる、
牢(現在は名大工〉、林(現在は三菱重工(株))
216-
まがらまさあき、
裂
1 PWR使m
済織料溶解にお 1
1る放射能分布
燃焼tn:3
3.
6
0
0Ud!t:燃料冷却j
切
r
.
l
J
:5
1
!
!
放射能分布(%)
被紐
溶解前試料中の
放射能 (
B
q
!
r
U
)
溶解液
R
u-1
0
6 6.6(1) E8
Sb-1
2
5
不溶性残櫨
,、)~
62
40
0.33
8.0(6) E7
76
7.3
9.4
C
s-1
3
l 1
.08(I)E9
102
0.015
0.16
C
s-1
3
7 3.67(4)E9
100
0.017
0.16
C
e-IH 5.7(2) E8
>80
E
u-1
5
l 1
.39(I)E8
103
-0
0.13
0.011
0.16
一
注) 1.23(4)E51
孟
、 (1.23士 0.04)XI0
・を示す.
似 } 例 〉
:
:
l
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2
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1
01:-一与一喝ーす一---"-<>町一
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0
0 4
0
0
0
0
鍋焼度
(MWd!t)
0,
企
.
.
ゴ会
0
.
2
:
f
r
:
;
!
燃焼度
(MWd!t)
[紋射能存在串-(,、ル中肱制随/ベレヲト+ハル申紋剣能)x1
0
0
1
市町割合と鎚焼度の関係
国 1 ハル中町肱射 l
1) 鈴 木 、 間 柄 、 岡 下
:
日本原子力学会[昭 6 2年会]要旨集 (F16)及び
第 8回核物質管理学会年次大会論文集[研究発表 20J (1987)
門
門A
門I
門O
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事,料, Facultyof Engineering,NagoyaUniversityト
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唱
t
円
n4
3B04
使用済燃料における同位体相関
(原研) 0中原嘉則、河野信 r
l
g、郡司勝文、園部保、高野秀機
[はじめに] 核燃料を原子炉で燃焼させるとその燃焼の程度に応じ、 236U及び238Uの減少、
2
3
6Uの生成の他に起ウラン元素 (
T
R
U
)及び核分裂生成物 (
F
P
)等多彩な同位体が蓄積する。これ
らの各寵同位体の蓄積・減少の聞の関係、あるいは、同位体と核燃焼の状況を表すパラメータ
(例えば燃焼率)との間の関係を同位体相関という。
使用済燃料中のこれらの各種同位体の実測値に基づく種々の相関関係は、対象とする核燃料
の照射特性の拙担、実測値の整合性のチェック及び各種同位体の蓄積あるいは、減少量の推定
等に応用されている。
使用済燃料における各種同位体の相関関係は、一方では、炉物理理論に基づく計算から構築
することができる。この場合には、計算結果の妥当性が常に問題となる。
本報告は、その妥当性を明らかにするために、 P W R使用済燃料の分析によって得られた U、
T
R
U及び F
P の各元素量及び同位体組成の実測値と燃焼計算コードによる計算値を燃焼率 (
%
F
I
M
A
;
F
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/
l
n
i
t
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IM
e
t
a
lA
t
o
mの百分率)との相関関係から比較・検討したものである。
[計算値] 燃焼計算コードは、 O
R
I
G
E
N
21)及びS
R
A
C
F
P
G
Sれの 2つを使用した。 O
R
I
G
E
N
2は、主
として再処理プラント及び廃棄物処理処分に係わる設計及び研究のための基礎データを提供す
R
N
Lにおいて開発されたコードである。一方、 S
R
A
C
F
P
G
S は、高燃焼炉心
ることを目的として O
R
U消誠専焼炉の概念設計の一環として原研において作成されたコード・システムであり、
及び T
核データは J
E
N
O
L
2 をベースとしている。
[実測値]
U(232Uを除く)、 P U(238Puを除< )及び N dの各同位体量及び同位体組成
比は、同位体希釈法による質畳分析、 232U、237Np、238P u及び超7
・n
トこ弘元素の同位体は
α線れ.'
J
ト
日
メ
ト
リi
とより定量した。更に、 1日6Ru、 1
2
6Sb、1
3
4C S、 1
3
7C S、 1
4
4Ce及び
1
6
4Euについては、各燃料試片の 7線1
へ
.'Jトロメトリより求めた。燃焼率は、 148Nd及び P u /
U比の値から計算した。全ての実測値は、使用済燃料の冷却 J
U
W
Uを 5年として規格化した。
[結果と考察] 実測{直と計算値との比較の一例を図に示す (235Uの場合)。横柄"は燃焼率(
児F
I
M
A )、縦 ~I" は表に示す核種もしくは元素の生成量を取り、約 0.7-3.6% の範囲にある各燃
焼率に対する 9点の実測値の最少二乗法で求めた中心 l
曲線と計算値を比較した。比較結果の要
約を以下の表に示す。
O
R
I
G
E
N
2の計算結果では、 235U及び N d同位体の生成量は、その実測i
値と非常によい一致を
示した。これらは、核分裂数に直接影響される同位体である。しかし、 P uの生成量は、燃焼
率のほぼ全範囲において低い値となっている。 P u生成量の計算結果が低いために P u同位体
なかはら
よしのり、
そのべたもつ、
こうの
たかの
のぷあき、
ぐんじ
ひゼき
218
かっふみ
の中性子捕獲反応 i
とより生成する超7'品トニ弘元素の同位体量も同様に低い傾向がみられた。ま
た
、 7線放出 FPである 1
2
6Sb及び 1
6
4Euにおいては、かなり高い値となっている。
R
A
C
F
P
G
Sの計算結果は、 1
2
6Sb、 1
6
4Euも含め全体的に大きな食い違いは見られ
一方、 S
なかったが、 2
4日P U、 1
1
l6Ru及び 1
3
4C S において低い傾向が見られた。
また、 Nd同位体
の中の 143Nd及び 1
45Nd同位体は、燃焼串とともに高くなる傾向が見られ、これらは、いず
れも他の Nd同位体に比して中性子捕獲断面積が大きい同位体である。
・
,
.・
36・
6
0
0
5
.
・
+
6
'
"
5
(
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0
0
1
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7
C
0
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+8
7
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7
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竜
、
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、
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・・
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1
.
1
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.
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O:'f"AJ
.
1
1
実欄
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M
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M
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M
M
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G
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区
司
*
a
・ 5
阿d
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A
A
A
4[.
L_
G
表中の Oは、中心曲線に対して土
5%以内で一致しているものを表す。
Aは、中心 r
l
l
r
*
仰と対して士 10%
以内で一致しているものを表す。
以上離れているものを表す。
*は、中心出!線に対して土 10%
ヰ~*は、中心 rllr 制!に対して::1: 50% 以上離れているものを表す。
ーは、計算結果のないものを表す。
Mは、同位 t
l
:希釈法による質量分析を表す。
A及び Gは、各々 α線及び 7線;t'¥'ヲト日メトリを表す。
この報告は、科学技術庁から日本原子力研究所への委託研究として実施した
「高燃焼度燃料再処理試験研究」の成果の一部についてまとめたものである。
参考文献
1
)A
.
G
.C
R
O
F
F
."
O
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2
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O
-2
1
9一
3805
P
U
0
2 ・U
0
2固溶体の電気伝導率測定
〈名大・工〉 内藤室繭、辻利秀、阿部真博、山本哲也、佐藤昌己、 O安藤和秀
(原研・東海〉 山下利之、大内金二、藤野戚男
【
序
】
高速炉やプルサーマル炉用燃料として使われているウラン・プルトニウム混合酸化物
(MOX)の熱力学的データは、炉内での燃料照射挙動を明らかにする上で不可欠である。酸素
ポテンシャルは、高温における燃料と被覆管との化学的相互作用や燃料中での FPの存在状態を
評価する際に重要な物性値であるが、この量は結晶中の点欠陥や複合欠陥と密接な関係にある。
U
y
U
I
y
0
2
+
X系の欠陥構造に関する知見を得るために、 y値の異なる試料を調製し、電
そこで P
気伝導率の酸素分圧依存性並びに、組成一定のもとでの電気伝導率の温度依存性を調べた。
P
U
y
U1
y
2
+X試料は、イオン交換
3
.
7
1 i i
【実験】
0
法によって精製したプルトニウム硝酸溶液と
36
ウラン硝酸溶液とを、 y = 0
.
0
5,O
.1
,0
.
2,
3
.
5 0,
J・
ω
.
o
0
.
5となるように混合してつくった。混合溶
M卜 ;
:
;
:
;
;
j
腕蒸発固化したのち、空気中 1
0
7
3Kで仮
~ 3.3~
d'
J・
0
.
5
焼し、原料粉末とした。次にその粉末を 6
m
m ご3
.
2
b
φのベレットに成形し、これに 0
.
3
m
m
φ の穴
0>
を4個直線状にあけたのち、電極として P
t
2
0
%
R
h線を挿入し,高周波加熱炉に入れ、真空
2
.
9
中 1
6
7
3Kで約 3時間焼結し、測定試料とし
2
.
8
O
/
C
02 混合ガスの混
た。酸棄分庄の調整は C
2
.
7
0
-I3 .
.
.
.
.
.
.
. 1
0
-I.5
合比を変えることにより, 1
,
「1
:
2
2
;
P
aの問で制御した。また、試料近傍の酸素分
圧は、低酸素分圧領域(< 1
0
-3 P
a
)ではチタ
ン酸バリウム、高酸素分圧領域(> 1
0
-3 P
a
)
2
そ1
5・
3
1 ・
1
1
9
7 5 3 1
- 0
l
o
g
(
P
o
/Po)
2
図 1 電気伝導率の酸素分圧依存性
では酸化コバルトを用いて、所定の値であることを確認した。試料の電気伝導率は簡易直流 4端
子法により測定した。
【結果および考察】
P
U
y
U
I
y
0
2
+
x
(Y=
0
.
0
5,0
.
1,0
.
2,0
.
5)試料の電気伝導率の酸素分圧依
1
0
-5 P
a以上の高酸素分圧領域では、いずれの y値の試料でも電気伝導率
存性を図 1に示す。
は酸素分圧と共に増加した。
この領域での酸素分圧に対する電気伝導率の勾配は、 y =0
.
0
5,
0
.
1,0
.
2の各試料についてそれぞれ 1
/
2
.
2,1
1
3
.
0,1
1
4
.
1 となる。この勾配の変化を説明する
ために、 U
02刊に対して提唱されている W
i
"i
sの複合欠陥が MOX囲溶体中にも生成している
と考えれば、反応は次の式のように表される。
0
2
(
g
)
+
2
vja+2Vjb+20o = {
2
(
Oja
V
}
m
+m
h・ ( 1 )
Ojb
o)
ここで Vjは格子間空孔、 O
j は格子間酸素、 0
。は格子位置の酸素、 h
. はホール、 V。は酸素
2
(
0i
aO
ib
V
m価にイオン化した複合欠陥である。
空孔、 {
o)}m- は Ojb
h
.
]
=m
{
2
(
Oja
Vo)
}
m と質量作用の法則から、このホールによる電気伝導率
電気的中性条件 [
σは次のように表される。
1
/
(
m
+
l
) 、 (Cは定数)
σ <x [
h
.
]
=Cp
o
(
2
)
2
ないとうけいじ、つじとしひで、あべまさひろ、やまもとてつや、さとうまさみ、
あんどうかずひで、やましたとしゆき、おおうちきんじ、ふじのたけお
-2
2
0一
ここで、 P
02 は酸素分圧である。上記の実
験値の勾配は y= 0.05,O
.1,0.2 の各組成
1
4に近いことから、それぞれ
で 1
1
2,1/3,1
1価
、 2価
、 3価にイオン化した複合欠陥が
支配的であると考えられる。
0
-2.5 P
a での電気伝導率
次に、酸素分圧 1
の温度依存性を図 2に示す。図 2には、石井
ら1)による U02+x (x= 0.01,0.10 )と、松
井られによる U
40
9-z の電気伝導率の値も共
に示した。 y=0.5以外の場合、曲線は
U
O
"町 や U409-z と同様、 2つの変曲点をも
って温度とともに減少する(タイプ 1)が、
y = 0.5 の場合には、はじめは急速に減少す
るが、変曲点以後、勾配はゆるやかになる
(タイプ 2〉
。
6
- 5
凋句
﹂戸
-Em¥ b
E
乙
吾
3
•^
10
タイプ 1の曲線における高温側の変曲点につ
九
15103/T
2
.
5
3
.
0
図 2 電気伝導率の温度依存性
) 2相領
いては、 U02+x に対して石井らが提案したような門02+x 単相領域から〈門02+x +叫 09-z
域への相転移 1)の可能性と、 U409-z に対し見い出されたような秩序・無秩序にもとずく附2+x
単相領域内での 2次の相転移引の可能性がある。一方、タイプ 2の曲線の変曲点以下では、不純
物伝導が支配的であると思われる。
Aronson ら3)
が U02+x のホツピング機構について提唱した式を MOX系に応用すれば次の式が
得られる。
σ=(
σ 。/T)(2x)(
l
・ y-2x) exp(-Ea/kT)
(
3
)
ここで、 Ea は活性化エネルギ一、 k はボルツマン定数、 T は絶対温度、 2x と l-y-2x はそれ
ぞれ伊トと U4+の濃度である。高温領域での logσT のl/T 外挿値は、 (3) 式が成り立てば
log{2σox(
l-y-2x)} に等しい。従って、これを I
og{2x(
l-y-2x)} に対してプロットすれば、勾
配は 1になるはずである。実際、タイプ 1の場合、勾配が約 1の直線上にのることから、 (3)式
によるホツピング機構が成り立っているものと考えられる。また、 logσT vs. l
l
Tの勾配から求
.1,0.2 に対し、各々 0
.
3
1,0.33,0
.
3
7 eV
めた高温領域の活性化エネルギーは、 y= 0.05,O
であった。 これらの値の y=O への外挿値は、 Aronson らによる U02+X に対する値 0.3e
V 3)
と良く一致する。タイプ 2の高温領域での活性化エネルギーは 0.65eV であった。この場合、
U
4
+ と U5+ に加えて P
u3+ と P
uれのホ、ソピングが寄与している可能性がある。
1
) T. Ishii et a1.,J
. Nuc1. Mater. 36 (1970) 288
2
)T
. Matsui et a1.,J
. Nuc1. Mater. 48 (1973) 58
. Chem. Phys. ~ (1961) 1382
3
)S
. Aronson et a1.,J
ELECTRICAL CONDUCTIVITY MEASURE~偲 NT OF PuO_
2- U
-O
-_
2 SOLID SOLUTIONS
Department of Nuc1ear Engineering,Facu1ty of Engineering,Nagoya University,
Keiji NAITO,Toshihide TSUJI,Masahiro ABE,Tetsuya YAM
必1
0TO,Masami SATO,
Kazuhide ANDO
Tokai Research Estab1ishment,Japan Atomic Energy Research Institute,
Toshiyuki YAMASHITA,Kinji OHUCHI,Takeo FUJINO
唱EA
L
円
qL
3806
内部転換電子による 243,244Cmの同位体比の測定
(東北大・金研)
0塩川佳伸、八木益男
アクチニド核種の同定や定量は α線スベクトロメトリーにより行われてきたが、その
エネルギ一分解能は最良で‘も 10keV程度のため問題点も少なくない。一方、アクチニド核種
の γ遷移では内部転換電子の放出率が高く、内部転換電子を優れたエネルギー分解能で測
定できるならば、 α線スベクトロメトリーでは本質的に困難であった接種の同定や定量が
可能になると考えられる。
Cm-243とCm-244は共に α放射体で、その主な α線のエネルギ
ーは C田-243では 5
.786HeV(73%)と5.742MeV(1
l
%
)
、 Cm-244では 5.805MeV(76%)と5.763MeV(24
%)である。また Cm-243では γ線測定が可能で、あるが Cm-244では Y線の放出撃は極めて低い
(43keV 0.025%)。このため Cm-243とC
m
-2
4
4の同位体比を直接測定する方法として α線及び
γ線スベクトロメトリーは適切でない。
演者らは前回の放射化学討論会では 42keV電子で O.5keV(FWHH)のエネルギ一分解能をも
っ内部転換電子測定装置の製作と、その Pu-239とPu-240の同位体比測定を試みほぽ満足で
きる結果が得られることを報告した。また、第四回放射化学討論会では内部転換電子によ
る Cm-243とCm-244の同位体比測定を試み、 100keV以上のエネルギーを持つ Cm-243のピーク
は観測できたのに対して、当時の装置ではエネルギ一分解能が不十分なため Cm-244のピー
クはほとんど観測できなつかたことを報告した。そこで今回は新しい装置でh改めて C
s
1243
とCm-244の同位体比測定について検討することを試みた。
[実験]
i(Li)検出器の n恨肋ミら直流結合で信号を取り出し p 側から
本装置では S
放射線が入射するため、その表面と接地されている測定試料の聞には検出器の印加電圧
-1500Vに等しい電位差が生ずる。この電位差のため電子は1.5keV低エネルギー側に観測さ
43-LII(20.55keV),
43-LIII(24.8keV)電子は P
u
L
β線
れるので、 Cm-244の43-LI(19.7keV),
(
18.1keV).Pu-Lγ 線 (
21
.6keV)とオーバラップして観測される。そこで本研究では測定試料
にー 1500Vの電圧を印加し検出器表面(p側)と同電位とし、このオーバラップを回避した。
[結果及び考察]
図に試料 (Cm-243/244,total 2.53:
tO.03KBq)とCm-244(3.25:
t
O.05KBq)の内部転換電子スベクトルを示す。 Cm-244の 4
3
L
I
ノ
11と4
3-LIIIは Cm-243のピーク
や Pu-Lx線とオーバラップせずに観測されている。内部転換電子の測定は現在も継続中であ
るが、これまでの結果によれば、 Cm-244の43-LIIIの強度の比較から試料中の Cm-244は
1
.
7
3:
tO.05KBqと算出され、 Cm-243の量を仮に全量からの差として求めると O.80k土 O
.印刷、
しおかわよしのぶ、やぎますお
円ノ臼
ワ
臼
“
ヮ
{-ωccezuι
融制色
t
:
w
w
:
許
;
"#C300}
i
ぷ
ぷ
ぷ
必
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- O
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r.f' 司,雪'IIf'哩1t1li置E魁咽E毘.~
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. J
.
•
-一現段差妥詩
oJ
回
句
ザ
:
:
場経騒谷議員長兵三以ぬ}.Ltz-uJr;.
。
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2
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2
4
3
/
2
4
4a
n
dC
Cm-243の放射能割合恥 =
A
3
/
(
A
3
+
A
4
)
(
A
3,
A
4は試料中の Cm-243,
2
4
4の放射能強度)は 0
.
3
2土
0.02となった。
C
B
I
2
4
3は 5.992MeV以上の α線を放出 (
1
3
.
9
8
%
)し
、 Cm-244の α線とはオーバラップしな
3を求めるこ
いため、 これらの放出率とカウント数及び全カウント数からも Cm-243の割合 N
t0.007で内部転換電子の測定とも一致した。更に試料に
とができる。 その結果は N3=0.307:
Cm-244をむ加えて調製した添加試料の C
m
2
4
3の割合 N3'=A3/(A3+A4+a4)と
、 ごとで得られた
割合 N
3との聞には
l
/N
3
' ーl/N
3= a
4 /A
3 の関係があり、 この式の右辺は添加量 h と
2
内部転換電子測定から得られた C
m
2
4
3の量 A
3から評価できる。 ここでは添加量 a4=865土1
B
qとし、
N
3'
=0.231:
t0.005を得た。上式の左辺の値は1.07:
1
:0.12で、右辺の値1.08:
1
:0.08
とよく一致することから Cm-243の 5.992MeV以上の α線放出率の値は信頼できるものであろ
Cm-244の定量)を待たないと最終
つ
。 しかし、現在測定中の内部転換電子の結果 (Cm-243,
的な結論は下せない。
T
H
E DETERMINATION OF T
H
E ISOTOPIC R
A
T
I
O Cm-243 T
O CM-244 B
Y INTERNAL CONVERSION
ELECTRON SPECTROMETRY
Institute for Materials Research,Tohoku University
A
G
I
Yoshinobu SHIOKAWA,Masuo Y
2
2
3
3807
ウラニルイオンとケイ酸の錯体生成について
(東北大金研、フロリダ州立大*)
緒言
0佐藤伊佐務、 G.R.Choppin*
放射性廃棄物の貯蔵施設からの漏洩等によるマイグレーシヨンの基礎的な研究のー
っ と し て 、 ウ ラ ニ ル イ オ ン (U
0
22っ と ケ イ 酸 (Si(OH)4) との錯体生成について、溶媒抽
i
0
2)は地殻のかなりの部分を占めており、これが水に溶
出 法 に よ り 検 討 し た 。 シ リ カ (S
i
0
2に換算してそれぞれ 5-35
解するとゲイ酸となる。河川水および海水には、ケイ酸は S
p
m含まれている 1¥ ケイ酸と金属イオンとの反応については、 H
a
z
e
lら引
p
p
mおよび 2-10p
によって最初に調べられた。彼らは、鉄 (
I
I
I
)、アルミニウム、およびクロム(血)化合物を
Hが減少することを見い出した。これは、ケイ酸が金属
ケイ酸と混合したところ、溶液の p
イオンと反応し、水素イオンが遊離したためと推論された。次に、鉄(皿〉とケイ酸との反
応 3. 4) が吸光光度法により詳しく調べられ、その反応定数が求められた。また、ウラニル
イオンとケイ酸との反応も吸光光度法により実験され 4に そ の 反 応 定 数 が 概 算 さ れ た 。 こ
れらの実験では、いずれも過飽和のケイ融溶液が使用されている。今回の実験でも過飽和
領域での使用であったが、ケイ酸の重合等には充分注意をはらった。
塞昆
ウランのトレーサとして
233Uを用い、
T
T
Aを抽出剤とした溶媒抽出法によりウラニル
水和物を
イオンとケイ酸の反応を調べた。ケイ酸はポリエチレン容器にケイ酸ナトリウム 9
H
2
.
5として調製した。この溶液中のケイ酸の
とり、水で溶解し、さらに過塩素酸で中和し p
濃度は 0
.
0
8
3 M(
S
i
0
2として 5000p
p
m
) である。調製後ただちに 4m
l分取し、すでにウラン
溶液、過塩素酸ナトリウム、および水酸化ナトリウム溶液の入っているガラスパイアル瓶
に入れ、 5m
lの水溶液相を調製した。水溶液相はケイ酸 0
.
0
6
7 M(
S
i
0
2として 4
0
0
0p
p
m
)、
p
H 3.2-5.6、イオン強度 0
.
2である。 2
0分間放置した後、パイアル瓶に 5m
lの 2.5x1
03
・
MT
T
A
/ベンゼン溶液を導入し、 2
0分間しんとうして抽出した。連心分離機により二相を分
離した後、各相より 0
.
5皿l
づっ分取し、液体シンチレーシヨンカウンタで α線を計数し分
Hを測定した。一方、ケイ酸の入っていない過塩素酸
配比を求めた。また、残りの水相の p
水溶液からのウランの抽出についても全く同様の実験をおこなった。
Hを一定とし、ケイ酸の濃度を変化
次に、酢酸ナトリウム緩衝溶液を用いて水溶液中の p
T
Aと
させ、ウランの分配比がどのように変化するかを調べた。このとき用いた抽出剤は T
DBMである。
結果および考察
.
2の遇塩素酸溶液 (0)およびケイ酸溶液(・)からのウラニ
イオン強度 0
ルイオンの抽出挙動は、図 1に示してある。図中の上部の曲線は、過塩素酸溶液中からの
さとういさむ、 G
.R
. ショ}¥ン
-224-
ウラン抽出のデータを最小自乗法でフィッテ
1
03
。
イングしたものである。ケイ酸溶液からのウ
"
_
,
, -0
・
00
ランの分配比は、 p
H
4
.5
.
.
.
.
.
.
.
5
.0
で極大となる。
1
0斗
.
.
.
.
. 0
,.
ケイ酸溶液中において、ウラニルイオンは次
。
の様に反応すると考えられる。
,
E
E1
0
.
U022++H2obU020H++r
U
0
22++S
i
(
O
H
)
4 をU
0
2
0
S
i
(
O
H
)ピ +W
、
、
-
•
U020W +S
i
(
O
H
)
4 むU
0
2
0
S
i
(
O
H
)
3
' +H
2
0
主
f
T
T
Aを抽出剤とする溶媒抽出において、摘出
種は U02(TTAhのみと仮定すると、分配比は
••
旬‘
,
-
5
1
0
-
0
-6
1
1
0
-7
以下の様に表すことができる。
o=
ー
ー
ー
図 1、ウラニルイオンの抽出
IU]"r9. I O I • 1
[
U
]
a
q
.
l
o
t
a
l
(0):過塩素酸溶液からの抽出
I
U
0
2
(
T
T
A
)
2
]
2
(O
H)
3
+
]
[
U
0
2+
] + [U020W] + [
U
0
2
0
Si
〈・):ケイ酸溶液からの抽出
[U02(TTAh]
2
[
U
0
2+
] ( 1+ kl/[W] + k
2
[
Si
(OH)4]/[H寸 +k
3
[
S
i
(
O
H
)
4
]
)
同様に、過塩素酸溶液中からのウラニルイオンの抽出の分配比 (
O
u
'
)を定義し, (
O
u
/
O
u
'
)ー1
の値を求め、 k
t
.
k2.
k
3の大きさ等を検討した結果、 p
H
3
.
.
.
.
.
.
.
5では k2=(3.6土0.5)X1
0
-3
とい
う値が得られた。図 1の下部の幽線は k2=3.6XI0-3をもとに計算して得られたものであ
る
。
ケイ酸ー酢酸ナトリウム緩衝溶液からのウランの抽出挙動についても検討し、この溶液
中で存在する種に関する知見が得られた。
参考文献
1
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:
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:事 1
*:r.の吋告の ~h 哀が駒場見事、さ仇 7己.
SEPARATION OF AOTINOID(III) AND AOTINOID(IV) BY 30日 間 T EXTRACTION AND
ADSORPT工ON.
Faculty of Science,University of Tokyo, Asaya KOBASHI,Takeshi TOMINAGA
,
,
Tokai Research Establishment Japan Atomic Energy Research Insti七ute
~1ichio
HOSHI,Ohushiro YONEZAWA,Masaka
七su SAEK
工
227-
3809
抽出クロマトグラフ法によるアクチニド元素の分離(
l
l
)
〈原研) 0木村貴海、吾勝常勲
1.緒言
抽出クロマトグラフ法による硝酸系でのアクチニド元素と核分裂生成物 (FP)の分離及びアク
進めている。前々回に報告した T
B
P
/
X
A
D・4樹脂による U,
Np,
Pu,
チニド元棄の相互分離の研究者E
Am及ひ;FPの相互分離 1
)に続き、今回は皿価のアクチニド元素 (Am,
Cm
及び Cf)を対象に、抽
H
D
E
C
M
P
(
D
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x
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N,
N
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b
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e
n
e
出剤にニ座配位中性有機リン化合物の一つ D
p
h
o
s
p
h
o
n
a
t
e
)を選U、皿価のイオンの樹脂 (
D
H
D
E
C
門P
/
X
A
D・4)への抽出挙動及びカラムによる分離
条件を検討した結果を報告する。
2. 実験
D
I
I
D
E
C
附I
X
A
D・4の調製:市販の DHDEC門Pには不純物、とくに硝酸低濃度領域における逆抽出に影響
を及ぼす酸性物が含まれ~。そこで樹脂の調製に先立ち、 DHDEC門P を 6 門 HCI-20
%CH30Hと室温
.
5門 N
a
O
H
2
0%C
H
3
0
H及び水で洗浄した。その結果、 Amの分配比は文
で2日間接触させた後、 0
H
D
E
C
M
Pと保持体のA
m
b
e
r
li
t
e
献値とよく一致し酸性物が除去されたことを確認した。次にこの D
X
A
D4
及び水の3
相を数時間撹持した後、 2
0%C
H
3
0
Hで洗浄後乾燥した。この方法により最大保持
・
3gD
H
D
E
C
門P
/
gXAD・4
)以下で任意の D
H
D
E
C
M
Pを含む樹脂の調製が可能である。
量(1.1
tの硝酸溶液を使用した。ア
、 244Cm
及び:
252Cfのトレーサーと Ce3
試料溶液及び定量:241Am
は ICP発光分光分析で定量した。
クチニド元素は α線計数及び α線スベクトロメトリーで、 Ce
P
l
1
1
F
:分配比 Kdはパッチ法で、 Kd(ml/g)=[(Co・ C)/C]・
(V/M)により求めた。ここ
分配止のj
で
、 C日:初期濃度、 C:平衡後の濃度、 V:溶液体積、
M:DHDEC門P
/
X
A
D・4樹脂重である。
H
D
E
C
門P
などの液体試料は K
R
S
5
(
T
I
B
r
+
T
lI
)板に挟んで測定した。 D
H
赤外吸収スベクトルの制定:D
D
E
C門P
/
X
A
D・4などの固体試料は乾燥後、 KBr錠剤法を用いて測定した。
f
t
l
l定 :D
H
D
E
C
門P
/
X
A
D・4(100-130mesh)をガラス管 (6mmφ 〉に充増し両端を石英ガラス
溶離曲線のj
ウールで固定しカラムとした。溶離液はマイクロチュープポンプで涜速を一定にして供給し、流
出液はフラクションコレクターに分取し定量した。
3. 結果及び考察
E価のイオンの抽出挙動
Ce及び Amの抽出挙動を分配比の測定により調べ、次の結果を得た。①抽出剤濃度 (
D
H
D
E
C
M
P
i
nD
I
1
DE
C
門P
/
X
A
D
4
)依存性を調べた結果、 0.5から 5門 HN03で Ceの slopeはほぼ3.0であった。一
N
0
3で Amのs
l
o
p
eは2
.
7であった。これらは E価のイオンの抽出に D
H
D
E
C
M
Pが3
分子関与
方
、 3門 H
0
3
-濃度を一定にして V濃度依存性老調べた結果、 i門 N
0
3
-でAmの
することを示している。②N
s
l
o
p
eは 0
.
1
8であった。 N
0
3
-濃度を 1
から 5門へ変化させると Ce
のs
l
o
p
eは 0
.
1
9から 0
.
2
8に変化
H
D
E
C
門P
への H
N
0
3の付加反応が皿価のイオンの抽出反応に競合するためと考えら
した。これらは D
きむらたかうみ、あかつじようくん
2
2
8一
れる。③ H
+濃度を 1刊で一定にして N
0
3悼漉度依存性を調べた。酸の付加による f
r
e
eな抽出剤濃度
の減少と E価のイオンの硝酸錯体生成の影響を補正すると Ce
及び Amのs
l
o
p
eはそれぞれ 2
.
9
及び
2
.
7であった。以上の結果は、皿価のイオンの D
H
D
E
G
1
P
/
X
A
D
4への抽出挙動が溶媒抽出の場合と同
様の反応、門 3
+ +3
N
0
3
- +3
D
H
D
E
C
門P =門 (
N
0
3
)
3・
3
D
H
D
E
C
門P
、で説明できることを示している。
r
e
eなD
H
D
E
C
M
P
(溶媒抽出法〉及びD
H
D
E
C
門P
/
X
A
D・4
(抽
一方、赤外吸収スベクトルの制定により、 f
出クロマトグラフ法)での D
H
D
E
C
M
Pの状態及び3門 H
N
0
3からの H
N
0
3とCeの抽出挙動を比較し、次
H
D
E
C
門P
のP
=
O
及びC
=
O
結合の伸縮振動による吸収はそれぞれ 1
2
5
0
の結果を得た。①両抽出系での D
及び 1
6
4
0c
m
-I
N
0
3の抽出において、 p
=
o
結合の波数の変化は圃 3
0
で一致した。②両抽出系での H
c
m
-Iで一致したが、。。結合の変化は共に見られなかった。③両抽出系での Ceの抽出において、
P
=
O
及びC
=
O
結合の酸素と Ceの相互作用による波数の変化はそれぞれ 5
0及び 4
0c
m
-I
で一致した。
さらに、 Ceと結合する N
0
3ーの対称及び非対称の伸縮振動による吸収がそれぞれ 1
3
0
0及び 1
4
5
0
I
c
m
- に見られた。これら 4つの吸収の強度は Ce濃度にほぼ比例した。この結果は、 Ceの抽出が
両抽出系においでほぼ同様であるという分配比測定の結果と定性的に一致する。
Am、Cm及び Cfの溶離挙動
表 1に溶離液 1MH
N
0
3、温度2
5
o
cで、溶離液の涜速及び樹脂の DHDEC門P保持量を変えて、
Am、
Cm
及び Cfの溶離曲線を測定した結果を示す。この結果から、①分離係数は?m
i
車の影響をあまり
受けないが、分解能は流速の減少により向上する。②流速が一定のとき、 D
H
D
E
C
門P
保持量が多い
及び AmとCfはそれぞれ分解能 1
ほど分離係数及び分解能は良い。 @No.4の条件下で、 AmとCm
以上、すなわち相互汚染約 1%で相互に分離される。ただし、 CmとCfの分離は困難である。な
どが明らかになった。
. Am,
Cm
及び Cfの溶離における溶離液の流速及び D
H
D
E
C
ト
l
P保持量の影響
表1
N
o
. カラム本 1)
分配比 (
K
d
)
流速
(
m
l
/
c
m2
m
i
n
)
A
m
C
m
C
f
分離係数 (
S
)寧2) 分解能(
R
)判 )
A
m
/
C
m A
m
/
C
f
A
m
/
C
m A
m
/
C
f
0
.
1
0
2
.
7
2 2
.
0
5
1
.3
3
0
.
5
0
8
l2g
)
2 A(
0
.
0
3
7
2
.
7
6 2
.
0
5
1
.
3
5
0
.
8
3
9
(
4g
)
3 B
0
.
1
1
5
.
3
8 3
.
5
3 3
.
4
5
5
.
7
5 3
.
6
0
.
8
8 3
1
.5
2 1
.56
1
.
4
8 1
.60
0
.
7
5
9 0
.
8
1
5
0
.
0
2
7
A(
l2g
)
4
B
(
4g
)
.
3
7
1
.1
6 1
主1)保持量: A,0
.
5gD
H
D
E
C
M
P
/
gX
A
D
4
; B,1gD
H
D
E
C
門P
/
gX
A
D
4
. ね)S
(
2
/
1
)
=
K
d
(
2
)
/
K
d
(
I
)
.
幻) R
(
2
/l
)=
(
V
2・V
I
)
/
(I
'I
+
I
o
1
2
)
:V,最大涜出点; 11',ピークの l
/
e
幅.
1)木村貴海,吾勝常勲;第3
0回放射化学討議会 P
0
4(
19
8
6
)
.
S
E
P
A
R
A
T
I
O
NO
FA
C
T
I
N
I
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m
iK
I門U
R
A,J
o
h
k
u
nA
K
A
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S
U
2
2
9
3810
オく芋容持吏叶1 ファクチ・ノイド呪〉管重安元イじ竺1fr.&,I;む
(1)酸溶液中のウラン、ネプツニウム、プルトニウムイオンの酸化還元
(原研東海、牢京大化研)。吉田善行、青柳寿夫、寧木原壮林
事ま Eユ ðb~ こ
ウラン、ネプツニウム、プルトニウムは酸性溶液中で3
価から 6
価までの多
くの酸化状態をとり、酸化状態は酸化還元や不均化反応によって容易に変動する。したがってこ
れらイオンの溶液化学的挙動は極めて複雑である。その挙動を把握し制御するには、イオンの酸
化還元、不均化、及び両者を左右する錯形成反応等に関する知見が不可欠であるが、溶液化学的
基礎データーは十分でない。その主たる原因は、存在状態や量が刻々と変化する溶液中の目的イ
オン種を選択的にかつ迅速に検出する手段、あるいはそのような不安定な目的イオン種を純粋に
含む溶液を調製す手段等が限られていることにある。
本研究では、迅速かつ定量的であるという特色を持つカラム電極電解法により酸溶液中の各種
酸佑状態にあるウラン、ネプツニウム、プルトニウムイオンの電解挙動を調べた。特に不安定イ
オン種を同電解法で調製しその電解挙動の検討を可能とした。
芸健蹟食
カラム電極はグラッシーカーボン繊維(東海カーボン社製G
C
2
0
、径.
.
.
.
.
.
.
1
1
μ
m
)作用
S
S
E
)参照電極などで構
電極、多孔性バイコールガラス管の電解隔膜、白金線対極及び銀・塩化銀 (
成される1) (
図1
) 。 目的イオン(濃度 C) を含む試料溶液を矢印の方向に一定の流速 fで流し
ながら、作用電極電位を一定の速度 vで走査し電流ー電位曲線を記録する。また、溶液中のイオ
ンの酸化状態を調整するには、一定電位に保持した作用電極を過して溶液を流し、目的とする酸
化状態のイオン種を含む流出被を得る。 2
.
.
.
.
.
.
.
3
数個の電極を直列に連結し、前置した電極で酸化状
踏の調整を、また後置した電
Fig.l COLUMN ELECTRODE
極で目的イオン種の電流ー電位
闘線の測定を行う。カラム電極
電解においてクーロメトリック
SSE
CE
な電解が進行している時、電極
を流れる電流 Iと電極反応に含
まれる電解電子数 nとの聞には
次式(1)が成り立つ。
1 = nFfC (
1
)
回転 G
C
2
0ディスク電極による
測定では、北斗電工(株)社製回
転電極H
R
1
0
3などを用いた。
--l
od
230
m
q
a
qJr
n'n
・
1pra
よしだぜんこう、あおやぎひきお、きはらそうりん
勺&
.
,
,
14
l
>
H
.
A
o
y
a
g
i,
Z
.
Y
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s
h
i
d
a,
S
.
K
i
h
a
r
a,
A
n
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l
.
C
h
e
m
.,
1
9
8
7,
5
9,
4
0
0
.
来吉身毛・尋雪翼連E
図 2R
E
D
O
XO
FP
L
U
T
O
N
I
U
f
o
II
O
Ni
n
一
一
一
1f
O
IH
C
I
O
.
.
f
O
IH
N
0
3 (1MH
C
l)
一 一 一 1MH
N
0
3
+
0
.
5MN
a
2
S
0
4
- ー ぃ -1
MH
N
0
3
+1
.4MH
3
P
0
4
プルトニウムイオンの酸化還元反応:カラ
一一 1
ム電極法で記録した各種酸溶液中の P
u
(百
)
,
(V),
(
I
V
),及び(皿)イオンの酸化還元による
電流・電位曲線を図2
に示す。
縦軸には(1)式
n
と電流値から計算した nの値をとった。
P
u
(班)/(V)の酸化還元;反応は可逆で、
酸化還元設の半披電位は f及び溶液の水素イ
2
オン濃度印つに依存しない。リン酸が共存す
ると半波電位は負にずれるが(岡市ゆ印)
これは P
u
(班)とリン酸解離種との錯形成によ
.
0
.
1
.
u
(百)→ (V)の
る。酸濃度が高い溶液中では P
.
0
2
0
E/VvsSSE 1
還元設に対応する nは 1より大きいが、これ
u
(
V
)が不均化し P
u
(羽)を
はカラム電極内で P
MIV)→(皿)
生ずるためである。
〆
n
V
d
n
Cd
J
/
﹄
あるいはリン酸イオンが共存すると P
u
(lV)が
u
-巳 d
V 九.0
•
-E
.0
-uv
,
・ 0β/F
/ー
/ 時 f時 f
〆
/ ノ
ノ ノ
今,島田
/時/
P
u
(町)/(皿)の酸化還元;反応は可逆で、
半被電位は f及び印つに依存しない。硫酸、
-r'
一
一
0.4E
U
0
22
++e
-主主 P
U
0
2
+ (
2
)
電極反応式;P
P
u
(
i
l
l
)→(
I
V
)
錯形成するため、 P
u
(
I
V
)
/
(皿)の半波電位は
負に移行し(図中時印)、半波電位のこれら共存イオン濃度への依存性からその錯形成定数を
見積ることができる。電極反応式;P
Uれ +e 之 P
Uれ
(
3
)
Pu(V)→ (
I
V
)の還元;多くの場合、 Pu(V)の (
I
V
)への還元が起る電位は (
3
)式の還元が進むの
に十分に負であるため、 P
u
(
V
)は 2電子被を与えて(皿)に還元される。 Pu(V)→ (
I
V
)反応は非可
u(V)→ (m)の還元電位は fの増加とともに負に移行する。 [
Hつあるいは共存する硫
逆なので、 P
u
(
V
)の (m)への還元は可逆性を増し、半波電位が正に移行する。 P
u
(l
V
)
酸イオン濃度が増すと P
u
(
V
)→ (
I
V
)、P
u
(lV)→(皿)のほぼ 1電子
が錯形成によって強く安定化されるリン酸溶液中では P
ずつの逐次還元波が観測される。 回転ディスク電極で記録した P
u
(
V
)→ (m)による電流"電位曲
線の解析から、 P
u
(
V
)を還元して生じる P
u
(lV)のイオン種として P
u
02
+
が存在し得ることが示唆
された [(4) 式]。また生成した PU02+~ま速やかに PUれに分解する [(5) 式]ことも明らかになった。
電極反応式;P
u
0
2t+
2
s
++
e
-7 P
u
02
+
+
H
2
0 (
4
) 、P
u
02
++2
s
+
→ P
u4
++H
2
0 (5)
ウラン.ネプツニウムイオンの酸化還元反応:同様にして各イオン種の酸佑還元、不均化、錯
元素の結果を対比しそれらの類似性と特殊性とを明らかにする。
形成反応等を調べた。 3
E
L
E
C
T
R
O
C
H
E
f
o
II
C
A
LR
E
A
C
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I
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D
EI
O
N
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NA
Q
U
E
O
U
SS
O
L
U
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I
O
N
S(
1
)R
E
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U
C
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N
D
,
I
o
f N
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P
T
U
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DP
L
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U
f
o
II
O
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SI
NA
C
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D
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Cf
o
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.
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v
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nK
I
H
A
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A
-2
3
1
オく詫宰詫t
i時1 ヲF ク ヂL ノ イ ' ド 司 〉 軍 軍 費 も イ 己 寺 会 BiL
芯
3811
(n) 中性溶液中の微量ウランのグラッシーカーボン電極上への電解析出
(原研東海)。青柳芳夫、吉田善行
Fま 1ご::..ðt>~ と
溶液中のアクチノイドイオンとりわけ4
価イオンは極めて容易に加水分解す
る1)。従って酸灘度が0.1~0.01 1'1以下の水溶液中でのアクチノイドイオンの存在状態を明らか
にするには加水分解反応及び後続の水酸化物沈殿形成に関する基礎データーが必要である。しか
し、アクチノイドの希薄稽液中で生成する加水分解生成物の吸着挙動や枕殿挙動に関する系統的
研究は少ない。本報告では、中性付近の水溶液中で U
(羽)を還元して生成する U
(
I
V
)・加水分解生
成物の各種国体電極上への析出挙動を明らかにする。さらに同電析反応を利用する溶液中の微量
ウランの捕集法についても述べる。なお、ウランの捕集法としては溶線抽出法や各種吸着樹脂を
用いる方法があるが、容量が小さい、共存する他イオンによって分酎平衡が変動する、等の問題
点も指摘されており、新しい原理の捕集法の開発が必要である。
芸起居食
(
i
)グラッシーカーボン (
G
C
)、白金、金、水銀等のディスク電極を用いて、 1
0
-3 1
'
U(班)を含む溶液中でウランの酸化還元による電流・電位曲線を翻定した。 (
i
i)
10
8 1'1レベルのウ
ランの電解析出実験では、 2
3
3
U
(
9
8
.
3
%
)をトレーサーとして用い、定電位電解法により電解電位
C
繊維を
と析出ウラン量との関係曲線を求めた。溶液中のウランの電解捕集に関する実験では、 G
作用電極材とするカラム電極(前講積、 3
B
1
0
参照)を過してウランを含む試料溶液を送被しなが
ら定電位電解し、ウランの捕集効率と電解電位や溶液流速との関係曲線を得た。捕集したウラン
'H
N
0
3で‘溶離回収し、 I
C
P
発光分光分析法で定量した。電解には銀・塩化銀(飽和K
C
l
)参照
を 11
電極反び白金対極を用いた。
吋
:
.
0
来吉長畏・靖雪露宴
10-4~10-3
ω =3
∞rpm
d
e
p
.t
i
m
e
=60m
i
n
1
'U
(羽)を含む 0
.
51
'
ON.OF.0
。
コOFEq
04C
申
U
(百)溶液中からのウランの析出挙動
N
z
u
oス ¥ コ ロ N
し電極に析出する、③比較的高濃度の
。
.
円
N
a
2
S
0
4稽液 (
p
H5
.
8
)中、回転G
Cディス
ク電極 (
3
0
0
0r
p
m
)で記録した電流・電
(羽)は 0
.
1V
より負電
位曲線から,① U
位で U
(V)に、さらに 0
.
4
5
Vより負電
位で U
(
I
V
)に還元される、②生成した
U
(
I
V
)は電極表面で速やかに加水分解
E
IE'c
t
r
o
d叩 o
s
i
t
i
o
no
f2
3
3U
は電極材質の影響を殆ど受けないこと
等が明らかとなった。
1
)青柳ち、日本化学会誌、 1
9
8
4,
1
2
4
9
.
あおやぎひさお、よしだぜんこう
o
L
円
q
a
“
ヮ
5x1
0
-8MU(~) (
2
3
3
U
) を含む0
.
5MN
a
2
S
0
4溶液 (
p
H
5
.
8
)を電解質溶液として、各種材料の
回転ディスク電極を用いる定電位電解法で得た電解電位・ウラン析出量曲線を図 1に示した。研
磨した直後のGC電極あるいは金、水銀電極上へは -0.6~-0.8
V
より負電位でウランの析出が起る。
白金電極を用いた場合に、 0
.
6
V付近での析出量が他の電極を用いた時のそれより多い。なお、
この電位領域の白金電極上では水素発生が同時に進む。
G
Cディスクを 0
.
5MNa2S04 中、+1. 65~+1. 80 V
で1
0
分間以上電解し、引続き-1.0V
で数分間電
CをG
Co
解し(このように処理した G
xと書き表す)、これを電極として用いて同様な電位・析出量
幽線を記録した。 G
Co
x電極ではウラン水酸化物の析出電位が大きく正に移行するとともに析出量
C
表面上に形成され
が増加する。このようにウランの析出が促進されるのは、電解処理によって G
た種々の官能基を含む酸化被膜がウラン水酸化物分子と強く結合するためと考えられる。回。況を
調製するのに-1.0Vでの還元処理を要すること、あるいは白金電極表面で水素発生が起る電位
領域で析出量が増すこと等を考え合わせると、上記促進効果は電極表面の水素原子とウラン水酸
化物に含まれる酸素原子との強い化学結合力に起因すると推定できる。
上述と同様にして酸化処理した G
C
繊維を作用電極とするカラム電極を用いてウランの希薄水溶
0
.
7
0V
に電位を保持したカラム電極を過して各種試料溶液 (
p
H5
.
0
液からの捕集実験を行った。 !0
.
2
)を種々の流速で流しながらウランを電解捕集した。捕集したウランは 1MH
N
0
31
0m
lを電
極内に流し溶離回収した。結果を下の表に掲げる。
A
m
o
u
n
to
fU
F
l
o
wr
a
t
e
/
lm
l
n
-1 t
)
Jg
f
o
u
n
d
/
,
問
a
k
e
n
/
S
a
m
p
l
es
o
l
u
t
l
o
n1
)
(
1
)
1
.1
3x1
0
ー7MUO~+
(
0
.
2
)
吋+ (0.1)
1
.1
3x1
0
-6M
113X1r7MUoj+(021
1
.
1
3x1
0
-8MUO~+ (
2
.
0
)
1
.13x1
川
U
O
?
2(
5
0
}
2
.
2
6x1
0
-9MU
O
i
+ (
1
0
)
,
.
、
0
.
0
0
2
0
.
0
1
0
0
.
0
2
0
0
.
0
3
0
0
.
0
4
0
0
.
0
2
0
0
.
0
2
0
5
.
4
5
.
4
5
.
4
5
.
4
5
.
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つd
3C01
放射化分析支援システムの→提案
(東北大・核理研、金研')
0 桝本和義・武藤正勝・八木益男ホ
1. は1:めに
東北大核理研の放射化学実験室では、 1
9
8
4年からマイクロ・ロボット、パソコンおよび
放射韓測定器の組み合わせによる自動測定システムを実用化しト 3) 、共同利用に供してき
た。現在、 4 システムが稜働中であり、学内のサイクロトロン・ R 1センタ一、理学部お
よび金研で程働中もしくは準備中であるものを含めると、年内には全部で 10システムにな
る。このように、低価格、汎用のマイクロ・ロボットを利用したシステムは容易にかつ即
座に様々な形状の測定試料、各種の測定条件に対応した自動測定システムとして役立てう
ることが実証されてきたといえる。
そこで、本実験室では次のステップとして放射化分析支援システムの実現にむけて準備
を開始することにした。市販の分光器などの開発では、ほとんどがメーカーサイドでこの
ようなシステムが開発されはじめたが、放射線計測の分野に関してはそのような試みはあ
まりなく、実験者自身による研究が必要であると思われる。今回は、各自動測定システム
をローカルエリア・ネットワークにより結び、各種測定、解析プログラムのメンテンナン
スの軽減化、測定データ等のデータベース化を可能にしたので、ここにシステムの椅成と
その特徴などを中心に報告する。
2. ローカルエリア・ネヴトワークの構成
ローカルエリア・ネットワークは現有の富士通製 FM-16β4台を DS-LINKで接続したもの
である。その構成を図
1に示す。 1台はファイル・サーバとし、 2
0
M
Bハードディスク 2台
を接続している。ここに、各種ソフトやデータが蓄積される。のこり 3台をワークステー
ションとし、測定器、ロボットとは G
P
I
B で接続されている。マイクロ・ロボットは三菱
電気製ムーブマスター RM-I0lが 3台、 RM-501が 1台で、これらは M C Iエンジニアリング
製U
IO-488Cを介して、 G
P
I
B に接続される。マルチチャンネル・アナライザーは NAIG
製 Eシリーズ、キャンベラ製シリーズ 40および 35+である。また、カウンター・スキ
ャナは NAIG製のものである。全ての機器が組み合わせが自在であるために、間々の研
究目的に合った測定方式を簡易、迅速に組み立てることができる。
DS-LINK (
1O
M
b
p
s
)
図 1.
核理研 LANの構成
」±」同二日同3
日
同
ヨ
16
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巨~
I
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Robo
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AI~日
I
Robo
ヨ
ますもとかずよし・むとうまさかっ-ゃぎますお
-234-
DS-LINKは い わ ゆ る パ ス 方 式 の
LANでEthernetの富士通規格であり、同軸ケープール
で結ばれ、伝送速度は 10Mbpsである。このように伝送速度が高速であるためファイルアク
セス速度はハードディスクからの読み出し速度に依存することになり、自身のフロッピー
・ディスクへの読み書き速度よりも速くなり、大量のデータ交換も容易になる。また、数
台のワークステーションでは伝送データの衝突の可能性は殆どなく、各ステーションがそ
れぞれハードディスクを所有しているような感覚で利用できる。
3. ソフトウヱア
ネットワーク・ソフトは MS-NetωorksでMS-DOS(V.3.1 L20)、CPMGR、DSLINK Driver上で
動く。使用言語は FBASIC-HG である。その他、サーバー内の各種言語やプリケーション・
ソフトを使用することも可能である。
各ワークステーションには立ちあげ用のディスクがあるだけで、起動すると自動的にネ
ットワークへの接続が行われたのち、メニューが表示され、番号を選択することにより、
それぞれのプログラムをサーバーから読み込み実行することになる。現在、用意されてい
るプログラムはロボットティーチング、 NAIGおよびキャンベラのマルチチャンネル・
アナライザーのリモート制御、ロボットを使った自動測定・解析そして放射化分析用の解
析・定量などである。このように、ユーザーはワ←クステーション使用にあたって、ネッ
トワークを全く意識する必要がないようになっている。
FBASIC-HG は 1
5階層までのサブプログラム化が可能であり、メニーューをはじめ、全て
のプログラムがモジュール化されている。このため、プログラムのメンテナンスでは目的
のサブプログラムを変更するだけで、それを利用している各種プログラムは全て最新のも
のにパージョンアップされる。このことはユーザーにも便利であるとともに、メンテナン
スの負担が非常に軽減される。また、ユーザー独自の制御手順や解析方法を取入れたプロ
グラムを作る場合にも、それに対応する部分のサブプログラムだけを作ればよく、開発時
間が非常に短縮できる。
4. ;
tr
め
以上のように、 LANの実現によって、ラボラトリーオートメーション化は一段上のス
テップに踏み出すことができた。次の課題は、これまでに蓄積されてきた知識を測定や解
析のプログラムに組み込むこと、およびそのための判断材料となる核デー夕、スペクトル
デー夕、試料データなどをデータベース化することで、より使い易いシステムにしていき
たいと考えている。
1984).
1)桝本ら:第 28回放射化学討論会, P04 (
1986).
2
) 桝 本 ら : 第 28回放射化学討論会, P14 (
. :J
. RadioanaI
. NucI
. Chem.,A, 98(
1986)31
.
3
) Yagi et aI
A PROPOSAL 0'
1 NETWORK SYSTEM F
OR ACTIVATION ANALYSIS
Laboratory of Nuclear Science,Faculty of Science,Tohoku University,
Kazuyoshi Masumoto,Masakatsu Mutoh, Institute for Material Research,
Tohoku University, Masuo Y
a
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Fhu
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っ
3C02
炭 素 の 高 精 度
奇苛雲監来立弓三方文身寸イ七タミ子初子
(NT T 光 エ レ ク ト ロ ニ ク ス 研 究 所 )
0鹿野弘二,
重松俊男
1は じ め に
荷電粒子放射化分析法は,
い
,
荷電粒子が物質中で電離損失によりエネルギーを失
生成放射能が深さ方向で分布を持つため,濃度の算定にはなんらかの補正を
数値積分 (
NI)法1),
必 要 と す る . この解析法としては,
Average Stopping Power
(ASP)法 2
), Average Cross Section(ACS)法 3)がある. 演者らは,
みで濃度算出が可能な
ACS法 を 用 い て き た が ,
これまで飛程の
この方法では分析試料と比較標準
試 料 の 平 均 原 子 番 号 が 異 な る と 濃 度 の 見 積 に 系 統 誤 差 を 生 ず る ω. 本研究では,
ACS法 と 解 析 に 励 起 関 数 ,
阻止 f
i
Eを 必 要 と す る NI
法
,
ASP法 を 相 互 比 較 し ,
より簡
便で正確な解析法を求めた. これら結果を炭素を例に報告する.
2荷 電 粒 子 放 射 化 分 析 の 解 析 法
分析試料中の軽元素濃度 (
Cx)は 比 較 標 準 試 料 の 濃 度 を Csと す る と 次 式 よ り 算 出
される.
Cx=Cs(Ax/As)(
is/lx)(Ss/Sx) F
.
R
R
A
:生成放射能,
1
:電流値,
S
:飽和係数,
R
:飛 程
F=[Sσ(X)dX]s/[Sσ(X)dX]x
日
日
積 分 項 を 含 む F値 は 表 1 の 解 析 法 に よ り 算 出 さ れ る . NI法 は 励 起 関 数 [σ(E)]と
阻 止 能 (dE/dX)か ら 数 値 積 分 に よ り F値 を 得 る 方 法 で ,
煩雑な計・算を必要とするが,
ASP法 -EF)あ る い は Thick Target Yield [
A
o
最 も 正 確 で あ る . ASP法 は 励 起 関 数 (
(Ei)](ASP法一 TTY)か ら 平 均 エ ネ ル ギ ー (Em.Emact)を 求 め , 平 均 エ ネ ル ギ ー で の 阻
止 能 の 比 で F値 を 算 出 す る . 一 方 ,
)
. この場合,
求 め る (ACS法一 1
ACS法 は 入 射 エ ネ ル ギ ー (
Ei) の 飛 程 の 比 で F値 を
しきい値 (
Er)を 考 慮 す る 場 合 (ACS法一 2)もある.
3結 果 と 考 察
表 2に
,
程 8に
GaAs中 の 炭 素 分 析 [12C(d.n
)13NJ を 例 に , 励 起 関 数 5に 阻 止 能 6}, 飛
ま た , 実 測 の Thick Target Yieldを 使 用 し , 種 々 の 解 析 法 で F値 を 算 出 し た
法 で 算 出 し た F値 は E
iが 3
.0
0, 5
.6お よ び 8.77MeVと 増 加 す る に し た
結 果 を 示 す . NI
が っ て 0.4643, 0.5034, 0.5362に 増 大 す る . こ の 値 を 基 準 に , 他 の F値を算出し,
比 較 , 検 討 し た . ASP法 -EFで 求 め た Em は E
iに 対 L, それぞれ,
2.086, 3.088,
4.461MeVで あ る . 得 ら れ た F値 は NI
法の値といずれも誤差O
.48%以 内 で 一 致 し た .
ASP法一 TTYで 算 出 し た Emactは Eiが 3.00MeVで1.978MeV, 5.6MeVで 2.993MeVとEmに 比
べ て 3-5%低い.一方,
F値 は N1
法 と 比 較 し て 3.00MeVで1.39%低 い も の の ,
では O
.18% 以 内 で 一 致 し た . なお,
しかのこうじ,
ACS法では,
しげまっとしお
-2
3
6
5.6MeV
ACS法ー 1と 12C(d.n)13N反 応 の ET=
0.33MeVを考慮、した A
CS法 -2で F値 を 算 出 し た . 得 ら れ た 値 は Eiが 3.00MeVで い ず れ
もN1
法より 6
.
.
.
.
.
.
.日低い. しかし,
Eiの 増 加 に と も な い 誤 差 は 減 少 し ,
8.77MeVで誤
差O
.45%以 内 で 一 致 し た . 以 上 の 結 果 か ら , 測 定 が 容 易 な Thick Target Yieldを 用
いる ASP法ー TTYは 簡 便 で か つ 系 統 誤 差 が 少 な く , 有 効 な 解 析 法 と 恩 わ れ る .
表 1種 々 の 解 析 法
F値
解析法
N1
法
IJσ(E)[l/(dE/dX)]dE}s
/
(fσ(E)[l
!(dE/dX)]dE}x
ASP法
(dE/dX)x/(dE/dX)s
a
tE
mo
rE
mact
F
ーE
Em=[fσ(E)EdE]/[fσ(E)dE]
ーT
TY
E
maet= Ei/(l+[Ei/Ao(
E
i
)
]f [Ao(E)/E2]dE}
ACS法一 1
ー2
Rs(Ei)/Rx(Ei)
L
1R
s/L
1R
x
[
L
1R
=R(Ei)-R(Er)]
表 2 F値 の 算 出
3.00MeV
E
畳E
5.60MeV
0.4643
0.4648(-0.26%)
0.4595(ー1.3
9
%
)
0.4297(ー1
.79%)
0.4395(-5.69%)
0.5034
0.5051(+0.34%)
0.5025(-0.18%)
0.4931(ー2.05%)
0.4987(
0
.93%)
解析法
N1
法
ASP法 -EF
ーT
TY
ACS法ー 1
2
率直主
8.11MeV
0.5362
0.5388(+0.48%)
0.5338(
0
.4
5
%
)
0.5372(+0.19%)
*( ) の 値 は N1法 と の 相 対 偏 差
l)C.Vandecasteele, J.RadioanaI
.Chem., 57(1980)12, 2
)】
(.Ishii, Nucl
.
Inst
. Meth., 150(
1978)213, 153(
1978)503, 3)E.Ricc,
I Anal
.Chem., 37
(1965)742, 139(1967)794, 4)鹿野,日本'1!7~'!Ì ^協会学術論文誌,
9
6(
1988)455,
5)M.Clemenson, Anal
. Chem.,52(1980)175, 6)C.F
.Williamson, CEA-R3042
CHARGED PARTICLE ACTIVATION ANALYSIS OF CARBON
NTT Opto-electronics Laboratories
Koji SHIKANO, Toshio SIIIGEMATSU
-2
3
7一
ア ノ レ ゴ ン イ オ ン 司 〉 ラ ザ 、 フ ォ ー ー ド 貴 史 舌L
3C03
実
倉
野藤
矢加
美昭
智勲平
荒菅長
谷井田
研研電
核大
大梨
理東山
。
による空予キ亥;f重 I
司 日 寺 子 ラ ポH 漬け.A:.
はじめに
ラザフォード散乱現象は、アルファ壊変現象の発見と密接に関連しており、壊麦に際
して放出される高エネルギーヘリウム原子核の、より重い原子核(雰囲気ガスの)との
宙実による跳ね返り(後方)または逸れ(前方)として見出され、加速器によるイオン
ビームが、たやすく用いられるようになってからも、プロトンまたはヘリウムイオンの
ような軽イオンの後方散乱として広く応用されてきた。この軽イオンプロ}プ後方散乱
は、軽元素中の重元素に対しては有効であるが、より重いマトリックス中の軽元素の問
題、軽元素と重元素が同時に関与する問題、複数の重元素が係わる問題、等に対しては
有効ではない。近年、各種重イオン加速器の発展により重イオンビームの便用が容易に
な り 、 よ り 拡 張 さ れ た 重 イ オ ン プ ロ ー プ ラ ザ フ ォ ー ド 散 乱 が 、 後 方 散 乱 (HIRBS)
あ る い は 前 方 散 乱 (H 1RFS) 、 前 方 反 跳 { H I R F R、または E R D A : 弾性反跳
検出分析)、等として行われるようになった。
方法および装置
上記の方法は、それぞれ独立の方法として別々に行われているが、それは、多くの場
合一つの検出器により、必要最小限の真空槽内で、固定したジオメトリーで行われるこ
とによる、と考えられる。検出器の有限の大きさや検出効率も考慮すると、
たり試料面を見込む角は、
1検出器あ
1m {直経)散乱槽では 1
0度
、 7
5 cm {直経)散乱槽では 1
5
度となることからこの程度の大型散乱槽では l
S個ないし 1
2個 の 検 出 器 で 全 方 向 (2
)
の粒子をとらえることができる、とわれわれは考えた。しかしながら、測定回路やデー
処理の制約もあり、実際には、 4検 出 器 、 場 合 に よ っ て は 3検 出 器 で 充 分 足 り る こ と が
わ か っ た 。 す な わ ち 、 前 方 に 2個、後方に 2個 な い し 1個 検 出 器 を 配 置 す れ ば 充 分 で あ
る
。
理 研 重 イ オ ン 線 型 加 速 器 か ら の 50 MeYア ル ゴ ン (4t)イオンピームを 2 mmx2mmにし
0
"
'
2
0 uA で 、 試 料 面 を ビ ー ム に 対 し て 3
0度 で 照 射 し 、 上 記 検 出 系 で 全 方
てイオン電流 1
向の粒子を検出する。検出器としては表面障壁型シリコン検出器を用いた。試料は東京
大学原子核研究所ターゲット準備室で作製した。
あらたに
かとう
みち、
やのくら
みのる、
すがい
はじめ
-2
3
8
いさお、
おさだ
しょうへい、
苛お~ :お土 '1 溜 I~
試料としては、ダイヤモンド構造の炭素自己支持膜の作製を最終目的とした多層膜、
炭素/塩化ニッケル/石英ガラスの系を用いた。石英ガラス上に、微量の塩化ニッケル
( 剥 離 剤 ) を 蒸 着 し た 後 、 炭 素 を 蒸 着 す る 。 石 英 ガ ラ ス を 50度 き ざ み で 600 度までの各
温度で加熱すると、炭素の膜質変化にはよいが、塩化ニッケルも変化(化学変化および
場所の移動、拡散すなわち分布変化)して剥離剤の役目をしなくなる。また、各層には
あらかじめ撒量の水分が含まれていると考えられるが、加熱処離による水素、酸素の変
化も問題である。これらのことから、ユッケル、塩素、珪索、酸素、炭素、水素につい
0" v1
5分で
て 全 方 向 散 乱 に よ る 多 核 種 同 時 分 布 測 定 を 行 っ た 。 測 定 時 聞 は 1試 料 あ た り 1
ある。
盆塁よ霊室
炭 素 84nm、 塩 化 ニ ッ ケ ル 68nmの 試 料 に つ い て の 結 果 を 表 1に示す。
表 1.
炭素/塩化ニッケル/石英ガラス試料に含まれる水素原子数と含有率
温度
官
三
量
三
・
2
'
1
包
m
2 5 0度
塩化、ユッケル
炭素
2
.5E1
6
3
.2E1
6
5
.8E1
5
3.8 %
2.6 %
1
.3 %
4
.2E1
6
3
.4E1
6
3
.3E1
7
2
.6E1
7
24.5 %
3 0 0度
3 5 0度
4 0 0度
石英ガラス
表面
1
.3E1
7
1
.2E1
7
4
.4E1
6
28.4 %
5
.3E1
5
8.0 %
2
.OE1
6
2
.8E1
5
5
.8E1
6
2.4 %
3.7 %
12.9%
3
.8E1
6
4
.2E1
5
7.6E16
4.5 %
5.3 %
16.3%
2
.2E1
6
2
.6E1
5
3
.8E1
5
2.7 %
3.7 %
1
.0 %
表 1で 、 表 面 と い う の は 炭 素 の 表 面 、 ま た 、 石 英 ガ ラ ス と い う の は 、 石 英 ガ ラ ス の 表
面 層 127nmを 意 味 す る 。 こ れ ら の 値 は 、 炭 素 の 膜 質 、 膜 の 剥 離 し や す さ と 関 連 し て い る
と考えられるが、基板について検討中である。
S工MULTANEOUS MULTINUCL工DE DEPTH PROF工L工NG BY MEANS OF ARGON
PROBE RUTHERFORD SCATTER工NG.
R工KEN(
工 ns七. Physical/Chemical Research) , Michi ARATAN工
,
Minoru YANOKURA.
工nstitu七e for Nuclear S七udy,The University
of Tokyo,工 sao SUGA工.
Faculty of Electric Engineering,
Yamanashi Universi七y,Shyohei OSADA,Hajime KATO
239-
3C04
コP
主主占古t:f=r1
,技量量::TI::妻賢 G
1 X E
五ヨトキ斤
〈放医研) 0湯川雅枝、湯川修身、喜多尾憲助
[緒言]
食品中に存在する微量元棄を摂取するとき、食品中での存在形態が、腸管吸収率や体内残留率、
有害金属の毒性発現に影響することが知られている。今回、食品中の微量元素の化学形に関する
情報を得ることを目的として、二三の食品の超遠心分離や高速液体クロマトグラフィーによる分
子サイズ別分離を行い、各フラクション中の微量元棄を PIXE分析することを試みた。
[方法]
試料として、市販の牛乳およびそれをそれを原料として作られたヨーグルトを用いた。牛乳は
8
0
0
0回転で一時間冷却遠心
そのまま、ヨーグルトはホモジナイズして、遠心管に適量秤取し、 2
0
(20 した。分離された各層はスチロールびんに分取し、秤量した。
遠心分離された各層の中の元衰を分析するため、凍結乾燥後、残留固形分をアラルダイトにま
ぜこみ、アルミフオイル上に固定して PIXE分析した。 PIXE分析の困難な M gに関しては
試料を湿式灰化して原子吸光分析により定量した。
遠心分離された画分のうち、水溶性の画分についてはゲ、ル浸透高速液体クロマトグラフィーに
より分子量別分取を行った。用いた装置は目立 L-6000インテリジヱントポンプでカラムは東ソ
S
K
G
E
LS
W
2
0
0
0であり、フォトダイオードを用いた目立三次元クロマト装置により分離過程
ー製T
2
0
0・3
6
0 nm) をモニタした。試料負荷量は数 100μlで分離は 0.15M-KCl
の紫外吸収 (
を含む 10rnM Tris-HC 1緩衝液 (pH 7
.
5)により涜速 lml/minで行った。溶離され
てくる溶液は一分毎にフラクションコレクターに採取し、凍結乾燥後、アルミフオイル上にアラ
ルダイトを用いて固定し PIXE分析に供した。文、 PIXE分析における定量の比較標準を得
るため、各フラクション中の Kを炎光分析した。
[結果と考察]
牛乳を超遠心分離すると四層に分かれ、第一層はクリーム状の脂肪層で全体の約 4.5%、第
二層が最も容量が大きく、水溶性で全体の 76%を占めていた。第三層は量が少なく第二層との
分取が困難であったため、正しい比率は求められなかったがほぼ 7 %であり、最下層のベレット
は 11%であった。それぞれの層を PIXE分析した結果が図-1に示してある。この結果から、
第二層の水溶性フラクションには K、 C1、 Brなどイオン性の元棄がおおく、 Zn、 Feなど
は最下層のベレツトに多いことがわかった。
水溶性のフラクションに関してゲル浸透クロマトグラフィーを行った結果が図 -2に示してあ
る。横軸に溶出時間、縦軸に吸収波長を示し、その吸収強度を等高線表示してある。これらによ
8
0 n mの吸収ピークが 12分、 15分、 16. 5分附近と
ると蛋白質の存在を示すと 思われる 2
21分附近にあることがわかった。その他、 2
9
5 nm{
こ吸収ピークをもっフラクションが 21.
5分に溶出してくる。
これらの全フランンクションについて元素分析を行った結果、 Ca、M gは 26分附近にピー
クがあり、少量ながら Znは 17分と 26分附近に、 Feは 24分附近にピークがあることがわ
0
0
0
0 と推定され、金属結合蛋
かった。 Znを含む 17分附近のフランクションは分子量はほぼ2
白質である可能性がある。 26分附近に溶出する Ca、M gのピークは 267nmに吸収をもっ
低分子であると考えられる。
ヨーグルトの水溶性フランクションについても液体クロマトグラブィーを適用すると、蛋白質
と思われる 280nmに吸収を示すピークが二本と 293nmに吸収を示すピーク一本とが検出
された。 Feや Znは全フランクションにわたってほとんど検出されず、 CaとM gが 293n
mの吸収ピークを示すフランクションで検出されたが非常に小さな分子であると想像された。
なお、遠心分離された牛乳の最下層ベレットはカゼインがその主成分と思われるが、 Ca、 P、
Znを多く含んでいる。この画分については 8 M原素溶液に溶かして液体クロマトグラブイーに
かけられ蛋白質の大きなピークが一本だけ検出され、カゼインであることを裏づけた。
以上の結果から、 PIXE分析を超遠心分離及び高速液体クロマトグラフィーと組合わせるこ
とにより、食物中の微量元素がどのような分子種と共存しているかを明らかにすることが可能で
あることがわかった。
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Fig.2 Gel permeation chromatograph of caw's milk by HPLC.
DETERM工NATION OF TRACE ELEMENTS IN FOOD US工NG P工XE ANALYS工S.
National 工nstitute of Radiological Sciences,
Masae YUKAWA,Osami YUKAWA and Kensuke KITAO.
2
4
1
3C05
光 電 ピ ー ク 形 状 関 数 ( 1)
確率事象分析に基づく形状関数の導出および
最尤推定法によるパラメータの推定
(熊大・工)
岸川俊明
よム旦旦
半導体検出器が実用化されて、既に 2 0年近くなるが、光電ピーク形状関数は未だに解
明されていない。このため様ざまな近似関数が提案されているが、何れも図形解析の域を
出ていない。そこで、光子検出・測定過程におげる確率事象分析に基づき、光電ピーク形
状関数を導出し、最尤推定法によりパラメータの推定を試みた。
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五
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ピーク形状の形成に寄与する諸事象集合の分析は、それらの確率過程の属性把握によっ
た。最尤推定法におげるピークパラメータの最尤推定値は逐次法により求めた。ピーク形
状 関 数 の ベ ー ス 成 分 の パ ラ メ ー タ の 推 定 は 、 最 小 二 乗 推 定 法 に よ っ た 。 混 合 線 源 (133Ba137CS_SOCO)による標準スベクトルは、原研 .RI原子炉研修所の G eシステム 2により
得た吋。
3. 結 果 お よ び 考 察
3. 1. 事 象 分 析
ピーク形状を形成する計数パルス集合は、光電ピーク、小角散乱、
及びコンプトン散乱の部分集合より成り、互いに排反事象であった。従って、全事象が起
こる確率には、加法定理が成り立った。このうち、光電ピークを形成する計数パルス集合
は、検出器への光子の入射、電子一正孔対の生成、電荷出力の誘起、増幅パルス整形、 A
D変換の後、計数パルスのメモリーへの格納の諸過程におげる部分集合の合併である。ま
た、部分集合、①検出器への複数光子の同時入射(ランダムサミング)、②電子ー正孔対
の生成、@電荷担体のトラッピング(ランダムエスケープ)、④電子回路におげる雑音発
生の諸事象による確率過程は、互いに依存しない独立事象であった。従って、光電ピーク
形成の確率には、乗法定理が成り立った。
(
x,E)およびベース
3. 2. ピーク形状関数
ピーク形状関数は、光電ピーク波形関数 P
成分である小角散乱関数 S
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)とコンプトン連続成分 C
(
x
)により表された。即ち
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ンネル、および標準編差、 λs 及び λ. はそれぞれランダムサミング係数及びランダムエ
スケープ係数、 Eは入射光子のエネルギーであり、
S
oは小角散乱分率、 σs(s,E
)は小角散
乱断面積及び XPは最確ピーク位置である。
3. 3. スベクトル解析
(1)光電ピークスベクトルの解析結果の一例を図 1に示す。
(2)ランダムエスケープ事象は、キャリア(電子または正孔)が電極に到達する前に捕
きしかわとしあき
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4
2
獲中心にトラップされる現象であり、式 (
2
) の第 2項および図 2に示すようにポアッソン
分布で表された。 λ.はキャリアトラッピング確率 p および電子一正孔対生成エネルギー
εの積である。 λ.= 1ev-1であった。従って、 ε=3eV として、 p =0
.
3
3 が得られた。
(3 )光電ピーク波形関数におげる各事象の重畳を模型的に図 3に示す。 Xc=μ である。
(4)得られた各光電ピークの正規分布の標準偏差の最尤推定値 6 ・
M
及び光電ピークの
FWHKを図 4に示す。電子一正孔対生成の標準偏差 σは σ
.
.
.
t 及び電子雑音の標準偏差 σ
の二乗差の平方根より得られた(図 4)
。 σ2=FεEの関係からファノ因子 F=0.1 が
聞
得られた。
~,)野口正安氏(原研・ RI 原子炉研)の好意によりデータの提供を受げた。
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標準偏差及び FWHK曲線
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PARAMETER ESTIMATION BY KUXIMUM LIKELIHOOD ESTIMATE METHOD
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f Engineering,Kumamoto University, Toshiaki KISHIKAWA
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A官
3C07 ウうン標準試料の放射平衝の状態と低エネルギー r 線の放出率の ~~1Ë
(金沢大学 LLRL) 0小 村 和 久 , 山 本 政 儀 , 上 野 馨
非破壊 γ線測定によるウランの定量では,通常 238U
系列核種が放射平衡にあるとして,
1
4P
bや2
1
4Bi
からの T線を測定することが多い。この場合,標準試
放出率の大きい娘核種 2
料としてウラン系列核種が放射平衡にある N
B
L (米国 NewBrunswick L
a
b
.
) 発行のウラン標
準試料を用いれば,その放射能比から容易にウランが定量出来る。ウラン標準試料として
種々のものが発行されているがこれらの試料が正しく放射平衡にあるかどうかの検討がさ
れているかどうかは不明である。
本研究では N
B
Lのウラン標準試料 NBLNo.42・I,
No.42-2,
No.42・3,
No.42・4,
N
o.
6
A,
N
o.
1
0
2
・A
,No.103・A,
No.104-Aの他
I
A
E
Aのウラン標準試料 S2,
S
3,および S4,英国 Harwe1
1研究所の
1
0法による年代測定のための標準試料であるウラニナイトについて,ウラン系列核種の放
4U(53keV),
射平街の状態を詳しく検討するとともに, 2
38U(49keV),
23
2
3日Th(67keV,
1
4
4
k
e
V
)
および 2
26Ra(186keりからの低エネルギ -r線の放出率を測定した。
W附 =0.6keVat 5
.
9
k
e
V,お
【制定]上記試料の γ線測定には 2つの Ge-LEPS(15cm2XO.7cmF
よび 8cm2Xlcm F
W附 =0.35keV)と2つの同軸型 Ge
検出器〈相対効率 47.5% F
W
H門
=
1
.86keVおよび
31
.2% F
W附 =1
.9
2
1
<
e
V
)を用いた。各ウラン試料は N
a
C
l粉末とよく混合し,ウラン濃度を 0
.1
%
以下とした後,その 3
0gをとり,油圧器で直径 5
c
m
tこ成形し,サランラップで包んだ後,
0
.
0
5
t
n
l
l
l 厚のポリエチレンシートに封入して線源とした。測定は線源を検出器の B
eまたは
A
lエンドキャップ上の密着させ,数時間から 3日間行った。
絶対的に信頼出来る線源がないため,放射平街の度合を求める標準試料としてウラン濃
BLNo.42-1(4.04:
t0.04%)を用い,これとの放射能比を測定した。 2
3日Thの定量に
度の高い N
は67keVr
線を
226Raの定量には 1
8
6
k
e
V
γ 線による直接法と 214Pbからの 242,
2
9
5,
3
5
2
k
e
Vr
線
, 2
1
4
B
1からの 6
0
9, 1120.1764keVr線による間接法を,また 2
1日P
bの定量には 4
6
k
e
Vr
線
を用いた。なお 1
8
6
k
e
Vr
線による直接法の場合には 235Uからの 1
8
5
.7keVr
線の寄与を差し
引いた正味の計数を用いた。
一方,ウラン系列核種からの低エネルギ -r線の放出率の測定には N
B
L No.42・1,
H
a
r
w
e
l
lウラニナイトおよび試薬の酸化ウラン (
U
30
8
)を用いた。 30g線源に対する検出効率
は2
1日Pb(46keV,4.05%) 234Th(63keV,3.827%,93keV,5.41%),235U(144keV 1
0
.
9
1,
186keV 57.5%)および 214Pb(242keV,295keV,352keV)を用いて求めた。検出効率と放出率
の計算には 235Uおよび 238Uの同位体存在度および半減期として 0.7202%,
7.037xl08y
および
99.275%,
4.468xl09yを用いた。測定は主要ピークの計数誤差が 0
.
2
.
.
.
.
.
.
.
0
.4%となる様 1-3日間
行った。
こむらかずひき,やまもとまさよし,うえのかおる。
2
4
6-
NBLおよび IAEA発行のウラン標準試料および Harwe1
1ウラニナイトの放射平街の測
【結果】
定結果を Table 1 に,ウラン系列核種からの低エネルギ -r線の放出率を TabJe 2 に示す。
NBL No.42-1を基準にとると No.42・ 2,
No.42・ 3,
No.42-4,
No.6・Aおよび HarweJ Jウラニナイト
は23日Th,
226Ra(直接法),
2
1日Pb比ともに放射平衡であったが No.102-A,
No.103-A,
No.104-A
では 226隔が約5%
不足状態であった。
JAEA試料は一般に非平衡で,中でも S3は著しく娘核種
が不足している。間接法による 226Raの値は NBL No.6-AとHarweJJウラニナイトを除いてす
べて不足状態である。これはポリヱチレンシートに二重に封入しても変化がなく,
222Rnの
損失では説明出来ない差である。
Table 1
. Activity ratios of the uranium series nu1cides in the NBLand IAEA reference materia1s
and Harwe11 uraninite. (mesnva1ue of two measurements)
8amp1e
田
Uraniu
content
2
l0pb/38U
230 /238
Th
U
226 /238
Ra
u
(
4
6 keV)
(
6
7 keV)
(186 keV)
m
226 /238
Ra
U
(
2
1
4
P
b
)
226Ra/38U*
(214pb,
2
1
4Bi)
目『ーー--自由ー『ーーーーー,ーー田』ーーーーーーーーーー---ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー四『ーーー喧ー四ーーー甲『ーーーー---ー申ーーーーーーーーーーーー唱ーー甲『圃ーーーーー
NBL No.42-1
4.04
NBL No.42-2
1
.9
9
NBL No.42-3
1
.0
7
NBL No.42-4
0.52
NBL No.6-A
53.5
NBL No.102-A 0.1025
NBL No.103-A 0.0499
NBL No.104-A 0.0099
IAEA 8
2
0.265
IAEA 83
0.354
IAEA 8
4
0.318
Harwe11 Uraninite 7
4
1
.000:
10
.003
0.992t0.006
0.999士 0.007
0
.
9
9
6
:
!
:
0
.
0
0
7
0
.
9
9
0
:
!
:0.006
1
.023士 0.007
1
.0
3
3
.
:
10
.007
1
.021土 0.013
1
.040:
10
.008
0.855:
1.
0
.
0
0
6
1
.006:
10
.009
1
.002:
1
:0
.005
10
.015
1.000:
0
.
9
9
0
.:
10
.028
0.992
・
土 0
.023
1
.004:
10
.026
1
.005:
10
.022
1
.013:
1
:0
.021
0.991土 0.032
1
.030:
1
:0
.041
0.973土 0.026
0.954:
10
.031
1
.020:
10
.028
0.990:
10
.016
1
.000土 0.006
1
.007:
10
.020
0.996:
1
:0
.019
1
.002土 0.014
1
.002士 0.007
0.947土 0.011
0.948土 0.008
0.944士 0.023
1
.000:
1
:0
.010
0.903土 0.012
0.981土 0.012
0.993土 0.005
1
.000主 0.003
0.966土 0.006
0.950:
10
.007
0.96L土 0.006
1
.022土 0.006
0.901土 0.005
0.903士 0.006
0.896土 0.011
10
.006
0.939:
0.765土 0.006
0.864士 0.006
1
.041:
1
:0
.005
1
.000:
10
.003
0.972士 0.006
0
.
9
5
5
:
!
:0.008
0
.
9
5
8
:
!
:0.007
1
.0
1
3
:
!
:0.009
0.903土 0.009
0.904:
10
.009
0.888土 0.009
0.932土 0.009
0.757:
10
.009
0.870:
10
.008
1
.042土 0.006
『ーーー『ーー一ーー『ーーーーー田ーーーーーーー『ーー』ーー『ーーーーー田ーー申ーーーーーーーーーー司ーーー戸田ー句"ーーーーーーーー---ーーーーーー申ーーーーーーーーーーーーーーーー・・ーーーーーー
* 田
easuredbyordinary Ge detector.
Tab1e 2
. Abundance of 10wenergy ga
田n
a-rays emitted from the uraniu
田
series nuc1ides.
Gamma-ray Nuclide
energy
49 keV
53 keV
6
7 keV
144 keV
186 keV
Abundance*
(
%
)
U
2
.3B
0.059 :
10
.002
227Ac
0.389 :
! 0.009
Equilibrium 0.448 土 0.010
2
3匂U
1
:0
.004
0.156 :
21~Pb
0.932土 0.018
EQuilibrium 1
.088 土 0.018
2
3
0Th
0.465 :
! 0.011
230Th
0.091 :
! 0.005
Equilibriu田 0.743 :
10
.015
3.686 士 0.058
226Ra
Equilibrium 6.334 士 0.099
Literature va1ues
(
%
)
0.055(1),
0.08(2),
0.075(3)
227Ac(8.86%
[
・
0.409%nat.)]
2
3
B
[ U + 227Ac]
0.119(1),
0.18(2)
1
.1
0(1),
2.20(4)
2H
2
1
[ U + 句P
b
]
0.47(2),
0.40(3),
0.381(4),
0.37(5)
0.378(1),
0.048(1),
0.045(4)
2
3
0
[ Th+ ? + 235U(10.9% 0.502%nat.)
2
3Ra(3.26%
・
0.150% nat.)]
+
"2
3.70(2),
4.0(3),
3.90(4),
3.3(5)
3.28(1),
[
2
2
6Ra + 23SU(57.5%-2.648% nat.)]
田
weightedmean of 4 measure
田e
nts.
(
1
) Reus andWestmeier. (
2
) Yokoya皿aand Nguyen. (
3
) Erdtmannand Soyka.
(
4
) Smithand Wo11enberg. (
5
) Lederer and Shir1ey.
女
RADIOACTIVE EQUILIBRIUM STATES OF THE URANIUM SERIES NUCLIDES IN THE URANIUM
STANDARDS AND ABUNDANCE OF LOW ENERGY GAMMA-RAYS EMITTED FROM THE URANIUM
SERIES NUCLIDES
Low Level Radioactivity Laboratory,Kanazawa University
必10TO and Kaoru UENO
Kazuhisa KOMURA,Masayoshi YAM
- 247
i
m
l
本シンチレーションカウンター
3C08
!こよるチ工レンコフ光の計数領域
(静岡大、理) 0 佐 藤 健 二 、 長 谷 川 園 彦
[はじめに]
過去におけるチ z レンョフ光の理~定では、核績における β 線計数効率と β-max との
関 係 I-2、 溶 媒 に お け る 計 数 率 の 変 化 、 波 長 変 鍛 休 に よ る E
十数率の増加などが工夫されてきた.
5
十数効率については実験1
直 に 対 す る 理 論 ! 直 の 計 算 が 行 わ れ S屈 折 率 に よ る 計 数 率 の 培 加 は 、 し
きい!直の減少によると説明されてきた。
しかし、理論値は実験値と大きな開きがあり、屈折
率による 5
十数率の増加についてもしきい値の減少による増加分の数的計算は行われていない。
F ra n kと T a m mの 式 で 示 さ れ る し き い 値 老 中 心 に 考 え ら れ て き た 理 論 値 に 対 し 、 本
研究では測定器である液体シンチレーシヨンカウンターの計数限界と屈折率の増加における
チェレンコフ生成光子数の増加に視点をあてて実験値の解釈を試みた。チエレンコフ光にお
ける低い計数効率、屈折率の変化に対する E
十数効率の実験 1
直に数的計算から近い値を得たの
で報告する。
[実験]
放 射 性 妓 積 は N ew
E n g 1 an d
N u c 1 e a r C 0 r p. U S A か ら 得 た 。
β 線のエネルギーが O.7-3.5Mev の核種を使用した。チエレンコフ光の担~定には液
体 シ ン チ レ ー シ ヨ ン カ ウ ン ヲ ー ( A l o k a, L S C - I O O O ) を 用 い た . i
l
l定 バ イ ア ル
t
t
; 2 0 m 1の ガ ラ ス パ イ ア ル を 用 い 、 サ ン プ ル 量 は 1 0 m 1と し た . 放 射 性 核 径 の エ ネ ル ギ
ー領域の測定にはシンチレーヲーカクテルとしてシンチゾールを用い放射性核種を含む水溶
液 と の 体 積 比 は 、 O. 1: 10 と し た .
エ ネ ル ギ ー (I
{ eV)
265
1
. 36
33
屈折串
a1
. 2
ca 1
. ]
ca 1
. 2
1
. 98
O. 0 0 1
0
c
目
357
1
. 38
ca 1
. 2
O. 8 8 9
1
. 40
ca 1
. 2
1
. 59
275
22. 3
O. 0 8 3
O. 7 3 1
43
2. 2 9
285
41
. 1
O. 2 9 5
1
. 22
2. 0 9
3. 0 9
295
58
日
O. 6 2 6
1
. 82
2. 8 4
3. 9 9
300
66.
日
O. 8 3 3
2. 16
3. 2 G
1
1
. 47
3 】O
82. 6
】.
33
2. 9 0
4. 1 5
5. 5 0
3 15
9 O. 1
1
. 61
3. 3 1
4. G 3
6. 0 4
3. 7 3
5. 1 2
6. G 0
4. 611
6. 1 7
7. 7 8
97. 3
320
日】
111
2. 5 9
311 0
12 4
330
3. 3 5
5. 6 3
7. 3 0
350
】
3G
4
19
G. G 9
8. 4 9
360
14 8
5
10
6 15
308
44. 2
7. 8 2
51
. 3
さ E フ甘んl)'~ 1itせがわく ~V- Z
-2
4
8一
9. 7 4
56
目
。
9. 0 3
1 O. 3
11
. 7
G0
目
4
レ品目桐飛
工理の
チので
チ ヱ レ ン コ 7生 成 光 干 的
るm 中
・
よ m水
にa は
線T 2
の
・K l
nと
個 na
'Aac
のr
-Fり
ギはあ
ネ数
ル1 で
エl 子
、
各 a光
C成
にの生
めの
た1 り
のeた
算l あ
計b﹀
の am
率Tc
・
効 1る
数た︿あ
計しさで
の算長数
光計位子
フを単光
コ数たた
]ン子れし
察レ光さ膚思
考ヱ成算考
給コか距
とチ生計を
果フら離
[ン式程
T a b Ie
TabJe
2
660-670
670-6.80
640-550
O. 0 0 0 6
690-700
0
710-720
目
0006
O. 0 0 0 6
720-730
730-740
740-760
a
u
570-580
内 W ' A n u
A
550-560
660-570
680-690
700-710
nueo
530-540
民
520-530
υ
向
n
v
υ
内
510-520
向
U
500-510
aaVAUnUAunu
390-400
490-500
650-660
・
370-380
380-390
・目・・
360-370
480-490
O. 0 0 0 6
640-650
内
4
350-360
470-480
O. 0 0 0 6
610-620
630-640
民
U
340-350
460-470
600-610
620-630
υRu'annau
330-340
450-460
590-600
内
320-330
440-450
'hRunaeO
310-320
430-440
580-590
内
300-310
420-430
同
-AS
290-300
111111000000
280-290
︼
270-280
410-420
000000000000000000
260-270
i
250-260
400-410
一4 4 3 2 2 2 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
240-250
% 一 ・,
・.
・・・・・・・・目
230-240
F-----一
21111
(k e V )
220-230
・
"T Jの エ ネ ル ギ ー 卦 布
一1 1 6 7 7 9 0 8 7 7 4 0 2 3 0 5 6 5
%一098664522110988765
β揖 エ ネ ル ギ ー
750-760
屈 折 率 1 . 3 3に お け る チ ェ レ ン コ 7 2.' T 1l
i
十 数 効 率 は 6. 4 % 程 度 で あ る が 、 こ れ は エ ネ
ル ギ 一 分 布 を 高 エ ネ ル ギ ー 側 か ら 低 エ ネ ル ギ ー 側 に 単 純 積 算 し た 場 合 β 線 の エ ネ ル ギ -3 4
O~3601{eV の領岐に相当する.
(Table2)
下 a b 1 e 1 より β 綴 エ ネ ル ギ ー
3 4 0 ~ 3 6 0 k e V の チ 工 レ ン コ フ 生 成 光 子 数 は 3. 4.~5.
1個 で あ る .
その平均値
で あ る 4. 3 個 を 液 体 シ ン チ レ ー シ ョ ン カ ウ ン ヲ ー に よ る チ ヱ レ ン コ フ 計 数 限 界 と し た 時 の
各 屈 折 率 に 対 し て 求 め た 計 数 効 率 の 値 を T a b 1 e3 に 示 す .
T a b 1 e3 に お い て 屈 折
率が増加するに従って計算値と実験 l
直との差が大きくなっている.
これは、 β 線 エ ネ ル ギ
ーが{氏〈なるほど、 チ ヱ レ ン コ フ 生 成 光 子 数 が 減 少 す る ( T a b l e l ) た め 同 時 計 数 に よ
る計数惑が悪〈なるためと考えられる。
T ab 1e
3
チエレンコフ計数効率の計算値と実験値
チ工レンコフ計数限界
β 綴 エ ネ ル ギ ー (k e V )
E
十 数 効 率 ( %)
計算1
直
実験 1
直
計算値一実験値
屈折率
36
320~330
38
1. 4 0
9. 1 7
8. 2
O. 9 7
3 10 ~ 3 15
1 O. 3 4
8. 9
1. 4 4
295~300
1 2. 8 9
1O. 4
2. 4 9
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一一一一一一口伽
一
一
一
一
一
1p
よい、∞い仙川微弘
ご
/;J'!
矧 M 釘物仏畑山明
一方ゆ
一
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NUCLIDE IDENTIFICATION OFβ ー凹I町 ERBYLIQUIDSCINTILLATION TECHNIQUE
Jikei University School of Medicine. Makoto TAKIUE,Takashi NATAKE
Tokyo Medical and Dental University, Haruo FUJII
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(金沢丈・犀枝短)
天野長平
〔はじめに〕
今日刊m.""G
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1
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を5通')(~t之海槌 L r~. すなわち 0、 53 時間後(案能番号 4) /ぜの幾舛 .
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117)後 0,
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17時間(同 8).その脅 21.52崎珂縫〈問 10),ぞの後 I
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.)と t
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ヒ 海融間隔iJ\':長くなれば膏積す ~'iqTi聖書、・角、少寸る
ので\潔融問簡が安置い方b、い陀玖射能 h\"~うくなる.今回失棒に本能問時を費え作突破?も下
表I~ 示すよう!こ措めちれ R ・下表に 11 同司 1:1里論的/:考えられる値を理輸値と ιτ 示 L(亡.
ざらド理論値の此怠射能と実株イ孟の比荻射能め比 Rも本 Lf
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.
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JJ
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- 253一
R
1.36
1.62
2.16
0.98
2.25
3C11
液体シンチレーションスベクトロメータによる α放射体の空気ルミネ、ソセンスス
ベクトルの測定
〈共立葉大
、慈恵医大、原研・ R1原子炉研修所〉
本間義夫、村瀬裕子、
滝上誠、油井多丸
9
7
5年に 2
1
0PO,2
4
1Amからの α粒子と空気との相互作用に基づ‘くルミネッセン
緒 言 滝 上 ら は1
の液体シンチレーションスベクトロメータ
スのスベクトルを測定した。一方、演者らは、 222Rn
による測定中、そのスベクトルの低エネルギー部に立上がる信号を見出し、その原因究明を行っ
ていた。検討の結果、その原因は液体シンチレータ上部の空気層に分配する 222Rnおよびその娘
核種によるルミネッセンスであるとの結論に達した。 2
2
2Rn,2
2日Rnなど‘気体の α放射体の測定
にあたっては、従来、空気層に存在するこれらの核種およびその娘核種の測定値への寄与は全く
考えられていない。従って本報告では、 α放射休による空気ルミネッセンスを市販の液体シンチ
n
d
p
o
i
n
t、空気ルミネッセンス法による
レーションスベクトロメータで測定し、そのピーク、 e
計数効率などを明らかにし、また、低レベル軟ベータ R 1測定への影響について検討する。
実験
測定器
アロカ LSC-3500
液体シンチレーションスベクトロメータ(10
2
4チャンネル
MCA2台を内蔵〉を用い、低エネルギー範囲(1
.
.
.
.
.
.2
0k
e
V
) および通常のエネルギー範囲(1
.
.
.5
0
0k
eりを同時にスベクトル測定した。また、空気ルミネッセンスの e
n
d
p
o
i
n
tの測定には
e
c
k
m
a
nLS 5
8
0
1液体シンチレーションスベクトロメータを用いた。
対数増幅器をもっ B
試料
2
1日PO: RaDEFよりイオン交換分離した 210pO 9X 1
04 dpm/0.1 m
L6
.
7N
HN03、
2
3
8U :硝酸ウラニル 0
.
0
2
5g/O.l m
L H20、
2
41
Am:8x 1
04
/2 N HC 1
を、パイアル底部中央に蒸発乾回したものを空気ルミネッセンス測定に用いた。
222Rn:226RaC1
2の上層空気層より分離した 2
2
2Rnをバイアルに封入、 3.5h経過したものを
i
rs
a
m
p
l
eと略記〉
用いた。(以下、 A
Lの 1
n
s
t
.
a
-ge1
を
、
上記試料は、空気ルミネッセンス測定後、 H200.5mL に振とう溶解し、 6m
Lの液体シンチレータ (
4g PPO/L トルエン〉を加え〈以下、 L
Ss
a
m
p
l
eと略記〉、
さらに 6m
再び液体シンチレーションスベクトロメータによる測定を行った。
結果および検討
Fig.lに結果の一部を示す。 (A)はアロカ LSC3
5
0
0、 (B) B
e
c
k
m
a
nL
S
.
4k
e
V にピークをもち、
5
8
0
1によるルミネッセンススベクトルである。空気ルミネッセンスは 2
e
n
d
p
o
i
n
t約 1
8k
e
Vの非対称型をしている。
Fig.2に同一試料の L
Ss
a
m
p
l
eのスベクトルを示す。
(A) はアロカ LSC3
5
0
0、 (8)は
B
e
c
k
m
a
nL
S5
8
0
1によるルミネッセンススベクトルである。スベクトル解析を行いそれぞれの核
p
m を求め、これと F
i
g
.1
の結果より空気ルミネッセンス法の計数効率を求めた。 241Am,
種の d
ほんまよしお、むらせゅうこ、たきうえまこと、あぶらいたまる
anT
EJ
“
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3xlO;
210po
210
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凹ロロ叩¥凹uロ
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山内
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200 400
Channe1
Channe1
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15
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n
o
1
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、
Fig. 1. Pu1se-height spectra for the Air samp1e.
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1
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1
'0
ωDO叩 ¥ 伺 ﹄
(
A
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、
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5
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Channe1
Re1ative pulse-height
Fig. 2. PU1se-height spectra for the LS samp1e.
3
3
.
0:
tO
.1
1%
, 3
2
.6:
t0
•0
7%であり、試料がバイアル内に均一に分布して
いる 222R nの場合は 4
2
.
0:
t0
.
2%であった。
.
_1
8k
e
Vの極めて低エネルギーの部分に存在す
また、空気ルミネッセンスのスベクトルが o
ることは、 3H,
1
4Cなどの軟ベータ R1
の液体シンチレーションスベクトロメータによる制定に
2
1日POの場合、
際して、もし液体シンチレータ上部の空気屠に、気体状の α 放射体
(222Rn,22日R nなど、)が存
在すると、特に低レベルの場合は誤差の原因となる可能性がある。
工NAT工ON OF A工R LUM
工NESCENCE SPECTRA FOR ALPHA-EM
工TTERS W工TH L工QU工D SCINDETEM
T工LLAT工ON SPECTROMETERS.
Kyoritsu Co11ege of Pharmacy,Yoshio HOMMA,Yuko MURASE
Radioisotope Center,The Jikei University Schoo1 of Medicine,Makoto TAKIUE
Radioisotope and Nuc1ear Engineering Schoo1, JAER工
, Tamaru ABURA
工
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