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組織文化
今回の目標 神戸大学経営学研究会前期第10回部会 組織のソフトな部分に 目を向ける 組織文化 担当者:小倉 松浦 1 組織文化とは 2 加護野忠男氏の組織文化論 ~「ゼミナール経営学入門」より~ 組織構造:組織の具体的・制度的 システム 「組織文化とは、組織のメンバーが 共有するものの考え方、ものの見 方、感じ方、である。」 組織文化:組織の観念的・象徴的 システム 「共有」がカギを握る 3 加護野氏の組織文化論 4 ①価値観 組織文化の三つの要素 ―人々が 何に価値を置くか 組織文化の最も基本的な部分 ①価値観 ②パラダイム 組織固有の価値観の生成の源泉 ・経営理念 ・過去の成功体験(言語化が必要) ③行動規範 5 6 1 ②パラダイム ②パラダイム 組織固有のパラダイムの生成の源泉 ・人々が持つ世界観、企業観、人間観 ・モノと技術の影響 ・認識と思考のルール ・市場の影響 ・経営システムの影響 価値観と互いに強化しあっている ・具体的な手本 7 8 組織文化の共有の意義Ⅰ ③行動規範 ~価値観の共有~ ・モチベーションの高まり ―価値観とパラダイムの具体的表現 様々な状況下での暗黙の行動指針 ・意思決定の円滑化 ・コミュニケーションの円滑化 9 10 組織文化の共有の意義Ⅱ 組織文化の共有の意義Ⅲ ~パラダイムの共有~ ~行動規範の共有~ ・コミュニケーションの円滑化 ・行動の自発的調整 ・自信、信頼感 ・意思決定の迅速化 ・学習活動の促進 11 12 2 組織文化の共有手段Ⅰ 組織文化の逆機能 ・思考様式の均質化 ―変化、自由の抑圧 ・理念の明文化 ・具体的行動の共有(経験の共有) ・自己保存の本能 ・象徴の共有(象徴の具象化) 強い組織文化が必ずしも 良いわけではない 13 組織文化の共有手段Ⅱ 14 組織文化の持続性 ・自己保存の本能 ・安定性 ・教育(価値観、パラダイムの伝承) ・組織の差別化 ・選抜(採用、昇進の判断基準) 組織文化は持続性を持つ しかし、次第に変化する 15 組織文化の変化 ~河野豊弘氏の説より~ Ⅰ:活力ある組織文化 Ⅱ:専制者に追従しつつ、活力ある 組織文化 Ⅲ:官僚的組織文化 Ⅳ:澱んでいる組織文化 一般的に、Ⅱ→Ⅰ→Ⅲ→Ⅳの順に動く17 16 Ⅱ:専制者に追従しつつ、 活力ある組織文化 ・創立初期の組織に多い ・革新的で活性がある ・情報は上から ・責任感は少ない 18 3 Ⅲ:官僚的組織文化 Ⅰ:活力ある組織文化 ・チャレンジ精神旺盛 ・顧客志向、外部志向 ・失敗に対して寛大 ・上下の風通しが良い ・仕事への責任感が強い ・「大企業病」の状態 ・手続き志向的 ・内部指向 ・規則に従う 19 Ⅳ:澱んでいる組織文化 20 組織文化の革新のプロセス 1.解凍(アンフリーズ) ・慣習的に行動 ・内部指向 ・上下の信頼感がない ・仕事の能率が低い 2.変化(チェンジ) 3.再凍結(リフリーズ) 21 22 1.解凍(アンフリーズ) 2.変化(チェンジ) ・現在の戦略や組織文化の診断 ・経営理念の変化 ・製品市場戦略の変化 ・組織と人事制度の変化 ・人材の採用・昇進・配置換え ・トップの交代 ・危機感を訴える 23 24 4 経営理念の変化 製品市場戦略の変化 人々の共有する価値観に影響 新しい戦略で新しい文化を作り、 古い文化とのギャップを作る 組織の構成員に伝達し、 浸透させることが重要 行動の変化→経験に学ぶ 25 組織構造の変化 26 人材の採用・昇進・配置換え ・採用―一体感か、多様性か 資源配分・コミュニケーションの 経路を規定 ・昇進―敗者復活人事 ・配置換え―組織の撹拌 27 トップの交代 28 部分的変革の伝播の条件 ・組織内に危機意識があること トップの交代は経営理念、戦略、組 織構造などの変化を伴う ・変革を狙う集団に権威があること ・実行可能で、成長の見込み があること ただし、十分条件ではない 29 30 5 3.再凍結(リフリーズ) たえざる革新へ ・変化を固定化する ・たえざる革新がなければ、組織は 沈滞する ・新しい行動パターンを奨励し、 評価する (開発の過程を評価する) 「不安定な企業は安定的で あり、安定した企業は不安定 である」 31 32 参考資料 「ゼミナール経営学入門」伊丹敬之・加護野忠男 2003 日本 経済新聞出版社 「変革の企業文化」河野豊弘 1988 講談社現代新書 「制度と文化 組織を動かす見えない力」佐藤郁哉・山田真茂 留 2004 日本経済新聞社 「経営学と組織文化」安藤光俊 1999 高文堂出版社 33 6