...

婚前妊娠に関する社会経済的要因の分析

by user

on
Category: Documents
15

views

Report

Comments

Transcript

婚前妊娠に関する社会経済的要因の分析
経 済 学研 究 論 集
第24号2006.2
婚前妊娠 に関す る社会 経済的要 因の分析
AnAnalysisofPremaritalPregnancyaboutSocio-economicFactors
博士 後期課 程
経 済学 専攻2005年
鎌
田
健
度 入学
司
KAMATA,Kenji
【論 文 要 旨 】
本 稿 は 近 年 急 速 に増 加 しつ つ あ る婚 前 妊 娠 に関 し,諸 外 国の 事 例 を参 照 し,過 去 の実 証 研 究 を も
とにそ れ を 規 定 して い る社 会 経 済 的 要 因 を 多 変 量 解 析 に よ り分 析 す る こ とを 目的 とす る。 デ ー タ は
1999年 に実 施 さ れ た 「家 族 に つ いて の 全 国調 査 」(NationalFamilyResearch,以
下NFR98)の
第
1回 調 査 で あ り,今 回 の 分 析 は1999年 時 点 で の もの で あ る。 分 析 した 結 果,妻 の 結 婚 年 齢 が低 い ほ
ど婚 前 妊娠 確 率 が 高 く,夫 の 学 歴 が 低 く経 済 状 況 も比 較 的 低 い層 に統 計 的 有 意 な差 がみ られ た。 最
近 の 婚 前妊 娠 の動 向 に 関 して も,先 行 研 究 の 示 す とお り結 婚 コ ウ ホー トが最 近 にな る に つれ て増 加
傾 向 にあ る こ とが 示 され た 。 ま た 出 生 に 関 す る近 接 要 因 として,避 妊 や 人 工 妊 娠 中 絶 な ど技 術 的 進
歩 が 婚前 妊 娠 お よび 婚 外 子 に 及 ぼ した 影 響 に つ い て は,過 去 の 先 行 研 究 に よれ ば 時 系 列 的 な リン ク
は 見 られ な い 。 た だ し避 妊 方 法 に 関 して 男 性 主 導 型 で あ る現 状 を考 え る と望 まな い妊 娠 の リス ク は
低 くな い こ とが示 唆 さ れ る。 む しろ 規範 的 要 因 と関 連 して,女 性 の 社 会 進 出 に関 わ る就 業 と家 庭 の
トレー ドオ フ の 関 係 に あ る こ とが 出 生行 動 に 大 きな 影 響 を 及 ぼ して お り,不 十 分 な 出生 間 隔 調 節 と
出 生 は婚 姻 内 で な さ れ る べ きで あ る とい う出 生 規 範 の 存 在 が 婚 前 妊 娠 を増 加 させ て い る こ とが 示 さ
れ て い る。 出生 抑 制 の技 術 的 側面 や規 範 的要 因 の 及 ぼ す 影 響 は 別 稿 で 検 討 した い 。
【キ ー ワ ー ド】 婚 前 妊 娠,出
1.は
生 抑 制,出
生 間 隔 調 節,出
生 規 範,NFR98デ
ータ .
じめ に
婚 姻 と妊 娠 が逆 転 す る現 象 が 近 年 増 加 傾 向 に あ る。 い わ ゆ る婚 前 妊 娠(PremaritalPregnancy)
の増 加 で あ る。 『人 口動 態 統 計特 殊 報 告 「出 生 に 関 す る統 計 」 の 概 況 』(厚 生 労働 省統 計情 報 部)に
よ れ ば,結 婚 期 間 が 妊 娠 期 間 よ り短 い 出 生 の 嫡 出 第1子
こ とが報 告 され て い る(図1)。
に 占め る 出 生 構 成 割 合 が 増 加 傾 向 に あ る
これ に よれ ば,昭 和55年(1980年)に12.6%で
論文 受 付 日2005年10月2日
掲 載 決 定 日2005年11月19日
一45一
あ った もの が平 成
婚期間が妊娠期間 よ り短 い出生の第1子 に 占め る出生構成割合
)
9 0
︽ 3
図1結
(千 人)
700
5
2
600
一
26.3苫
0
2
500
一
22.59
21.0=
400
一
5
1
一
17.39
300
一
一
0
1
12.6苫
200
一
.
5
一
一
100
■
■
19SO
1985
[コ
■
+嫡
出所:厚
図25歳
1990
0
0
1995
2000
{年 次)
嫡 出 第1子 出生 時 数(千 人)
結 婚 期 間 が 妊 娠 期 間 より短 い 出 生 数
出 第1子 に 占 める 割 合 ㈲(千
人)
生労 働 省人 口動 態 統計 特 殊報 告 『「出生 に 関 す る統 計 」 の 概 況』
階 級 別,結 婚 期 間 が 妊 娠期 間 よ り短 い 出生 の第1子
に 占 め る 出 生構 成 割 合
(%)
90
8L7
エ3.ヨ
80
元
一
E7.o
70
58.3
61.5
60
」
一
47.0
47.4
50
"一'一
41.5
40
31.2
0
一〇
一3
-
-
12.4
9.8
1
四
宴
.8
一-
10
1
14.2
-一
− 9
20.1
20
B
30
1
0
1980年
1990年
1985年
1-←15-19歳+20-24歳+25-29歳
2000年
1995年
一一30-34歳
→-35歳
以 上1
出 展:厚 生 労 働 省 人 口動 態 統 計特 殊報 告 『「出 生 に 関 す る統 計 」 の 概 況』
2年(1990年)に
は21.0%,平
機 に 婚 姻 が 起 こ る ケ ー ス,婚
年 齢 分 布 を5歳
成12年(2000年)に
は263%と
高 い 増 加 傾 向 を 示 し て お り,妊
前妊 娠 が 増 加 して いる。
階 級 別 に み る と(図2),2000年
時 点 で15-19歳
-46一
に お い て58.3%(2000年),25-
娠 を
29歳 で10.9%(2000年),35歳
以 上 で10.3%(2000年)と10代
期 間 が妊 娠 期 間 よ り短 い 出 生 の 第1子
か ら20代 前 半 で の 出生 に対 す る結 婚
に 占 め る出 生 構 成 割 合 が 高 く,1980年
年 齢 層 に比 べ て 高 い。 佐 々井(1999)に
か らの 増 加 率 も他 の
よれ ば 婚 前 妊 娠 は 増 加 傾 向 に あ る もの の 「結 婚 初 期 に お
け る 出生 タ イ ミン グの 早 晩 が そ の後 の 出 生 割 合 を強 く規 定 」(p.73)し
て お り,近 年 の コ ウ ホー ト
ほ ど無 子割 合 の増 加 が予 測 され,若 年 層 に多 い婚 前 妊 娠 の 増 加 は 必 ず しも平 均 子 ど も数 の 増 加 に つ
な が らな い こ とを示 して い る。
欧 州 諸 国 を は じめ,ア
メ リカ,オ ー ス トラ リア な ど一 部 の 出生 力 転 換 を経 た先 進 諸 国 に お い て,
1960年 代 か ら70年 代 に か け て 以 下 の3つ
(unionformation)」
の 要 因 に よ り婚 前 妊 娠 が 減 少 し,「 男 女 の ユ ニ オ ン 形 成
が 多 様 化 して い る こ とが 観 察 され て い る(Ruzicka1976;Akerlofetal.1996;
Baizanetal.2001;Phinellietal.2001;ヴ
ァン ・デ ・カ ー2002)。
合 を前 提 と した 男 女 の パ ー トナ ー シ ップ の 在 り方 を 表 し,と
こ こ で 「ユニ オ ン」 とは性 的 結
りわ け 第1子
出生 時 の 男 女 の 関 係 性
を示 す こ と とす る。北 西 欧 諸 国 で は 婚 外 子 出 生 率 の 上 昇 と とも に法 律 婚 に こ だ わ らな い 同棲 な ど の
事 実 婚 が拡 が り,ア メ リカ で は 片親 家 庭 の 増 加 が 観 察 され て い る。 これ らの 国 々 で は婚 前 妊 娠 が減
少 した理 由 を,(1)人 工 妊 娠 中 絶 の 合 法 化 及 び 一 般 化,(2)避 妊 技 術 の 向上 お よ び未 婚 女 性 の 避 妊 行 為
の 増 加,(3)女 性 の 社会 進 出 お よび 価 値 観 の 変 化 として 説 明 して い る。 しか し,こ れ らの要 因 は そ れ
ぞ れ の程 度 の差 に よ り さま さ ま な 形 態 を生 む とされ て い る。 この よ う な差 異 の背 景 に は避 妊 や人 工
妊 娠 中絶 な どの技 術 的 な要 因 の 他 に 女 性 の 社 会 進 出な ど社 会 経 済 的 要 因 や性 行 動 に関 す る価 値 観 の
変 化 や 宗教 な ど文 化 的 な要 因 が 大 き く関 係 し,婚 外 子 や 結 婚 後 の 夫 婦 の 扱 い に関 す る法 整 備 の 違 い
も重 要 な要 因 と して考 え られ る。
多 様 な ユ ニ オ ン形 成 は 主 に 同 棲経 験 率 ・一 人 親 世 帯 率 ・婚 外 子 出生 率 の 高 さ と して表 さ れ る。 北
欧 諸 国 で は も と も と同棲 な ど法 律 婚 外 で の ユ ニ オ ン 形 成 が 一 般 的 で あ っ た が,西 欧諸 国 で は経 験 的
に婚 前 妊 娠 が 減 少 す る に つ れ て ユ ニ オ ン 形 成 の 多 様 化 が 観 察 さ れ る よ うに な った(Lestheaghe
1995)。1960年
代 か らの 離 婚 率 の上 昇 か ら端 を発 した 家 族 の結 び つ きの 弱 ま りは 従 来 の ユ ニ オ ン形
成 方 法 で あ る婚 姻 か ら事 実婚 に 代表 され る よ うな 同棲 な どの 婚 姻 に と らわれ な い 男女 の結 び つ き が
一 般 化 す る こ と とな り,婚 外 子 出 生 率 の上 昇 が 西 欧 諸 国 に も拡 が っ た(Phinellietal.2001;ヴ
ン ・デ ・カ ー2002)。
ァ
従 来 若 年 層 で 多 く見 られ た 婚 前 妊 娠 が 減 少 した 背 景 に は 避 妊 技 術 の 向 上 や
人 工 妊娠 中絶 の 合 法化 な ど技 術 的 側 面 が 指 摘 され(Akerlofetal.1996),同
棲 な どの ユニ オ ン形 成
の 多 様化 に よ って 婚外 子 出 生 率 の増 加 に帰 着 す る と考 え られ て い る。 しか しな が ら,上 述 した とお
り 日本 で は婚 前 妊 娠 は増 加 傾 向 に あ る に も関 わ らず 非 嫡 出 子 の 出生 数 が 全 出生 数 に 占 め る割 合 は戦
後 ほ ぼ 変化 な く1%台
を推 移 して お り,出 生 は 結 婚 内 に お い て行 わ れ る もの とす る,い わ ゆ る 「嫡
出規 範 」 が 存 在 す る と考 え られ て い る(善 積1993;阿
の 上 昇 や 女 性 主 導 に よ る 出 生 抑 制(birthcontrol)の
藤1997)。
婚 前 妊 娠 の 減 少 には 避 妊 実 行 率
徹 底 が要 因 で あ る と考 え られ て お り,日 本 に
おい て は そ の 点 で後 れ を取 って い る と考 え られ る。 欧 米 諸 国 で は 婚 前 の 性 交 渉 の 結 果 と して妊 娠 が
生 じた場 合,結 婚 せ ず に 同棲 形 態 を 選 択 し,後 に 結 婚 形 態 に移 行 す る場 合(北 西 欧 諸 国 に 多 い)や
一47一
シ ン グル マ ザ ー な ど片 親 で育 て る(ア メ リカ,イ ギ リス,オ ー ス トラ リア に 多 い)と い う選 択 に 幅
が あ り,そ れ が結 果 的 に 出生 力低 下 の歯 止 め として 機 能 して い る こ とが 指 摘 され て い る(レ ス タギ
モ ー ス2000;Martin2000;津
は お よそ3%と
谷2003)。
日本 で は 同 棲 経 験 率 も お よそ7%前
低 く(国 立 社 会 保 障 ・人 口問 題 研 究 所2004)出
後,「現 在 同 棲 中 」
生 時 の ユ ニ オ ン形 成 の 選 択 肢 の 幅
も少 な く,こ の よ うな現 象 に 関 して も避 妊 や 人 工妊 娠 中絶 な ど技 術 的 な理 由 の 他 に,宗 教 ・地 域 差
な ど文 化 的 な要 因 に よ る独 自性 が考 え られ る。
2.「
婚 前 妊 娠 」 の定 義
本 稿 に お い て 「婚 前 妊 娠 」(pre-maritalpregnancies)を
(AkerlofetaL1996)と
し,操
AkerlofetaL1996)と
marriage)法
作定義 を
「妊 娠 と 出 産 の 間 に 結 婚 を す る 事 象 」
「結 婚 後7ヶ
月 以 内 に 出 産 を す る 事 象 」(Ruzicka1976;
す る 。Coombsetal.(1970)は,結
婚 前 に 妊 娠 が 生 じ(conceptionsbefore
律 婚 を 伴 わ な い 場 合 は 「法 律 に 拠 らな い 出 生(illegitimatebirth)」
偶 者 と 「結 婚 し て 出 産 」 す る か,ま
(premaritalconception)と
たは
と し,最
「人 工 妊 娠 中 絶 手 術 を 受 け る 」 ケ ー ス を
終 的 に配
「婚 前 妊 娠 」
定 義 付 け を 行 っ て お り,「 結 婚 」 の 有 無 に よ っ て 区 別 し て い る 。 こ れ は
法 律 婚 が 一 般 的 な 社 会 に お い て 通 用 す る 概 念 で あ り,北
西 欧 諸 国 で は1970年
代 以 降 と りわ け 西 欧
に お い て 同 棲 を 中 心 と し た 法 律 婚 に 限 ら な い ユ ニ オ ン 形 成 の 多 様 化 に よ っ て,性
行 動 の 自 由 化 と妊
娠 す る リス ク の 増 大 とは 裏 腹 に 「婚 前 妊 娠 」 の 概 念 が 衰 退 し て い く こ と に な る 。 前 述 の 通 り 日 本 で
は 出 生 行 動 は 婚 姻 形 態 を 前 提 と し て い る た め,「 婚 前 妊 娠 」 は 概 念 と し て 有 効 で あ る と い う こ と が
で き る。
操 作 定 義 に あ る 婚 前 妊 娠 を 結 婚 後 「7ヶ 月 以 内 」 に 出 生 が 起 き た 場 合 と す る理 論 的 裏 づ け は 経 験
値 に よ る も の で あ り,初
ピ ー ク を 示 し,第1と
婚 年 齢 が16歳
第2の
か ら19歳 で6∼7ヶ
月 で 第1の
ピ ー ク,8∼9ヶ
ピ ー ク の 発 生 件 数 は 初 婚 年 齢 が 増 加 す る に 伴 い8∼9ヶ
月 で 第2の
月の ピー クに
出 産 数 が 集 中 す る よ う に な る と い う も の で あ る(Ruzicka1976)。
こ の傾 向 は 出生 力 転 換 を経 た 先
進 工 業 国 に 一 様 に み ら れ る 傾 向 で あ る 。 さ ら に 最 近 の 第1子
出 生 タ イ ミン グ の 実 証 分 析 に お い
て,結
婚 後8ヶ
月 未 満 の ケ ー ス を 除 く こ と か ら も7ヶ
月 で 区 別 し た 出 生 の 分 析 は 第1子
ミ ン グ 研 究 の 特 殊 研 究 と し て 独 自 の 性 質 を も つ と考 え ら れ る(福
本 に お い て は 結 婚 後6ヶ
て お り,6-11ヶ
田1999;Baizanetal.2001)。
日
月 未 満 で 子 ど もを 生 ん でい る夫 婦 の 割 合 は 近 年 の コ ウホ ー トほ ど上 昇 し
月 ・12-17ヶ
ま たRuzicka(1976)の
出生 タ イ
月 第1子
ピ ー ク 期 の 出 生 割 合 は 大 幅 に 低 下 し て い る(佐
結 婚 を 伴 う 第1子
出 生 タ イ ミ ン グ の 分 析 枠 組 で は,0ヶ
「婚 前 妊 娠 」(pre-maritalpregnancies),8ヶ
調 節 」(shortspacers),18ヶ
月 か ら23ヶ 月 を
々 井1999)。
月 か ら7ヶ
月 を
月 か ら11ヶ 月 ・12ヶ 月 か ら17ヶ 月 を
「短 期 出 生 間 隔
「中 期 出 生 間 隔 調 節 」(mediumspacers)と
定義付 け
して い る。
Ruzicka(1976)に
よ れ ば,妊
conception,bridalpregnancy)と
娠 ・結 婚 ・出 産 の 順 に 起 こ る 現 象 を
「婚 前 妊 娠 」(pre-marital
し,「 文 化 的 統 合 度 の 高 い パ タ ー ン と し て 受 容 さ れ る か,望
一48一
ま し
くな い性 行 動 の 結 果 と して 受 容 され る」 もの と して定 義 し て い る。 岩 澤(2000)に
よれ ば,日
で は性 行 動 の結 果 と して 意 図 せ ざ る妊 娠 が起 こ る場 合 が 多 い こ とが示 さ れ,Ruzicka(1976)の
本
定
義 に よ る 「婚 前 妊 娠 」 パ ター ン であ る と考 え られ る。
な お,定 義 に お け る英 語 表 記 の 多 様 性 は そ れ ぞ れの 研 究 者 の 表 現 を記 した もの で あ る。
3.婚
前 妊 娠 に関 す る社 会 経 済 的 要 因 の 多変 量 解 析 に よ る分 析
3-1.仮
説 と先 行 研 究
婚 前 妊 娠 に 関 す る 社 会 経 済 的 要 因 の 分 析 に 際 し て 大 谷(1993)の
に,Coombsetal.(1970),CoombsandFreedman(1970)の
婚 前 妊 娠 のlogitモ
デルを も と
婚 前 妊 娠 に 関 す る社 会 経 済 的 要 因 を モ
デ ル に 組 み 込 ん だ 複 合 モ デ ル に よ っ て 変 数 の 推 定 を 行 う 。 こ こ で 設 定 す る 仮 説 は 以 下 の4つ
であ
る 。(1)妻 の 結 婚 年 齢 が 低 い ほ ど婚 前 妊 娠 の 確 率 が 高 ま る 。(2)妻 の 父 親 の 学 歴 が 低 い ほ ど婚 前 妊 娠 の
確 率 が 高 ま る 。(3)夫 の 学 歴 が 低 い ほ ど 婚 前 妊 娠 の 確 率 が 高 ま る 。(4)近 年 の 結 婚 ほ ど婚 前 妊 娠 の 確 率
が 高 い,の4つ
第1の
で あ る。
「妻 の 結 婚 年 齢 が 低 い ほ ど 婚 前 妊 娠 の 確 率 が 高 ま る 」 に つ い て,Ruzicka(1976)や
Akerlofetal.(1996)で
示 さ れ て い る よ う に 若 年 層 で は 避i妊実 行 に 関 す る 知 識 や 技 術 的 な 未 熟 さ に
よ り妊 娠 に つ な が りや す い リ ス ク が 高 い こ と が 考 え ら れ る 。 ま た 経 済 的 な 蓄 積 が 少 な い こ と や 出 生
と婚 姻 が 密 接 に 結 び つ く 出 生 規 範 が 強 い 場 合 に 「責 任 を と る 」 な ど社 会 的 な プ レ ッ シ ャ ー に 晒 さ れ
や す い な ど 選 択 肢 が 多 く な い こ と な ど い くつ か の 理 由 が 考 え ら れ る 。 大 谷(1993)の
年 齢 カテ ゴ
リ ー で は 「22歳 以 下 」 の 場 合 に 特 に 婚 前 妊 娠 の 可 能 性 が 高 くな っ て い る こ と か ら,「 妊 娠 し た た め
に 結 婚 を 余 儀 な く さ れ る い わ ゆ る 義 理 婚 の 可 能 性 が,早
い 結 婚 に お い て 高 い 」(p.183)こ
とを 示
唆 してい る。
第2の
「妻 の 父 親 の 学 歴 が 低 い ほ ど 婚 前 妊 娠 の 確 率 が 高 ま る 」 に つ い て は,一
い 地 位 で あ る 場 合,婚
般 に 「家 族 が 低
前 妊 娠 が 起 こ りや す い だ ろ う 」 と い う 観 測 に 基 づ きCoombsetal.(1970)
は 妻 の 父 親 の 教 育 程 度("Gradeschoor',"Somehighschool","Highschoolgraduate","College")
と職 業 分 類("Whitecollar","Craftsmen":職
合 を 測 定 し た が,む
atives":職
工)で
ん で お り,人
"College"は
人,"Operatives":職
工)を
も とに 婚 前 妊 娠 発 生 割
し ろ ミ ドル ク ラ ス("Highschool","College"と"Cragsmen":職
婚 前 妊 娠 が 多 くみ ら れ た 。 し か しCoombsetal.は
婚 前 妊 娠 に人 工 妊 娠 中 絶 を 含
工 妊 娠 中 絶 を 分 離 し た 場 合 は 妻 の 父 親 の 教 育 程 度 が"Highschool"で
人 工 妊 娠 中 絶 に よ る対 処 を して い る こ と が 示 さ れ て い る
場 合 に 婚 前 妊 娠 が 多 く生 じ る 理 由 と し て は,出
人,"Oper-
最 も 多 く,
。妻の父親の教育程 度が高 い
生 規 範 に よ る結 婚 圧 力 が 存 在 し た こ とや 人 工 妊 娠 中
絶 を 受 け る こ と が で き る と い う経 済 的 背 景 が あ る と考 え ら れ る。 全 体 と し て 婚 前 妊 娠 は 低 い 地 位 の
家 族 か ら多 く発 生 す る と い う わ け で は な く,す
法 の 選 択 肢 の 数 に お い て 地 位 が 低 い 場 合,そ
べ て の 社会 的地 位 に お い て発 生 す る 。 た だ し解 決 方
の 選 択 肢 の 少 な さ か ら婚 前 妊 娠 が 結 婚 に 連 結 す る ケ ー
ス が 多 い こ と が 指 摘 さ れ て い る 。 ま た 妻 の 父 親 の 学 歴 に つ い て,夫
一49一
の 父 親 と の マ ッ チ ン グ に よ り差
異 が あ る こ とが 示 され,夫 婦 の 父 親 の 教 育 程 度 が異 な る場 合 は,教 育 程 度 が 同程 度 で あ る場 合 よ り
も高 くな る。 異 な る教 育 程 度 ・社 会 背 景 の 違 い は結 婚 へ の プ レ ッシ ャ ー を大 き く し,そ の 影 響 は 妻
の 父 親 の 社 会 的 背 景 が夫 よ り も高 い と きに結 婚 へ結 び つ きや す い とさ れ て い る。
第3に
「夫 の 学 歴 が 低 い ほ ど婚 前 妊 娠 の 確 率 が 高 ま る」 に つ い て,妻 の 学歴 は 大 学 卒 な どの 高
等 教 育 は長 い教 育 期 間 や 高 い教 育 程 度 が もた らす高 い 年 収 は 自己 信 頼 意 識(selfrelianceeffect)
を 生 み 出 し,夫 に同 等 の 社 会 経 済 的 背 景 を求 め る こ とか ら婚 外 出 生(outsidemarriage)を
圧 力 が生 ま れ(Aassve2003),夫
避け る
の 学 歴 や年 収 な ど社 会 経 済 的 要 因 は 婚 前 妊 娠 に 大 き く影 響 す る
(Coombsetal.1970;CoombsandFreedman1970)。
これ は 婚 前 妊 娠 に よ って教 育 達 成 を 中 断 さ せ
られ る こ とに起 因 す る もの とさ れ て い る。 「中 断 」 と い っ て も 「中 退 」 を必 ず し も示 す もの で は な
く,"highschool"卒
業 後 や"college"卒
業 後 に 行 わ れ る こ と が一 般 的 で あ る。 婚 前 妊 娠 カ ップ ル
の 経 済 的 不 利 は 夫 の 教 育 水 準 に よ って も た らさ れ,そ れ は 少 な い教 育 期 間 に あ る とい う もの で あ
る。 経 済 的 不 利 の 最 も大 きな 要 因 は 資産 蓄 積(assetaccumulation)期
間 に あ り,若 年 時 の 予 期 し
な い 結 婚 が 生 じ るた め 婚 前 妊 娠 に よっ て貯 蓄 を蓄 え る時 間 も な い ま ま家 族 の扶 養 義 務 を 負 っ て しま
う こ とに な る。 妻 の 学 歴 に 関 して は,大
谷(1993)の
分 析 で は 「大 学 卒 」 で 有 意 に 婚 前 妊 娠 確 率
が 低 い こ とが示 され,こ れ は 「避 妊 実 行 率 の高 さ」 を反 映 し て い る と説 明 して い る 。
第4に
「近年 の 結 婚 ほ ど婚 前 妊 娠 の 確 率 が 高 い 」 に つ い て で あ る が,1970年
代 には10%以
下で
あ った(結 婚 後9ヶ
月 以 内 に 出産 す る)「 婚 前 妊 娠」 は1980年 代 に上 昇 を は じめ1990年 には21%,
2000年 に は26.3%と
増 加 傾 向 を み せ て い る。 婚 前 妊 娠 を規 定 す る もの は法 律 に 則 っ た 「結 婚 」 を
す る か否 か で あ り,性 行 動 の 自由 化 に よ って 増 大 した妊 娠 の リス ク は 出 生 抑 制(birthcontrol)を
目的 と した 避 妊 の 実 行 な ど に よ る管 理 が 必 要 で あ る 。 個 人 主 義(individualism)や
(selfrelianceeffect)に
自己 信 頼 効 果
よ って 伝 統 的制 度 に と らわ れ な い 男 女 の 平 等 性 の表 れ とさ れ る 同棲 な ど の
ユ ニ オ ン形 成 の 多 様 化 が み られ ず,依 然 と して 法 律 婚 と出生 が 同時 発 生 的 で あ る 日本 に お い て は,
婚外 出 生 率 の 微 増 傾 向や 同棲 に関 す る許 容 度 の 増 加 な ど変 化 の 兆 しが み え る ものの,今 後 も妊 娠 を
契機 と した 婚 前 妊 娠 は 続 くもの と考 え られ る。
そ の 他 の 変 数 の 可 能 性 に関 して は,「 知 り合 って か ら結 婚 ま で の 期 間 」 が婚 前 妊 娠 に対 して あ る
程 度 説 明 力 の あ る変 数 で あ る こ とが 示 唆 され る(大 谷1990,1993)。
「知 り合 って か ら結 婚 ま で の
期 間 」 は 婚 前妊 娠 の 衝 動 性 を 示 す 指 標 とな り,社 会 経 済 的 要 因 を統 制 す る変 数 と して考 え られ る。
今 回 の モ デ ル で は デ ー タ に変 数 が 無 く使 用 で き なか った が 今 後 の 分 析 に お い て重 要 な フ ァ ク ター に
な る と考 え られ る。 また 居 住 地 は 都 市 部 以 外 で は 「保 守 的 」 な 意 思 を示 しや す い とい う こ とで 大 谷
(1993)に
お いて 使 用 さ れ て い るが,有 意 な差 は表 れ て い な い 。 親 との 同居 状 況 に つ い て は 「親 と
同居 して い な い場 合 に 未 婚 女 子 の 性 体 験 確 率 が 高 い」(同 上1993,p.182)こ
とが 指 摘 さ れ て い る
た め モ デ ル に投 入 す る。 価値 観 に 関 して 「伝 統 的 性 役 割 」 変 数 を モ デ ル に投 入す る。 これ は 婚 前 妊
娠 に対 して,非 伝統 的 で あ るほ ど婚 前 妊 娠 の 確 率 が 高 くな る と予 想 さ れ る。 これ は 婚 前 妊 娠 が 自 由
な性 行 動 の 結果,避
妊 実 行 が 不 十 分 で あ る と考 え られ る 「大 卒 」 以 外 の 低 年 齢 層 と関 連 して 負 の 効
一50一
果 を 持 つ と考 え られ る た め で あ る。
3-2.デ
ー タ と記 述 統 計
3-2-1.デ
ータ
今 回 の モ デ ル 検 証 に 使 用 す る デ ー タ は 日本 家 族 社 会 学 会 ・全 国 家 族 調 査 研 究 会 が1999年
した
「家 族 に つ い て の 全 国 調 査 」(NationalFamilyResearch,以
る 。 対 象 者 は28歳
81.3%が
か ら77歳 ま で の 男 女 を 対 象 に6,985サ
有 配 偶 者 の で あ り未 婚 者 は9.0%で
下NFR98)の
ン プ ル で あ る(男
あ る 。 今 回 の 分 析 で は28歳
第1回
性47.6%,女
に実施
調査 で あ
性52.4%)。
か ら49歳 ま で の 有 配 偶 女 性
の 妊 娠 歴 を用 い た 分 析 を 行 う。
3-2-2.記
述統計
本 項 で はNFR98デ
ー タ に お け る 婚 前 妊 娠 の 記 述 統 計 を 示 す 。 婚 前 妊 娠 を 「妊 娠 と出 産 の 間 に 結
婚 を す る 事 象 」(Akerlofetal.1996)と
定 義 し,操
象 」(Ruzicka1976;Akerlofetal.1996)で
表1は
月 以 内 に 出産 を す る 事
あ る。
婚 外 出 生 数 と婚 前 妊 娠 数 と そ れ ら の 全 出 生 に 対 す る 割 合 を 示 し た も の で あ る 。 分 析 に 使
用 す る デ ー タ セ ッ ト に お け る 出 生 数 は1,144ケ
娠 数 は9ヶ
%)あ
作 定 義 は 「結 婚 後7ヶ
月 で 区 切 っ た 場 合305ケ
ー ス(26.7%)あ
る 。 多 変 量 解 析 の 従 属 変 数 に は7ヶ
で 結 婚 し た ケ ー ス を1,そ
外 出 生 数 は18ケ
り,7ヶ
ー ス(1.6%),婚
月 で 区 切 っ た 場 合 は175ケ
月 で 区 切 る 婚 前 妊 娠 の ダ ミ ー 変 数(妊
う で な い 場 合 を0)を
し た の は 人 口動 態 統 計 特 殊 報 告
い た た め,NFR98デ
ー ス あ り,婚
用 い る が,9ヶ
前妊
ー ス(15.3
娠 後7ヶ
月以 内
月 で 区 切 る場 合 の 記 述 統 計 を列 挙
『「出 生 に 関 す る 統 計 」 の 概 況 』 が9ヶ
月 に よ る 区 切 りを 想 定 し て
ー タの 信 頼 性 を示 す た め に示 し た。 『「出 生 に関 す る統 計 」 の概 況 』(図1-2)
で は2000年 時 点 で26.3%が
で あ り,NFR98デ
「結 婚 期 間 が 妊 娠 期 間 よ りも短 い 出 生(9ヶ
ー タ の26.7%と
ほ ぼ一 致 す る。NFR98デ
月 で 区切 った 婚 前 妊 娠)」
ー タ の 信 頼 性 は あ る程 度担 保 す る こ と
が で き る と考 え られ る。 その ため 先 行 研 究 に従 う7ヶ 月 で 区 切 る婚 前 妊 娠 は15.3%で
あ り,こ の 数
値 は 実勢 を 示 して い る と考 え られ る。
次 に表2は
結 婚 か ら 出産 ま で の 月 数 を 示 して あ る。 本 稿 で は7ヶ 月 以 内 に 出 産 が発 生 し た場 合
を 婚 前 妊 娠 と して 扱 う。 日本 に お い て はRuzicka(1976)の
表1婚
婚 外出生数
婚 前 妊 娠 数(9ヶ
月 以 内 に 出 産)
→7ヶ 月 以 内 に 出産
示 す6∼7ヶ
外 出 生 数 と 婚 前 妊 娠 数 と そ の 割 合(NFR98デ
実数
割合
18
1.6%
月 に 一 度 目の ピ ー クが く
ー タ)
平均(月)
30.31.7(出
305
26.7%
6.6
175
15.3%
4.9
産 後1年
以 内 の結 婚 の場 合 の平 均)
出 所:日 本 家 族 社 会 学 会 ・全 国 家 族 調査 研 究 会 「家 族 に つ い て の 全 国 調 査 」(1999)
一51一
伏
表2結
婚 か ら出 産 ま で の 時 間 分 布(単
位:月
数)
任沿
m
97
80
76
一 60
50
40
如
⑳
o
N与
67
32
22一
18
一
15
33
…三
ー一5-一
ー一一
へXN.K今%・k.蔑
出所:日 本 家 族社 会 学 会 ・全 国 家 族 調査 研 究 会
る と い う 経 験 則 とは 異 な り,佐
第2の
61
々 井(1999)の
ピ ー ク に つ い て はRuzicka(1976)の
っ て ピ ー ク が6∼7ヶ
月 か ら9ヶ
㌔
「家 族 に つ い て の 全 国 調 査 」(1999)
示 す よ う な6ヶ
月 未 満 に 第1の
ピー ク が きて い る。
ピ ー ク に 当 て は ま る 。 ま た 年 齢 が 上 昇 す る に した が
月 に 移 動 す る とい う 変 動 は サ ン プ ル 数 が 少 ない こ とか ら確 認 す る
こ とが で きな い。
3-4.分
析手 法
分 析 モ デ ル は,大 谷(1993)に
基 づ き,Coombsetal.(1970),CoombsandFreedman(1970)の
妻 の 父親 と夫 の学 歴 ・経 済 的 地 位 を 背 景 と し た社 会 ・経 済 モ デ ル を 結 合 した 複合 モ デ ル に よ り ロジ
ス テ ィ ック 回 帰 分 析 に よ る推 定 を 行 う。 分 析 モ デ ル1は
位 で 示 した もの で あ り,分 析 モ デ ル3で
デ ル1に,分
析 モ デ ル4は
妻 の ・父 親 ・夫 の 職 業 分 類 を 従 業 上 の 地
は 職 業 分 類 を 業 種 で 示 して あ る。 分 析 モ デ ル2は
分 析 モ デ ル3に
分析 モ
年 収 と価 値 観 に つ い て の 変 数 を投 入 した モ デ ル で あ
り,分 析 対 象 を39歳 以 下 に限 定 し て い る 。 こ れ は 年 収 や 価 値 観 に つ い て の 設 問 が 調 査 時 点 に つ い
ての もの で あ り,従 属 変 数 で あ る婚 前 妊 娠 が 発生 した 時 点 の もの で は な い た め時 制 の 一 致 とい う点
で統 計 的 に無 理 の あ る操 作 で あ る が,で
きる だ け 調査 時 点 に 近 づ か せ る とい う理 由の 他 に 加 齢 に よ
る効 果 を で き るだ け抑 え る とい う理 由 に よる試 み で あ る。 統 計 的 精 密 性 を 求 め るの で あ れ ば,同 一
サ ン プル を長 期 間 に わ た っ て継 続 調 査 す るパ ネル 調査(縦
断 調 査)を
を分 析 に反 映 で き るハ ザ ー ドモ デル を用 い た 分析 が妥 当 で あ る が,今
用 い る場 合,あ
用 い,ラ
イ フ イベ ン トの 時 制
回使 用 す る よ う な横 断調 査 を
る程 度 の 精 密 性 を放 棄 しつ つ も一 定 の 効 果 を み る と い う点 で 重 要 で あ る とい う判 断
を も とに 分 析 モ デ ル に年 収 と価 値 観 に つ い て の変 数 を 投 入 した 。
分 析 手 法 は ロジ ス テ ィ ッ ク回 帰 分 析*5-1で あ る 。 ロ ジ ス テ ィ ック 回帰 分 析 は従 属 変 数 が2値(0
と1で 構 成 さ れ る ダ ミ ー変 数)を 取 る とき,① 分 散 が 一 定 で あ る とい う等 分散 性 が 当 て は ま らず,
-52一
② 当 て は め られ た 回 帰 係 数 が(0,1)と
の 範 囲 を(0,1)か
ら(一 。。,∞)に
い う許 容 範 囲 の 外 の 確 率 値 に な る可 能性 が あ る とき,確 率
変 換 し,こ の変 換 値 に対 して 線 形 モ デ ル を 適 用 す る分 析 手 法
で あ る。 この 変換 の仕 方 を ロジ ス テ ィ ック変 換(対 数 オ ッズ 変 換)と
い い,回 帰 モ デル は 以 下 の よ
うに な る。
1・9、 ≧D−
こ こ でpは
β・+6,X・
・ … ・6・Xn
従 属 変 数 の 期 待 値(発
生 確 率)を
示 す 。 回 帰 係 数 は 最 尤 推 定 法 に よ っ て 得 ら れ,2項
分 布 に 従 う と仮定 して 推 定 さ れ る。
カ
=
exp(βo+β1×1+…+finXn)
1+exp(βo+β1×1+…+β
3-5.変
表3に
。Xn)
数 の 操作 化
は 今 回 の 分 析 に 用 い る 変 数 を提 示 して い る 。 概 要 に は 変 数 の 値 の 割 り当 て を示 し,そ の
下 に は 度数 とパ ー セ ン テー ジ を示 して い る。 符 号 条 件 に 関 して は,0と1で
構 成 され る ダ ミー 変 数
で あ る場 合 と連続 変数 で あ る収 入(擬 似 連 続 変 数)と 価 値 観 にお いて の み 表 示 して い る。 名 義 尺 度
を 独 立 変 数 と して 用 い る場 合,そ
れ ぞ れ の カ テ ゴ リー を ダ ミー 変 数 化(イ
そ うで な い 場 合0で 構 成 さ れ る 変 数)し
て い る。 カ テ ゴ リー 数 が3つ
ベ ン トが 乗 じ る場 合1,
以 上 の場 合,そ
の 内 の1つ
の カ テ ゴ リー を リフ ァ レン ス(基 準)カ テ ゴ リー として 設 定 して い る。 リフ ァ レン ス カ テ ゴ リー は
ロ ジ ス テ ィ ック 回 帰 分 析 を 行 う場 合,結
果 の 読 み 込 み の 際 に キ ー ポ イ ン ト とな る 。 例 え ば0と1
で 構 成 され る ダ ミー 変 数 を モ デル に 投 入 した と き,得
数 変 換 した オ ッ ズ比Exp(B)で
増 加 量 で あ るが,オ
た とき,0カ
られ る推 定 値 は 回 帰 係 数Bと
回帰 係 数 を 指
あ る。 こ の と き 回 帰 係 数 は そ の ダ ミー 変 数1単 位 分 の 従 属 変 数 の
ッズ 比 は0カ テ ゴ リー に 対 す る相 対 確 率 を 示 す 。 よ っ て オ ッズ 比 が2で あ っ
テゴ リー よ り も1カ テ ゴ リー は 従 属 変 数 に対 し2倍 の 確 率 が あ る こ と を示 す こ とが で
き る。
一53一
表3変
変数名
数の操作化
概
結婚前の親 との 結 婚 ま で親 と同 居 して い た ケ ー ス を0と
居住形 態
変数
要
と 度
数
符号条件
し,結 婚 前 に 別 居 経 験 が あ る ケ ー ス を1と
する ダミー
十
1)794[61.4%],0)500[38.6%]
本人学歴
1)義 務 教 育,2)高
校,3)専
フ ァ レン ス カ テ ゴ リー 化
門 ・短 大,4)大
学 以 上 を そ れ ぞ れ ダ ミー 変 数 化 し,2)高
校をリ
1)85[6.6%],2)611[47.2],3)457[35.3%],4)128[9.9%]
父親学 歴
1)義 務 教 育,2)高
校,3)専
フ ァ レン ス カ テ ゴ リー 化
門 ・短 大,4)大
学 以 上 を そ れ ぞ れ ダ ミー 変 数 化 し,2)高
校をリ
学 以 上 を そ れ ぞ れ ダ ミー 変 数 化 し,2)高
校をリ
1)581[44.9%コ,2)348[30.5%],3)87[7,6%],4)124[10.9%]
配偶者学 歴
1)義 務 教 育,2)高
校,3)専
フ ァ レン ス カ テ ゴ リー 化
門 ・短 大,4)大
1)109[8.4%],2)674[52.2%コ,3)185[14.3%],4)432[33.5%]
結婚当時の就業 1)結 婚 前 の 仕 事 を継 続,2)結 婚 時 に 仕 事 を退職,3)結
状況
3)結 婚前 は無 職 を リフ ァ レン ス カ テ ゴ リー 化
婚 前 は 無 職 を そ れ ぞれ ダ ミー 変 数 化 し,
1)433[33.7%コ,2)710[55.2%],3)143[11.1%]
初幟
1)一 般 従 業 者,2)派
遣 ・パ ー ト ・ア ル バ イ ト,3)自
を リフ ァ レン ス カ テ ゴ リー 化
営 業 を ダ ミー 変 数 化 し,1)一
般従業者
1)1,107[88.2%],2)101[7.8%],3)47[3.6%コ
15歳 時 父 職
1)管 理 職,2)一
般 従 業 者,3)農
林 漁 業(自 営 業),4)そ
の 他 の 自営 業,5)パ
イ トを そ れ ぞ れ ダ ミー 変 数 化 し,2)一
般 従 業者 を リフ ァ レン ス カ テ ゴ リー 化
ー ト ・ア ル バ
1)286[22.7%],2)552[43.8%],3)230[18.2%],4)158[12.5%],5)35[2.8%]
配偶者 職業
1)現 在 無 職,2)経
営 者 一 般 従 業 者,3)派
遣 パ ー トア ル バ イ ト,4)自
変 数 化 し,2)一
般 従業 者 を リフ ァ レン ス カテ ゴ リー化
営 業 を それ ぞ れ ダ ミ ー
1)24[1.9%],2)1040[80.4%],3)19[1.5%],4)211[16.3%]
初幟業種
1)現 在 無 職,2)専
門 ・技 術 系,3)事
務 ・営 業 系,4)販
売 ・サ ー ビ ス,5)技
能 ・農 務 ・作 業
系,6)農
林 漁 業 を そ れ ぞ れ ダ ミー 変 数 化 し,3)事
務 ・営 業 系 を リフ ァ レン ス カ テ ゴ リー 化
1)15〔L2%],2)256[20.2%],3)533[42%],4)291[22.9%],5)171[13/5%],
6)3[0.2%]
配偶者業種
1)現 在 無 職,2)専
門 ・技 術 系,3)管
理 的 職 業,4)事
務 ・営 業 系,5)販
売 ・サ ー ビ ス,
6)技 能 ・農務 ・作 業 系,7)農
林 漁業 を そ れ ぞ れ ダ ミー 変 数 化 し,4)事
務 ・営 業系 を リフ ァ レ
ン ス カ テ ゴ リー 化
1)24[1.9%],2)198[15.4%],3)157[12.2%],4)243[18.9%],5)164[12.8%],
6)473[36.8%コ,7)26[2%]
結婚年齢
1)22歳
以 下,2)23-24歳,3)25-26歳,4)27歳
以 上 を そ れ ぞ れ ダ ミ ー 変 数 化 し,3)25-26歳
を リフ ァ レン ス カ テ ゴ リー 化
1)294[23.4%],2)339[27%],3)296[23.6%],4)325[25.9%]
地 区規模
人 口10万 人 以 上 の 都 市 を1,そ
れ 以 外 を0と
す る ダ ミー 変 数
十
1)726[56.1%],0)568[43.9%]
結婚年
1)1968-1972年,2)1973-1977年,3)1978-1982年,4)1983-1987年,5)1988-1992年,
6)1993-1998年
を そ れ ぞ れ ダ ミ ー 変 数 化 し,3)1978-1982年
を リフ ァ レ ン ス カ テ ゴ リー 化
1)64[5.1%],2)252[20.1%],3)267[21.3%],4)273[21.8%],5)226[18%],
6)172[13.7%]
本人年収
1)収
入 な し,2)100万
円 未 満,3)10(H99万
799万
円,7)800-999万
円,8)1,000-1,199万
円,4)200-399万
円,9)1,200万
円,5)40〔
ト599万
円,6)600-
一
門 以 上 の 中 点 を と り擬 似 連 続 変 数
化 し対 数 変 換
省略
配偶者年収
1)収
入 な し,2)100万
円 未 満,3)100-199万
799万
円,7)800-999万
円,8)1,000-1,199万
円,4)200-399万
円,9)1,200万
円,5)400-599万
円,6)600-
一
円 以 上 の 中 点 を と り擬 似 連 続 変 数
化 し対 数 変 換
省略
伝統的価値観: 家 族 に つ いて の 意 見 ⑦ 男性 は外 で働 き 女性 は 家 族 を守 る,(イ)愛 の な い夫 婦 は 離 婚 す べ き,(ウ)未
性別役割(因 子 婚 者 で も性 的 な 関 係 を 持 っ て もか まわ な い,(⇒ 子 供 の た め な ら親 は 自分 の 事 を 犠 牲 に す べ き,
得点)
θ 親 の 面 倒 を見 るの は長 男 の義 務,㈲ 親 が年 を と っ た ら子 ど も は親 と同居 す べ き,を 因 子 分 析 に
かけ 因 子 得 点 と して 保 存 した値 を連 続 変 数 として 使 用
省略
一54一
一
3-6.推
定結果
表4婚
前 妊娠 に 関 す る ロ ジ ス テ ィ ック 回 帰 分 析結 果(モ デ ル ト モ デ ル2)
モ デ ル1
独立変数
結婚前親 との居住形態(対
別居r
…
モ デ ル2
オ ッズ 比Exp(B)
回帰 係数B
回帰係数B
オ ッズ 比Exp(B)
同居)
0,384+
1,468
0.813**
2,254
0,189
1,208
0,062
1,064
0,140
-0 ,189
1,151
0,827
0,103
-0 ,454
0,635
父親 義 務 教 育
一 〇.003
0997
一〇
学
歴
-0
0,848
0,445
本
人
学
歴
義務教育
高校†
短 大 ・専 門 学 校
大学
高校†
短 大 ・専 門 学 校
大学
配
義務教育
偶
高校↑
者
短 大 ・専 門学 校
学
大学
歴
結婚当時の就業状 況(対
結婚前の仕事 を継続
結婚時 に仕事 を退職
結婚前 は無職
-0
,165
,810+
1,108
0,891
.115
1,378
0,305
0,320
-1
,187+
一 〇.226
0,798
一〇
.703
0,495
-0
,464
,623
,461+
0,629
0,631
-0
-0
0,537
0,726
,219
0,432
0,804
一 〇
.756*
-0
,777
0,469
0,460
0,282
0,808+
1325
2,243
一 〇
.453
1,397+
0,635
4,043
無職)
一 〇.839**
-0
-0
,321
一般従業者 †
初
幟
派遣
・パ ー ト ・ア ル バ イ ト
自営 業
管理職
一般従業者 †
一 〇.396
0,673
一 〇.071
0,932
農 林 漁 業(自 営 業)
そ の 他 の 自営 業
パ ー ト ・ア ル バ イ ト
-0
0,818
0,688
1,726
-0
,195
-0
,402
0,823
0,669
1,856
0,252
1,286
一3
-0 ,818
0,267
0,441
1,306
-0
15
歳
時
父
職
配
偶
者
職
業
現在無 職
経 営 者 ・一 般 従 業 者 †
派遣 ・パ ー ト ・ア ル バ イ ト
自営 業
結
婚
年
齢
22歳 以 下
-0
27歳
,374
0,546
23-24歳
25-26歳
,201
1.135**
0,435
3,112
1,545
0,338
1,402
0,618
.093+
0,045
,133
0,876
0,083
1,086
1.278**
0,344
3,588
1,410
†
以上
-0 ,027
0,973
0,212
一
1,236
1,670
5,310
0,817
1,098+
1.711*
2,264
地区規模 (対10万 未 満 都 市 ・町 村)
0,035
1,035
1968-1972年
一1 .789**
1973-1977年
-0
0,167
0,659
人 口10万 以上 都 市 居 住
結
婚
年
1978-1982年
,417
†
1983-1987年
0,155
1988-1992年
0.643*
1993-1998年
1.168**
1,167
1,903
3,214
.703*
一〇
0,588
.530**
一1 .880**
(切片)
0,153
観 測便数 (全 出 生 数)
婚前妊娠数
828
146
-2LogLikelihood
.10,*:p<.05,**p<.01,↑:リ
0,905
0,495
.099
-0
伝統的価値観:性 別役割(因 子得 点)
+:p<
2,998
5,533
一 〇
本人年収 (中点 を自然対数化)
配偶者年 収(中 点 を自然対数 化)
intercept
『
738.950**
フ
ァ レ ン ス カ テ ゴ リ ー
一55一
12,707
2,542
349
81
343.855**
表5婚
前 妊 娠 に 関 す る ロ ジ ス テ ィ ック回 帰 分 析 結 果(モ デ ル3・ モ デ ル4)
モ デ ル3
独立 変数
回帰係数B
結婚 前親 との居 住形 態(対
別居
義務教 育
本
人
高校†
学
短 大 ・専 門 学 校
歴
大学
義務教育
父
親
高校†
学
短 大 ・専 門 学 校
歴
大学
義務教育
配学
高校†
偶
短 大 ・専 門 学 校
者歴
結婚 当時 の就業 状況(対 無 職)
結 婚前 の仕事 を継 続
結 婚時 に仕事 を退職
結 婚前 は無職
職 業経験 な し
専 門 ・技 術 系
初
職
事 務 ・営 業 系 †
業
販 売 ・サ ー ビ ス
種
技 能 ・労 務 ・作 業 系
農林 漁業 職
管理 職
15
一般 従業 者†
歳
時
農林 漁業(自 営 業)
父
その他の 自営業
職
パ ー ト ・ア ル バ イ ト
0,387+
1,473
0,264
1302
2,000
0.693*
一 〇
.145
0,865
1,238
0,080
1,083
一 〇
.233
0,793
一 〇.008
0,992
一 〇.056
0,946
一 〇.182
0,834
一 〇.788+
0,455
一1
一 〇.237
0,789
一 〇
.824
0,439
一〇
0,688
0,726
一 〇.587
-0 ,064
0,556
0,938
0,438
0,710
一 〇
.631+
一 〇
.405
0,532
.374
-0
,320
一 〇.825**
一 〇.343
一19
0,019
0,000
1,020
0,112
1,118
.609
0,128
1,137
0,485
1,624
0,334
一19
.097+
0,667
.058
0,000
0,600
1,822
0,672+
0,515
.197
1,959
1,674
0,000
一 〇
.344
0,709
一 〇.056
0,945
一 〇.166
0,847
一 〇
0,915
一 〇
0,750
1,745
一 〇
0,733
一1 .610
一 〇.091
0,200
一 〇
.147
0,863
2,996
一 〇
0,860
.091
0,000
一19
.151
.287
0,557
一18
.089
.310
0,509
1,663
現在 無職
0,903
専 門 ・技 術 系
0,036
2,468
1,037
管理 的職業
0,525
1,690
1.052**
0.628*
0,751
2,864
1,873
2,120
1.097*
0,556
1.145**
3,142
1.180*
0,463
1,589
0,247
3,256
1,280
0,364
1,439
一 〇.015
0,986
0,913
事 務 ・営 業 系 †
販売
・サ ー ビ ス
技 能 ・労 務 ・作 業 系
農林 漁業職
22歳 以 下
結
23-24歳
婚
25-26歳
†
年
齢
27歳 以 上
地区 規模 (対10万 未 満 都 市 ・町 村)
人 口10万 以上都 市居 住
1968-1972年
1973-1977年
1978-1982年
1,745
2,000
0,693
0,041
1,041
0,229
一1 .786**
一 〇.414
0,168
0,661
一
1393
4,028
0,148
1,159
0,817
2,263
0.627*
1.232**
1,872
1,111+
3,427
1.668*
3,036
5,301
1,258
一
†
1983-1987年
1988-1992年
1993-1998年
本人 年収 (中点 を 自然対数化)
配偶 者年 収(中 点を 自然対数 化)
伝統 的価値 観:性 別役 割(因 子得点)
intercept (切 片)
一2 .322**
0,098
観測個 数 (全 出生 数)
婚前妊 娠数
一2LogLikelihood
+・p<
オ ッズ 比Exp(B)
0,213
シ
結
婚
年
回帰 係数B
同居)
大学
配
偶
者
業
種
モ デ ル4
オ ッズ 比Exp(B)
.10,*:p<.05,**p<.Ol,†:リ
827
145
724.472**
フ ァ レ ン ス カ テ ゴ リー
一56一
一 〇.102
一 〇.536*
0,903
0,585
一 〇524**
0,592
1,345
0,296
349
81
336.613**
3-7.結
果の分析
大 谷(1993)モ
デ ル を も と に,Coombsetal.(1970),CoombsandFreedman(1970)の
済 モ デ ル を 導 入 し た 複 合 モ デ ル に お い て,先
ス テ ィ ッ ク 回 帰 分 析 結 果 を 示 し,図3か
社会経
行 研 究 に お け る 仮 説 を 検 証 し た 。 表4と5に
ら 図10ま
予 測 確 率 値(predictedprobabilityvalues)を
で は ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 分 析 結 果(モ
は ロジ
デ ル1)の
学 歴 や 収 入 な ど社 会 経 済 的 要 因 別 で分 類 した プ ロ ッ
トを示 して い る。
3-7-1.仮
説1「
仮 説1「
デ ル1か
妻 の 結 婚 年齢 が低 い ほ ど婚 前 妊 娠 の 確 率 が高 ま る」
妻 の 結 婚 年 齢 が 低 い ほ ど婚 前 妊 娠 の 確 率 が 高 ま る 」 に 対 し て,表4お
ら モ デ ル4ま
よ び 表5よ
で の い ず れ の モ デ ル に お い て も 「25-26歳 」 を リ フ ァ レ ン ス カ テ ゴ リ ー と し
た 場 合 に 「22歳 以 下 」 で 正 の 方 向 で 有 意 な 結 果 が 得 ら れ た 。 こ れ は25歳
も22歳 以 下 で 結 婚 し た 女 性 の 方 が,婚
ズ 比 は モ デ ル1が3.112,モ
前 妊 娠 確 率 が 相 対 的 に 約3倍
デ ル2が3.588,モ
結 婚 年 齢 と結 婚 年 を プ ロ ッ ト し た 図3に
デ ル3が3.142,モ
お い て も,「22歳
か ら26歳 で 結 婚 す る よ り
高 い こ と を 示 し て い る(オ
で 婚 前 妊 娠 に よ っ て 結 婚 し た 女 性 は8.4%で
代 は 微 増 傾 向 が 続 い て い た が 「1988-1992年
て い る。 そ の 他 の 年 齢 層 で は
1998年
あ っ た もの が
以 下 」 は 他 の カ テ ゴ リー よ り も婚 前 妊
「1973-1977年
」 で は38%と
」 に 「22歳 以 下 」
」 に は21.2%に
非 常 に高 い婚 前 妊 娠 確 率 を示 し
婚 前 妊 娠 確 率 で あ る 。 「27歳 以 上 」 は
「25-26歳 」 よ り も婚 前 妊 娠 確 率 が 高 く22.7%あ
る の に 対 し,「25-26歳
「1993-1998年
」 で は15.2%で
妻 の 学 歴 別 結 婚 年 齢 別 の 予 測 確 率 を 示 し て い る 。 学 歴 別 に み て も,「22歳
テ ゴ リー と比 べ て 高 い 婚 前 妊 娠 確 率 を示 して い る こ とが わ か る。 次 い で
て お り,「23-24歳
」,「25-26歳
娠 の 高 ま り と と も に,「27歳
増 加 し,
「23-24歳 」 が 「22歳 以 下 」 の 次 に 高 い 確 率 を 示 し て お り,「1993-
」 結 婚 コ ウ ホ ー ト で は26.9%の
図4は
ッ
デ ル4が3.256)。
娠 確 率 が 高 い こ と が 示 さ れ て い る 。 結 婚 年 コ ウ ホ ー ト別 に み る と,「1968-72年
1980年
り,モ
」 で は1割
」 で
あ った 。
以下」 は他の カ
「27歳 以 上 」 で 多 く な っ
強 と同 様 の 傾 向 を 示 して い る。 これ は低 年 齢 で の 婚前 妊
以 上 」 とい う 平 均 的 な 出 生 経 験 年 齢 に お い て も 婚 前 妊 娠 が 広 が っ て い
る傾 向が 見 て取 れ る。
以 上 の 結 果 よ り,結
婚 年 齢 が 低 い ほ ど婚 前 妊 娠 の 確 率 が 高 ま る こ と が 支 持 さ れ,こ
の構 造 は 時 系
列 で み て も 変 化 が な い こ とが 示 さ れ た 。
3-7-2.仮
説2「 妻 の 父 親 の 学 歴 が 低 いほ ど婚 前 妊 娠 の 確 率 が 高 ま る」
仮 説2「 妻 の 父親 の学 歴 が 低 い ほ ど婚 前 妊 娠 の 確 率 が高 ま る 」 に 対 して,表4お
モ デ ル1か
らモ デ ル4ま
よび 表5よ
り,
で の い ず れ の モ デル に お い て も 「高 校 卒 」 を リフ ァ レ ン ス カ テ ゴ リー と
した とき に 「大 学 以 上 卒 」 は 負 の 方 向 で有 意 な結 果 が み られ た。 これ は妻 の 父親 の学 歴 が 高 卒 で あ
る よ りも 「大 学 以 上 卒 」 で あ る と き に婚 前 妊 娠 確 率 が60%か
ら70%減
少 す る こ とを 示 し て い る。
ま た は父 親 の 学 歴 が 「高 卒 」 であ る と き 「大 学 以 上 卒 」 よ りも2.5倍 か ら3倍 の 発 生 確 率 が あ る と
一57一
図3妻
の結婚年齢別結婚年別予測確率
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
1968-1972年1973-1977年1978-1982年1983-1987年1988-1992年1993-1998年
1-◎-22歳
以 下
一
図4妻
一23-24歳
一 △-25-26歳
→ ←-27歳
以 上1
の学歴別結婚年齢別予測確率
0.4
0.3
0.2
0.1
0
一
高 井交
1-o-22歳
矢亜大 ・嘉 日「情
以 下 一■-23-24歳
一25-26歳
一
交
→ ←27歳
以 上1
い う こ とが 示 され て い る。
図5の 妻 の 学 歴 と図6の 父 親 の 学 歴 は 似 た よ うな形 状 を して い る が,妻
の父 親 の 学 歴 で は有 意
が 出 て い る もの の 妻 の 学 歴 で は 有 意 が 示 され な か った 。 図5の 結 婚 年 コ ウ ホ ー ト別 の年 次 変 化 は
全 て の 学 歴 で増 加 傾 向 を示 して い る。 「義 務 教 育 卒 」 と 「高 校 卒 」 は ほ ぼ 同 じ増 加傾 向 を示 して お
り,「1968-1972年
」 で は と もに5%前
%,「 高校 卒 」 は24%と
後 で あ っ た もの が,「1993-1998年
」 で 「義 務 教 育 卒 」 は28
若 干 の 差 は あ る もの の 同水 準 に あ る。 「大 学 以 上 卒 」 は 「1968-72年 」 の1
%か ら 「1978-82年 」 の4.8%,「1988-1992年
」 の6.9%,「1993-1998年
」 の10.4%と
増加傾 向には
あ る もの の か な り低 い 水 準 で 推 移 して お り,婚 前 妊 娠 の 発 生 確 率 に関 して大 きな 影 響 力 を持 って い
る こ とが示 唆 さ れ る 。 父 親 の 学 歴 に は 一 定 の 効 果 が あ る こ とが示 され た が 回 答 者 が 「15歳時 の 父
親 の 職業 」 に 関 して は 全 て の モ デ ル で 有 意 な 効 果 が み られ な か った 。
以上 の 結 果 よ り,妻 の 父 親 の 学 歴 が 低 い ほ ど婚 前妊 娠 の 確 率 が 高 ま る こ とが支 持 され た。 そ の 効
果 は特 に 父親 が 「大 学 以 上 卒 」 で あ る ときに 妻 の 学歴 や 次 で ふ れ る夫 の 学 歴 よ りも大 き な影 響 を示
す こ とが わ か った 。
3-7-3.仮
説3「 夫 の学 歴 が低 い ほ ど婚 前 妊 娠 の 確率 が高 ま る 」
仮 説3「 夫 の 学 歴 が 低 い ほ ど婚 前 妊 娠 の確 率 が 高 ま る」 に対 して,表4の
一58一
モ デル1に
お いてのみ
図5妻
の学歴 別結婚 年別予測確率
0.4
0.3
0.2
O.1
.二 二 二 二二二… 一一ー一;二二ー
x=二 一 ー 一
0
×
1968-1972年1973-1977年1978-1982年1983-1987年1988-1992年1993-1998年
一 合一 義!SifiescE1f-■
一 高
図6妻
交+51ilVc:・
耳馴F『1!#交
一 ×一=以
」三
の父親 の学歴別結婚年 別予 測確率
0.4
0.3
O.2
0.1
0
1968-1972年1973-1977年197&1982年1983-1987年1988-1992年1993-1998年
一〇-Ptorme7-■-Mk交
一
短
こ・軒
『
学
交 −X-⊃ 牒
珍 し上
「高 校 卒」 を リフ ァレ ン ス カ テ ゴ リー と した とき に 「大 学 以上 卒 」 で 負 の 方 向 で 有意 な 結 果 が み ら
れ た。 モ デ ル1の
有 意 も10%水
準 で の もの と弱 い。 夫 の 学 歴 が 「高 校 卒 」 で あ る とき よ り も 「大
学 以 上 卒 」 であ る と きに確 率 を40%程
度 減 少 させ,「 高 校 卒 」 は 「大 学 以 上 卒 」 で あ る とき約1.6倍
の 発 生 確 率 があ る こ とを示 し てい る。
図7の 結 婚年 別 の学 歴 分 布 を み る と,「1993-1998年
」 で 「高 校 卒 」 が 最 も高 く以 下 「義 務 教 育
卒 」 「短大 ・専 門 卒 」 「大 学 以 上 卒 」 と妻 や妻 の 父親 の学 歴 と同様 の順 位 を示 して い るが,そ れ ぞ れ
の学 歴 の 差 は妻 や 妻 の 父 親 ほ ど は大 き くな い こ とが わ か る。Coombsetal.(1970)は,夫
の学 歴
の 低 さ は 「学 歴 達 成 の 中 断 」 が あ る た め で あ り,そ の こ とが 後 の 年 収 や 「資 産 蓄 積 」(assetaccumulation)な
ど経 済 的 側 面 にお い て 婚 前 妊 娠 で は な い場 合 と異 な り不利 な立 場 に 置 か れ る こ と を
指 摘 して い る通 り,学 歴 を媒 介 と して 現在 の職 業 や年 収 と絡 め た 分 析 が 必 要 で あ る。 今 回 の 分 析 に
は 資産 蓄 積 に関 す る変 数 が無 い の で 分 析 で きな い が,年 収 と現 在 職 業 お よび 業 種 か らそ の 影 響 を 分
析 す る。
表5の モ デル3・4の
業 種 別 で み る と,モ デ ル3で
は 「事 務 ・営 業 系 」 を リフ ァ レン ス カ テ ゴ リ
ー と した と きに 「販 売 ・サ ー ビ ス」 と 「技 能 ・労 務 ・作 業 系 」 な ど で有 意 が 出 て お り,「事 務 ・営
一59一
図7夫
の学歴別結婚年別予測確率
0.4
O.3
O.2
0.1
0
1968-1972年1973-1977年1978-1982年1983-1987年1988-1992年1993-1998年
一〇-iSIS:mekE-■
一 高
短 大 ・専Ffi学
ホ交 → ← 大 工
の学歴別年 収別予測確率
ヒ
4
O
ピロ
= 5
α
鍵
6
O
図8妻
交一
3
α
2
O
1
O
ゾ
9
4
へ
∼ノ
!
∼
〆
∼
〆
∼
♂
∼
γ
ン
♂
)
0 プ
業 系 」 に比 べ 「販 売 ・サ ー ビス 」 は2.8倍,「 技 能 ・労 務 ・作 業 系 」 は1.9倍 の 婚 前 妊 娠 確 率 を 示 し
て い る。 モ デ ル4に
お いて も 「事 務 ・営 業 系 」 を リフ ァ レ ン ス カ テ ゴ リー と した と き に 「販 売 ・
サ ー ビ ス」 が約3倍
の 婚 前 妊 娠 確 率 を示 して い る。
表4お
よび 表5の
モ デル2・4の
「夫 の 年 収 」 は5%水
準 で あ る も の の 負 の 方 向 で有 意 が 出 て い
る。 これ は収 入 が低 い ほ ど婚 前妊 娠 の確 率 が 高 い こ とを示 して い る。 職 業 分 類 が 従 業 上 の 地 位 ・業
種 を 区別 して も影 響 が み られ た。 た だ し,こ の 結果 は低 年 齢 で の 低 収 入 を 反 映 して い る もの で あ り
直 接 的 に資 産 蓄 積 を示 す わ け で は な い。 職 業 と年収 の関 係 に つ い て は,無 職 で は な く一 定 の 職 業 に
つ き なが らも販 売 ・サ ー ビ ス ・技 能 ・労 務 ・作 業系 の低 収 入 の職 に つ い て い る人 が 婚 前 妊 娠 に な り
や す い とい う こ とが で きる。
学 歴 と年 収 の 関 係 に つ い て は,図8の
妻 の 学 歴別 予 測 確 率 と図9の 夫 の 学 歴 別 予 測 確 率 に お い
て 分 析 す る。 妻 の 年 収 に 関 し て は,年
収 分 布 と学 歴 分 布 の 関 係 は 年 収1000万 円 以 下 の 分 布 で は
「高 校 卒 」 と 「大 学 以 上 」 卒 で 「高 校 卒 」 の方 が 高 い 傾 向 を示 して お り年 収 分 布 で の 差 は み られ な
い。 これ は モ デル2・4に
方,夫
お け る妻 の年 収 が 有 意 を 示 さな い とい う結 果 と合 致 す る もの で あ る 。 一
の 学 歴 と年 収 の 関 係 につ い て は,「 高 校 卒 」 で あ るほ ど低 年 収 で 高 い婚 前 妊 娠 確 率 を示 して
一60一
率
峰
浜
仔
棚
鵬
鞭
知
図
5
α
籔
≡
6
O
4
α
3
α
2
O
1
O
〆
∼〆
ピ
〆
♂
∼
〆
∼
♂
♂
∼
ン
∼
♂
)
0 〃
ヶ
へ
へ
、
図10結
婚年別予測確率
O.4
0.3
0.2
0.1
0
1968-19721973-19771978-19821983-19871988-19921993-1998
年
年
年
年
年
年
お り,高 年 収 に な るほ どそ の 傾 向 は減 少 す る もの の 「大 学 以上 卒 」 よ りは 高 い発 生確 率 を示 して い
る。
以 上 の 結 果 か ら,夫 の 学 歴 は 婚 前 妊 娠 に対 し 「高 校 卒 」 で あ る と きに 「大 学 以 上」 よ り も婚 前妊
娠 確 率 が 高 い とい う限 定 的 な効 果 を み る こ とが で きた。 ま た学 歴 を媒 介要 因 と した職 業 や年 収 との
関 係 で は,低 年 収 に 関 連 す る職 業 に お い て婚 前 妊 娠 確 率 が高 い こ とが示 さ れ るな ど夫 の社 会経 済 的
背 景 に 関 す るCoombsetal.(1970)ら
3-5-4.仮
仮 説4「
の 仮 説 を あ る程 度 検 証 す る こ とがで きた 。
説4「 近 年 の 結 婚 ほ ど 婚 前 妊 娠 の 確 率 が 高 い 」
近 年 の 結 婚 ほ ど 婚 前 妊 娠 の 確 率 が 高 い 」 に 対 し て,表4お
お い て,「1978∼82年
」 を リ フ ァ レ ン ス カ テ ゴ リ ー に し た と き に,モ
年 」 で は 負 の 方 向 で 「1988-1992年
」,「1993-1998年
て お り,「1978-82年
「1978-82年
」,「1993-1998年
モ デ ル1か
デ ル1と3で
ら4に
は 「1968-1972
」 で は 正 の 方 向 で 有 意 で あ り,「1978-82年
か ら の 年 数 が 多 い ほ ど 強 い 有 意 を 示 し て い る 。 モ デ ル2と4で
っ て い る が,「1988-1992年
よ び 表5の
」 で は5%お
は 「1968-1972年
よび10%の
」
」 の 有 意 は な くな
有 意 水 準 で あ る が有 意 を示 し
」 か ら の 年 数 が 多 い ほ ど 強 い 有 意 水 準 を 示 し て い る と い う傾 向 は 変 わ ら な い 。
」 を 境 と し て 「1978-82年
」 以 下 で は 負 の 方 向 を 示 し 「1978-82年
一61一
」 以 後 では 正 の方 向
を 示 し て い る こ とか ら 線 形 関 係 が 予 測 で き る 。 オ ッ ズ 比 で み る と,モ
は 「1968-72年
」 よ り も5倍
以 上 の 婚 前 妊 娠 確 率 を 示 し,「1993-1998年
3倍 の 婚 前 妊 娠 確 率 を 示 し て お り,こ
図10は
デ ル1に
お い て 「1978-82年
」 は 「1978-82年
」 が13.3%,「1988-92年
制 した 予 測 確 率 は,1998年
」 が19.7%,「1993-1998年
時 点 で15.3%で
」 が23.1%と
」 が5.6%,
社会経 済的要 因を統
あ っ た 婚 前 妊 娠 割 合 よ り は 高 い 水 準 に あ り,厚
省 「出 生 の 関 す る 統 計 」 概 要 の22.5%(1995年)と26.3%(2000年)の
以 上 の 結 果 か ら,近
」 よ りも
の 傾 向 は 他 の モ デ ル に お い て も み られ る 。
結 婚 年 別 の 婚 前 妊 娠 の 発 生 確 率 の 推 移 を 見 た も の で あ る が,「1968-72年
「1978-82年
」
生 労働
中 間 の値 で あ る。
年 の 結 婚 ほ ど婚 前 妊 娠 確 率 が 高 い と い う 傾 向 は 社 会 経 済 的 要 因 を 統 制 し て も
支 持 で き る 結 果 とな っ た 。
3-6.ま
とめ と展 望
本 稿 で は 近年 日本 に お い て増 加 傾 向 に あ る 婚 前 妊 娠 に よ る 第1子
出生 パ ター ン に 対 して 過 去 の
分 析 モ デ ル を 用 い て 多 変 量 解 析 に よ り社 会 経 済 的 要 因 を 中 心 に分 析 して きた 。(1)結婚 年 齢 が 低 い ほ
ど婚 前 妊娠 の 確 率 が 高 ま る。(2)妻の 父 親 の 学 歴 が 低 い ほ ど婚 前 妊 娠 の 確 率 が 高 ま る。(3)夫の学 歴 が
低 い ほ ど婚 前 妊 娠 の 確 率 が 高 ま る。(4)近年 の 結 婚 ほ ど婚 前 妊 娠 の 確 率 が 高 い,と い う4つ の 仮 説
を 提 示 しマ イ ク ロデ ー タを 用 いて 検 証 した 。
分 析 した 結 果,4つ
の全 て の 仮説 を 支 持 す る こ とが で き,結 婚 年 齢 が 低 く,妻 の 父 親 の 学 歴 が 低
く,夫 の学 歴 を含 ん だ就 業形 態 や 年 収 な ど社 会 経 済 的 地 位 が 低 い場 合 に 婚 前 妊娠 確 率 が 高 ま り,こ
の傾 向 は近 年 に結 婚 した カ ップ ル に多 くみ られ る こ とが 確 認 され た。 ま た 親 と別 居 して い る と 自 由
な性 行 動 が取 りや す い こ とか ら婚 前妊 娠 の 確 率 を 高 め,女 性 の 結 婚 時 の 就 業 継続 は 婚 前 妊 娠 に 負 の
影 響 を示 して い る こ とが 示 さ れ た 。価 値 観 に つ い て は 非 伝 統 的 で あ る ほ ど婚 前妊 娠 に 正 の 影 響 が あ
る な ど,性 役 割 規 範 の婚 前妊 娠 に 対 す る影 響 度 が 示 さ れ た 。
分 析 上 の 改善 点 と して は,夫 の 職業 が 「現 在 」 の もの を使 用 し て い る こ とや年 収 や 価 値 観 な ど時
制 の一 致 が徹 底 して い な い とい う点 で パ ネ ル 調 査 な ど縦 断 的 な デ ー タ を 用 い る こ とが ま ず 考 え られ
る。 分 析 の 元 に な っ て い る 大 谷(1993)モ
デ ル で 使 用 さ れ て い て 今 回 の モ デル に使 用 で きな か っ
た変 数 で は,婚 前 妊 娠 の衝 動 性 を示 す 変数 で あ る 「知 り合 っ て か ら婚 姻 ま で の期 間」 変 数 を 投 入 で
き な か っ た こ とは残 念 で あ る。 ま た現 在 で は 主 流 で は な くな って きた もの の 特徴 的 な 効 果 を み せ る
「見 合 い ・恋 愛 」 結 婚 とい っ た 結婚 形 態 変 数 に よ る 統 制 の 効 果 も検 証 し て み る価 値 は あ る と考 え ら
れ る。 現 在 の 「結 婚 す る気 が あ る」 に もか か わ ら ず 「相 手 が い な い 」 とい う こ とが結 婚 に い た らな
い理 由 と して考 え られ る こ と もあ り,こ の 動 向 に 関 し て見 合 い 結 婚 の 衰 退 は 無関 係 で あ る とは い え
な い と考 え られ る。
今 後,日 本 に お い て婚 前 妊 娠 の増 加 傾 向 が続 く か ど うか は,一
旦 増 加 し,そ の 後 収 束 した 北 西 欧
諸 国 の 知 見 か らみ て 出生 抑 制 の 技 術 的 側面 や規 範 的 要 因 の 及 ぼ す 影 響 が 考 え られ る が,こ れ らの 数
量 的 な 分 析 は 別 稿 で 検 討 した い。
-62一
【参 考 文 献 】
・AassveArnstein
,2003."TheImpactofEconomicResourcesonPremaritalChildbearingandSubsequentMar-
riageamongYoungAmer{canWomen",Demography,Volume40.
・AkerlofA.George,JanetL。YellenandMichaelLKatz.1996.``AnAnalysisofout・ofwedlockchildbearingin
theUnitedStates",TheQuarterlyJournalofEconomics,Volume111,Issue2.
・BaizanM
.Pau,ArnsteinAssaveandFrancescoCBillari,2001."Cohabitation,marriage,firstbirth:Thein-
terrelationshipoffamilyformationeventsinSpain".Max、PlankInstituteforI)emographicResearch.
・CoombsC.Lolagene,RonaldFreedman,1970.``PremaritalPregnancy,Childspacing,andLaterEconomic
Achievement".PopulationStudies.Volume24,Issue3(Nov.)389-412.
・CoombsC.Lolagene,RonaldFreedman,JudithFriedmanandWilliamF.Pratt,1970."PremaritalPregnancy
andStatusBeforeandAfterMarriage".TheAmericanノ'ournalofSociology,Volume75,Issue5.
・LesthaegheR,1995."TheSecondDemographicTransitioninWesternCountries:AnInterpretation".Karen
OppeheimMasonandAn-MagrittJensenedit.``GenderandFamilyChangeinIndustn'alizedCountries".
Clarendonpress・OxfordUniversityPress.
・MartinP
.Steven,2000.``DivergingFertilityAmongU.S.WomenWhoDelayChildbearingPastAge30",
Demogral)hy,Volume37-November.
・Otani
,Kenji,1991."TimeDistributionintheProcesstoMarriageandPregnancyinJapan",PopulationStu-
dies,Volume45,Issue3。
・
,1992."LocusofControl,PremaritalSexualExpose,MarriageandConceptionamongJapaneseWomen",『
人 口 学 研 究 』 第15号.
・PhinelliAntonella
,HansJoachimHoffmann-Nowotny,BeatFox,2001.``Fertil{tyandnewtypesofhouseholds
andfamilyformationinEurope",CouncilofEuropePublishing.
・RuzickaL
.T.1976。``AgeatMam'ageandTimingoftheFirstBirth",PopulationStudies,Volume30,Issue3.
・ レ ス タ ギR
(抄 訳)」,『
・ヴ ァ ン
,ギ
ー
・ モ ー ス,清
水 昌 人 訳,2000.「
先 進 工 業 諸 国 に お け る 出 生 力 と 世 帯 形 成 の 近 年 の 動 向
人 口 問 題 研 究 』56-3.
・デ
・ カ ーD
.J.,福
田 亘 孝 訳,2002.「
先 進 諸 国 に お け る
『第 二 の 人 口 転 換 』」,『 人 口 問 題 研 究 』58-
1.
・阿 藤
誠,1997.「
・大 谷
憲 司,1990.「
問 題 研 究 所,『
日 本 の 超 少 産 化 現 象
と 価 値 観 変 動 仮 説 」,『 人 口 問 題 研 究 』53-1.
結 婚 と 妊 娠 に い た る 過 程 に 含 ま れ る い く つ か の 時 間 分 布 に つ い て 」,国
人 口 問 題 研 究 』.
・
,1993.『
・佐 々 井
司,1999.「
現 代
日 本 出 生 力 分 析 』,関
西 大 学 出 版 社 、
日 本 に お け る 近 年 の 夫 婦 出 生 タ イ ミ ン グ の 変 化 」,『 統 計 』50-4.
・津 谷 典 子,2003.「
北 欧 諸 国 の 出 生 率 変 化 と 家 族 政 策 」,『 人 口 問 題 研 究 』,59-1.
・善 積 京 子,1993.『
婚 外 子 の 社 会 学 』、 世 界 思 想 社.
一63一
立 社 会 保 障 人 口
Fly UP