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環境調和型プラスチック材料の開発
(様式1) 【ホームページ掲載用】 研究課題(テーマ) 研 究 者 代表者 環境調和型プラスチック材料の開発 所 属 学 科 等 職 氏 機械システム工学科 教授 川越 誠 機械システム工学科 准教授 堀川 教世 機械システム工学科 准教授 竹井 敏 機械システム工学科 准教授 真田 和昭 名 研究結果の概要 昨年度の結果を踏まえ、本年度は以下に示す環境調和型プラスチック材料開発を目指した応用研 究を実施した。 (1)ポリ乳酸の破損挙動に関する実験的検討 (2)CFRP 切りくずを用いた熱可塑性および熱硬化性樹脂基複合材料の力学特性評価 (3)ナタデココ(セルロースナノファイバー)を用いた溶媒・ガス透過性インプリント用テンプレート材料の開発 (4)カーボンナノコイルによるガラス繊維/ポリプロピレン樹脂複合材料への自己修復付与 本年度得られた研究成果は次に示す通りである。 (1) ポリ乳酸の空気中・純粋せん断状態でのクレイズ形成の限界応力は 19.5MPa と推定した。また、 せん断帯形成の限界応力は 26.3MPa、せん断き裂形成の限界応力は 28.6MPa となり、ポリ乳酸の 破損条件を明確化するための重要な結果を得た。 (2)5wt%CFRP 切りくずとポリプロピレンを溶融混合した複合材料の引張強度は、ポリプロピレン単体に 比べて約 10%増大し、CFRP 切りくずリサイクルに関する重要な結果を得た。 (3)ナタデココと架橋剤の重量比率が 80:20 の場合に硬さが最大となり、天然高分子材料開発における 重要な結果を得た。 (4) マイクロ波を受けたカーボンナノコイル含有複合材料の温度は、カーボンナノファイバー含有複合材料の場合に比べ て 10℃程度高くなり、複合材料への自己修復機能付与に資する重要な結果を得た。 以上の研究は、卒業研究、修士論文の一環として実施したため、環境の視点を取り入れた材料 分野における応用研究のレベルアップを図ったとともに、学生の環境意識の向上にも大きく貢献した。 今後の展開 今後は、これまでに得られた結果を踏まえ、次の応用研究を展開する予定である。 (1)ポリ乳酸等の破損挙動を解明し、生分解性と耐久性を両立するための材料設計指針を確立する。 (2)CFRP 切りくずを用いた高分子系複合材料の加工技術を確立することで、CFRP リサイクル問題解 決を目指す。(3)天然材料を用いた高分子開発を進めることで、化石資源利用削減に貢献する。(4) カーボンナノコイル等の炭素ナノ材料を用いて自己修復性を付与した複合材料の開発を進めることで、高い 信頼性確保と廃棄物削減による環境負荷低減の両立を目指す。