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平成 24 年度指定 スーパーサイエンスハイスクール 研 究 開 発 実 施 報
平成 24 年度指定 スーパーサイエンスハイスクール 研 究 開 発 実 施 報 告 書 第4年次 平成 28 年 3 月 埼玉県立熊谷西高等学校 平成27年度SSH研究開発報告書(第4年次) はじめに …………………………………………………………………………………… SSH研究開発実施報告(要約)………………………………………………………… SSH研究開発の成果と課題 …………………………………………………………… 報告書の本文 第1章 研究開発の課題 Ⅰ 研究開発課題 ………………………………………………………………… Ⅱ 研究開発の概要 ……………………………………………………………… Ⅲ 研究開発の実施規模 ………………………………………………………… Ⅳ 研究の仮説 …………………………………………………………………… Ⅴ 研究開発の経緯 ……………………………………………………………… Ⅵ 研究の内容・方法 …………………………………………………………… Ⅶ 研究組織の概要 ……………………………………………………………… 第2章 Ⅰ Ⅱ 研究開発の内容 課外の活動 …………………………………………………………………… 学校設定科目 1 学校設定科目「SS数学Ⅰ」…………………………………………… 2 学校設定科目「SS数学Ⅱ」…………………………………………… 3 学校設定科目「SS数学探究」………………………………………… 4 学校設定科目「SS化学Ⅰ」…………………………………………… 5 学校設定科目「SS化学Ⅱ」…………………………………………… 6 学校設定科目「SS物理Ⅰ」…………………………………………… 7 学校設定科目「SS物理Ⅱ」…………………………………………… 8 学校設定科目「SS生物Ⅰ」…………………………………………… 9 学校設定科目「SS生物Ⅱ」…………………………………………… 10 学校設定科目「SS地学Ⅰ」…………………………………………… 11 学校設定科目「SS英語Ⅰ」…………………………………………… 12 学校設定科目「SS英語Ⅱ」…………………………………………… 13 学校設定科目「SS英語Ⅲ」…………………………………………… 14 学校設定科目「SS家庭基礎」………………………………………… 15 学校設定科目「SSコンピュータリテラシー」……………………… 16 学校設定科目「SS課題研究Ⅰ」「SS課題研究Ⅱ」 ……………… Ⅲ 教員の意識の変容 …………………………………………………………… Ⅳ 運営指導委員会の運営 ……………………………………………………… Ⅴ 国際性を育てるための取り組み …………………………………………… Ⅵ 自然科学部の取り組み ……………………………………………………… Ⅶ SS課題研究の取り組み …………………………………………………… 1 2 6 10 10 10 10 10 12 13 14 20 20 21 22 23 25 25 26 27 29 30 31 32 33 34 34 36 36 37 37 38 第3章 実施の成果とその評価 ……………………………………………………… 39 第4章 Ⅰ Ⅱ 研究開発実施上の課題及び今後の研究開発の方向・成果の普及 研究開発上の課題(中間評価結果とその対応)…………………………… 今後の研究開発の方向 ……………………………………………………… 42 43 第5章 関係資料 1 教育課程表 ……………………………………………………………………… 2 運営指導委員会 (会議録ほか資料)………………………………………… 3 データ集 ………………………………………………………………………… 4 生徒研究発表ポスターなど …………………………………………………… 45 48 52 58 はじめに 埼玉県立熊谷西高等学校 校長 浦 部 光 生 経済協力開発機構(OCED)が実施している学習到達度調査(PISA)の 2012 年調査で は数学的リテラシー、読解力、科学的リテラシーの3分野すべてで、日本(高校 1 年生) の平均得点が比較可能な調査回以降、最も高くなりました。一方、TIMSS2011 質問調査 では、数学・理科の学習の楽しさや実社会との関連に対する肯定的な回答をする割合が他 の国々に比べて低く、学習意欲面に課題あることが指摘されています。また、別の調査で は、生徒の自己肯定感、社会参画の意識も低い事実が浮かび上がり、グローバル化の進展 する中、教育改革は急務です。 国や県で制度改革が進められる中、学校現場では、これまでの一方向的な学習を能動的 なものに転換し、課題の発見や解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習を充実させるとと もに、評価方法も早急に見直す必要があります。同時に、大学や研究所などの外部機関等 と連携して、特に理科・数学の学習の必要性を生徒たちに理解させることも重要です。 本校は、理数科を有する進学校として従前より理数教育に重点を置いてまいりましたが、 平成24年度には文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受 け、国際社会で活躍できる科学技術系人材育成に取り組んでまいりました。 「潜在的能力を 見いだし開花させ、安全・安心で持続可能な社会の創造・発展に寄与し、科学技術イノベ ーションを推進する人材の育成を図るカリキュラム開発」を研究開発課題として、昨年度 末に行われた中間審査では比較的高い評価をいただきました。 本校SSHでは、第1段階の「初期展開」として、生徒の潜在能力を見いだすため、大 学や研究所・企業等との連携をもとに、科学的思考により探究する楽しさを経験させるプ ログラムの研究に取り組んでまいりました。 第2段階にあたる「垂直展開」では、初期展開をもとに、大学や研究所等と連携して、 高度な専門能力を育み科学的に事象を解き明かすために必要な思考力、探究手法、プレゼ ンテーション能力を身に付けさせるプログラムの研究に取り組みました。 そして今年度は、第3段階の「水平展開」として、理数教育の裾野を広げるため、地域 の小・中学校や県内理数科設置校、近隣都県の高等学校と連携した科学技術に係わる取り 組みにより、理数教育の振興に取り組むプログラムの研究を充実させてまいりました。 本校SSHも 4 年目となり、いよいよ、来年度は仕上げの年となります。科学技術者と して必要な知識・技能及び思考力・判断力・表現力を着実に身に付けて、既存の枠にとら われない新たな分野を創造・開拓できる人材育成を目指して行きたいと考えております。 これまでの成果を検証し、世界に貢献できる、科学技術イノベーションを推進する人材の 育成に向けて学校全体で取り組んでいかなければなりません。 結びに、 本校SSHの発展に御尽力いただいております文部科学省、科学技術振興機構、 県教育委員会、運営指導委員、連携機関の皆様に深く感謝申し上げるとともに、今後も御 支援・御指導いただきますようお願いを申し上げます。 -1- 別紙様式1-1 埼玉県立熊谷西高等学校 24~28 平成27年度スーパーサイエンスハイスクール研究開発実施報告(要約) ① 研究開発課題 潜在的能力を見いだし開花させ、安全・安心で持続可能な社会の創造・発展に寄与し、科学技術イノベー ションを推進する人材の育成を図るカリキュラム開発 ② 研究開発の概要 (1)「潜在能力を見いだす」(初期展開) 大学や研究所・企業等との連携をもとに、高度な実験・実習等の体験活動を通して、科学的思考により探究 する楽しさを経験させるプログラムの研究 (2)「高度な専門的能力を育む」(垂直展開) 初期展開をもとに、高度な専門能力を育み科学的に事象を解き明かすために必要な思考力、探究手法、プ レゼンテーション能力を身に付けさせるプログラムの研究 (3)「理数教育の裾野を広げる」(水平展開) 普通科生徒に対して「潜在能力を見いだす」「高度な専門的能力を育む」機会を提供するとともに、地域の 小・中学校や県内理数科設置校、地元企業・近隣都県の高等学校と連携した科学技術に係わる取り組みに よる、理数教育の振興に取り組むプログラムの研究 ③ 平成27年度実施規模 理数科の生徒全員と普通科の希望者や全校生徒を対象として実施した。特に、理数科(1,2,3 年)及び普 通科の希望者、自然科学部を中心に実施した。 ④ 研究開発内容 ○研究計画 (1)第1年次(平成24年度) ア 潜在能力を見いだす(初期展開) ○大学との連携による講義・講演や模擬授業の実施[理数科、もしくは全校対象] ○地域や企業等の研究機関との連携による実験・実習の体験活動[理数科、全校対象] ○協働的な学習を中心とした授業の展開[1年理数科対象] ○中学生対象の出前授業やセミナーの実施[1・2年理数科対象] イ 高度な専門的能力を育む(垂直展開) ○大学との連携による講義・講演や模擬授業の実施[1年理数科、もしくは全校対象] ○理数教育及び理数教育と連携したカリキュラム開発[1年理数科] ○教科や学年を超えたカリキュラム開発[1年理数科] ○発表会やコンテスト等の参加 ウ 理数教育の裾野を広げる(水平展開) ○小中学生対象の出前授業の実施[中学2年生対象] ○大学・研究機関との連携[全校対象] ○地域の小・中学生に対する科学教室の実施[1年理数科] ○SSH事業の公開(情報発信) (2)第2年次(平成25年度) 新学習指導要領のもとでの研究開発の実施に必要な教育課程や教育課程の特例の活用を研究 ア 潜在能力を見いだす(初期展開) ○大学との連携による講義・講演や模擬授業の実施[理数科、もしくは全校対象] ○地域や企業等の研究機関との連携による実験・実習の体験活動[理数科、全校対象] ○協働的な学習を中心とした授業の展開[1、2年理数科対象] イ 高度な専門的能力を育む(垂直展開) ○大学との連携による講義・講演や模擬授業の実施[全校対象] ○理数教育及び理数教育と連携したカリキュラム開発[1、2年理数科] ○教科や学年を超えたカリキュラム開発[1、2年理数科] ○発表会やコンテスト等の参加 ウ 理数教育の裾野を広げる(水平展開) ○小中学生対象の出前授業の実施[中学2年生対象] ○大学・研究機関との連携[全校対象] ○地域の小・中学生に対する科学教室の実施[1年理数科] ○SSH事業の公開(情報発信) (3)第3年次(平成26年度) SSHクラスの完成年度であるので、3年間の研究開発の成果と課題をまとめ、必要に応じて改善す る。また、生徒の卒業後の進路状況や課題研究の成果から検証する。SSH研究開発計画とSS科目に ついて、新学習指導要領の実施に対応した改善を図る。 ア 潜在能力を見いだす(初期展開) ○大学との連携による講義・講演や模擬授業の実施[理数科,普通科希望者対象] 仮説の重要性を認識させるための課題研究(高大連携講座)についての研究 ○地域や企業等の研究機関との連携による実験・実習の体験活動[理数科,普通科希望者対象] 地元の研究機関と連携した新しい初期展開プログラムの開発 ○協働的な学習を中心とした授業の展開[1、2年理数科対象] -2- 効果的な協働学習の展開の研究 高度な専門的能力を育む(垂直展開) ○大学との連携による講義・講演や模擬授業の実施[理数科,普通科希望者対象] 連携機関との課題研究を深化させるための知識の集積・理解に向けたプログラムの開発 ○理数教育及び理数教育と連携したカリキュラム開発[1、2年理数科] 理数以外でのSSのついた科目での理数教育を意識したカリキュラムの研究 ○教科や学年を超えたカリキュラム開発[1、2年理数科] 生徒の意識にある科目の壁を取り払うプログラムの研究 ○発表会やコンテスト等の参加 各種フェア参加によるコミュニケーション力等を高める指導法の研究 ウ 理数教育の裾野を広げる(水平展開) ○中学生対象の出前授業の実施[中学2年生対象] 中高の連携を図り科学的思考のできる生徒を育成するためのプログラムの展開 ○大学・研究機関との連携[全校対象] 本校普通科及び近隣の高校へSSH成果を普及させるためのプログラムの展開 ○地域の小・中学生に対する科学教室の実施[理数科] 地域の科学振興を図るプログラムの研究 ○SSH事業の公開(情報発信) 地域のSSH事業の認知度向上と科学振興のため、「SSH通信」(地元自治会・中学校への配布や学 校HP掲載)や「学校だより」(SSH事業を掲載)を配布 (4)第4年次(平成27年度) 3年間の取り組みの総括や中間評価を受け、研究方法・体制、大学・研究機関や企業等との連携内 容を見直し、SSH事業の推進体制の改善を図る。 ア 潜在能力を見いだす(初期展開) ○仮説の重要性を認識させるための課題研究(高大連携講座)についての研究 ○地元の研究機関と連携した新しい初期展開プログラムの開発 ○効果的な協働学習の展開の研究[1、2年理数科対象] ○「くまにしプラットフォーム」の充実 (学びあいや他校生との交流による課題研究の方法の研究) ※「くまにしプラットフォーム」6・7p参照 イ イ 高度な専門的能力を育む(垂直展開) ○大学との連携による課題研究を深化させるための知識の集積、理解に向けたプログラムの開発[全学 年対象] ○理数教育及び理数教育と連携したカリキュラム開発[1、2年理数科] 理数以外でのSSのついた科目での理数教育を意識したカリキュラムの研究 ○教科や学年を超えたカリキュラム開発[1、2年理数科] 生徒の意識にある科目の壁を取り払うプログラムの研究 ○発表会やコンテスト等の参加によるコミュニケーション力等を高める指導法の研究 ○生徒主体で課題研究を深化させるため、課題研究Ⅱに学びあいを取り入れる研究 ウ 理数教育の裾野を広げる(水平展開) ○小中学生対象の出前授業の実施 中高の連携を図り科学的思考のできる生徒を育成するためのプログラムの展開 ○本校普通科及び近隣の高校へSSH成果を普及させるためのプログラムの展開 ○地域の小・中学生に対する科学教室の実施 地域の科学振興を図るプログラムの研究 ○SSH事業の公開(情報発信) 地域におけるSSH事業の認知度向上と科学振興のため、「SSH通信」の発行(中学生・自治会配布 や学校HP掲載)やSSH事業について掲載した「学校だより」配布の実施 (5)第5年次(平成28年度) 前年度までの反省をもとにSSH指定最終年度の取り組みを行う。大学や研究機関等との連携を整理 し、SSH指定終了後も継続できるプログラムを開発する。また、他の高校や地域の小・中学校等との連 携を密にし、本校と共に進化・成長していくSSHにする。地域はもとより近隣の都県の理数教育に対する 興味関心を高め、理数教育力の向上を目指す。 ア 潜在能力を見いだす(初期展開) 探究する楽しさを経験させ、生徒が持っている理数系才能を揺さぶり開花させ、将来、先端分野に挑 戦する土台作りのため、課題解決能力やプレゼンテーション能力、数値解析能力を育成するプログラム の研究 ○仮説の重要性を認識させるための課題研究(高大連携講座)についての研究 (理数科、もしくは全学年対象) ○地元の研究機関と連携した新しい初期展開プログラムの開発 ○効果的な協働学習の展開の研究[1、2年理数科対象] ○「くまにしプラットホーム」の充実(学びあいや他校生との交流による課題研究の方法の研究) イ 高度な専門的能力を育む(垂直展開) 「くまにしプラットフォーム」をもとに、学びあいながら課題研究を行う高度な専門的能力を育む機会を設 け、安全・安心で持続可能な社会の創造・発展に寄与する人材の育成を促すプログラムの研究。 ○大学との連携による課題研究を深化させるための知識の集積、理解に向けたプログラムの開発[全学 年対象] -3- ○理数教育及び理数教育と連携したカリキュラム開発[1、2年理数科] 理数以外でのSSのついた科目での理数教育を意識したカリキュラムの研究 ○教科や学年を超えたカリキュラム開発[1、2年理数科] 生徒の意識にある科目の壁を取り払うプログラムの研究 ○発表会やコンテスト等の参加によるコミュニケーション力等を高める指導法の研究 ○生徒主体で課題研究を深化させるため、課題研究Ⅱに学びあいを取り入れる研究 ウ 理数教育の裾野を広げる(水平展開) 普通科生徒や地域の小・中学校や県内理数科設置校、地元企業・近隣都県の高等学校と連携した 科学技術に係わる取り組みを行い、科学技術についての社会での理解を進め、科学技術振興のよき理 解者、よき協力者を増やすプログラムの研究及び実施 ○中学生対象の出前授業の実施[中学2年生対象] 中高の連携を図り科学的思考のできる生徒を育成するためのプログラムの展開 ○大学・研究機関との連携[全学年対象] 本校普通科及び近隣の高校へSSH成果を普及させるためのプログラムの展開 ○地域の小・中学生に対する科学教室の実施[1年理数科] 地域の科学振興を図るプログラムの研究 ○SSH事業の公開(情報発信) 地域におけるSSH事業の認知度向上と科学振興のため、「SSH通信」の発行(中学生配付や学校H P掲載)やSSH事業について掲載した「学校だより」配布 ○教育課程上の特例等特記すべき事項 必要となる教育課程の特例とその適用範囲 【1 年次】 「情報の科学」(2 単位) → 「情報の科学」(1 単位) + 「SS コンピュータリテラシー」(1 単位) 「コミュニケーション英語Ⅰ」(4 単位) → 「コミュニケーション英語Ⅰ」(2 単位) + 「SS 英語Ⅰ」(2 単位) 増加単位 → 「SS 課題研究Ⅰ」(1 単位)(普通科希望者も対象) 【2 年次】 「家庭基礎」(2 単位) → 「SS 家庭基礎」(2 単位) 「英語表現Ⅱ」(4 単位) → 「SS 英語Ⅱ」(2 単位)※3 年次:2 単位実施 「総合的な学習の時間」(2 単位) → 「SS 課題研究Ⅱ」(2 単位)(普通科希望者も対象) ○平成27年度の教育課程の内容(SSH関連)※教育課程の特例に該当しない教育課程の変更 【1 年次】 「SS 数学Ⅰ」(7 単位)、「SS 化学Ⅰ」(4 単位) 【2 年次】 「SS 数学Ⅱ」(7 単位)、「SS 物理Ⅰ」(2 単位)、「SS 生物Ⅰ」(2 単位)、「SS 地学Ⅰ」(4 単位) 【3 年次】 「SS 数学探究」(7 単位)、「SS 物理」(4 単位)、「SS 化学Ⅱ」(3 単位)、「SS 生物Ⅱ」(4 単位)、 「SS 地学Ⅱ」(4 単位)、「SS 英語Ⅲ」(2 単位)、「SS コンピュータリテラシー」(1単位) ○具体的な研究事項・活動内容 ア 潜在能力を見いだす(初期展開) ○仮説の重要性を認識させるための課題研究(高大連携講座)についての研究 魚類実習(北浦)、量子化学入門、 カイコから学ぶ生物学、ウミホタルの発光、遺伝子解析講座・遺伝カウンセリング 講座、実習を通してホ乳類の体のしくみを学ぶ、身近な流体現象、昆虫から見えてくる未来の食糧生産と生命 のしくみ、放射線セミナー(SSH 予算外)、MRI を使った人体解析講座(文京学院大学女子高校主催) ○地元の研究機関と連携した新しい初期展開プログラムの開発 プレゼンテーション研修(理化学研究所訪問)、-校外研修-東京大学地震研究所・理化学研究所、放線菌(理化学 研究所)、SSH講演会(理化学研究所)、カワムシ調査(埼玉県立自然の博物館)、地学巡検(ふじみ野市文化財 審議員)、東京大学秩父演習林実習(都立墨田川高と合同) ○効果的な協働学習の展開の研究(1、2年理数科対象) くまにしプラットフォーム、課題研究Ⅰ・Ⅱ、SS 科目 ○「くまにしプラットフォーム」の充実 アホウドリの研究(我孫子鳥の博物館訪問、上野動物園、国立科学博物館)、ニワトリ初期胚を使った研究(首 都大学東京、都立両国高校)、統計の研究(総務省統計局) イ 高度な専門的能力を育む(垂直展開) ○大学との連携による課題研究を深化させるための知識の集積、理解に向けたプログラムの開発[全学年対 象] 絶滅動物研究、ニワトリ初期胚を用いた研究、-高大連携講座-遺伝カウンセリング講座・遺伝子解析講座、観音山 のニッコウキスゲ研究、放線菌の研究、、昆虫培養細胞、カワムシ調査、カイコ発生の研究 ○理数教育及び理数教育と連携したカリキュラム開発(1、2年理数科) SS科目、SS 生物Ⅰ特別講座「マウスの血糖調節」 ○教科や学年を超えたカリキュラム開発(1、2年理数科) 課題研究Ⅰ・Ⅱ、-高大連携講座- 北浦魚類実習、-高大連携講座-iPad を使った数学 ○発表会やコンテスト等の参加によるコミュニケーション力等を高める指導法の研究 全国高校文化祭、日本気象学会高校生ポスターセッション、高校生理科研究発表会(千葉大学)、日本生物教育学 会、日本生態学会、日本森林学会、SSH 生徒研究発表会、科学の甲子園全国大会~埼玉県予選会~、高校 生によるサイエンスフェア、理科研究発表会、楽しもうサイエンス!小中学生科学体験教室、ひれコンテスト(横浜国立 大学主催)、エッグドロップコンテスト(文京学院大学女子高と合同) ○生徒主体で課題研究を深化させるため、課題研究Ⅱに学びあいを取り入れる研究 ウ 理数教育の裾野を広げる(水平展開) ○小中学生対象の出前授業の実施 親子植物観察講座(熊谷市立小学校4校、各2回) ○本校普通科及び近隣の高校へSSH成果を普及させるためのプログラムの展開 【近隣の高校】くまにしプラットフォーム、東大小石川植物園・都立薬用植物園訪問、東京大学秩父演習林実習(都 -4- 立墨田川高と合同)、エッグドロップコンテスト・統計学研修(文京学院大学女子高等学校と合同)、チームアライグマ 【本校の普通科】プレゼンテーション研修、くまにしプラットフォーム、希望制の各種高大連携講座・校外研修、SSH講演 会、進路講演会(SSH 予算外) ○地域の小・中学生に対する科学教室の実施 親子プランクトン教室、理数科体験授業(SSH 予算外)、高校生によるサイエンスフェア、楽しもうサイエンス!小中学生 科学体験教室(熊谷 SSH 校3校合同) ○SSH事業の公開(情報発信) 地域におけるSSH事業の認知度向上と科学振興のため、「SSH通信」の発行(中学生配布や学校HP掲載) やSSH事業について掲載した「学校だより」配布の実施 ○埼玉新聞への掲載(親子植物観察講座) ⑤ 研究開発の成果と課題 ○実施による効果とその評価 ア 潜在能力を見いだす(初期展開) ○コーディネーター役の2年生と数人の1年生でグループを作り、事前学習の段階から学びあわせて講座に臨ま せたところ、「何を明らかにしたいのか」を意識する生徒が増えた。 ○東京大学秩父演習林実習から発展したカワムシ調査は、県立自然の博物館と連携した課題研究に発展し、河 畔林調査とあわせて荒川流域の自然環境を総合的に考えるプログラムになった。 ○授業内のミニ課題研究やミニコンテストで協働学習を実施した。また、自分たちの研究を評価するルーブリック を生徒自身に作らせ、そのルーブリックで他の生徒に評価させた。この試みは手応えを感じるので、来年度も引 き続き研究していきたい。 ○くまにしプラットフォームに2年生をTAとして積極的に関与させ、コーディネーター役の2年生を交えた経験を 共有化させるプログラムを実施した。 ○くまにしプラットフォームの初期ニワトリ胚を用いた課題研究は、複数高校と大学が組んだAP(Advanced Placement)プログラムになった(首都大学東京、都立両国高校、本校) イ 高度な専門的能力を育む(垂直展開) ○初期展開プログラムに2年生をTAとして参加させ、知識の集積と理解を進め、自分の課題研究が深化するよう 促した。 ○高大連携講座に参加した生徒を中心にした「学びあい」をSS授業で実施した。参加した生徒は説明することで より理解が深まり、その後の「学びあい」も活発になった。 ○異学年の混成集団での、「誰も知らないこと」についての学びあいは議論が白熱した。このようなタイプの学びあ いは、多角的に物事を考えさせるうえで効果的である。 ○全国高校総合文化祭に放線菌の課題研究が出場し、学会での発表本数も昨年より増加した。このような発表の 場で得られたコミュニケーション力を発揮し、大学の AO 入試や推薦入試を突破する生徒が現れ始めた。 ○課題研究Ⅰ、Ⅱの授業時間内にトランザクティブ・メモリーを意識して愚痴会や研究成果発表会を行った。 ウ 理数教育の裾野を広げる(水平展開) ○出前授業や体験教室などは、次世代にサイエンスの楽しさを伝えるばかりでなく、本校生徒のコミュニケーショ ン力向上に役だった。 ○他校との合同講座は互いの刺激になったばかりでなく、学会でのポスター発表や校内向けの「薬物乱用防止ポ スター」の作成などに発展した。 ○くまにしプラットフォームのニワトリ初期胚を用いた研究に、普通科の生徒が初めて参加した。 ○実施上の課題と今後の取組 ア 潜在能力を見いだす(初期展開) ○今年度の1年生は、「違い」を尊重して受け入れる途上にある生徒が多かった。知と知を結びつけて新しい知を 生み出すために、「違い」に価値を見つけられるような取り組みが課題である。 ○くまにしプラットフォーム「統計入門」は統計局の統計学習サイトを使って課題研究を進めた。今までとは切り口 の違う課題研究をする生徒が現れたが、まだまだ改良の余地があり、よりよいプログラムを目指したい。 ○くまにしプラットフォーム「絶滅動物」で実施した「ロールプレイ」は人間中心になりがちな思考を人間以外の立場 から考えさせるのに効果があったので、生命倫理などこれからの次代を担う生徒に考えさせておきたいテーマで 活用をすすめたい。 ○「気づき」ことはできても、教え込まれることにどっぷりつかっているので、「気づき」がアイデアに発展しない。研 修や実験などで知の幅を広げるとともに、知と知を結びつけて「新しい知」を生みだすプログラムを考えたい。 イ 高度な専門的能力を育む(垂直展開) ○初期展開プログラムのTAを経験した生徒は、その後の課題研究の取り組みも熱心である。2年生TAは1年生 にとって有用であるばかりでなく、2年生の成長も促すので、多くの場面で取り入れていきたい。 ○課題研究を熱心に取り組んでいる生徒は「気づき」の場面が多いが、課題研究のブレイクスルーまではいかな い。これは課題研究から遠く離れた知識の集積と課題研究に有用な知識の見つけ方や活用が不十分であると 考えられ、今後の課題である。 ○集団のトランザクティブ・メモリーを高めるのは、個人の知識の拡大につながるので、愚痴会やミニ報告会を改 善したい。 ○異学年での学びあいはどちらの学年にとっても効果が高かったので、高大連携講座などでこの手法を取り入れ ていきたい。 ウ 理数教育の裾野を広げる(水平展開) ○AP(Advanced Placement)プログラムは生徒にとって有用であるが、一般化するには障害も多い。来年度は一般化 するため問題点などを整理していきたい。 ○水田の微生物・親子実験教室では事前にいろいろな状況における対策を生徒に考えさせてから臨んだ。その 結果、参加者も生徒も満足度の高い行事になった。他の行事でも準備期間を長くして、生徒の内面からでてきた 企画にしたい。 -5- 別紙様式2-1 埼玉県立熊谷西高等学校 指定第1期目 24~28 平成27 年度スーパーサイエンスハイスクール研究開発の成果と課題 ① 研究開発の成果と課題 生徒観 素直でおとなしい生徒がほとんどであり学習する意欲も高い。与えられたことはよくやるが、自ら 課題を見つけ解決方法を考える力が弱い傾向にある。高校入試を暗記や解法のトレーニングで自分の ものにすることによって突破してきている(アンケート参照)ので、高校入学後も今までの学習方法に固執す る生徒も少なくない。 学習が単に義務や修行になっており、自分の知らないものを知る喜びとは対極にある。実験を行っ ても結果に驚いたりときめいたり疑問を持つ生徒が年々少なくなってきている。すぐに正解を知りた がり「結果は?」という発問が多い。 また、用語は知っていても、各々の関連性が整理されて頭に入っておらず、定期試験でも初めて見 る問題には対応できない生徒もいる。この傾向は年々強くなっており、入学まもない時期は教員の細 かい指示を求める生徒や、静かに聞いているが話を聞き直しに来る生徒も目立つようになった。 これまでの経緯 SSH1年目は、「本校生徒の学習が修行になっているのは実験など経験値が低いためではない か。経験値が上がり探究心に灯火がつけば本格的な課題研究を行うことができるのではないか」と仮 説をたて高大連携や課題研究Ⅰなどの事業を実施した。事業の進行に伴い生徒の経験値が上がるにつ れ、生徒の興味関心の段階に応じた課題研究にも取り組むようになった。しかし時間がたつにつれ生 徒の興味関心が息切れしている場面が目立つようになった。仮説の設定が不十分で何を明らかにする かが研究を行っている生徒自身にも明確でなく、さらに与えられたものをこなすだけという受け身の 学習態度も息切れに拍車をかけた。 このような現状を踏まえ、SSH2年目は、【「仮説→実験→考察」を、再確認させたうえで、仮 説の重要性を理解させる】【仮説「何を明らかにするか」を明確にし、実験「仮説を明らかにするた めには何をどのように行えばよいか」を行い、仮説と実験に基づいた考察を課題研究の中で意識さ せ、その定着をはかる】を課題とした。具体的な取り組みは、課題研究Ⅰをユニット(1ユニット3~ 4時間)制とし、それぞれのユニットで「仮説→実験→考察」を体験させた。仮説の意義、重要性を理 解できる生徒を前年度より増やすことができた。また、「何を明らかにするのか」から考えさせる高 大連携講座(希望制)を実施した。半年にわたる講座であったが、首都大学東京 福田 公子 先生、 大学院生の熱心なご指導のおかげで、受講生徒は仮説の重要性についての理解が大いに深まった。し かしそれは受講生徒のみにとどまり、クラス全体には波及しなかった。 SSH3年目は、得られた経験を体験者のみならず非体験者にも波及させる方法の開発と課題研究 をより深化させるための方策が課題となり、理数科1年全員が参加する初期展開の課外プログラム 「くまにしプラットフォーム」を実施するに至った。 くまにしプラットフォームの概要は、「理数科1年8組全員を3グループに分けて、研究に必要な 手法「情報収集・検索」、「実験課題設定・実験」、「データ解析・統計」を意識させながら課題研 究(課外)に取り組ませた。それらの研究手法を「学びあい」によって定着させるために、グループ ごとに意識させる研究手法をあえて変えた。この情報格差は 10 月からの発表会や通称「愚痴会」(成 果発表でなく、苦労したこと、やり方などで他の生徒に伝えたいことを班ごとに発表)などの機会 に、「学びあい」をさせることによって経験の共通化を図った。」である。 くまにしプラットフォームの「ニワトリ初期胚を用いた課題研究は、首都大学東京 福田 公子 先 生、大学院生の熱心なご指導のもと、6月(テーマ決め)、9月(中間発表)、10月(最終発表) を都立両国高校と合同で実施した。同じ実験材料(ニワトリ初期胚)を使い同じような課題研究を実 施したので、ライバル意識が芽生え生徒にとって有意義な講座となった。ライバルを意識することで もう1回という粘りが生まれ、また両国高校の発表や質問で鍛えられた。生徒にとっては近隣の学校 でないので、萎縮もなくフラットな意見交換ができたのも大変よかった。その雰囲気が他の生徒に刺 激を与え、課題研究をやるという意識がクラス全体に自然に広まり、クラス全体の意識が向上した。 SSH4年目は、覚え込み中心の学びを気づきスモールステップをもとに、気づき中心の学びに変 え、気づきの連鎖反応や気づきのドミノ現象で「データを知識にする術や知識を知恵にすること」を 生徒に習得させるのが課題となった。 【項目ごとの研究開発の成果】 Ⅰ 潜在能力を見いだす(初期展開) ○仮説の重要性を認識させるための課題研究(高大連携講座)についての研究 (1)北浦魚類実習では、仮説から考える重要性を気がつかせるため、学年を越えたグループで、未 -6- 知の事柄について学びあわせた。具体的に気づいた事柄を記入している生徒 75%。他の講座も 学びあいの単位が同学年だけより異学年が混じっている方が効果が高そうである。 (2)講座修了後、1年生が講座の内容の延長線上の課題研究を始めた(カイコから学ぶ生物学、北浦魚類実習) 仮説を意識した講座内容が功を奏したと考えられる。 ○地元の研究機関と連携した新しい初期展開プログラムの開発 (1)幅広く興味関心を高める(理化学研究所 プレゼンテーション研修62名参加)→講義・講演 (理化学研究所「放線菌」36名参加)→課題研究(放線菌)という的を絞っていくプログラ ムができた。5月の講義を受けた1年生6名が放線菌で課題研究中である。また、放線菌の課 題研究は3年生(全校高校文化祭出場)も行っており、先輩から後輩へ受け継ぐ課題研究にもな った。 (2)生態分野についても、東京大学秩父演習林実習(都立墨田川高校合同)で幅広く興味関心を持た せ、課題研究(カワムシ調査、河辺林調査)につなげるというプログラムができた。県立自然の 博物館、県立教育センター職員・県立高校教諭(本校理数科卒業生)と連携した課題研究であ る。 ○効果的な協働学習の展開の研究(1、2年理数科対象) (1)SS 生物Ⅰ(授業内のミニ課題研究など)、SS 化学Ⅰ(電池コンテスト)などで学びあいに取り組 んだ。SS 生物Ⅱ(振り返り学習)は、センター試験で下位層が少なくなり、アクティブラーニ ングの効果を実感できた。 (2)2年生TAは、「教え込み」でなく、1年生の考えをうまく引き出して学びあえる環境を醸成 していた。指導シートなどで「自分たちの役割」ついて考えさせた効果だと考える。 ○「くまにしプラットフォーム」の充実 (1)2年生がTAとして、1年生の課題研究を援助できるようになった。1年生も来年は自分たち がという気持ちがでてきた。 (2)昨年の他校SSH課題研究論文集の読み込みを受けて、今年度は3グループ(「情報収集・検 索」、「実験仮説設定・実験」、「データ解析・統計」)から最低1名ずつに2年生が入った グループを新たに編成して簡単な課題研究をさせた。それぞれが学んだ研究手法を定着させ、 経験の共通化を図った。 (3)くまにしプラットフォームで学んだ研究手法を自分の課題研究にすぐ活かす生徒が現れた。 Ⅱ 高度な専門的能力を育む(垂直展開) ○大学との連携による課題研究を深化させるための知識の集積、理解に向けたプログラムの開発[全学年対象] (1)スパイラル型課題研究(下級生、小中学校生などに対するアシストを繰り返しながら、自身の 課題研究を深化させていく)を、大学等と連携しているくまにしプラットフォーム発展型の 「ニワトリ初期胚を使った課題研究」「ニホンオオカミ」やカイコ発生の研究、校庭の帰化植 物で試みた。どの課題研究も意識が高まっていったが、特に「ニワトリ初期胚を使った課題研 究」の生徒たちは、下級生をアシストする場面がかなり多かったので成長は著しかった。上級 生、下級生が全く同じ研究ではなく、同じ材料で違う角度からの研究のほうが効果があると感 じる。 ○学習指導要領の範囲を超えたカリキュラム開発(1年理数科) (1)課題研究Ⅰにおける化学分野(発光の化学)では、科学的な事象を解き明かすために必要な思 考力を養うため、発光という現象の性能アップを課題とし、生徒は複数回の実験を行った生徒 は実験結果から課題を解決するための方法を、具体的な実験条件として形にする必要があり、 自分たちが現象をどう捉え、変更した実験条件が結果にどのような影響を及ぼすか考えること になり、思考力を磨くことにつながる。 ○理数教育及び理数教育と連携したカリキュラム開発(1、2年理数科) (1)高大連携講座と授業(SS生物Ⅰ)をリンクさせた「学びあい」を、特別講義「マウスの血糖調 節」(埼玉大学)と高大連携講座「遺伝子解析」(東邦大学)で実施した。どちらも講座参加者 が4人グループの「学びあい」をサポートした。遺伝子分野はグループでの学びにジグゾー法 を取り入れた。 (2)英語が堪能な生徒をTAとした「学びあい」で、遺伝子組換えキットの英語プロトコルから日 本語のプロトコルを作成させ実験を行った。実験した2年生がくまにしプラットフォームで1 年生グループをコーディネートした。 ○教科や学年を超えたカリキュラム開発(1、2年理数科) (1)今年度は、課題研究Ⅰに加えて「くまにしプラットフォーム」などに、2年生をTAとして参 加させ、学年を越えた学びあいを実施した。 (2)北浦魚類実習では「北浦の食物網」をテーマに、1、2学年混成グループで事前学習、実験等を行っ た。作業や議論の様子をみると、同学年の学びあいよりお互い積極的であった。 -7- ○発表会やコンテスト等の参加によるコミュニケーション力等を高める指導法の研究 (1)校内でのポスター掲示を通年で行った。また、外部でも熊谷SSH3校のサイエンス教室で本 校だけがポスター発表するなど積極的に発表させ、コミュニケーション力向上に努めた。 (2)3年生の「放線菌」は全国高校総合文化祭に出場する一方、1、2年生の学会でのポスター発 表の件数が昨年2件のところ4件に増えた。 ○生徒主体で課題研究を深化させるため、課題研究Ⅱに学びあいを取り入れる研究 (1)課題研究の深化を図るため、「愚痴会」や研究報告会を授業内に実施し、トランザクティブ・ メモリーを高める努力をした。 Ⅲ 理数教育の裾野を広げる(水平展開) ○小中学生対象の出前授業の実施 (1)親子植物観察講座 「校庭の帰化植物」の課題研究を行っている生徒がTAとして参加した(各小学校2回)。 熊谷市立三尻小学校、熊谷市立籠原小学校、熊谷市立玉井小学校、熊谷市立新堀小学校 ○本校普通科及び近隣の高校へSSH成果を普及させるためのプログラムの展開 (1)【近隣の高校】くまにしプラットフォーム(都立両国高校)、東大小石川植物園・都立薬用植物園訪問(県立蕨高 校、県立越谷北高校)、東京大学秩父演習林実習(都立墨田川高、都立江北高校、都立淵江高 校)、エックドロップコンテスト・MRI を使った人体解析講座(文京学院大学女子高等学校主催)、チームアライグマ (県立川越女子高校、県立越谷高校、県立越谷北高校、県立坂戸西高校、県立所沢高校、県立所 沢西高校、県立飯能高校、県立蕨高校、海城学園海城高校) 【本校の普通科】プレゼンテーション研修(理化学研究所訪問)、くまにしプラットフォーム(ニワトリ初期胚を使った 研究)、希望制の各種高大連携講座・校外研修、SSH講演会「感覚と運動を制御する脳 ~ 簡単な実験から脳の不思議を考える~」理化学研究所 脳科学総合研究センター 村山 正宣 氏、進路講演会「驚異の数、円周率πの世界」サイエンスナビゲーター桜井 進氏 (2)東京大学秩父演習林実習を発展させた課題研究を他校とともに森林学会でポスター発表した。 (3)くまにしプラットフォームのニワトリ初期胚を用いた研究に普通科の生徒が初めて参加した。 また、課題研究を始めた1年普通科の生徒も現れた。 ○地域の小・中学生に対する科学教室の実施 (1)「親子プランクトン教室」【熊谷市内 SSH 指定3校合同】(児童生徒 184 名、保護者 118 名参加) (児童 19 名、保護者 16 名)は、いろいろなケースを想定したうえで指導シートを作成させた。児童参 加者の 95%が「楽しかった」と答え、複数の保護者からは、教えすぎず子どもの自主性を尊重 する本校TAの働きぶりが評価された。 (2)「楽しもうサイエンス」は熊谷高校、熊谷女子高校、熊谷西高校の3校合同で小・中学生とそ の保護者を対象に理科の楽しさを啓発するため、行われた。化学分野からは蓄光剤を練り込ん だポリウレタン樹脂による夜光バッジの作製を展示した。小・中学生は発光のしくみや高分子 に興味を持ち、本校生徒はわかりやすく説明しようと努力している姿が印象的であった。さら に各自が課題研究の内容をポスター展示し、保護者の方の興味を引いていた。 (3)理数科体験授業(60 名参加) ○SSH事業の公開(情報発信) ② 研究開発の課題 Ⅰ 潜在能力を見いだす(初期展開) ○仮説の重要性を認識させるための課題研究(高大連携講座)についての研究 (1)今年度は、普通科1年生がくまにしプラットフォームに参加したが、他の高大連携講座への普 通科1年の参加者は昨年より減少した。課題発見力や課題解決力の育成などが、結果的に大学 入試にも大いに役立つことを生徒のみならず教員も理解することが必要である。 (2)「気づき」が「気づきの連鎖反応」、「気づきのドミノ現象」に繋がっていない。アイディア の作り方などもう一歩踏み込んだ指導が初期展開で必要である。 ○地元の研究機関と連携した新しい初期展開プログラムの開発 (1)放線菌以外の課題研究についても、理化学研究所訪問での「気づき」が「気づきの連鎖」に繋 がっていくようなプログラムの作成。 (2)熊谷付近の研究機関と連携した初期展開プログラムの作成 ○効果的な協働学習の展開の研究(1、2年理数科対象) (1)今年度、SS生物Ⅰで試みた「高大連携講座での活動がSS科目の協働学習のきっかけとなる ようなプログラム」をブラッシュアップし、他のSS科目でも展開できるようなプログラムの 研究 -8- (2)アクティブラーニングに取り組む教員は徐々に増えてきたが、用語習得型の生徒の意識を変え 生徒が持っている可能性を解放するためには、早急により多くの教員がアクティブラーニング を理解する必要性を強く感じる。 ○「くまにしプラットフォーム」の充実 (1)知と知を結びつけて新しい知を生みだすもとになる、「違い」を尊重して受け入れ「違い」に 価値を見つける意識が、希薄な生徒が今年は目立った。課題研究の深化のみならず他校との連 携をさらに有意義なものにするためにも、多様性を受け入れる姿勢を育成することが課題であ る。 (2)今年度取り組んだ【「情報収集・検索、実験課題設定・実験、データ解析・統計」から最低1 名ずつに2年生のコーディネーターが入ったグループを新たに編成して行った簡単な課題研究 を深化させ、学びあいによる情報による共有化をすすめる。また、2年生の研究コーディネー ト力向上させる手法の開発 Ⅱ 高度な専門的能力を育む(垂直展開) ○大学との連携による課題研究を深化させるための知識の集積、理解に向けたプログラムの開発[全学年対象] (1)スパイラル型課題研究をしている生徒は、他の生徒と比べると課題研究に対する意識が高い。 大学等との連携と下級生の存在が相乗して意識を高めていると考えられるので、このような取 り組みを他の生徒にいかに広げるかが課題である。 (2)大学や外部研究機関が実施する講座への参加が、生徒の可能性を開花させ学びのエンジンにな るので、一層推進する必要がある。 (3)問題解決、論理的思考、コミュニケーション、意欲等の汎用的スキルやメタ認知等を伸ばして いく必要がある。 ○理数教育及び理数教育と連携したカリキュラム開発(1、2年理数科) (1)課題研究Ⅰ・Ⅱや SS 生物Ⅱなどで試みた手法などブラッシュアップ及び共有化。 (2)生徒の多様化に応じた数学指導に一層の工夫が必要である。 ○教科や学年を超えたカリキュラム開発(1、2年理数科) (1)北浦魚類実習で試みた「未知の事柄を1、2年混合グループで考えさせる」ような、1,2年 生がフラットな立場で学びあうプログラムの作成 (2)「生命倫理」などサイエンスの倫理的側面を考えさせるきっかけとなるようなプログラムの開発 ○発表会やコンテスト等の参加によるコミュニケーション力等を高める指導法の研究 (1)発表でのコミュニケーション力の向上を定着させるための手法の開発 (2)学会での発表は増えたが、科学オリンピック等の参加に向けたプログラムの開発 ○生徒主体で課題研究を深化させるため、課題研究Ⅱに学びあいを取り入れる研究 (1)新しい知との出会いによって課題研究を深化させるため、理数科や課題研究をしている生徒全 体のトランザクティブ・メモリーを高める手法の開発 (2)研究手法について、生徒が違う角度から意見を言い合えるような機会の構築。 Ⅲ 理数教育の裾野を広げる(水平展開) ○小中学生対象の出前授業の実施 (1)課題研究と絡めた親子植物教室の大変よい反応を、本校理数科へ進学希望増にいかにつなげる か。 ○本校普通科及び近隣の高校へSSH成果を普及させるためのプログラムの展開 (1)都立両国高校との連携では、2校生徒の混合チームを設けることができたが、一層 face to face でのコミニュケーションを推進する。 (2)普通科1年生のくまにしプラットフォームへの参加があったが、普通科生徒のSSH行事参加者 を増やすことが課題である。 ○地域の小・中学生に対する科学教室の実施 (1)参加した児童生徒が「気づきのスモールステップ」を経験することにより、将来、科学技術人 材として活躍するきっかけを提供する。 (2)課題研究の内容を小中学生に紹介し興味を持たせるような内容の工夫。 ○SSH事業の公開(情報発信) (1)ホームページでの発信に工夫改善を加える必要がある。 (2)SSH事業の公開により本校理数科や理系希望者を増加させたい。 -9- 報告書の本文 第1章 研究開発の課題 Ⅰ.研究開発課題 潜在的能力を見いだし開花させ、安全・安心で持続可能な社会の創造・発展に寄与し、科学技術イノ ベーションを推進する人材の育成を図るカリキュラム開発 Ⅱ.研究開発の概要 本校の多くの生徒に対して課題解決能力の育成や、内向き志向を打破させるようなプレゼンテーショ ン能力の育成を図ることが重要である。1年目は、「本校生徒の学習が修行になっているのは実験など 経験値が低いためではないか。経験値が上がり探究心に灯火がつけば本格的な課題研究を行うことがで きるのではないか」と考え事業を実施した。経験値が上がるにつれ、生徒の興味関心に応じた課題研究 にも取り組むようになったが、時間がたつにつれ息切れしている場面が目立つようになった。これは仮 説設定の不十分さと受け身の学習態度であると分析できた。2年目は「仮説→実験→考察の流れを再認 識させたうえで、仮説の重要性を理解させる」ための事業を加えて実施し、目論見以上の成果を得た。 3年目は、初期展開で「くまにしプラットフォーム」を実施して、2年目で手応えのあった「仮説」「情 報検索と科学リテラシーの涵養」に加え、「数値解析能力」の3つの育成を図った。粘り強さと研究の 時間確保も「くまにしプラットフォーム」を実施したことで、物理的な変化はないが改善の方向に向か っている。4年目は興味関心の連鎖反応をおこすために「気づきのスモールステップ」で「気づきの連 鎖反応」をおこし「気づきのドミノ現象」「気づきの拡散」につなげることが課題となった。 Ⅲ.研究開発の実施規模 理数科1、2、3年生と普通科の希望生徒を対象に行う。 Ⅳ.研究の仮説 [初期展開]「潜在能力を見いだす」 実験・実習等の体験活動を通して、科学的思考により探究する楽しさを経験させ、課題解決能力やプ レゼンテーション能力、数値解析能力を育成すれば、本校生の潜在的な能力を開花させることができる のではないか。 [垂直展開]「高度な専門的能力を育む」 初期展開でのくまにしプラットフォーム をもとに、課題研究でも学びあいができる 環境を設定すれば、高度な専門能力を育む ための手法や素地が養われ、科学的に事象 を解きあかすために必要な思考力を身に付 けさせることができるのではないか。 [水平展開]「理数教育の裾野を広げる」 普通科生徒や地域の小・中学校や県内理 数科設置校、地元企業・近隣都県の高等学 校と連携した科学技術に係わる取り組みを 行えば、科学技術についての社会での理解 がすすみ、科学技術イノベーションを推進 する人材輩出することができるのではない か。 Ⅴ.研究開発の経緯 ○SS 課題研究Ⅰ,Ⅱ 実施状況 SS課題研究Ⅱ(2年理数科) 月曜6限 月曜7限 課題研究Ⅰ(1年理数科) 月曜7限 4/20 テスト 3年の課題研究紹介 テスト 4/27 課題研究 1年TA10名,他は課題研究 エッグドロップ(調べる,設計図) 4/30 課題研究 課題研究 エッグドロップ(制作) 5/11 6/1 6/8 6/15 6/22 課題研究テーマ報告会・課題研究 エッグドロップ(実験,解析) 課題研究 課題研究 愚痴会 特別講義 水田の微生物 課題研究 エッグドロップ(ポスター制作) (親子プランクトン教室TA生徒は6,7時限) 課題研究 三者面談の特別時間割のため7時限目実施せず SSH校内発表会(5時限~)3年 全国大会発表者決め,2年 研究テーマ,1年 エッグドロップ -10- 6/29 研究進捗報告会・愚痴会 特別講義 量子化学1 9/7 課題研究 課題研究 化学(実験) 9/14 課題研究 課題研究 化学(仮説) 9/28 課題研究 課題研究 化学(実験) 10/3 課題研究 課題研究 化学(実験) 10/19 研究進捗報告会・愚痴会 10/26 プレゼン資料・ポスター制作 プレゼン資料・ポスター制作 11/2 プレゼン資料・ポスター制作 プレゼン資料・ポスター制作 11/16 化学(考察・まとめ) 特別講義 量子化学2 課題研究情報交換会(愚痴会) SSH校内発表会(5時限~)2年 課題研究,1年 くまにしプラットフォームの課題研究 11/30 課題研究 課題研究 課題研究情報交換会(愚痴会) 12/7 アンケート 課題研究 アンケート 1/18 課題研究 1/25 課題研究 課題研究 地学(仮説) 2/1 プレゼン資料・ポスター制作 プレゼン資料・ポスター制作 地学(実験) 2/8 課題研究 課題研究 地学(実験) 2/15 課題研究の紹介(2年生→1年生)・アンケート 愚痴会・今後の課題研究について 2/22 課題研究 課題研究 地学(考察・まとめ) ○SS講座等の実施状況 初期展開 実施日時 4/18(土) 4/25(土)・8/2(日)・9/6(日) 4/29(水)・5/30(土)・5/31(日)・6/20(土)・ 7/19(日)・8月・9/20(日)・10/25(日) 5/2(土) 6/20(土) 6/22(月) 8/5(水)・8/6(木) 8/10(月) 8/12(水)~8/14(金) 8 / 2 4 (月) 9/17(木) 9/23(水) 9/24(木) 10/4(日)~10/5(月) 10/26(月) 11/14(土)・11/15(日) 11/16(月) 11/22(日) 11/29(日)・12/19(土) 12/13(日) 12/24(木) 1/30(土)・2/6(土) 1/31(日) 2/5(金) 32/5(金) 事項 プレゼンテーション研修(理化学研究所訪問) くまにしプラットフォーム・絶滅動物研究アホウドリ(4/25科博・上野動物園, 8/2我孫子鳥 の博物館,9/6科博) くまにしプラットフォーム・ニワトリ初期胚(首都大学東京) (6/20・9/20・10/25都立両国高会場) -高校・研究所連携- 放線菌(理化学研究所) エッグドロップコンテスト(文京学院大学女子高主催) SSH発表会(5時限~) 平成27年度SSH生徒研究発表会(インテック大阪) -高大連携講座-実習を通してホ乳類の体のしくみを学ぶ(文京学院大学) 東京大学秩父演習林実習(都立墨田川高主催) くまにしプラットフォーム・統計(総務省統計局) -高大連携講座-iPadを使った数学(5時限~)愛知教育大学(理数科1-8全員) -高大連携講座- カイコから学ぶ生物学(信州大学) -校外研修-東京大学地震研究所,理化学研究所(理数科1-8全員) -高大連携講座- 北浦魚類実習(茨城大学広域水圏環境科学教育研究センター) 高大連携講座-量子化学入門(7時限)東京理科大学 -高大連携講座-ウミホタルの発光(お茶の水女子大湾岸生物研究教育センター) SSH発表会(5時限~) 高校生によるサイエンスフェア(埼玉県教育委員会主催) -高大連携講座-遺伝カウンセリング講座・遺伝子解析講座(東邦大学) -校外研修-地学巡検 放射線セミナー(理数科1-8全員) 校外研修-MRIを使った人体解析講座(文京学院大学女子高等学校主催) -高大連携講座-身近な流体現象(東京海洋大学) SSH研究発表会 昆虫から見えてくる未来の食糧生産と生命のしくみ(フェリス女学院大学) 垂直展開 実施日時 4/26(日)・6/14(日)・3/13(日) 事項 -課題研究-カワムシ調査(県立自然の博物館) -11- 5/2(土)・2/13(日) 5/23(土) 5/27(水) 6/13(土) 6/22(月) 7/18(土) 7/24(金) 7/30(木)~8/1(土) 8/5(水)・8/6(木) 8 / 2 2 (土) 8/21(金)~8/23(日)2泊3日,11/1(日)・11/3(火), 3/19(土)~3/20(日)1泊2日 7/31(金)・9/22(火) 9/26(土) 10/31(土) 11/16(月) 11/22(日) 11/23(月) 11/28(土) 1/9(土) 1/11(月) 1/16(土) 1/17(日) 2/5(金) 2/11(木) 2/13(日) 3/21(月) 3/29(火) -課題研究- 放線菌(理化学研究所) 日本気象学会高校生ポスターゼッション(課題研究 局地気象) -校外研修(課題研究)-山階鳥類研究所訪問 -校外研修-薬用植物園訪問(東大小石川植物園・都立薬用植物園) SSH発表会(5時限~) -課題研究-放線菌(理化学研究所) 課題研究-流体力学(東京海洋大学) 第39回全国高等学校総合文化祭(放線菌) 平成27年度SSH生徒研究発表会(インテック大阪) ひれコンテスト(横浜国立大学主催) -課題研究- ニワトリ初期胚(会場 首都大学東京) 課題研究- カイコの発生(信州大学) 高校生理科研究発表会(千葉大学) 科学の甲子園~埼玉県予選会~ SSH発表会(5時限~) -課題研究-シカ食害現地確認(ニホンオオカミ)武州日野 弟富士山 -課題研究-観音山のニッコウキスゲ(東京農業大学短期大学) SS生物Ⅰ特別講座「マウスの血糖値調節」(埼玉大学) -課題研究-昆虫培養細胞(フェリス女学院大学) 日本生物教育学会 -課題研究-植物化石 -課題研究-河辺林調査 SSH発表会(5時限~) -課題研究-観音山のニッコウキスゲ(東邦大学) 理科研究発表会 日本生態学会 日本森林学会 水平展開 実施日時 4/29(水)・5/30(土)・5/31(日)・6/20(土)・ 7/19(日)・8月・9/20(日)・10/25(日) 6/8(月)・6/18(木)・6/21(日) 6/15(月)~6/18(金)・8/7(金)・8/10(月)・ 9/24(水) 8/12(水)~8/14(金) 11/22(日) 12/23(水) 事項 熊西プラットフォーム・ニワトリ初期胚(首都大学東京) (6/20・9/20・10/25都立両国高会場) -特別講座-水田の微生物,親子プランクトン教室 -課題研究-校庭植物の帰化植物(三尻小,籠原小,新堀小,玉井小) 東京大学秩父演習林実習(都立墨田川高と合同) 高校生によるサイエンスフェア(埼玉県教育委員会主催) 楽しもうサイエンス!小中学生科学体験教室 Ⅵ.研究の内容・方法 1.潜在的能力を見いだす(初期展開) (1)大学などとの連携による講義・講演や模擬実験 (2)地域や企業等の研究機関との連携による高度な実験・実習の体験活動 ((1)(2)は普通科希望生徒も対象) (3)協働的な学習を中心とした授業の展開 (4)地域の小・中学校対象とした実験教室などを開催 2.高度な専門的能力を育む(垂直展開) (1)理数教育の充実を図るカリキュラム (2)教科や学年の枠を超えた新しい発想のカリキュラム (3)探究手法の指導 (4)地域や企業等の研究機関との連携による高度な実験・実習の体験活動 (5)コミュニケーション技術を身につけ、活用する場を設け、リーダーシップや協調性を育成 (6)英語によるプレゼンテーション能力を身につけ、国際社会に通用する人材を育成 (7)科学オリンピック、科学の甲子園への参加により、高度な専門的能力を磨く機会の設定 3.理数教育の裾野を広げる(水平展開) (1)大学、研究機関や企業との連携 (2)地域の小・中学校に対する科学教室の実施 -12- Ⅶ.研究組織の概要 埼玉県教育委員会 文部科学省・科学技術振興機構 (SSH企画評価委員会) SSH運営指導委員会 指導 支援 支援 指導 指導 【 埼 玉 県 立 熊 谷 西 高 等 学 校】 校 長 SSH推進委員会 SSH運営部 活動内容 指導 助言 指示 【各SSH推進担当】 ・教育課程・評価検証担当 ・課題研究・外部連携担当 ・国際理解教育担当 ・情報発信担当 ・経理担当 -13- 学校評議員 学校評価懇話会 助言 大 学 研究機関 企 業 保 護 者 地域住民 小中学校 県内高校 県外高校 SSH指定校 県内理数科 ネットワーク校 第2章 研究開発の内容 Ⅰ.課外の活動 1.プレゼンテーション研修(理化学研究所) ○仮説:入学直後に高度な研究機関を訪問し、ポスター作成することにより、研究への向上心が高まり、プレゼンテー ションの能力が向上するのではないか。 (1)対 象 理数科1年8組全員(41名) 、普通科希望者 (2)目 標 ・プレゼンテーションで最も重要なことは「伝える」で、 「事前学習→見学→ポスター作成」をさせること で研究への関心を高める。 ・理数科だけでなく普通科の生徒も課題研究に取り組める素地をつくる。 (3)実施状況 平成 27 年 3 月 19 日(木)入学許可候補者説明会 案内プリント配布 平成 27 年 4 月 9日(水)理化学研究所訪問・SSH 事業説明会(普通科1年生徒対象) 平成 27 年 4 月 10 日(金)研修申込書の回収。普通科 23 名申し込み。 1日目 平成 27 年 4 月 18 日(土)理研訪問 理数科 1 年 41 名、2 年 2 名、普通科 23 名(欠席名は連絡あり)が参加。 理化学研究所内の各研究室を取材した。 2日目 平成 27 年 4 月 20 日(月)~ 24 日(金)プレゼンテーション作成:1 年参加者全員が個々に 5 日間のうち 2 日 をかけて理化学研究所での取材内容を元に、プレゼンテーション5~ 21 枚のスライドを作成した。一部 2 年生 がTAとして 1 年生を指導した。 (4)評価の観点 ・各研究者の実験の進め方や研究における考え方を伝える工夫をする必要性を意識できたか。 ・普通科の生徒が科学の楽しさを感じられたか。 ・参加した生徒が、体験した内容をポスターにまとめ発表することができる。 (5)仮説の検証 ・ この企画より学年の雰囲気が大きな要因と思うが、プレゼンテーション以降のSSH行事への普通科1年生の参 加者が 4 名(自然科学部の普通科2名含む)だった。その後、教員側の声かけによって、SSHの行事に参加する 生徒が増えたものの、こちらが期待するほどの人数にはならなかった。 (6)次年度以降の課題 ・ アンケート結果で実習に関して楽しかったという生徒が 87.1%だったことに関して、 12.9%が楽しかったわけでは ない。来年度入試方法が変わるが、これを減らし、積極参加するものを 100%に近づけたい。 ・ 普通科生徒を含め生徒を主体的に活動させる方策が必要である。この行事の後も継続してSSH研究活動を実施 させる仕掛けや仕組みづくりが必要だと思われる。入学許可候補者説明会で「大学改革が進み、大学入試も高校の 授業も変わる」 「大学入試では、高校での課題研究などが大学入試で評価される」ことを説明しなければならない。 2.くまにしプラットフォーム(初期展開としての課題研究) ○仮説:・ あえて情報格差を設けた課題研究を実施することで、生徒間に学びあいの姿勢が生まれ、学びあうことに より生徒主体の課題研究に深化していくのではないか。 ・ 他校生と合同で取り組ませることにより、本校生が新たな「気づき」に出会い、課題研究を進める中で、 大学等で研究を深めたいという生徒が出てくるのではないか。 (1)対象 理数科1年8組全員(41名) 、 「情報収集・検索」 、 「実験仮説設定・実験」 、 「データ解析・統計」のどれか を選択する。今年度は、順に6名、18名、17名で実施した。また、 「情報収集・検索」に初めて普通科1 年生1名が参加した。 (2)目標 研究に必要な「情報収集・検索」 、 「実験仮説設定・実験」 、 「データ解析・統計」を課題研究のなかで意識的 に取り組ませ定着をはかる。 発表や愚痴会によって学びあいながら経験の共通化を図るとともにコミュニケー ション力の向上も目指す。 (3)実施状況 今年度、新たに取り組んだ内容 ・ 2年生をTAとして参加させ、1年生の課題研究を援助させた。 ・ 「情報収集・検索」では、人と自然との関わり合いを多角的に考えさせるきっかけにするため、ロール プレイを実施した。 ・ 他校のSSH課題研究論文集の読み込み後に、 「情報収集・検索」 、 「実験課題設定・実験」 、 「データ解析・ 統計」 )から最低1名ずつに2年生が入ったグループを新たに編成して簡単な課題研究を行い、それぞれが 学んだ研究手法を定着させ、経験の共通化を図った。また、2年生には、研究を取りまとめる役割を経験 させ、コーディネート力、俯瞰力の向上を目指した。 -14- ①「情報収集・検索」 アホウドリ ○.連携機関、指導者 ・上野動物園 動物解説員 小泉 祐里 先生 ・国立科学博物館 事業推進部学習企画・調整課専門員 岩﨑 誠司 先生 ○日程・内容 事前指導 4/12 に事前観察シートを配布し、各自で絶滅危惧種を調べ学習。4/16 事前観察シートを提出させ、その場で 2年生が内容を指導し、上野動物園に事前に送付した。 1日目 平成 27 年 4 月 25 日(土) 上野動物園(9:00~11:30)事前学習した絶滅危惧種を解説を受けながら観察、質疑応答。 科学博物館(13:0~16:00)TA役の2年生中心に、展示物を見学しながらテーマについての学びあい 2日目 平成 27 年 6 月 18 日(木) TAの2年生が、1年生に昨年学んだ情報検索の方法について教えた。その方法を使って、アホウドリに ついて調べてくることが、次回までの課題になった。 3日目 平成 27 年 6 月 25 日(木) アホウドリについての課題を各班が発表し、情報を共有した。 4日目 平成 27 年8月2日(日)我孫子市鳥の博物館 TAの2年生と1年生が開催中の第 72 回企画展「アホウドリ展―復活への挑戦―」を訪れ、アホウドリを 完全に復活させるために、公益財団法人山階鳥類研究所が取り組んだ「鳥島でのデコイ作戦」と「ヒナの移 送による小笠原 への再移導入作戦」を中心に、アホウドリとヒトとの関わり合いや保護活動の歴史につい ての理解を深めた。 5日目 平成 27 年 9 月 6 日(土)国立科学博物館 9:00 ~ 12:00 ロールプレイ演習 多角的に考えさせるきっかけとするため、1年生を班単位で(アホウドリ役、昔の日本人役、未来の日本 人役)に振り分け、司会をTAの2年生がそれぞれの研究テーマの動物(ニホンオオカミ、ニホンウナギ、 ヌマガエル)役で行った。 13:00 ~ 16:00 ロールプレイ演習の講評、 古生物学の分類方法について講義 (国立科学博物館 岩﨑 誠司先生) 夏季休業前に班分け、休業中の課題の指示をした。9月にレポートを提出させ、本校英語科教員、ALTが添削指導 して、英語のプレゼンテーション原稿を作成させた。 6日目 平成 27 年 11 月 12 日(木)英語プレゼンテーションリハーサル 7日目 平成 27 年 11 月 13 日 (金) 代表チーム選考 8日目 平成 27 年 11 月 16 日(月)英語プレゼンテーション(SSH 校内発表会)1 チーム ②「実験仮説設定・実験」ニワトリ初期胚を用いた課題研究 ○連携機関、指導者 ・首都大学東京 都市教養学部 都市教養学科 理工学系 生命科学コース 発生プログラム研究室 准教授 福田 公子 先生,大学院生 ○日程・内容 1日目 平成 27 年 4 月 29 日(水)13:30 ~ 16:30 講義 今回の研究のねらい(大学が受験生に求める学力、課題研究で養われる力と入試の関係) 1 年理数科 20 名、普通科 2 名参加 2日目 平成 27 年 5 月 30 日(土)9:00 ~ 17:00 スケジュール確認、実験の準備(試薬の調整)などを2年生、大学院生の指導を受けながら1年生自身が行った。 3日目 平成 27 年 5 月 31 日(日) 9:00 ~ 17:00 ニワトリ胚体外培養の練習と観察、何を研究したいかを班ごとに発表し、設備的に可能かどうか指導を受けた。 平成 27 年 6 月 1 日(月)7 時限目終了後~ 2年生とテキストを頼りに、ニワトリ胚体外培養の実体顕微鏡観察に取り組んでいた。 4日目 平成 27 年 6 月 20 日(日) 9:30 ~ 17:00(会場 都立両国高校) 研究テーマ検討後、研究チームを決めチームごとに研究内容を発表、質疑応答。 5日目 平成 27 年 7 月 19 日(日) 9:00 ~ 17:00 午前 チームで研究テーマを再検討し、具体的な研究計画を考えた。午後 各チームで使う試薬の準備。両国生が本校に来校 各チームで研究テーマに基づく実験を実施 8/7(金),8/8(土),8/9(日),9/12(土),9/13(日)等 8:00 ~ 19:00 6日目 平成 27 年 9 月 20 日(日) 9:30 ~ 17:00(会場 都立両国高校) 中間報告会 両校のチームごとに発表、質疑応答。 -15- 各チームで研究テーマに基づく実験を実施 10/11(日),10/12(月),10/13(火)等 8:00 ~ 19:00 8日目 平成 27 年 10 月 25 日(日)9:30 ~ 17:00(会場 都立両国高校) 最終報告会 両校のチームごとに発表、質疑応答。 ③ 統計入門 ○日程・内容 1日目 平成 27 年 4 月 23 日(木) NHKスペシャル「医療ビッグデータ」を見せた。高校生の統計調査集などを紹介し、どのようなこと調 査したいか考えておくように指示した。 2日目 平成 27 年 8 月 24 日(月) 総務省統計局訪問。統計の使い道など統計に関する基本的なことやe-Start、jSTAT MAPの 使い方をプロジェクター画面で講義していただいた。 3日目 平成 27 年 9 月 、 「科学の道具箱」を紹介して、実際にパソコンで操作させた。 web 上の統計教育ソフト「なるほど統計学園」 班ごとに活動し、ポスターを仕上げた。 4日目 平成 27 年 11 月 16 日(月)プレゼンテーション(SSH 校内発表会)1 チーム (4)評価の観点 ・他人の経験を自分の経験として共有できたか。 ・気づきが次の行動につながったか。 (5)仮説の検証 ① 各講座における気づき・気づきの連鎖 各講座のアンケートから、気づき、気づきの連鎖にあたる項目を抜粋し、アンケート提出者におけるそれぞれ の人数の割合を求めた。 *「気づきの連鎖」の設問 【今回の実習での「気づき」が、以前の「気づき」や知識と結びついて、新たな「気 づき」や「アイディア」 「疑問」に発展したか。 】 4/29ニワトリ 本校のみ 5/30~ニワトリ 本校のみ 6/20ニワトリ 両国と合同 10/25ニワトリ 両国と合同 8/2アホウドリ 鳥の博物館 9/6アホウドリ ロールプレイ 8/24統計 統計局 気づき 86% 83% 82.4% 46.2% 57.1% 100% 57.1% 気づき連鎖 0% 66% 47% 46.2% 14.2% 33% 14.3% ② 今年初の試みとして、絶滅動物研究を進める上でロールプレイを導入した。2年生の TA が司会進行役になり、 1年生のロールプレイをファシリテートした。参加生徒10人全員にとって、ロールプレイは初めてであった。 ロールプレイは全部で3回行ったが、ロールプレイをした1年生はもちろん、司会進行役の2年生にとっても、 多くの気づきがあった。1回目はたどたどしかったが、2回目、3回目と進めるにつれて、司会進行役の2年生、 ロールプレイをする1年生共に徐々に流れがスムーズになってきた。 人間とアホウドリの関係、自然界における人間の介入、人間のエゴ、アホウドリの気持ち、他の絶滅動物や外 国から持ち込まれた動物とアホウドリの比較など、様々な視点から考察を深めた。アンケート結果から、2年生 は自分たちの意見を前面に出すのではなく、ロールプレイをしている1年生の話を円滑に進める難しさを実感し たと共に、次回は今回の反省を踏まえてもっと工夫をして上手に進行して行きたいなど、前向きな記述がほとん どだった。1年生は全員、ロールプレイは難しかったが、1つの事象を様々な角度から分析し考察をすることの 重要さを体感できたという感想を持った。 ③ 今年度は web の統計教育ソフトを頼りに、生徒が自由に課題を見つけて取り組む方向を試みた。その結果、教 員が思いもしなかったの発想の統計に関した課題研究が行われた。調査や内容はまだまだ改良の余地が十分ある ポスターが多かったが、考察・感想を読むと、数字にしたことで見えてくる世界を気づいたようである。 「あなた が選ぶ車の色」という研究をした生徒たちは、車のディーラーから色別の販売台数のデータをいただき、自分た ちの調査結果とあわせて仮説を検証していた。また、受講した高大連携講座と統計を結びつけた研究を行った生 徒もいた。これらは気づきが連鎖し次の行動につながったと考えられる。 ④ 「ニワトリ初期胚」のアンケートの感想をみると、自分たちで考えてやる実験は、初めてで相当面食らった様 子がうかがえる。また、両国高校の存在は、昨年同様、モチベーションに繋がった。 「疑問を持ち続けることが重 要」という経験を生かして、2学期途中から個人の課題研究に取り組んだり、課題研究を考え始める生徒がでて きた。 (6)次年度以降の課題 ① 今年度は、 「情報収集・検索」の方法について、TA役の2年生が1年生に指導したが、連携機関による指導に 加えてTA役の2年生による援助があったほうが「気づき」が多いように感じる。連携機関をどうするのかが課 題である。 -16- ② 「統計入門」は総務省統計局の統計教育ソフトをもとに実施して、高校生らしい統計の課題研究ができたが、 散布図、箱ひげ図、平均、偏差などの段階を踏ませたうえで、課題研究に取り組めるようなプログラムを作り上 げる必要がある。 ③ 両国高校との企画によってポジティブな状態になって、2学期から課題研究を始める生徒がでてきたのが今年の特 徴であるが、反面、最後まで外へ出ることを面倒がったりする生徒が散見されたのも昨年との大きな違いである。 高大連携講座の出席者が昨年より少ないこととも通じるが、作業としての学習の心地よさから脱却しようとし ない生徒がでてきたのは生徒自身にとっても問題であり、解決策を探りたい。 ④ 首都大学東京と都立両国高校との連携(くまにしプラットフォームで記述)による課題研究の取 り組みは「大学が求める学力」を育むことも念頭においており、「自ら課題を探し、自らその解 決方法を考え、解決する力」を早期から育成することも目標としている。この取組では、 「仮説」 「内容」 「計画」 「実施」の一連の流れの一つ一つの工程で、生徒同士がディスカッションし、大 学の先生が専門的な見地から直接指導している。この様に、本校は継続的に大学の先生が指導す る講座をコーディネイトすることにより、生徒の「大学が求める学力」を育む研究とともに、高 校側が「大学が求める学力」を実感する場としても活用している。今年度は、このニワトリ初期 胚の課題研究(SSH指定2年目で本校のみ実施した希望制の高大連携講座)の受講生徒が、AO 入試や推薦入試で複数合格しており、徐々にではあるが成果が現れ始めている。また、現在、こ のプログラムを受講した2年生が課題研究を続行しており、首都大学東京での泊を伴う実験を複 数回実施し、「大学が求める学力」を育んでいる。 3.高大連携講座・校外研修など ○仮説:高度な専門機関等を訪問し、本物の研究に触れることにより安全安心で持続可能な社会の発展に寄与する研究 の重要性に気づくのではないか。 (1)対 象 原則として理数科、普通科希望者 (2)目 標・理数科だけでなく普通科の生徒も課題研究に取り組める素地をつくる。 ・生徒個々の課題発見力・課題解決力を育成し、自発的、創造的な学習態度を向上させる。 ・様々な体験を通して思考の幅を広げ、この経験を課題研究に進化させたり、自分自身の課題研究に活かす。 (3)実施状況 ◇初期展開 「カイコから学ぶ生物学」信州大学繊維学部 金勝 廉介 名誉教授 「実習を通してホ乳類の体の仕組みを学ぶ」文京学院大学 樋口 桂 准教授 「遺伝子解析講座」東邦大学 佐藤 浩之 教授, 「遺伝カウンセリング講座」田村 智英子 認定遺伝カウンセラー 「ウミホタルの発光」お茶の水女子大湾岸生物研究教育センター 清本 正人 准教授 「地学巡検」久津間 隆文 ふじみ野市文化財審議委員 「実習を通して生態系のしくみを考える」茨城大学広域水圏環境科学教育研究センター 加納 光樹 准教授 「量子化学入門」東京理科大学 遠藤 一央 客員教授 「流体力学入門」東京海洋大学 長島 秀樹 名誉教授 「水田の微生物」埼玉県立深谷高等学校 関口 善行 元学校長 「東京大学秩父演習林実習」東京都立墨田川高等学校主催 都立3校との交流行事(参加生徒負担) 「エッグドロップコンテスト」文京学院大学女子高等学校と合同 「MRI を使った人体解析講座」文京学院大学女子高等学校と合同 ◇垂直展開 「放線菌」独立行政法人 理化学研究所 植木 雅志 専任研究員 「河辺林調査」埼玉県立総合教育センター 杉田 勝 指導主事兼主任専門員,埼玉県立川口東高等学校 大塚一紀 教諭 「カワムシ調査」埼玉県立自然の博物館 曾根崎 猛史(学芸員) 「iPad を使った数学」愛知教育大学 数学教育講座 飯島 康之 教授 「昆虫培養細胞」フェリス女学院大学 国際交流学部 水野 壮 非常勤講師 「植物化石の研究」久津間 隆文 ふじみ野市文化財審議委員 「カイコ発生の研究」信州大学繊維学部 金勝 廉介 名誉教授 「ニワトリ初期胚の研究」首都大学東京 福田 公子 准教授 ◇水平展開 「プレゼンテーション研修」 「SSH講演会」独立行政法人 理化学研究所 「校外研修・研究所訪問」東京大学地震研究所、理化学研究所 「生きもの観察会」埼玉県立深谷高等学校 関口 善行 元校長 「楽しもうサイエンス!小中学生科学体験教室」 熊谷高・熊谷女子高・本校 共催 -17- (具体例) ◆北浦魚類実習「実習を通して生態系のしくみを考える」型の取り組み 1年生、2年生が知識的にほぼフラットな関係で、学年をこえた学びあいを展開する。 今回の実習では、1年生13名、2年生6名の参加だったので、2年生1名に1年生2~3名で班をつくり、事前学 習、実習・実験、学びあい、発表の単位とした。2年生は、SS生物Ⅰで生態分野を既習しているので、事前学習の段 階では完全にフラットとは言えないが、講義後の自習時間で行ったテーマは誰も知らないことなので、フラットな関係 での学びあいとなった。 1日目午後 夕方 夜 2日目午前 魚類採集 事前学習 食物網の作成 → (北浦、魚類) 解剖 → 北浦 胃内容物の 確認 講義 → 現在の北浦 の食物網に 学びあい → 外来種が除去 → された時の ついて ホワイトボード 発表 外来種除去後 の未来の食物網 講評 食物網 ◆「カイコから学ぶ生物学」型の取り組み 課題研究をしている2年生が、連携講座のTAなどとして、他の生徒の学びを助ける。 カイコの課題研究中の2年生 9/23 連携講座 ⇒ ⇒ ⇒ ⇒ カイコで課題研究を始めた1年生 授業 7/31 → → 援助 SS 生物Ⅰ 9/22 課題研究 ⇒ ⇒ 課題研究 → TA → 両日とも講師の金勝先生のご指導いただいた。 サポート → 課題研究 → 遺伝実習 *同様の取り組みを、 「ニワトリ初期胚課題研究」などの「くまにしプラットフォーム」で実施している。 ◆「遺伝子解析講座」型の取り組み 講座参加の2年生が、学びあいながら事前学習の内容を決め、1年生に対して事前学習をする。2年生は講座で学ん だことを活かして、授業で講座に参加していない生徒の学びあいを援助する。 この「遺伝子解析講座」では、SS生物Ⅰ「遺伝子の働き」の分野で講座との連携を図った。 講座 1年生 1年生 ⇒ ⇒ ⇒ DNA解析が必要な課題研究を始めた1年生 授業 学びあい → 2年生 援助 SS 生物Ⅰ → 2年生 → 2年生 → TA 何を教えたらよいか 事前学習 → ↘ 援助 他の生徒 の学びあい 課題研究 SS生物Ⅰ受講者 → (4)評価の観点 ・受講することで新たな気づきに出会ったか。 ・気づきが次の行動(課題研究など)につながったか。 (5)仮説の検証 各講座における気づき・気づきの連鎖 各講座のアンケートから、気づき、気づきの連鎖にあたる項目を抜粋し、アンケート提出者におけるそれぞれの 人数の割合を求めた。 *「気づきの連鎖」の設問 【今回の実習での「気づき」が、以前の「気づき」や知識と結びついて、新たな「気 づき」や「アイディア」 「疑問」に発展したか。 】 -18- 5/2放線菌 6/20エッグ 8/10実習を 8/12~東大 9/17iPa コンテスト 通してほ乳 演習林 dで数学 9/23カイコ 9/24東大地 9/24理化学 10/4~北浦 震研 研究所 魚類実習 気づき 60% 55.5% 100% 7.5% 35.7% 100% 38% 44.1% 75% 気づき連鎖 - 30% 50% 0% 17.6% 54.5% 12.8% 14.7% 43.8% 10/26量子化 11/14~ウミ 11/29遺伝 12/13地学巡 12/19遺伝子 1/31流体力 学 ホタル カウンセリング 検 解析 学 気づき 56.4% 60% 92.9% 58.3% 100% 66.6% 気づき連鎖 28.3% 20% 28.6% 25% 20% 33.3% ・ ロールプレイを行っている遺伝カウンセリング講座は、昨年も 75 %と高かったが、さらに「気づき」が高くなっ た。ロールプレイは「くまにしプラットフォーム」でも導入したが、物事を一方向からしか見られない傾向が強い 高校生に、新たな「気づき」をもたらす大変有効な方法である。 ・ 上記のような取り組み(北浦魚類実習「実習を通して生態系のしくみを考える」型「カイコから学ぶ 生物学」型「遺伝子解析講座」型)をした講座は、 「気づき」の割合が高い。 ・ 9/24 東大地震研・理化学研究所、12/13 地学巡検は、昨年の同様な企画と比べると10~15%「気づき」のあっ た生徒が減っている。これは他の調査に現れている今年の1年生の傾向と相関がある。 ・ 「iPad を使った数学」は感想を読むと、 「楽しかった」などの感想が多いが、 「気づき」昨年より10%程度下がっ ている。入学時で「数学が嫌い」と答えた生徒が、1年生には多い現状を反映している。 ・ 「カイコから学ぶ生物学」 「秩父演習林実習」に参加した普通科の1年生が、受講した講座の分野の課題研究を始 めた。 ・ 「カイコから学ぶ生物学」を受講した1年生が、受講した内容を使って、くまにしプラットフォームの統計課題研 究を行った。 ・ 昨年度の初期展開プログラムに参加した2年生が、受講した分野の課題研究を行っている。 「秩父演習林実習」→カワムシ調査、河辺林調査 「くまにしプラットフォーム ニワトリ初期胚」→ニワトリ初期胚を用いた課題研究 「カイコから学ぶ生物学」→カイコ発生の研究 「地学巡検」→植物化石の研究 「ウミホタルの発光」→ウミホタルとウミホタルガクレの研究 (6)次年度以降の課題 ・ 授業と連携した「カイコから学ぶ生物学」型や「遺伝子解析講座」型の取り組みは、TAの生徒にも他の生徒に とっても、大変効果的な取り組みだった。来年度もこのような高大連携講座と授業を学びあいで連携させる研究を 進めていきたい。 ・ 北浦魚類実習「実習を通して生態系のしくみを考える」では、学年をこえた学びあいを試みた。夜の活発な議論 の様子を見ると、同学年より学びあいの効果が高そうに感じる。ただ、外来種を駆除した後の未知の食物網がテー マだったので議論が白熱したとも考えられる。来年度の課題としたい。 ・ 「気づき」が「気づきの連鎖」へとなかなか発展していかない。これは、 「論理的に物事を積み上げる」 「問題を分 解して考える」ことが習慣化していないためと考えられる。その対策が課題である。 ・ 生き物を扱う場合、黙祷から始まり黙祷で終える指導をした。 「実習を通してホ乳類の体の仕組みを学ぶ」の他に も、 「カイコから学ぶ生物学」 「遺伝カウンセリング講座」など、生徒に生命を考えさせる講座を設けている。これ らの講座は、生命に向き合い生命を考える貴重な体験の場となっているので、今後も講座の意味をしっかり押さえ て展開していきたい。 ・ 「カイコから学ぶ生物学」は、生徒が興味を持ち課題研究に持っていきやすいような内容を考えていただき実施 した。生徒も興味深かったようだ。 -19- Ⅱ.学校設定科目 1.学校設定科目「SS 数学Ⅰ」 ○仮説:少人数クラスは学習効果を上げられる。 (1) 単位数 7単位 (2) 対 象 平成27年度入学生 理数科 第1学年 (3) 目 標 数学の基礎力の向上、自発的な学習態度の育成 (4) 既存の教科・科目との関連 「SS数学Ⅰ」(7単位)の内、さらに発展させた内容を盛り込む。 (5) 実施内容 クラスを習熟度別にクラス編成を行い2展開で実施した。成績上位のクラスは教科書の内容を 簡潔に済ませ、応用問題を多く取り組めるようにした。また、成績下位のグループは教科書を丁 寧に説明し、基本的な応用問題に取り組めるようにした。長期休業中は授業で扱えなかった重要 問題を課した。 (6) 指導計画 1学期: 「数学Ⅰ」 1 章 1 節 数と式 1 節 式の計算、2 節 実数、3 節 1 次方程式 2 章 集合と論証 1 節 集合、2 節 命題と論証 3 章 2 次関数 1 節 関数とグラフ、2 節 2 次方程式・2 次不等式 「数学 A」 1 章 場合の数と確率 0 節 集合、1 節 場合の数 2学期: 「数学Ⅰ」 4 章 図形と計量 1 節 鋭角の三角比、2 節 三角比の拡張、3 節 三角形への応用 5 章 データの分析 1 節 データの整理と分析、2 節 データの相関 「数学 A」 1 章 場合の数と確率 2 節 確率とその基本性質、3 節 いろいろな確率 2 章 整数の性質 1 節 約数と倍数、2 節 ユークリッドの互除法と不定方程式 3 節 整数の性質の活用 3 章 図形の性質 1 節 三角形の性質、2 節 円の性質、3 節 作図 「数学Ⅱ」 1 章 方程式・式と証明 3学期: 「数学Ⅱ」 2 節 2 次方程式、3 節 高次方程式、4 節 式と証明 (7) 評価の観点 ア 数学の基礎的能力 ・これまで学習した事項が定着しているか ・定理や公式を深く理解し、それを応用することができたか イ 表現する能力 ・自らの考えを筋道立てて書き表すことができたか ・数学的な表現を習得できたか ウ 関心・意欲・態度 ・自発的に問題に取り組めるようになったか ・他の生徒の解法に学び、多角的に問題を捉えようとしたか ・問題の中から興味のある課題を発見し、自ら学ぶようになったか (8) 仮説の検証 習熟度別少人数指導は確かに効果が見られる。一部の生徒は一斉授業に比べ飛躍的に学力を高 めることができた。しかし、下位の生徒のなかには現状に甘んじて学力を高めようという意欲が 薄れている者もいる。 (9) 次年度以降の課題 習熟度別授業を継続するが、学力差がはっきりしてきている。そこで、学び合いや協調学習、 グループ学習などクラスメイト同士が協力し合い学力を高めていけるようにしたい。また、自ら いろいろな問題に興味を持ち、解決する学力を身に付けられるようにしたい。 2.学校設定科目「SS 数学Ⅱ」 ○仮説:共同学習・発展的教科横断的な内容の学習を授業に盛り込むことで意欲が向上する。 (1) 単位数 7単位 (2) 対 象 平成26年度入学生 理数科 第2学年 (3) 目 標 発展的教科横断的な内容を紹介することで、生徒が興味関心を持って学習に取り組む -20- ようになる。 (4) 既存の教科・科目との関連 主に物理・化学・生物の事象を数学的に考察するような内容の教材を紹介した。 (5) 実施内容 1学期: 「数学」Ⅱ 指数・対数 「数学 B」数列・ベクトル 2学期: 「数学Ⅱ」微分・積分 「数学Ⅲ」の数列・関数の極限 3学期:数学Ⅲの微分・積分 (6) 指導計画 クラス2展開でグループごとの協調学習を取り入れ、発表する機会を増やす。 基礎力の定着のため定期考査以外に 2 回考査を実施した。毎週 1 枚ずつ基本的問題とやや発展 的な内容を扱ったプリントを配付して学習させる。数学の授業の中で他教科(その時点で学習 している物理・化学などの話題)の問題を数学的に考察するプリントを作り配付した。 (7) 評価の観点 ア 数学の基礎的能力 ・基礎計算力が養われたか ・定理や公式を深く理解し、それを応用することができたか イ 表現する能力 ・自らの考えを筋道立てて書き表すことができたか ・数学的な表現を習得できたか ウ 関心・意欲・態度 ・自発的に問題に取り組めるようになったか ・他の生徒の解法に学び、多角的に問題を捉えようとしたか ・問題の中から興味のある課題を発見し、自ら学ぶようになったか (8) 仮説の検証 基礎的な計算力が向上し、数学的な表現に注意する態度が付いてきている。 数学や理科の事柄について興味を持って話題にする生徒が増えてきた。 (9) 次年度以降の課題 大学受験にも対応できる学力をつけさせることも含めて「定理を深く理解し応用する力」 「数 学的な表現力」「問題解決のための発想力」を向上させる。 3.学校設定科目「SS 数学探求」 ○仮説:共同学習・発展的な内容の学習・アウトプットを重視した授業は数学的能力及び意欲を向上 させる。 (1) 単位数 7 単位 (2) 対 象 平成 25 年度入学生 理数科 第 3 学年 (3) 目 標 数学の基礎力の向上、数学的な表現力の獲得、自発的な学習態度の育成 (4) 既存の教科・科目との関連 数学Ⅲの内容を含み、さらに発展的な内容を盛り込む。 (5) 実施内容 ア 教科書の内容の理解を定着させる。 イ これまでの学習内容と関連させ、多角的な説明を試みる。 ウ 学び合いを取り入れ、他の着眼点・発想で触発させ、批判的考察を通して厳密な数学的考 察の訓練を行う。答案作成の過程で数学的な処理に関わる言語能力を向上させる。授業で 発表させることにより数学的な表現力を身に付けさせる。 エ 発展的内容・教科横断的内容の話題を提供する。そして、個々の生徒が好奇心を持って数 学に取り組めるようにする。 (6) 指導計画 第1学期:教科書の内容理解を主とするが、問題演習は学び合い的活動を取り入れ、自由に 互いの考察を述べ合う機会を多くとり、自発的に問題に取り組めるようにする。 第2学期:これまで学習した内容を総復習させることにより、問題を多角的に捉えることが できるようにする。また、授業で発表させる機会を持たせ、数学的表現力を高め るとともに、他の生徒に学ぶことができるようにする。 第3学期:総まとめ (7) 評価の観点 ア 数学の基礎的能力 ・これまで学習した事項が定着しているか ・定理や公式を深く理解し、それを応用することができたか イ 表現する能力 ・自らの考えを筋道立てて書き表すことができたか ・数学的な表現を習得できたか -21- ウ 関心・意欲・態度 ・自発的に問題に取り組めるようになったか ・他の生徒の解法に学び、多角的に問題を捉えようとしたか ・問題の中から興味のある課題を発見し、自ら学ぶようになったか (8) 仮説の検証 大学入試問題の解法の道筋を発表し、別なアイデアを提案したり、教師が評価したりして、数 学的な考え方を発展的に伸張させられた。特に数学Ⅲの内容は数学学習の新局面として興味を新 たにできたようであり、希望進路にも影響を与えた。 (9) 次年度以降の課題 抽象度を増してくる内容に戸惑う生徒もいた。対応に注意を要する。 4.学校設定科目「SS 化学Ⅰ」 ○仮説1:物質の探究で「混合物の分離実験」 、物質の変化では酸と塩基で「中和滴定実験」、酸化還元 で「酸化剤と還元剤の効果を確認する実験」を通じて化学の基本操作方法及び各実験の原理 が理解ができるようになる。 ○仮説2:生徒が積極的に授業に取り組む、つまり自主的に考え能動的に行動する学びを目指す。生徒 は興味関心が高まれば好きになり、問題や実験に積極的に取り組み、成績が上がっていくこ とを楽しいと感じてくれる。そのため、年間における前半の理論化学の授業を通して、興味 を引く理科の話題や演示実験とともに、生徒たちが自分の意見を素直に言える、聞ける雰囲 気作りに重点を置く。それは生徒が自分の疑問や意見を真剣に聞いてもらえるという安心感 を持つことが、純粋な興味関心による思考を引き起こすからである。授業では化学現象の説 明や問題演習において生徒全員に対して発問を行い、生徒全員に声を出して答えてもらう。 その雰囲気や声の大きさから理解度を確認しながら、声を出すことに対する抵抗感を減らし ていく。また難易度の高い問題などでは解答後、生徒どうしで話し合う時間を取ることで議 論に慣れていく。その際、机間巡視から生徒の勘違いを見つけ紹介することで生徒は自分の こととして捉え定着が高まる。実験においても内容理解だけでなく、実験における課題を発 見させ、その課題を解決する再実験を各班が企画し互いに発表する。課題に気づき、改善策 を検討し、実験に反映させるなかで、自分の意見を主張するとともに相手の意見を聞く、互 いに議論する下地を整えていく(SS課題研究Ⅰにて化学分野として“発光の化学”を実施)。 上記の準備から3学期では、日常生活に用いられる電池や身のまわりの物質(無機化学の非 金属元素)についてアクティブラーニングを実施する。生徒は与えられた課題を各自や各班 で考え、議論し解答していく。その過程において、生徒が質問し教員が答える形式となり、 自主的協同的な学びと能動的な取り組みを促進する。各自が学習した内容を基に自分の頭で 考えて導いた結論や様々な資料から内容を読み取り可能性を模索した結果をレポートにまと めて提出する。さらに電池については各班が工夫を凝らした電池を作成する探究実験を行い、 コンテスト形式の発表を行う。生徒自身が切磋琢磨するなかで学び合う楽しさを見出しても らえると考える。 (1)単位数 4単位 (2)対 象 平成27年度入学生 理数科 第1学年 (3)目 標 「化学基礎」の内容を軸に、基本的なカリキュラムを習得させて、まず潜在能力を見い だす初期展開を実施する。それを踏まえ、レベルの高い探究実験を取り入れ、プレゼンテーショ ンなどを実施させ、高度な専門的能力を育むことを目的とする。 (4)本校でこの科目を設定する理由 スーパーサイエンスハイスクールの指定校として、レベルの高い実験・実習等の体験活動を通 して科学的思考により探究する楽しさを経験させる。それによって潜在能力を開花させたい。 (5)実施内容 実教出版「化学基礎」、第一学習社「スクエア最新化学図説」を主たる教材とし、基本的な化 学の理解を深め、化学の役割について学ぶ。それをふまえ、やや発展的な探究実験を体験させる。 (6)指導計画 4月 生活の中の化学とその役割、化学実験の基礎、物質の種類と性質 5月 物質の探究、構成粒子(原子、イオン、分子)の違い 6月 イオン結合とイオン結晶、共有結合と分子結晶・共有結晶(基本的な高分子化合物を含む)、 金属結合と金属結晶 7月 物質量(原子量、分子量、式量、物質量の計算)、有効数字 9月 濃度(質量パーセント濃度、モル濃度)、化学反応式(量的関係を含む) 10月 酸と塩基(酸性と塩基性、酸・塩基の定義、水のイオン積、電離度、pH) 11月 中和反応(中和反応の量的関係、塩の水溶液の性質、中和滴定と滴定曲線) 12月 酸化と還元(電子の授受、酸化と還元の定義)、酸化剤・還元剤 1月 酸化還元反応(量的関係を含む) 2月 酸化還元反応の起こりやすさ(金属のイオン化傾向と反応性)、身の回りの酸化還元反応 -22- (電池)、身のまわりの物質(無機化学における非金属元素) (7)評価の観点 ア 関心・意欲・態度 ・仮説に対し、事前に調査し、実験操作に積極的に取り組んだか。 ・実験操作ごとに、観察が記録できているか。 ・実験結果をふまえて、考察ができているか。 イ 思考・判断 ・実験の目的や原理の理解ができていたか。 ・実験操作上の注意を把握できていたか。 ・他人の意見等をふまえることができたか。 ウ 技能・表現 ・自分の考えを他人に伝えられたか。 ・ポスターにおいて、項目の配置や色等見る人の立場に立って工夫されているか。 ・声の大きさ、話し方等、聞く人を引きつける工夫がされているか。 エ 知識・理解 ・「化学基礎」の教科書に準じた授業内容を理解できたか。 (8)仮説の検証 ○仮説1:混合物の分離、中和滴定、酸化還 元などの実験において、基本操作及び論理 的な思考を育成できたかを、レポートの提 出をもって確認した。 ○仮説2:3学期におけるアクティブラーニ ング(AL)の効果を考える。授業前半は 課題に対する生徒どうしの協働的な学習 であり、後半は前半の机間巡視中にあった 生徒の勘違いの訂正や特に重要な学習内 容あるいは発展について触れた。前半は生 徒どうしの活発な意見交換が見られ、アン ケート結果からも各自が意見を発言し、積 極的に学習しようとする傾向が見られる。 自由回答欄にはアクティブラーニングの 方が周りと意見を言い合いやすいので、楽 しいし理解しやすかったという記入や、自 分で課題について考えた後に先生の話を 聞くことで理解が深まったなどの記入が あった。しかし、授業に対する集中力では 普通授業の方がわずかに上回った。また多 数(25回以上)行った演示実験が多くの 生徒の興味を引いたこと、電池コンテスト などの実験が考えるきっかけとなり理解 が深まった、他にも自分が躓いたところを いつでも質問できる雰囲気がいいなどの 意見が複数あった。 (9)次年度以降の課題 生徒は授業冒頭の化学の小話や演示実 験を楽しみ、授業中生じた疑問をすぐ聞い てくる雰囲気から、積極的に学習している 手ごたえを感じる。その延長線上にアクテ ィブラーニングを設定し、協働的な学習は 促進された。しかし、アンケート結果にも あるが一部の生徒はアクティブラーニン グに消極的であった。生徒の中には交流が 苦手な生徒もおり、個人の特性に合わせき れなかったことが原因と考える。来年度は 課題内容の提示順や班編成などさらに踏 み込んで生徒個人に対応した授業を目指 す必要がある。 5.学校設定科目「SS 化学Ⅱ」 ○仮説:「SS化学Ⅰ」において酸化還元分野において還元剤に着目し、還元力を用いて金属イオンを -23- (1) (2) (3) (4) (5) 金属にする実験(銀鏡反応、銅鏡反応、金鏡反応)を行った。その実験結果をふまえ、今まで あまり知られていないプラチナ鏡、パラジウム鏡は操作温度、還元剤の種類の違い等について 化学反応とどのような関係があるかを追求する。 単位数 4単位 対 象 平成25年度入学生 理数科 第3学年 目 標 新学習指導要領実施科目「化学」は,「化学基礎」との関連を図りながら,更に進ん だ化学的方法で自然の事物・現象に関する問題を取り扱い,観察,実験などを通して,化学的 に探究する能力と態度を身に付けさせるとともに,化学の基本的な概念や原理・法則の理解を 深めさせ,科学的な自然観を育てる科目である。 その「化学」を軸に、基本的なカリキュラムを習得させて、まず潜在能力を見いだす初期展開 を実施する。それをふまえ、レベルの高い探究実験を取り入れ、プレゼンテーションなどを実施 させ、高度な専門的能力を育むことを目的とする。 既存の教科・科目との関連と実施内容「化学」(4単位)の内、27年次実施の4単位分を発 展させた科目として設定した。 実施内容 学 期 第 1 学 期 第 2 学 期 備 学習内容 第1章 物質の状態と平衡 1節 状態変化 2節 気体の性質 3節 固体の構造 第2章 物質の変化と平衡 1節 化学反応とエネルギー 2節 反応の速さとしくみ 3節 化学平衡 第3章 無機物質 1節 周期表 2節 非金属元素 3節 金属元素 4節 無機物質と人間生活 第4章 有機化合物 1節 有機化合物の特徴と分類 2節 脂肪族炭化水素 3節 酸素を含む脂肪族化合物 4節 構造式の決定 5節 芳香族化合物 6節 有機化合物と人間生活 学習のねらい・目標 考 学習活動の特記cal Eyes の利用 気体,液体,固体の性質を観察,実験などを通し 実験1・100℃より低 て探究し,物質の状態変化,状態間の平衡,溶解 い温度での水の沸騰 平衡および溶液の性質について理解させる。 化学反応における熱および光の発生や吸収は, 反応の前後における物質のもつ化学エネルギー の差から生じること理解する。 実験6・吸熱反応 実験7・溶解熱の測 定 非金属元素の単体と化合物の性質や反応を周期 実験13・二酸化硫 表と関連させ理解する。 黄の発生と性質 金属元素の単体と化合物の性質や反応について 探究6 塩素の性質 理解する。 と反応 有機化合物の性質や反応を観察,実験などを通 実験17・ヘキサンと して探究し,有機化合物の分類と特徴を理解する 1-ヘキセンの違い 。脂肪族炭化水素の性質や反応を構造と関連し 実験18・アルコール て理解する。酸素を含む脂肪族化合物の性質や の性質 反応について理解する。 実験19・ヨードホル ム反応 (6) 指導計画 「化学」は、 「(1) 物質の状態と平衡」,「(2) 物質の変化と平衡」 , 「(3) 無機物質の性質と利用」 , 「(4) 有機化合物の性質と利用」,「(5) 高分子化合物の性質と利用」の5つの項目から構成さ れている。4 月~7 月は、項目(1)と(2)の物質の性質や変化を物質の構造や結合,エネルギーな どと関連させて理解させ,化学の様々な分野への理解を質的に一段と深めることがねらいとし て展開する。9 月~1 月は、項目(3),(4)及び(5)を中心に,無機物質,有機化合物,高分子化 合物の特徴や性質を具体的な物質を通して理解させ,日常生活や社会に物質の性質がどのよう に生かされているかを理解させる。新学習指導要領では項目の(1)から(5)までのそれぞれの中 に,学習する内容について「日常生活や社会と関連付けて考察できるようにする」を加えて, 日常生活や社会との関連を重視している。また,大項目(3),(4)及び(5)では,それぞれの物質 が人間生活の中で利用されていることを理解させる。 (7) 評価の観点 ア 関心・意欲・態度 イ 読む・聞く能力 ウ 話す・書く能力 (8) 仮説の検証 金属イオンを金属にする実験(銀鏡反応、銅鏡反応、金鏡反応)においては還元剤(ブドウ糖、 ビタミンC) 、温度10℃以下の場合が比較的有効な手段であった。しかし、ブドウ糖、ビタミ ンCの両方ともできる金属はなかった。プラチナ、パラジウムについても、この還元剤のどち らかでできると考え、ビタミンCでプラチナ鏡が実現できた。 (9) 次年度以降の課題 パラジウム鏡の実現に向け、様々な還元剤、温度の条件を変えて実施する。また、ビタミンCで 実現できたプラチナ鏡においても別な還元剤や温度を変えて実施する。 -24- 6.学校設定科目「SS 物理Ⅰ」 ○仮説:実験を多く行うことで、生徒は物理に対する興味・関心を持ち、科学的思考力を育まれる。 (1)単位数 3単位 (2)対 象 平成26年度入学生 理数科 第2学年 (3)目 標 実験を中心に教科書の内容を網羅しつつ、課題を主体的に見出し、他者と協力し合いな がら解決していく姿勢を育成する。 (4)本校でこの科目を設定する理由 よりレベルの高い探究活動・実験に取り組ませ、科学的思考力を育成するため。 (5)実施内容 数研出版「物理基礎」、「リードα物理基礎+物理」を教材とし、基本的な物理に対する知識を高 める。さらに演示実験、観察・実験、動画鑑賞等を行う。 (6)指導計画 4月 速度、加速度 5月 落体の運動、力 6月 運動の法則、運動方程式 7月 圧力、浮力 9月 大きさのある物体にはたらく力、仕事、運動エネルギー 10月 位置エネルギー、力学的エネルギー 11月 波の伝わり方、波の重ね合わせ 12月 波の反射と屈折、波の干渉と回折 1月 音波、音波の性質 2月 ドップラー効果 (7)評価の観点 ア 関心・意欲・態度 教科書の例題、実験の際に積極的に取り組めているかどうか イ 思考・判断 実験の目的や原理の理解ができていたか。実験操作上の注意を把握できていたか。他人の 意見等をふまえることができたか。 ウ 技能・表現 実験の操作を的確に行えたか。自らの意見を主張することができたか。 エ 知識・理解 実験内容、教科書の内容を理解できているか。 (8)仮説の検証 実験形式と講義形式の授業でどちらが定着しているかの確認をアンケートで行った。微妙な違い ではあったが、実験形式の授業のほうが定着度が高いということがわかった。 (9)次年度以降の課題 実験回数を増やし、生徒自身が考え、発表する機会も多く設けたい。 7.学校設定科目「SS 物理Ⅱ」 ○仮説: 講義形式の授業よりも演示実験でもよいので実験を増やしたほうが生徒の興味関心を惹く。 (1)単位数 4単位 (2)対 象 平成25年度入学生 理数科 第3学年 (3)目 標 受験だけでなく大学に入ってからも通用する物理の知識を身につける。 (4)本校でこの科目を設定する理由 理数科が設置されており、2年次では少人数授業などで物理への関心を深める教育課程としてい るため。 (5)実施方法・内容 受験指導だけでなく、演示実験等も積極的に取り入れ、机上の学習だけにならないように努める。 (6)指導計画 学期 学習内容 1 学 電気分野 期 2 学 熱分野・原子分野 期 月 4 5 6 7 9 10 11 12 学習のねらい・目標 物理の二大テーマである電磁気学に関して、理解を深める。机上 の学習だけにならないように努める。 新課程によって新しく導入された原子の分野は大学に入ってか ら非常に大事になる分野であるので、活きた知識を身につけさせ るためにも、しっかり時間を割いて行う。 -25- 3 学 センター演習 期 1 受験対策を重点的に行う。 2 3 (7)評価の観点 ア 関心・意欲・態度 イ 思考・判断 ウ 技能・表現 エ 知識・理解 (8)仮説の検証 実験を取り入れることによって、物理の授業に対する意識の変化をアンケートを行うことによっ て調査した。結果的に、4 月当初よりも授業に積極的に参加する姿勢へと意識が変化していたこ とが見て取れた。 (9)次年度以降の課題 まだまだ授業進度との関わりで、問題演習などの机上の学習が主になってしまうので、思考をこ らして生徒が自ら学ぼうとするような授業形態にすることが肝要である。 8.学校設定科目「SS 生物Ⅰ」 ○仮説:「学びあい」を中心としたアクティブラーニングで、授業を展開することにより、主体的・協 働的に学習する態度が育成できる。 (1)単位数 4単位 (2)対 象 平成26年度入学生 理数科 第2学年 (3)目 標 生物や生物現象についての観察、実験などを行い、自然に対する関心や探究心を高め、 生物学的に探究する能力と態度を育てるとともに、生物学の基本的な概念や原理・法則の系統的 な理解を深め、科学的な自然観を育成する。また、学習法にあっても主体的、協働的に取り組む 態度を育成する。 (4)本校でこの科目を設定する理由 本科目は学習指導要領に定めるところの「理数生物」を代替する科目として設定している。本校 の生徒は、自らの能力に貪欲に磨きをかけ、少しでも高い目標に向かって精進するという意識が 低く、内向き志向である。そこで、生徒が主体的・協働的に学ぶ意識を高め、その方法を身につ けるために、教授法を大幅に見直すと共に、家庭学習での取り組みや、次年度に履修する SS 生 物Ⅱとの連続性を意識し、教育効果の改善を狙い科目を設定した。 (5)実施方法・内容 「学びあい」を中心としたアクティブラーニングを多く盛り込んだ。 ① 実験などをミニ課題研究として実施し、実験計画や背景などを班単位で「学びあい」で考えさ せ、ポスター発表した。メタ認知を高めるため、実験を実施してから、背景、仮説を考えポス ターを制作させることも試みた。これらの試みは、普通科文系「生物基礎」でも実施し、SS 生物Ⅰの成果を波及させた。 ② 高大連携講座に参加した生徒を、その分野での授業において「学びあい」の中心にして、高大 連携講座の成果を他の生徒に波及させとともに学びの深化を促した。また、連想ゲームで理解 の定着を図った。 ③ 実験の英文プロトコルを、英語が得意な生徒を援助者として、班ごとに学びあいながら訳させ た。その後、班に割り振られたプロトコルを発表し実験を行った。この実験を経験した2年生 が、くまにしプラットフォームで同じ実験を行った1年生チームをコーディネイトした。 (6)指導計画 教科書として生物基礎(東京書籍)を用いた。 学 期 1 学習内容 ・植生の多様性と分布 4 ・気候とバイオーム ・生態系とその保全 5 ・生物の多様性と共通性 ・生物活動とエネルギー 2 月 6,7 ・体内環境 9 ・体内環境の調節 10 ・体内環境の調節 ・遺伝情報の分配 11,12 学習のねらい・目標 アクティブラーニングを通して、主体的、協働的に学習するこ との意義を理解する。下記の学習活動によって、学習指導要領 「生物」または「理数生物」に定められた学習内容、そのねら いを達成する。 ・「人間にとってクマムシは必要か」というテーマを与え、 装置や生態系で学ぶべきことを班単位で学びあわせる。マ インドマップで理解の定着を図る。 ・体内環境の維持についてのミニ課題研究を行い、ポスター 発表させる。 ・パフォーマンス型実験(課題を与えその課題を解決する実 験方法などを考える)を行い、実験後ポスター発表させる (腎臓、血液など)。 ・高大連携講座を利用した「学びあい」を実施する。カイコ の生物学(信州大学)、遺伝子解析講座(東邦大学)、マウス の血糖値(埼玉大学) -26- 3 ・遺伝情報の分配 1 ・遺伝情報とタンパク質の 合成 2 ・免疫 3 ・パフォーマンス型実験で、生徒に自分たちの実験やポスタ ーを評価するルーブリック評価を班ごとに作り、他生徒に ルーブリック評価させ、生徒全体の理解を深める(コハク酸 脱水素酵素、メチルグリーンピロニン染色によるパフの実 験[実験結果から仮説や背景を考えさせ、メタ認知を高め る])。 ・英文プロトコルにより英語の必要性を実感させ、さらにく まにしプラットフォームとの連携を図る実験を行う(遺伝 子組換え実験) (7)評価の観点 ア 関心・意欲・態度 ・自ら進んで学習にとりくんでいるか。 ・他の生徒と協働的に学習に取り組んでいるか。 イ 思考・判断 ・生物学、あるいは科学的な思考ができるか。 ウ 技能・表現 ・生物学における観察・実験の手法を習得したか。 ・観察や実験、あるいは自らの思考を言語表現にできるか。 エ 知識・理解 ・生物学の基本的な概念や原理・法則の系統的な理解を深め、科学的な自然観が育成されたか。 (8)仮説の検証 検証は、学習の取り組み状況等について、生徒へアンケートを実施した。昨年4月を基準とし て2月時点での変化を答えさせた。肯定的な評価は、「自ら進んで学習に取り組めるようになっ たか」64.7%、「他の生徒と協働的に学習に取りくめるようになった」85.3%、「生物学、あるい は科学的な思考ができるようになった」79.4%、 「生物学における観察・実験の手法を習得できた」 79.4%、「観察や実験、あるいは自らの思考を言語表現にできるようになった」64.7%、「生物学 の基本的な概念や原理・法則の系統的な理解を深まり、自然を科学的に見ることができるように なった」64.7%であった。アクティブラーニングによる影響と考えられる。「自ら進んで・・・」 「観察や実験・・・」 「生物学の基本的・・・」が「他の生徒と協働的に・・・」より 20%ほど 低いのは、アクティブラーニングがPDCAサイクルに繋がっていないことが原因と考えられる。 (9)次年度以降の課題 ミニ課題研究など今年度取り組んだ内容の有効性が確認できた。アクティブラーニングをPD CAサイクルに繋げ、より高い学習効果を生む方法ために、実験の計画する時に「問題を要素に 分解して考える」、実験結果を考察する時に「物事を論理的に組み立てて考える」ことができる よう育成していきたい。パフォーマンス型実験で「生徒が自分たちを評価するルーブリック評価 をつくり他の生徒が評価する。それらの材料をもとに全体を教員がルーブリック評価をする」を 試みた。生徒に作らせた「学びのポートフォリオ」とともに、課題研究の評価方法として可能性 を感じる。 9.学校設定科目「SS 生物Ⅱ」 ○仮説:年間を通してグループ学習、振り返り学習をすることで、授業を展開、あるいは家庭学習の環境を 整え、主体的・協働的に学習する態度が育成できる。 (1)単位数 4単位 (2)対 象 平成23年度入学生 理数科 第3学年 (3)目 標 生物や生物現象についての観察、実験などを行い、自然に対する関心や探究心を高め、生物 学的に探究する能力と態度を育てるとともに、生物学の基本的な概念や原理・法則の系統的な理解を -27- 深め、科学的な自然観を育成する。また、学習法にあっても主体的、協働的に取り組む態度を育成す る。 (4)本校でこの科目を設定する理由 本科目は学習指導要領に定めるところの「理数生物」を代替する科目として設定している。本校の生 徒は、自らの能力に貪欲に磨きをかけ、少しでも高い目標に向かって精進するという意識が低く、内 向き志向である。そこで、生徒が主体的・協働的に学ぶ意識を高め、その方法を身につけるために、 教授法を大幅に見直すと共に、家庭学習での取り組みや、前年度に履修した SS 生物Ⅰとの連続性を意 識し、教育効果の改善を狙い科目を設定した。 (5)実施方法・内容 グループ学習、振り返り学習の手法を多く盛り込む。具体的には、授業時間における教員による講義 の時間は極力少なくし、授業時間全体の 2 割以下に抑え、その他の時間は級友と協働的に学ぶ時間と する。学習内容および進行にあっては、基本的に学習指導要領に定めるところの「生物」と同様であ る。 (6)指導計画 学期 学習内容 月 学習のねらい・目標 ・BS、KJ 法、発想法の ブレーンストーミング(BS) ・KJ法・KJ法による発想 4 学習 法・グループ学習・ビデオ学習とパラグラフライティング・ 1 5 ・生命現象と物質 振返り学習・小単元別確認テスト・教科書の実験などを実施 学 期 ・遺伝子の働き 6 する中、グループ学習および振り返り授業の意義や効果につ 7 いて理解する。主体的、協働的に学習することの意義を理解 9 する。 ・生殖と発生 2 それぞれの学習内容とそのねらいにあっては、学習指導要 10 学 領に定める「生物」または「理数生物」に同じ。 ・生物の環境応答 11 期 ・進化系統 12 ・生態と環境 1 3 大学受験に備え、1・2 学期で養った主体的に学ぶ方法・態度 学 ・大学受験を意識した 2 を活かし、演習に取り組む。 期 演習 3 (7)評価の観点 ア 関心・意欲・態度 ・自ら進んで学習に取り組んでいるか。 ・他の生徒と協働的に学習に取り組んでいるか。 イ 思考・判断 ・生物学、あるいは科学的な思考ができるか。 ウ 技能・表現 ・生物学における観察・実験の手法を習得したか。 ・観察や実験、あるいは自らの思考を言語表現にできるか。 エ 知識・理解 ・生物学の基本的な概念や原理・法則の系統的な理解を深め、科学的な自然観が育成されたか。 (8)仮説の検証 検証は、学習の取り組み状況等について、生徒 18 名(回答 16 名)へアンケートを実施した。 結果は以下のとおり。 導入部に行った3つの方法に関する検証。BS 法については 88%が理解、69%が積極的参加。 KJ 法に関しては 88%が理解、69%が積極参加。KJ 法を利用した発想法については 82%が理解、 50%が積極参加。最終目標であった、発想法の理解が 50%であったことがすべてを物語っている。 来年度はここの充実を図りたい。 次に授業全般に関する結果である。授業に積極参加が 75%。予習ができたもの 69%、復習が できたもの 57%。内容理解 57%。質問ができるようになった 38%。復習 57%と内容理解 57%の 改善が望まれるが、質問ができるようになった 38%の改善策を今後打ち出すつもりである。 センター試験の結果を見ると全国平均より5点高く、点数の分布も上位者が多く、成績下位者 が極端に少ない典型的なLAによる授業の得点パターンを示した。 (9)次年度以降の課題 AL形式の有効性なども確認できたので、LAによる授業法と振り返り学習をより強化するこ とを考えている。 少人数グループによるLAを最初に行い。次にコンピテンシーを利用した全体学習。その後、 少人数グループによるLAを行うことにより少人数グループの中にコンピテンシーの浸透を計る。 その後2クラス合同の全体学習などを行うことで、より進んだ形のコンピテンシーを共有できる のではないか。区切りごとに、アンケートをとりLAを活性化するためのエンジンにしたいと考 えている。これらを実現することが来年度の課題である。 ※概念図は次のとおり -28- ← 考査範囲の前半 → ← 考査範囲の後半 → グルー クラス全 グルー グルー プ 学 体学習 プ 学 プ 学 習 ( 代表 者 習 習 (4-6 数名) (4-6 (4-6 人)に 1時限 人)に 。BS 人)に 関 す 略 に() 関 す 法に 関 す る 検 関する る 検 つい る 検 証 。 検証。 証 。 確授 ては 証 。 確授 BS 法 認業 BS 法 BS 法 認 業 88 % BS 法 テア テア に つ につい に つ スン が理 に つ スン い て ト ケ て は い て トケ 解、 い て フィードバック フィードバック は ー ー 88%が は 69% は ト ト 88 % 理解、 88 % が※全体学習を年に2回くらい・2―3 積 88 % が 理 69% が が 理 クラスを合同実施。そのときに、クラ 極的 が 理 解 、 積極的 解 、 参スの組み合わせを変更する。 解 、 69% 参加。 69% 加。 69% 10.学校設定科目「SS 地学Ⅰ」 が 積 KJ 法 が 積 KJ が 積 ○仮説:地球及び宇宙について色々な諸現象を学ぶことによって地球環境の問題を自分なりに考察する 極 的 に関し 極 的 力をつけることが出来るのではないか。 法に 極 的 参加。 (1) 単位数 4単位 て は 参加。 関し 参加。 KJ 対 法 象 平成26年度入学生 理数科 第2学年 (2) 88% が KJ 法 ては KJ 法 (3) に 目 関 標 自分で地球のことを考え、自分の考えを発表できる力をつける。 理解、 に 関 88% に 関 (4) し 本校でこの科目を設定する理由 て 69% が し て が理 し て より高度な専門地学の内容を受講させ、自分で考え、発表し合える状況を作る。 は 実施内容 (5) 積極参 は 解、 は 88%1学期:地球内部の物理的・科学的な考察 加。KJ 88% 69% 88% が 理 地球の形が重力などからどう考察できるかを、考えさせる。 法を利 が 理 が積 が 理 発表の方法について、レクチャーをする。 解 、 用した 解 、 極 参 解 、 火山活動や鉱物の基礎知識を用いて、男女に分かれて、最近の火山活動について発表 69% 発想法 69% 加。 69% させ、ポスターなどを制作させる。 が 積 重力測定の実査圏を通じて、物理の法則などを理解させ。又、場所によって重力の値 につい が 積 KJ が 積 極 参 が変化していることに気づかせる。 て は 極 参 法を 極 参 地史の調べ方について説明し、実際の理数科臨海実習で体験させる。また、それにつ 加 。 82% が 加 。 利用 加 。 いて発表をさせる。 KJ 法 理解、 KJ 法 し た KJ 法 2学期:地球の歴史と大気起床に関するもの。 を 利 50% が を 利 地球誕生から現在までの話を誕生から先カンブリア時代までは教え、古生代・中生代・ 発想 を 利 用 し 新生代・人類史・大量絶滅に関しては、5人の生徒に各自調べさせて、模擬授業をさ 積極参 用 し 法に 用 し た 発 せる。 加。最 た 発 つい た 発 気象の基本的内容から、3ヶ月予報などについての説明をしていく。また、日本列島 想 法 終目標 想 法 ては 想 法 の気象現象について考える。 に つ であっ に つ 82% に つ 二酸化炭素の濃度変化と温度変化と天気との関係を毎時間測定させて、地球温暖化に い て ついてのデータを収集する。これを3学期の地球環境の授業に応用していく。 た、発 い て が理 い て は 3学期:天文と地球環境 想法の は 解、 は 82% ケプラーの法則や太陽系の天体関係について理解を進めるために実習等に取り組む。 理解が 82% 50% 82% 太陽について考え、実際に太陽黒点を観察し、昨年とどう変わったかを考えさせる。 が 理 50% で が 理 が 積 が 理 又、実習として、太陽の寿命や星までの距離・絶対等級の求め方などを考察させる。 解 、 あった 解 、 極参 解 、 宇宙誕生から現在までの変化を考察させ、銀河についての理解を深める。 50%指導計画 (6) ことが 50% 加。 50% が 啓林館の地学基礎の教科書に従い、更に深い内容を準備していく。 積 すべて が 積 最終 が 積 極 1学期:固体地球とその変動 参 を物語 極 参 目標 極 参 地球詩の読み方 加。最 ってい 加。 最 で あ 加。最 理数科臨海実習における現地調査 終 目 る。来 終 目 っ 2学期:地球と生命の進化 終 目 標 で 大気と海洋 年度は 標 で た、 標 で あ っ ここの あ っ 発想 あ っ た、発 充実を た、発 法の た、発 想 法 図りた 想 法 理解 想 法 の 理 -29い。 の 理 が の 理 考 査 地球史のⅠ部を各自に講義形式で発表させる。 3学期:宇宙の構成 自然との共生 熊谷西高校での気温・天気と二酸化炭素の量的変化の関係 (7) 評価の観点 自分の意見をしっかり発表できて、周りの人に納得させられるか 基本的な知識を習得できたかどうか。 実習の中で自分の考えや意見が持てたか。 (8) 仮説の検証 地球環境の変化や諸災害への理会を深め防災について考える力をつける。 自分で授業をすることによって発表する力をつける。 災害棟の発表では、なかなかテレビ番組の手法を取り入れたりしてよい発表が出来たと考える。 又、自分で授業をしたときに、也哉子のみに偏ってしまう所に気がついた所は成果であったと考 える。 (9) 次年度以降の課題 より実験・実習・発表などの機会を増やして、自分で学習して、相手に伝える力をつけさせたい。 11.学校設定科目「SS 英語Ⅰ」 ○仮説:英語で自己を文章表現し、意志疎通が可能になるよう、基礎的な英語力を育成すれば、自分の 考えや、発想を英語で表現する姿勢がつくのではないか。 (1)単位数 4 単位 (2)対 象 平成 27 年度入学生 理数科 第 1 学年 (3)目 標 4技能(読む、書く、聴く、話す)の基本技能の基礎を育成する。 (4)本校でこの科目を設定する理由 工業立国である日本の高校生、特に、理数科に席を置く高校生が、将来国際的な舞台に立つ時 に、最低必要限度の英語で自己を文章表現し、意志疎通が可能になるよう、基礎的な英語力を養 うことを目標とする。 (5)実施内容 基礎基本となる英語の文法力の強化を図り、読解力を深める。 また、 リスニング教材を活用し、 英語を聴く能力の向上を図る。また、ALTの活用により、言語運用能力の向上を目指す。特に 理科系に出てくる単語の指導に留意する。 (6)指導計画 学期 第 1 学 期 第 2 学 期 第 3 学 期 月 学習内容 4 Samurai and English 5 Christian the lion 6 How Asians and Westerners think differently 7 Show and Tell(team-teaching ) 9 Twice bombed, Twice survived 10 Bobsy 11 Maria and the stars of Nazca 12 Recommend your favorite places (team-teaching ) 1 The boy who harnessed the wind 2 Playing the enemy 3 Introduce an aspect of Japanese culture you are interested in (team –teaching ) 留意点 福沢諭吉の話から外国語の習得の仕方、西洋 と東洋では、文化の違いが考え方に影響する ことなどを考えさせる。 ティームティーチングでは、校内のスピーチ コンテストの参加者を選ぶため、各クラスで スピーチの練習をさせる。 ひとり1分のスピーチを目標とする。 広島の原爆投下から科学・平和について考え させる。またナスカの地上絵を解明した学者 の伝記から地上に存在した不思議な文化など について学習する。 ティームティーチングでは、ALTに日本の 好きな観光地を紹介する。 グループ発表として、ひとり1分のスピーチ とする。 アフリカで風力発電を作った少年の話からエ ネルギーについて考えさせる。 ティームティーチングでは、ALTに 自分が関心のある日本の文化を紹介する。グ ループ発表として、ひとり1分のスピーチと する。 (7)評価の観点 ア 関心・意欲・態度 ・自然科学分野に関わる英文を、興味・関心を持って読むことができる。 ・読んだ英文の概要や要点を整理し、自分自身の考えや感想を述べることができる。 イ 読む・聞く能力 -30- ・自然科学分野に関す一般常識をもとに、英文の概要を理解することができる。 ・文字情報と視覚情報を照合しながら、英文の概要を理解することができる。 ・他者の発表を、要点を捉えながら聞き、発表の概要を理解することができる。 ウ 話す・書く能力 ・読みとった要点を、フォーマットにしたがって発表形式の英文に転換できる。 ・読み取った概要や要点を平易な表現を用いて適切に発表できる。 ・発表を効果的に行うために、必要な表現を適切に用いて文章を構成することができる。 (8)仮説の検証 ○仮説1:英語で自己を文章表現し、意志疎通が可能になるよう、基礎的な英語力を育成する。 ア 基礎基本的な文法事項が理解できていないので、適切な文章表現ができない。まずは基礎的 な英文法力を構築する必要性を痛感している。 イ 意志疎通に必要な基礎的な語彙力・文章表現・会話力が不足し、英語での意志疎通の の到達レベルまでには時間がかかりそうである。 (9)次年度以降の課題 ア 基礎的英語文法能力、読解力の向上。 イ 英語の語彙力、文章表現の習得、会話力、リスニング力の更なる向上を目指す。 12.学校設定科目「SS 英語Ⅱ」 ○仮説:英語で自分の考えを正確に表す力の基礎となる、基本的な文法、語彙、構文等を総合的に習得 させるためには日本語短文を、適切な英語表現に置き換える練習をすることを通して前記の点 に習熟させることが有効である。 (1)単位数 2単位 (2)対 象 平成26年度入学生 理数科 第2学年 (3)目 標 4技能のうち、主として書く能力の基礎を育成し、あわせて基本的な文法、語彙、構文 等を習得させる。 (4)既存の教科・科目との関連 普通科で2学年において履修される英語表現Ⅱ(2単位)と基本的には同一の内容を指導する。 (5)指導計画 1学期 主語の決定 見えない主語の決定 主語の it 主語になる名詞句 形式主語 無生物主語 自動詞と他動詞 間違えやすい自動詞と他動詞 群動詞 五文型 使役動詞 知覚動詞 2学期 直接話法と間接話法 動詞の決定(日本語の時制との対応を中心に) 能動態と受動態 仮定法 助動詞 修飾の形式 3学期 関係代名詞 関係副詞 副詞句と副詞節 比較表現 ※各学期において、特定のテーマに関して英文で自分の考え等を表現する学習を取り入れていく。 (6)評価の観点 正確な知識の習得 自己表現への意欲 自己表現における柔軟な思考 (7)仮説の検証 中学校での英語学習において、会話中心の授業が主流となっていることがおそらくは原因で、 多くの生徒が基本的な文法知識や語彙の習得ができていない現状がある。中学校段階で、基本 的な事柄を具体的な説明、練習、要点の暗記といった学習を通して体系的に、しっかりと身に 付けていないため、前年度1年間を使って高校での英語学習の前提となる基本的な文法、語彙、 語法等を授業で扱っていたが、学習量からして全く不十分なものであった。そのため、前述の ように当該科目の中で前年度とは異なるアプローチを通して、さらなる学習を目指したところ である。現状では、課題の取り組み状況や、定期考査等の内容を見ると、知識の習得という点 では多少はすすんだ印象である。実際には成績不振者の個別指導において和文英訳の演習は確 かに有効で、その活動を通してさまざまな理解が進んでいくと実感した。言うまでもなく、他 の生徒においても同様である。また、学期ごとの定期考査において毎回自由英作文の問題を出 題しているが、それへの取り組みの中で、あるテーマについて自分の考えや発想を英語で表現 しようとする姿勢がほんの少しであるが、育ち始めている様子がうかがえる。 (8)次年度以降の課題 将来、国際的なレベルでの科学および科学技術の進歩を理解し、また外国の研究者と意思疎通 を目指すために、基礎的な英語力の養成は不可欠である。中でも、正確な発表力は育成に時間が かかると考えられる。そのための基礎力を身につけさることは絶対に必要な要件である。前述の ように、中学校段階での学習内容の片寄により、その条件を十分に満たしている生徒は案外少な い。ともすれば、内容把握に重点がかかることの多い高校での英語の授業であるが、今後は基本 事項の定着や自己表現の可能性を高める、という観点から書くという活動を授業にさらに取り入 れていくことを考えていくべきである。 また、外国語の学習は実際に活用できる能力の育成を目指す場合、その学習・訓練に多大な時間 -31- と労力を要する。理数科の生徒にとって本分である理科・数学の学びにおいても無論、同様なこ とが言える。そのような厳しい学習に耐えて成果を出すためには、学習することに対する動機づ けがきわめて重要である。それゆえに、今後の本当の課題は、そのようなことを踏まえた上で、 どのようにして生徒に現実感に裏打ちされた動機づけをしていくか、であると考える。 13.学校設定科目「SS 英語Ⅲ」 ○仮説:生徒の自主的な「学び」の確立、英語でのクリティカル・シンキング能力の育成、サイエンス プレゼンテーションの方法を身につける。これによりグローバル世界で活躍できる能力の一端 が育成される。 (1)単位数 2単位 (2)対 象 平成25年度入学生 理数科 第3学年 (3)目 標 ①グループ、個別などさまざまな形態の中で生徒の自主的な「学び」を確立する。 ②英語を基礎言語として、クリティカル・シンキング(Critical thinking)の能力を養う。 ③サイエンス・テクノロジーの内容を英語でプレゼンテーションする方法を学ぶ。 (4)本校でこの科目を設定する理由 グローバル世界にあって、科学・技術の進歩を理解し共有していくためには、外国語(英語) の習得が欠かせない。情報をいかに早く的確に受容し、分析と調査に基づいて自分たちの意見、 考えを世界に発信していくことができるかが問われる。そのための語学習得を目的とし、教科書 には載っていない科学分野の題材を扱う必要がある。 「English Expression II」(2単位)に替えて「SS 英語 III」(2単位)を設定した。 (5)実施方法・内容 英語学習としての位置づけから、基本的語彙、文法、読解力の育成を重視した。 ・基本的学国語の運用能力(4技能)の育成 ・科学・技術に関する論文の購読、理解 ・科学・技術に関する英語の論文、エッセイの作成 (6)指導計画 学期 1 学 期 学習内容 ・ロボットの有用性 ・英語を学ぶ意義 月 ・都会と田舎について 5 ・食文化について 6 7 9 ・文型の理解 10 ・動詞の決め方 11 ・時制の確認 12 ・黄砂問題について 2 学 期 3 学 期 4 ・日本語と英語の表現 の違い ・プレゼンテーション の技術 ・プレゼンテーション の技術 1 2 3 学習のねらい・目標 パラグラフを書く パラグラフを書く 比較、対照、相違点を述べる練習 原因→結果、結果→原因の書き方 要点を上手にまとめる 要点を上手にまとめる 論文、プレゼンテーションの原稿を書く上での文型の理解 論文の購読 論文、プレゼンテーションの原稿を書く上での動詞の理解 論文の購読 論文、プレゼンテーションの原稿を書く上での時制の理解 論文の購読 論文、プレゼンテーションの原稿を書く上での日本語と英 語の表現方法についての理解、実践 サイエンス・テクノロジー(課題研究)に関する英語のプ レゼンテーション サイエンス・テクノロジー(課題研究)に関する英語のプ レゼンテーション (7)評価の観点 ア 関心・意欲・態度 イ 思考・判断 ウ 技能・表現 (8)仮説の検証 英語でのクリティカル・シンキング能力の育成、サイエンスプレゼンテーションの方法はほぼ 身についてきていると思われる。昨年から引き続き SS 英語を学習していることで、生徒が英語 での思考や発表に慣れてきたこと、自信を持って英語の発表ができるようになってきたことが指 導者として実感できる。グローバル世界で活躍できる能力の一端の育成のための土台となる、意 欲、経験、知識が身についてきている。 (9)次年度以降の課題 クリティカルシンキングはだいぶ育成されたようでるが、さらにこれを発表できる段階になる (サイエンスプレゼンテーション)とさらなる英語力向上が期待できる。外国の特別講師などを 招へいし、プレゼンテーションの講義やプレゼンテーションのテクニックに磨きをかけるような -32- 指導もしていただけるよう、他機関との連携も考えていきたい。また、グローバル世界で活躍で きる能力のさらなる育成に向けた教材開発にも取り組む必要がある。 14.学校設定科目「SS 家庭基礎」 ○仮説: 「人の一生と家族・家庭及び福祉、衣食住、消費生活などに関する基礎的・基本的な知識と技 術を習得させ、家庭や地域の生活課題を主体的に解決するとともに、生活の充実向上を図る 能力と実践的な態度を育てる。」という『家庭基礎』の目標を踏まえ、特に衣食住に関してよ り科学的な観点を取り入れ、実験・実習を通じて検証していく。これらの実験・実習を通じ て、生徒の興味関心をより広く深くすることができると期待される。 (1) 単位数 2単位 (2) 対 象 平成26年度入学生 理数科 第2学年 (3) 目 標 学習指導要領の『家庭基礎』の目標を踏まえつつ、衣食住に関してより科学的な視点 を取り入れ、実験・実習を通じて検証していく。また、これらの実験・実習を通じて、生徒の 興味関心をより広く深くする。 (4) 本校でこの科目を設定する理由 「家庭基礎」 (2単位)より生活と科学が深く結びついていることに重点を置き指導するために 「SS家庭基礎」 (2単位)を設定した。 (5) 実施方法・内容 1学期:食品の加工法や調理原理などを科学的に裏付け、 実際に食品を調理・加工して検証する。 2学期:衣服の素材や衣服の管理などについて、実験・実習をつうじて科学的に検証する。 3学期:実際に加工した食品を用いて調理実習を行う。 (6) 指導計画 4 月:調理実習:だし巻き卵(砂糖の比較実験・熱凝固性) 6 月:発酵食品:ヨーグルト・味噌造り 協調学習: 「加熱を考える」 7 月:調理実習:マドレーヌ・カスタードプディング(調理原理) 9 月:ホームプロジェクト発表 調理実習:太巻き・浅漬け・さつま芋巾着 10 月:おむつの吸収実験・洗剤実験 11 月:被服実習:エコカイロ(繭から真綿をつくる) 12 月:住居実習:平面計画 1 月:調理実習:炊飯(丼物) ・味噌汁 「人の一生」をテーマにし、家庭経営や保育、高齢者など他の分野も組み込みながら、授業を 展開していく。 (7) 評価の観点 ア 関心・意欲・態度 人の一生と家族・家庭及び福祉、消費生活などについて関心をもち、 特に衣食住に関してより科学的な観点と結びつけて関心をもち、そ の充実向上を目指して主体的に取り組むとともに、実践的な態度を 身につけている。 イ 思考・判断・表現 人の一生と家族・家庭及び福祉、衣食住、消費生活などについて課 題を見いだし、その解決を目指して思考を深め、適切に判断し、工 夫し創造する能力を身につけている。 ウ 技能 人の一生と家族・家庭及び福祉、衣食住、消費生活などに関する基 礎的・基本的な技術を身に付けている。 エ 知識・理解 人の一生と家族・家庭及び福祉、衣食住、消費生活などに関する基 礎的・基本的な知識を身につけている。 (8) 仮説の検証 1 月に行ったアンケートの結果、 『生活と科学の関係に興味が持てたか』 『生活に科学的なこと が深く関わりあっていることが理解できたか』の質問に対し、ほとんどの生徒が肯定的に答え た。昨年と同様、授業(実験・実習も含む)に積極的に取り組む生徒が多いが、 「やや受け身」 と答えた生徒は 40 人中 6 名(15%:昨年 10%)で昨年より若干多くなった。 実験・実習の中では、調理実習が強く印象に残ったようである。また、 『今後の生活に活かせ そうなこと』にも調理が多かった。 今年度は夏休みの課題としたホームプロジェクトの内容が優秀なものが多く、ホームプロジ ェクトコンクールに数点出品できた。また、埼玉県高等学校家庭クラブ連盟主催の研究発表大 会において代表 1 名が発表を行った。年々、問題発見の着眼点やレポートの内容が向上してい る。 前年度できなかった協調学習が取り入れられたことにより、授業内容の充実が図られた。 (9) 次年度以降の課題 今年度は外部講師などを招いての特別授業はできなかったので、次年度は積極的に組み込ん でいきたい。 -33- また、 「家庭基礎」の内容をもとにしているので、家庭経営や保育・高齢者などの他の分野と の時間配分のバランスをとることが毎年の課題である。 15.学校設定科目「SS コンピュータリテラシー」 ○仮説 ソフトウェアの実習により、情報収集能力と発信能力が高まる (1) 単位数 1単位 (2) 対 象 平成27年度入学生 理数科 第1学年 (3) 目 標 収集した情報と、それに関連する情報技術を問題の発見と解決に効果的に活用するた めの科学的な考え方を習得させ、情報社会の発展に主体的に寄与する能力と態度を育てる。 (4) 既存の教科・科目との関連 「情報の科学」(2単位)の内、1年次実施の1単位分を発展させた科目として設定した。 (5) 実施内容 1学期 ・ネットワークの基礎 ・ネットワークの利用法 ・Webの仕組み ・Webの利用 ・文書作成基礎 ・文書作成応用 2学期 ・表計算基礎 ・表計算応用 ・3DCG ・プレゼンテーション基礎 ・プレゼンテーション応用 ・Webページ作成 3学期 ・動画編集 (6) 指導計画 1学期:Windows を操作し、ログインIDとパスワードの仕組みと役割、ファイルとフォルダ の共有について、インターネットの仕組みを学ぶ。Word2013 を操作し、文書作成の技 術を身につけ、レポート作成の能力を向上させる。 2学期:Excel を操作し、表計算ソフトウェアの基礎を学び、効果的に使用して、各自の研究成 果を効果的に表現する。Shade を操作し、3次元コンピュータグラフィックを作成す る技術を学び、表現力を高める。Powerpoint を操作し、各自の研究成果を発表する技 術を高める。Webページを作成し、情報発信を行う。 3学期:動画編集の基礎を学び、Webでも取り扱えるようにする。 (7) 評価の観点 ア 関心・意欲・態度:操作を覚えるだけでなく、仕組みや応用操作を追求する姿勢があるか。 知識や技術を用いて問題解決を図ろうとしたか。 イ 思考・判断:得られた結果をもとに、新たな問題解決を発見しようとしたか。 ウ 技能・表現:情報を収集、整理、加工、表現するための知識と技術を習得できたか。 エ 知識・理解:自己の作品について、使われている技術の詳細な解説ができたか。 (8) 仮説の検証 ○仮説: 「生徒が自ら情報を収集・発信できるようにする」というSSコンピュータリテラシーの 目的を踏まえ、 「ソフトウェアの実習により、情報収集能力と発信能力が高まる」とい う仮説を立てた。様々な情報をディジタルデータとして統合的に扱うことができ、質の 高いレポートを作成する力が身についた。 (9) 次年度以降の課題 入学時の、生徒の差を埋める効果的な方法を考えたい。型どおりの作品を作るのではなく、自由 な発想での作品作りを行いたい。そのための時間確保も課題である。相互に評価する機会を増や したい。 16.学校設定科目「SS 課題研究Ⅰ」「SS 課題研究Ⅱ」 ○仮説:様々な科学的探究や実験、試行をチームあるいは異学年、他校と合同で体験することによって、科学への興 味・関心が高まり、学び方やものの考え方を身につけ、問題の解決や探究活動に主体的、創造的、協働的に取 り組む態度が育まれる。 (1)単位数 「SS課題研究Ⅰ」1単位、 「SS課題研究Ⅱ」2単位 (2)対 象 「SS課題研究Ⅰ」理数科 第1学年 「SS課題研究Ⅱ」理数科 第 2学年 (3)目 標 「SS 課題研究Ⅰ」では、個人及びグループによるより深い課題研究を行う「SS 課題研究Ⅱ」に向け、 実験実習を通して、基盤的な探究心を養う。 「SS 課題研究Ⅱ」では「課題研究Ⅰ」での経験を土台に各自(各 班)の課題研究を深化させる。 「SS 課題研究Ⅰ」と「SS 課題研究Ⅱ」どちらも月曜7時限に設定されているの で、1年生、2年生をクロスオーバーさせる機会を設け、学年を越えた協働的に取り組む態度を育む。これら の活動で学び方やものの考え方を身につけ、課題発見力、課題探究力、課題解決力を養い、主体的、創造的、 協働的に物事に取り組む態度を育む。 (4)本校でこの科目を設定する理由 「SS課題研究Ⅰ」1年次の履修科目である化学以外の理科科目の興味関心を高めるため。 「SS課題研究Ⅱ」課題研究の深化と学年を越えて協働的に取り組む態度を育むため。 *「SS課題研究Ⅰ」は増単、 「SS課題研究Ⅱ」は増単1単位に「総合的な学習の時間」を加えて設定した。 (5)実施方法・内容 「SS課題研究Ⅰ」 ・ 【ユニット型の授業展開】 (3~4時間を1ユニットとし、これを物理、化学、地学で -34- ローテーションする) 。 「仮説→実験→考察」を複数回経験させることで、仮説の重要性 を理解させ定着させる。 ・ 【愚痴会】課外の課題研究で、学んだ手法や失敗を発表させ、学びあう機会をつくる。 「SS 課題研究Ⅱ」 ・各自(各班)の研究を行うことを主とするが、下級生に発表したり下級生の指導を行っ たりする機会を設けることで、2年生自身の課題研究の深化を図る。 (6)指導計画(実施状況) p.10参照 (7)実践例 化学分野 「目的」 9月7日(月)から理数科1年8組41名は、SS課題研究Ⅰにて"発光"(全5回)について学ぶ。 発光現象を理解するだけでなく、複数回の実験を通して論理的に考え、改善策を検討し、実験に反映させる力 を磨く。その中で、具体的な問題点を発見する力、問題を解決するための合理的な考え方とその工夫を形にす る実行力、仲間と議論するコミュニケーション力を養うことを目的とする。また、SS化学Ⅰにおける3学期 学習内容の電池、身の回りの物質(無機化学非金属元素)について、アクティブラーニングを実施するための 議論する関係づくりの側面も持つ。 「実施計画」 第1回は、発光のしくみ(炎色反応や蛍石の加熱による発光、化学励起によるルミノール反応、 ペリレンや硫化亜鉛の蛍光)について学び、硫黄と亜鉛の酸化還元反応についても講義を受けた。第2回では 硫化亜鉛を合成し、各班が異なる金属化合物を加えることで様々な発光現象を確認した。第3・4回では第2 回の実験結果から蛍光強度や蓄光性能を改善するため、生徒達が各班ごとに改善策を検討し、実験条件を変更 し再実験した。添加する金属イオンの量や種類を変更、混合する硫黄の割合など積極的な議論が交わされた。 実験結果から自分たちが何を考えて、実験条件をどう変更し、結果がどう変わったのか。自分たちの考えた軌 跡がわかるようにまとめ、第5回では各班が成果を発表した。 「検証と課題」 合成した蓄光剤の発光が非常にきれいであり、蓄光剤を合成する過程も赤熱するほどの発熱 反応であるため、生徒の興味を引いた。また授業で学んだ炎色反応のしくみを具体的に理解できたことで、生 徒にとって知識と現象が結びつき、知的好奇心を刺激した。時間のない中で休み時間や放課後を利用した生徒 の議論風景、実験中の様子、アンケート結果から、発光は非常に難しい内容であるにも関わらず、生徒一人一 人が一生懸命に取り組んでいた。試行錯誤を重ねることで問題解決力を高め、各班にて他者の意見を聞くこと、 自分の意見を主張することが行われ、協調性も養われていた。最初の講義で最低限必要な知識を与えたが、そ れ以降は生徒が自主的に学習し、自分で必要と思われる知識を積極的に吸収していた。生徒の課題を解決する 力や、コミュニケーション力は十分に伸びた。発光という具体的な現象における問題発見力も磨かれたが、つ ぎに必要とされるのは自分の興味関心や社会の要請に基づく問題そのものを見抜く能力である。 (8)評価の観点 ア 仮説をたてる重要性が理解できたか。 イ 課題発見力は向上できたか。 ウ 他人の意見に耳を傾けられるようになったか。 エ 自分の伝えたいことを端的に伝えられるようになったか。 (9)仮説の検証 ア 愚痴会や報告会を行うことにより情報の共有を促した結果、くまにしプラットフォームの課 題研究をやりながら、別の課題研究を始める1年生がでてきた。 イ 学期が進むにつれ、「仮説」という言葉に敏感に反応する生徒が増えた。 ウ 「TA指導シート」は、下級生の指導に役立つばかりでなく、自分自身の疑問に向き合うよ い機会となっている。 エ ホワイトボードによるポスター制作・発表を1回増やした結果、プレゼンテーション技術や 課題発見力が向上した。 オ 課題研究Ⅰでは、1年間の課題研究についてポートフォリオを作成させ、ルーブリックで評 価した。課題研究Ⅱでは、表現力や思考回路を整理させるために、パラグラフラィテングで 1年間の研究成果をまとめさせた。 (10)次年度以降の課題 ア 「TA指導シート」の効果を、SS 科目へ取り込む方法について模索し実施する。 イ 愚痴会の効果をもっと波及させるため、課題研究Ⅰ、Ⅱの授業内に学びあいで研究の手法を 検討する機会を設けたい。 ウ ポートフォリオをルーブリックで評価する方法は、課題研究の評価方法として今後も研究す る必要がある。 -35- Ⅲ.教員意識の変容 「SSH 活動において、教科・科目を超えた教員の連携を重視しましたか。 」という質問に関しては大変 重視・やや重視があわせて 41.2%から 58.6%へと明らかな向上がみられた。 「SSH に参加したことで、生徒 の科学技術に対する興味・関心・意欲は増したと思いますか」という質問に関しても、大変増したと感じ る教員が0%から 51.7%と激増し、やや増したと感じるものを合わせると 52.6%から 72.4%へと増加して いる。また、 「SSH によって、生徒学習全般や理科・数学に対する興味、姿勢、能力に向上があったと感 じますか」に関しては、理科実験への興味(大変向上 0%→41.4%,大変向上+やや向上 47.4%→65.5%)、 観測や観察への興味(大変向上 0%→41.4%,大変向上+やや向上 42.1%→65.5%) 、周囲と協力して取り組 み姿勢(大変向上 0%→27.6%,大変向上+やや向上 31.6%→65.5%)、成果を発表し伝える力(大変向上 0% →58.6%,大変向上+やや向上 36.8%→72.4%)などで劇的に教員は生徒の取組み向上を実感している。ま た、他の分野でも生徒の能力向上を教員は実感している結果となった。 「SSH の取り組みがその他に与える影響」についてのアンケートでは、たとえば「教員の指導力向上 (まったくその通り 5.3%→24.1%,まったくその通り+ややその通り 42.1%→55.1%) 」 、「学校外の機関と の連携関係を築き、連携による教育活動を進める上で有効だ(まったくその通り 15.8%→31.0%,まった くその通り+ややその通り 63.2%→68.9%)」などのよう、向上していると感じている教員が増えている。 また、その他多くの質問項目でも向上が見られた。 理科の教員の意識は向上しつつあるのでそれを維持しつつ、今後は数学科の取り組みを期待しながら、 多くの教科の垣根を越えた連携が必要である。他の教科でもアンケートの回答数が増えており、この目 標はそれほど遠くないところにあると思われる。 SSH の生徒研修を見学に来た東京都の教員と本校職員が交流し、影響を受けアクティブラーニング(AL) を自ら積極的に実践し始めた教員もいる。AL に関しては教員の研修会があり、学校全体で取り組み始め ている。AL を実践している本校の教員の授業を、他校の新人教員が見学に来たり、他校の AL の授業を 見学に本校教員が行くなど、学校間連携も始まっている。 Ⅳ.運営指導委員会の運営 運営指導委員会は、8~9名の教育関係者・学識経験者の運営指導委員で構成している。指定3年目 は、専門的見地からのアドバイスをより多く受けるため年3回開催したが、4年目は2回になった。 指導助言⇒実施計画へ反映 ○指定1年目の委員会から 地域への還元、科目の充実、教科への広がり、ユニット型を取り入れたSS課題研究Ⅰ ○指定2年目の委員会から 他校との連携による生徒育成、普通科の生徒の減少に関する分析、「仮説を立てる」ことを評価して いく ○指定3年目の委員会から ・「ドミノ」のように、興味・関心の連鎖反応が連続するとともに、学びを続けること、そして生徒 が考えることが重要である。 ・中高の連絡をとり、SSHの情報や進路情報を中学に説明する。また、地域の教育研究会を活用す ることが必要である。 ○指定4年目の委員会から ・様々な取り組みによって、生徒がどのように成長したのかがわかるような客観的データが必要であ る。取り組み事例を列挙するのはどうか。 ・初期展開、垂直展開、水平展開を意識したルーブリック評価をしておくことが、今後のために重要 である。 ○運営指導委員の先生方に直接、協力・支援をいただいた。 ・東京海洋大学(流体力学指導[初期展開]) ・東京理科大学(量子化学指導[初期展開]) ・国立科学博物館(情報検索指導[初期展開]) ・市内中学校代表(SSH事業広報[水平展開]) ○この他、SSH事業の評価方法や、事業内容の充実を図るために新たな運営指導委員や連携大学をア ドバイスしていただいた。 -36- Ⅴ.国際性を育てるための取り組み ○課題研究(絶滅動物)における英語発信力の構築 絶滅動物の研究を通して、先行研究を読み解く力、論理的思考力、文章作成、プレゼンテーション技 術について、英語による発信力の構築に努めた。校内 SSH 生徒研究発表会(11/16)で英語による発表 を行い、その成果を発表した。 11 月 16 日(月) 、昨年度に引き続き、課題研究(絶滅動物)の発表を英語で行った。昨年度は、1年生理 数科の希望者12名による発表だったが、今年度は1年生理数科の希望者6名による発表となった。ま た、2月5日(金)課題研究発表会においては、英語によるポスター発表を行った。 ○学校周辺の川を中心とした環境調査 Water & Environment and Human Activity について、学校周辺の川、川に住む生物、川を取り巻 く環境を調査し、情報を共有、持続可能な社会に向けて、何ができるか考えていく。本校では、年間を 通じて定期的に荒川上流および中流を調査し、他校に英語で発信、他校生徒たちとの意見交換、他校の 調査結果をもとにした意見交換も行っていく予定である。 ○その他、ニュージーランドとの国際交流、ブリティッシュヒルズ英語研修、校内英語スピーチコンテ スト、英語ディベート大会等、英語での発信力の構築に向けて、全校で取り組んでいる。 Ⅵ.自然科学部の取り組み ○目標 生徒の「内向き思考」を打破し、オープンイノベーション的な思考を育成するため、外部講師の招聘、 大学・研究機関の訪問・見学、他高校との連携、学校関連系でのティーチングリーダー・ティーチング アシスタント、フィールド調査、外部での発表など、校内での研究活動に留まらない自然科学部を目指 す。 ○校内での研究活動 校内の研究活動:数人の班に分かれ、各々の班でテーマを決定し研究活動を行った。 テーマ:色素増感太陽電池、導電性高分子、埼玉県内での植性調査とその比較(奥秩父、河畔:熊谷)、 荒川の水生昆虫と水質、昆虫の細胞培養、アライグマ研究、ウミホタル、ダンゴムシ、トウキョウサン ショウウオ、ムジナモ・タヌキモ等の水草類、植物調査(キタミソウ:江袋沼、樹木調査:釜伏山等) 放線菌等 ○外部での活動実績(外部連携、発表など) 河畔林(熊谷、荒川)の調査実習(外部講師招聘:1月)、昆虫の細胞培養(外部講師招聘:1月)、東 京大学秩父演習林生物実習(都立高校3校との合同実習) (8 月) 、科学展出展(地区展1作品:10 月)、 ジュニア生態学会(3月)他 ○外部との共同活動 チームアライグマ(近県 10 高校:川越女子・越谷・越谷北・坂戸西・所沢・所沢西・飯能・蕨・海城 学園海城・本校他)の活動。 楽しもうサイエンス!-小中学生科学体験教室(熊谷高校・熊谷女子高校との連携事業)に中心となっ て参加。 ※活動例1.放線菌 生徒は学校にて放線菌採集とコマツナとネギ培養し、放線菌による生物農薬作りを目指している。放 線菌の専用培地を作成し、それにコマツナやネギから得られた物体を放線菌用の培地に塗布して放線菌 を得ている。栽培されているコマツナやネギから病気らしき個体を得て、それを自分たちで播種し育て たコマツナやネギに感染させ、放線菌の出す物質が農薬として使えるかどうかを研究している。 ※活動例2.チームアライグマ 部活動内の研究として、熊谷市西部地区から深谷市川本地区での神社仏閣の境内に見られるアライグ マやハクビシンの足跡調査の実施。定点カメラによるアライグマの撮影(熊谷市龍泉寺内)。得られた データと総務省のビッグデータとの統計処理などを行っている。 近県 10 高校との連携。スカイプによる生徒間ネット会議の実施。共同研修会・共同調査会、共同発表 会(ジュニア生態学会)などに参加している。 活動例3.植物調査 植物調査(秩父市大滝中津川・寄居町釜伏山・深谷市川本荒川河川敷・羽生市三田ヶ谷宝蔵時沼など) -37- 後、学校にて植物標本作り、同定作業・パウチ作りを行っている。 活動例4.学会発表会でのアシスタント SSH研究発表会・日本生物教育学会・森林学会・生態学会の生徒発表者のアシスタントとして、発表 のアシスタントを務めた。 ○評価と今後の展望 今年度、1作品が科学展地区展に出品することができた。次年度は科学展等で更なる上位の入賞、各種 オリンピック地区大会への参加および全国大会出場を目指す。また、他高校との共同事業をすることで 交流を図る。 Ⅶ.SS 課題研究の取り組み 本年度の課題研究は2年生 22 作品、1年生17作品、自然科学部2作品、啓蒙ポスター2作品の合 計45作品であった。 2年生の課題研究は次の通りである。物理部門「水滴の表面張力と内圧の関係性」、 「虹の発生条件」 、 「ベースランニングの理想的な走り方」の3点。化学部門「白い蓄光材の作成」、 「金メッキの析出継続 時間」、「無電解金属メッキ(白金鏡反応)」 、「ハチミツから酵母菌を取り出す」、「ルミノール反応」の 5点。動物部門「川虫による長瀞水域の水質調査」 、 「カイコ卵の人工孵化」 、 「埼玉県北部におけるヌマ ガエルの侵入状況とトウキョウダルマガエルへの影響」、「ウミホタルの飼育とウミホタルガクレの寄 生」 、 「ニホンオオカミ再導入計画」 、 「ムサシトミヨの繁殖を水草の密度関係の考察」、 「ニワトリ胚の心 臓の形成」の7点。植物部門「観音山ニッコウキスゲはどこから来たか?」、 「熊谷市北部4小学校に生 育する植物における在来種と帰化種の種数比較とその考察」 、 「葉のもつ集水作用について」、 「熊谷西高 校に分布する放線菌について」 、 「毎木調査と埋土種子によるひろせ野鳥の森の植生調査」 、 「冬虫夏草セ ミタケの人工培養」の6点。地学部門「古植物の復元」の1点。 1年生の課題研究は次の通り。熊西プラットフォーム「The Relationship Between Humans and Albatross」、 「The current state of Albatross in Japan」、 「Albatross future」、 「ニワトリ胚が曲がるこ とでもたらす発生への影響」、 「ニワトリ胚の第1~第3体節のできる場所について」、 「ニワトリ胚にお いて、温度の変化によって二日胚と三日胚の心拍数に与える影響について」、 「ニワトリ胚の培養期間の 延長についての研究」 、 「ニワトリ胚における胎児性アルコール症候群の原因」 、 「ニコチン摂取と酸素欠 乏の関係性」 、 「T 字路におけるダンゴムシの様子」 、 「雑種強勢から見るカイコの遺伝子操作」 、 「あなた の選ぶ色~車の色からわかる世界~」、 「首都高速における事故発生件数と共通点」 、 「自転車違反と事故 発生率の関係性」 、 「通学方法と時間の割合の違い~統計学を使って~」、 「快晴日数の統計について」、 「竜 巻の発生について」の 17 点。 その他、自然科学部「アライグマの研究 ~本当のアライグマの恐怖~」、 「大滝げんきプラザ周辺の 樹木の画像標本データ」の2作品。啓蒙ポスター部門「箱根山火山について」、 「薬物乱用防止キャンペ ーン」の2作品だった。 今年度の課題として、生徒にとって絶対的な知識量不足があり、それを補う方策として昼休みを利用 した科学番組の視聴をほぼ毎日実施している。物理・化学・生物・地学・数学の各分野のビデオ番組(N HKスペシャルをはじめとした番組や放送大学の特別講座)を生徒に視聴させている。今後は、自然科 学のみならず社会科学の番組の視聴の実施も計画している。 -38- 第3章 実施の成果とその評価 1.研究開発課題と評価項目 研究開発課題 ①潜在的能力を見いだし開花させ、②安全・安心で持続可能な社会の創造・発展に寄与し、 ③科学技術イノベーションを推進する人材の育成を図るカリキュラム開発 ① 「潜在的能力を見いだし開花させる」 評価項目として次の 4 点を設定し、本校で実施している「SSH意識調査<生徒用>」(p.54 参 照)よりデータを抽出した。 Ⅰ.「面白そうな取り組みに参加できた → 問 1 (1)B Ⅱ.「興味・関心・意欲が増した」 → 問2 Ⅲ.「未知の事柄への興味」 → 問 4 (1) Ⅳ.「理論・原理への興味の向上」 → 問 4 (2) 上記右に挙げたアンケート結果を見てみると、I に関しては肯定的な回答をした生徒が2年 (H26.4 月入学生)で 95.0%、1年(H27.4 月入学生)で 89.2%を記録した。Ⅱでは肯定的な解答が、2 年生で 87.5%、1年生で 83.8%大幅になっている。Ⅲは2年生が 80.0%、1 年生が 83.8%となってい る。Ⅳは 2 年生 82.5%で、1年生は 78.4 になっている。全体的に、意欲を持って取り組んでいる。 ②「安全・安心で持続可能な社会の創造・発展に寄与する人材育成」 第 4 期科学技術基本計画(平成 23 年 8 月 19 日閣議決定)より、該当箇所(Ⅱ.将来にわたる 持続的な成長と社会への発展、 Ⅲ.我が国が直面する重要課題への対応)を抽出し、SSH 事業 として取り上げることが適切と思われるものを評価項目として選び、これらの項目を生徒が SSH 事 業等で取り組むことができれば、本項目は達成したと考える。 今年度は、「環境」・「医療分野」と「食、水の安全確保」分野の取り組みを中心に行った。理数 科1年生は、東京大学地震研究所、理化学研究所を訪問し、安全・安心を支える研究に触れさせた。 ③ 「科学技術イノベーションを支える人材の育成」 「第 4 期科学技術基本計画」より、科学技術イノベーションを支える人材像を本校なりに描いて みた。これによると、育てる人材は科学的な発見や発明のみならずⅠ.外部と連携した「知」のネ ットワークが構成できる、Ⅱ.様々な問題を人文科学や社会科学の視点から考えることができる、 Ⅲ.国民の政策過程への参画を意識できる、Ⅳ.科学技術コミュニケーション活動ができる、の 4 項目となった。これをもとに行事の評価を実施した。昨年度から「くまにしプラットフォーム」を 継続実施し、学びあわせることによりコミュニケーション向上に取り組んだ。「英語によるプレゼ ンテーション」も実施し、校外での研究発表会などの機会を利用して英語で発表している。 各事業の評価一覧を利用して、本校の SSH 事業に対するルーブリックにより評価することができ る。 (p.41 参照)来年度以降は、各事業とも縦、・横の数値が大きくなるよう、検討しながら配慮し て各 SSH 事業を実施していかなければならない。 2.ルーブリックによる評価の実践 1年生課題研究Ⅰ及び2年生課題研究Ⅱにおいて右に示したような、ルーブリックにより生徒の 自己評価を実践した。千葉大学田辺特任教授のご指導の下作成した。新しい指導要領を先取りした 形のもので、知識(原理・法則・知識を理解している)、技能(実験の技能を習得し、科学を探究 する方法を身に付けているか)、思考力・判断力(事象を実証的に、論理的に思考する。事実に基づ いて科学的に判断する。)、表現力(コンピュータなどを用いて、他人が理解しやすいように表現す る。)、主体的な態度(関心や探求心を持ち、主体的にそれらを探求する。リーダー性を発揮し、協 調性(メンバーシップ)をもって学習に取り組む。)を基準としてまとめた。 この 1 年間を振り返らせたところ、生徒は自分の能力向上を感じたようである。同じルーブリッ クを使って、5 月の課題研究を始めたころの自分、9 月の中間発表を終えたころの自分、2 月最終発 表を終えた現在の自分を振り返り、同じルーブリックのシートを用いて記入させた。5 月と 2 月を 比較させたところ、まったく変化のなかったもの 2 人を除いて、2 年生 40 人中 38 人が多かれ少な かれ、自分の能力向上を感じている結果を得た。 次ページに使用したルーブリックシートとその比較データの一例を掲載した。 -39- -40- 㻺㼛㻚 㻞㻞 ఙ⋡ ᕪ ྜィ 䠎᭶ 䠕᭶ 䠑᭶ ᢏ⬟ 㻠 㻡 㻡 㻝㻠 㻝 㻝㻠 ˑᴸ ⾲⌧ຊ యⓗែᗘ ▱㆑ 㻟 㻠 㻠 㻝㻝 㻝 㻝㻝 ˕ᴸ ▱㆑ 㻟 㻟 㻡 㻝㻝 㻞 㻞㻞 ᢏ⬟ ⥲ྜ ྜィホ౯ ᭱⤊䝹䞊䝤䝸䝑䜽 ⾲⌧ຊ 㻞 㻟 㻠 㻥 㻞 㻝㻤 ˎᴸ 㻞㻞 㻤㻢 㻝 㻞 㻠 㻣 㻟 㻞㻝 㻡 㻡 㻝㻜 ྜィ 㻝㻟 㻝㻣 㻞㻞 㻡㻞 㻥 㻤㻢 㸰᭶ 㸷᭶ 㸳᭶ యⓗែᗘ㻌 ⾲⌧ຊ㻌 ᛮ⪃ຊ䞉ุ᩿ຊ㻌 ᢏ⬟㻌 ▱㆑㻌 యⓗែᗘ ᛮ⪃ຊุ࣭᩿ຊ ᛮ⪃ຊ䞉ุ᩿ຊ 䝹䞊䝤䝸䝑䜽ಶேศᯒ䝅䞊䝖 㹑㹑ㄢ㢟◊✲ϩ࣮ࣝࣈࣜࢵࢡ 㸰ᖺ㸶⤌ ␒Ặྡ㸦 ▱㆑ ᢏ⬟ ᛮ⪃ຊ㺃ุ᩿ຊ ⾲⌧ຊ ཎ⌮࣭ἲ๎࣭▱㆑ ᐇ㦂ࡢᢏ⬟ࢆ⩦ᚓ ㇟ࢆᐇドⓗࠊㄽ ࢥࣥࣆ࣮ࣗࢱ࡞ ࢆ⌮ゎࡋ࡚࠸ࡿ ࡋࠊ⛉Ꮫࢆ᥈✲ࡍ ⌮ⓗᛮ⪃ࡍࡿࠋ ࢆ⏝࠸࡚ࠊேࡀ⌮ ࡿ᪉ἲࢆ㌟ࡅ ᐇᇶ࡙࠸࡚⛉Ꮫ ゎࡋࡸࡍ࠸ࡼ࠺ ࡚࠸ࡿ ⓗุ᩿ࡍࡿࠋ ⾲⌧ࡍࡿࠋ ཎ⌮࣭ἲ๎࣭▱㆑ ⌜ဨᐇ㦂ࡢᢏ⬟ ⮬ศࡓࡕࡢ◊✲ࢆࡋ ࢃࡾࡸࡍ࠸ࣉࣞ 㸳 ࢆ⥲ྜⓗ⌮ゎࡋ ࢆṇ☜ᩍ࠼ࡽࢀ ࡗࡾㄽ⌮ⓗ⌮ゎ ࢮࣥࢸ࣮ࢩ࣭࣏ࣙࣥ ࡚࠸ࡿࠋ ࡿ≧ែ࡛࠶ࡿࠋ ࡋࠊᐇ㦂ෆᐜࢆ⛉Ꮫ ࢫࢱ࣮ࡀ࡛ࡁࡓࡓ ⱥᩥࡢඛ⾜◊✲ ⓗุ᩿ࡋ࡚࠸ࡿࠋ ࡵࠊ㉁ၥࢆከࡃᘬࡁ ࢆㄪࡓ ࡇࡢ◊✲࠾ࡅࡿၥ ฟࡍࡇࡀ࡛ࡁࠊࡉ 㢟Ⅼࡢ♫ⓗ࡞ព⩏ ࡽ㉁ၥ⟅࠼ࡿ ࢆࡋࡗࡾ⌮ゎࡋ࡚ ࡇࡀ࡛ࡁࡓࠋ 㺨㺽㺵㺖㺼㺵㺪㺵㺐㺡㺆㺻㺖㺼࡛ ࠸ࡿࠋ ࡲࡵࡿࡇࡀ࡛ ࡁࡓࠋ ࡰཎ⌮࣭ἲ๎࣭ ⌜ဨᐇ㦂ࡢᢏ⬟ ⮬ศࡓࡕࡢ◊✲ࢆㄽ ࣉࣞࢮࣥࢸ࣮ࢩࣙ 㸲 ▱㆑ࢆ⌮ゎࡋ࡚࠸ ࢆ࠾࠾ࡴࡡᩍ࠼ࡿ ⌮ⓗ⌮ゎࡋࠊᐇ㦂 ࣥࡸ࣏ࢫࢱ࣮ࡀ࡛ ࡿࠋ ࡇࡀ࡛ࡁࡿࠋ ෆᐜࢆᩍဨ┦ㄯࡍ ࡁࡓࠋ㉁ၥ⟅࠼ࡿ 㸰ࡘ௨ୖࡢඛ⾜ ࡿࡇࡼࡗ࡚⤌ࡳ ࡇࡀ࡛ࡁࡓࠋ ◊✲ࢆㄪࡓ ❧࡚࡚࠸ࡿࠋ 㺨㺽㺵㺖㺼㺵㺪㺵㺐㺡㺆㺻㺖㺼ࢆ ࡇࡢ◊✲࠾ࡅࡿၥ ఱ⌮ゎࡋ࡞ࡀ 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ウ ド リ ・ 鳥 の 博 物 館 初 期 展 開 学 研 究 所 訪 問 量 子 化 学 入 門 ウ ミ ホ タ ル の 発 光 遺 伝 子 解 析 講 座 ・ 遺 伝 カ ウ ン セ リ ン グ エ ッ グ ド ロ ッ プ コ ン テ ス ト 東 京 大 学 秩 父 演 習 林 実 習 ・ 日 本 森 林 学 会 M R I を 使 っ た 人 体 解 析 講 座 カ ワ ム シ 調 査 ・ 日 本 森 林 学 会 放 線 菌 研 究 ・ 全 国 高 等 学 校 総 合 文 化 祭 身 近 な 流 体 現 象 ・ ひ れ コ ン テ ス ト シ カ 食 害 現 地 確 認 観 音 山 の ニ ッ コ ウ キ ス ゲ ・ 日 本 生 態 学 会 昆 虫 培 養 細 胞 な ど 河 辺 林 調 査 ・ 日 本 森 林 学 会 リ ョ コ ウ バ ト 研 究 薬 用 植 物 園 訪 問 日 本 気 象 学 会 高 校 生 ポ ス タ ー セ ッ シ ョ ン 垂 直 展 開 植 物 化 石 4 ● ● ● ● ● ● ● 10 16 13 15 ● ● ● ● ● ● ● 2 ● ● ● ● ● ● 7 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 9 13 18 12 12 15 13 ● ● ● ● ● ● ● 16 13 10 ● ● ● ● ● ● ● ● 9 ● 7 ● ● ● ● 各 大 学 等 の 理 科 研 究 発 表 会 ● ● 8 8 ● 科 学 の 甲 子 園 全 国 大 会 予 選 会 ム ジ ナ モ 研 究 そ の 他 課 題 研 究 ● 11 6 8 ● 3 ● ● ● ● 校 庭 植 物 調 査 ・ 日 本 生 物 教 育 学 会 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ) ( 年 間 を 通 じ た 各 項 目 の 回 数 ● の 数 5 21 21 21 22 22 22 13 9 15 4 5 4 14 3 ● ● 6 ● ● ● ● ● ● ● 23 ● 8 3 ● 2 13 11 17 6 17 9 9 17 ● ● ● ● ● ● 15 26 ● 27 ● 11 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● チ ー ム ア ラ イ グ マ ・ 日 本 生 態 学 会 ● 29 ● 16 ● ● 31 小 中 学 生 科 学 体 験 教 室 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 高 校 生 に よ る サ イ エ ン ス フ ェ ア 水 平 展 開 水 田 の 微 生 物 ・ 親 子 プ ラ ン ク ト ン 教 室 ● ● ● ● ● ● ● ● マ ウ ス の 血 糖 値 調 節 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● S S H 生 徒 研 究 発 表 会 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● し く み を 学 ぶ ニ 統 プ 東 地 i カ 実 北 ワ 計 レ 京 学 P イ 習 浦 ト 学 ゼ 大 巡 a コ を 魚 リ ン 学 検 d か 通 類 初 テ 地 を ら し 実 震 ー 期 使 学 て 習 研 ホ 胚 ぶ シ っ 究 乳 た 生 類 ョ 所 ン , 数 物 の 研 理 学 学 体 修 化 の ◎潜在能力を見出す:①外部と連携した高度な実験実習等の体験活動だったか? 大学・研究所・企業等との連携事業だった ● ● ● ● ● 通常の教育課程では扱えないような高度な内容だった ● ● ● ● ● 実験実習などの体験活動が含まれていた ● ● ● ◎潜在能力を見出す:②科学的な思考が経験できる内容だったか? 課題(問題)を発見するプロセスが経験(疑似体験)できた ● ● ● 仮説を立てるプロセスが経験(疑似体験)できた ● ● ● 実験の結果から、仮説の真偽を検証する経験(疑似体験)ができた ● ● ● 結果を定量的に扱った ● 結果について再現性を考慮した、あるいは統計的に取り扱った ● ● ◎科学技術イノベーションを支える人材:①課題解決能力が育つ内容だったか? 生徒自身の力で課題を設定(発見)する場面があった ● ● ● 生徒自身の力で仮説を立てる場面があった ● ● ● 生徒自身の力で仮説を検証(実験の計画・実施)する場面があった ● ● ● ◎科学技術イノベーションを支える人材:②英語によるコミュニケーション能力が育つ内容だったか? 英語によるコミュニケーション・プレゼンテーションを実施した ● ◎科学技術イノベーションを支える人材:③科学技術コミュニケーションの力が育つ内容だったか? 科学的な証拠を基に、考え語り合う場面や自分の考えを発表するが設定されていた ● ● ● ● 幅広い視点(人文科学、社会科学など)から考える場面が設定されていた ● ● ◎科学技術イノベーションを支える人材:④リーダーシップ・協調性が育つ内容だったか? 上級生が下級生へ指導するなど、指導的な役割を担う場面が設定されていた ● ● 様々な意見をまとめるなど、協調性を育てる場面が設定されていた ● ● ● ● ◎科学技術の応援団を育成する:水平展開 普通科生徒が参加した ● 地域の小・中学生等を対象とした 生徒がTAとして参加した 他校生徒と共同して行ったあるいは交流があった ● 地域の指導者・卒業生との連携した事業 ◎実習の分野:「安全・安心で持続可能な社会の創造・発展に寄与」する分野を実習内容とした。 災害の調査研究(防災、減災、リスク管理、都市設計) ● 食、水の安全確保 エネルギー技術(再生可能、新エネルギー、送電、蓄電) ● ● 情報伝達、ネットワーク ● ● ● 環境(生態系、循環、多様性、汚染) ● ● 医療(医薬、診断新技術、予防) 材料(触媒、レアメタル、レアアース、代替材料、ナノカーボン) ● ロボット ●の数(1回の行事ごと) 14 15 14 10 5 各事業の評価一覧 第4章 研究開発実施上の課題及び今後の研究開発の方向・成果の普及 Ⅰ.研究開発上の課題 中間評価の結果、指摘された事項と今後の課題と改善策は以下の通りである。 中間評価結果とその対応 指摘事項 今後の課題と改善策 ○全体的によく取り組んでいるが、・今年度は4月のプレゼンテーション研修に参加した1年生が、 基本的に理数科が対象となってお くまにしプラットフォーム「ニワトリ初期胚を用いた課題研 り、普通科への拡大も望まれる。 究」に初めて参加し課題研究を行った。 →短期間で終わるミニ課題研究などを企画して、普通科参加 生徒に引き続き課題研究に取り組ませる努力をしたい。 ・SS科目での研究成果を活用して、普通科でも、授業内の ミニ課題研究やメタ認識を促すような実験などを行った。 →時間的制限もあるが、授業内の取り組みを充実させてSS H発表会などでポスター発表できるように取り組みたい。 ○外部との連携事業では、生徒の ・「くまにしプラットフォーム」の首都大学東京、都立両国高 自発性が生かされており、その育 成に成功している。 校との疑似AP(Advanced Placement)プログラムは、両 校生が相互に訪問研修する機会が増え、お互いに刺激しあ うプログラムに成長した。 →他のプログラムと比べ、 「気づき」の率が高く、他校との合 同実習は生徒の向上心を刺激する。外部との連携事業を充 実させたい。 ・外部との連携事業やSS科目で学び合いを推進し、生徒の 主体的な学習を充実させる。 ・連携先の分野バランスも考え、生徒の興味関心を広く引き 出し、さらに課題研究への応用も図れるような取り組みを 実施する。 ○初期展開、垂直展開、水平展開 ・ルーブリック評価を導入し、「知識」「技能」「思考力」「判 など取組が多岐に渡っていて努力 断力」「表現力」「主体的態度」等の項目を4~5段階で評 している。更に、それぞれの取組 価していく。 の共通性を整理し、全体像をわか りやすくしていくことで、学校全 ・「初期展開」「垂直展開」「水平展開」のうち、特に 「初期 体でのまとまった取組になると考 展開」 「垂直展開」の内容を精査するとともに、物理、化学、 えられる。 生物、地学のバランスも考えた講座を展開することで、よ り多くの教職員が関わり合い、学校全体での取り組みにつ なげる。 -42- Ⅱ.今後の研究開発の方向 1 潜在的能力を見いだす(初期展開) 「初期展開」は、「探究する楽しさを経験させ、生徒が持っている理数系才能を揺さぶり開花させ、 将来、先端分野に挑戦する土台作りを行う。」というねらいで取り組んできている。成長には失敗が不 可欠で、失敗を受け入れることが成長につながる。気づくためには主体的に考えたり経験することが重 要で、主体的活動を促進するのが「学び合い」である。本校SSHでは「気づきのスモールステップ」 を「くまにしプラットフォーム」や「課題研究Ⅰ」で生徒に経験させ、学び合いの中で気づきの連鎖反 応をおこさせることを実践してきた。 「学び合い」は、高大連携講座やそれと連携した授業を通して、アクティブラーニングへの取り組み として広がってきた。 来年度は、各取り組みについて、今年度、取り入れたルーブリック評価等を活用した評価を実施する ことで効果を検証しつつ、研究内容の充実を図りたい。こうした評価を行うことでこれまでの様々な仮 説についての検証も行うことができると考える。 ルーブリック評価を実施するに当たって、 「知識」 「技能」 「思考力」 「判断力」 「表現力」 「主体的態度」 等の項目を4~5段階で評価していく。 大学との連携についても、生物関係を中心に推進してきたが、次期申請も考慮し、物理分野、化学分 野や工学系の分野も取り入れる方針である。参加する生徒に、広く様々な分野の知識に触れたり、実験 実習などを体験したりすることで、科学的な視野を広げさせたい。 さらに、高大連携から高大接続を意識して、生徒一人一人の可能性に火をつけられるよう、また、科 学分野の選択できる範囲を限定しないよう注意を払いながら、将来、先端分野に挑戦したいという意識 を持たせられるような取り組みにしていく。 2 高度な専門的能力を育む(垂直展開) 課題研究の場合、 「課題を見つける」→「課題解決に向けた仮説を立てる」→「実験等で検証をする」 →「結果・考察」という一連の取り組みで終わらず、「結果・考察」で得られた「新たな疑問・課題」 に対して、「課題解決に向けた仮説を立てる」→「実験等で検証をする」→「結果・考察」をする新た な一連の取り組みを行うことで、研究の深化が図られるのである。 これまで4年間の開発研究において、「くまにしプラットフォーム」等を通して新たな研究態度を定 着させることができた。課題研究を進める中で、大学や研究所などと連携した実験実習を行うことによ り、さらなる研究を進めるためのヒントやアイデアを得る場合がある。また、このような連携により、 高等学校では準備できない計測機器によるデータ計測などで、研究の精度を上げていくことも可能にな る。 次年度は、今年度取り入れたルーブリック評価を使って各取り組みの効果を検証して研究を深めてい きたい。ルーブリック評価を実施するに当たっては、「知識」「技能」「思考力」「判断力」「表現力」「主 体的態度」等の項目を4~5段階で評価していく。 4年間で生物関係は充実してきたので、今後は物理分野、化学分野や工学系の分野を充実させ、課題 研究の一層の深化を図って行く予定である。また、今年度SSHの課題研究を大学受験に活用し、国公 -43- 立大学へ合格できた生徒が多く出たことから、この流れを引き継ぎ、生徒の科学的な視野を広げ、課題 研究の深化を図ったうえで、学会発表や校外発表会に積極的に参加していく。 3 理数教育の裾野を広げる(水平展開) OECDの行うTIMSS等の調査においても、低学年での理科好きは割合も高いが、学年が上がり、 中学、高校へと進むにしたがい、理科好きな生徒の割合が著しく減少することが知られている。純粋な 好奇心を持つ小中学生に対して、高校生が単に「科学教室」等を行うだけでなく、どのような題材を提 供すれば、小中学生の「興味関心を引き出す」ことができるのか等も含めて検討していく。 これまで、熊谷市内のSSH指定校2校(熊谷高校、熊谷女子高校)と取り組んできた「楽しもうサ イエンス」(親子科学教室)等も、地域に周知され来場者が年々増加し、参加者から高い評価を受けて いる。今後は、3校での連携を密にして、参加者のより満足度の高い取り組みに工夫改善していく。 また、平成17年度から続いている「高校生によるサイエンスフェア」においても、多くの高校が参 加し、来場者も多数であることから、小中学生向けの科学教室の充実を図るとともに、課題研究の発表 にも重きをおいて、精力的に取り組んでいく。 加えて、今年度より始めた近隣の4小学校の校庭植物の調査や近くの寺社が所有する観音山の総合調 査などを通して、小中学校の理科教育との連携を強めたい。地元小学校で実施した親子プランクトン教 室や植物分類学入門講座なども充実を図っていく。 校内的には美術(顔料)、家庭科(食物)や地理(触れる地球)などに、幅広く科学的な視点を取り 入れた授業や研究発表を行う。 近隣の高校へのSSHの成果を普及させるために、理科教育研究発表会において、多くの課題研究を 発表していくなど、理数教育の裾野を広げていく。 4 情報発信の方法を改善する これまで、SSHの取り組みについて、担当者がSSH通信やホームページにより、情報発信を行っ てきたが、十分とはいえない状況であった。そこで、次年度は参加生徒等に、課題研究や高大連携の様 子をSSH通信にまとめさせ、新たな形態の情報発信も追加していきたい。こうした取り組みを通して、 生徒のプレゼンテーション能力を高め、同時にSSH全体の情報発信を計画している。 また、ホームページの改善を通じて、よりわかりやすい情報発信をしていきたい。 -44-