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第23号 - 大阪府教育センター
平成22年10月20日 第23号 目次: 大阪府教育センター 「理科」指導者養成長期研修 (前期)が終了しました 半年間にわたる「理科」指導者養成長期研修(前期)が終了し、9月30日 に閉講式を実施しました。小学校教諭4名、中学校教諭3名に教育センター 所長より修了証書が渡されました。 それに先立ち、2回の研究成果の発表会を実施しました。まず9月7日 に、約1ヶ月にわたり取り組んだ「課題研究」の発表会を行いました。発表 課題は以下のものです。 「理科」指導者養成長期研 修(前期)終了 1 特別電話相談「すこやか ダイヤル」 2 小・中人権教育研修C 2 心理学豆知識③ 2 教育センター附属研究学校 3 情報機器の活用コラム 3 リレーコラム⑭ ・上町台地における地下水環境 ・ウシエビとマアジの解剖-知ったら怖くない?- ・植物からガラスを作ろう ・光合成と光の色-カイワレ大根で成長のちがいを調べる- ・鉄とコインでカランコロン-鉄芯の振動に対する磁気的反応- ・バイオディーゼル燃料 ・ペルチェ素子の利用-一眼レフデジタルカメラの冷却と撮像素子の熱ノイズ特性- これらは、理科研修の中で興味をもった事柄 や従来から関心を抱いていたテーマなどを各自 が課題設定し、文献調査、実験・観察、野外調 査、工作等を実施し、その結果をまとめて発表 したものです。 発表会は、発表15分、質疑応答5分という時 間設定で実施しました。活発な質疑応答が行わ れ、予定時間に終わらないこともありました。 発表会の最後には、当日出席していただいた梶 本興亜先生(京都大学名誉教授)、任田康夫先 生(大阪教育大学科学教育センター長)からご 講評をいただきました。次いで9月27日には、 研修のまとめとして「授業研究」の発表会を行 いました。これまで6ヶ月間に学んだことや教 材開発の成果を取り込んだ授業案が提案されま した。「課題研究」の発表会と同様に受講者の 個性あふれた発表がなされ、参加者から活発な 質疑が行われました。 7名の研修修了者は、10月1日からそれぞれ の勤務校に戻りました。半年間の研修の成果 が学校や地域で生かされることが期待されま す。 (理科教育研究室) 閉講式 「課題研究」発表会 1 4 ○特別電話相談「すこやかダイヤル」 テレビで紹介!! 第1期(5/10~5/14)に続き、特別電話相談「すこやかダイヤル」第2期を9/6~9/10の5日間実施しまし た。初日に読売テレビの取材を受けて夕方のニュースで紹介された影響か、昨年の同時期と比較して1.5倍 以上の相談がありました。 相談内容は「いじめ」「不登校」「子育ての悩み」「進学・進路」等多岐にわたっています。約7割が保 護者からの相談ですが、教員や一般の成人の方、子どもからの相談もありました。相談者の多くは、問題の 解決に向け気持ちの整理が進んだようでした。 特別電話相談「すこやかダイヤル」は年4回テーマを決め、電話を5台に増やして実施しています。今年 度の今後の予定は次のとおりです。(教育相談室) 特別電話相談「すこやかダイヤル」 第3期:平成22年11月8日(月)~11月12日(金) 9:30~17:30 テーマ「いじめ、性に関する悩み、学校生活…など、学校に関する相談に応じます。」 第4期:平成23年1月31日(月)~2月4日(金) 9:30~17:30 テーマ「「いじめ、進路、親子関係…など、学校に関する相談に応じます。 」 電 話:06-6607-7361(子ども) 06-6607-7362(保護者) 06-6607-7363(教職員) ※ 特別電話相談期間以外も、「すこやか教育相談」として、同一電話番号で電話相談を受け ています。期間にかかわらずご利用ください。 ○9月14日 小・中人権教育研修C(在日外国人教育)を行いました。 本研修の後半では、大阪府教育委員会が作成した「在日外国人教育のための資 料集(DVD)」の活用の演習を行いました。このDVDには、在日外国人教育 を進めるための教材や学習プラン、フィールドワークのための写真資料や楽器演 奏の実演などが収められています。研修では受講者一人一人がパソコンを使って DVDの内容を確認するとともに、DVDを使い、自校で2学期以降に実践して いく取組のプランを立てました。その後の交流では、作成した取組プランを発表 し合い、学校におけるさまざまな教育活動(音楽・社会・家庭科・体育等の教科 や校外学習等の行事等)で活用できることが共有されました。(人権教育研究室) 受講者の感想より ・様々な方の取組方法を知ることができ、自分の取組を深めていくことができた。DVDの資料 も豊富で、様々な取組で使えると思いました。 ・DVDをじっくり見ることはなかなかできませんでしたが、中身を見せていただいてものすご くいいものであると実感することができました。学校現場で活用してもらえるよう伝えていきた いと思います。 「条件付け」 条件付けとは、人や動物に対して、一定の操作により特定の反射 や反応を引き起こすよう学習させることです。 古典的条件付け:「パブロフの犬」の実験で有名。無関係な刺激(ベ ルの音)を繰り返しエサと同時に提示することで、無 条件反射(エサを見た時の唾液分泌)と同じ反応を起こすようにな ること。 オペラント条件付け:手段や道具を用いて行動の学習を強化させること。人は、自 分が起こした行動により、罰か報酬かのフィードバックを与えら れて学習し、次にとるべき行動を決めていくという考え方。 ☆自分ではどうすることもできないという「無力感」も学習される場合があります。 ≪心理学豆知識③≫ 2 ○ 教育センター附属研究学校(仮称)の学校説明会開催!! 来春(平成23年4月)開校する「教育センター附属研究学校(現 府立大和川高等学校)」の学校説明会 が、10月2日(土)、大和川高等学校にて開催され、中学生約70名、保護者、教職員も含め計80名を超える 方々の参加がありました。 府立大和川高等学校長の開会あいさつに続き、教育内容、入学者選抜、カリキュラム等についての説明が 行われた後、教育センター指導主事と大和川高等学校教諭による「国語」「地歴・公民」「数学」「理科・ 家庭」「情報」等の体験授業が実施されました。 附属研究学校で実施される活用・探究型の授業では、中学生の皆さんは、積極的に参加し、活発に意見を 発表していました。授業は、真剣な中にも時には笑いもある、なごやかな雰囲気で行われ、一緒に受けられ た保護者の方々にも好評でした。 体験授業の後は、「個別相談」や空手道部・弓道部・硬式野球部などの「クラブ見学」を実施しました。 〈説明会後のアンケート結果〉 ・体験授業を受けた感想は(複数回答あり) 「楽しかった」「興味深く、ためになった」「友だちにも勧めたい」のいずれか、または複数を 選ばれた方が、全回答者の89.8%を占めました。 ・附属研究学校に入学したい(させたい)ですか 「はい」「どちらかといえばはい」の合計は、全回答数の86.9%にのぼりました。 なお、説明会は、10月30日(土)10:00~、14:00~、12月11日(土)10:00~にも行われます。教育 センターの施設見学も予定されています(10月30日は、府教育センターにて、府学生科学賞の応募作品 展が開催されます)。ぜひご参加ください(詳細については、大和川高校のWebページwww.osakac.ed.jp/yamatogawa/ をご覧ください)。 全体説明会 社会(正義について考える) 国語(詩を読む・詩を書く) 情報機器をクラスメイトに!(情報機器の活用コラム) 第7回 - 携帯ゲーム機でプレゼンテーション - プレゼンテーションと言えば、プロジェクタは 教室にあるとしても、パソコンを持っていって… と思っている方が多いようですが、必ずしもパソ コンは必要ではありません。今回はパソコンの代 わりに、携帯ゲーム機PSPを用いる方法を紹介しま す。用意するものは「PSP2000以降」、「AVケーブ ル」、「メモリースティックDuo」だけです。 まずはプレゼンテーションのスライドをいつも のように、PowerPointなどを使って作成します。 スライドが完成したら念のため通常通りの保存 をしてから、再度「名前を変えて保存」メニュー を選び、ファイルの種類に「JPEGファイル交換方 式(.JPG)」を選択して、すべてのスライドを JPEGファイルとして保存します。PSP用のメモ リースティックにJPEGファイルをコピーし、 PSPのスライドショー機能を使ってAVケーブル でプロジェクタや液晶テレビに画面を出力しま す。 携帯ゲーム機なら、パソコンのように起動に 時間がかからず、終了も電源を切るだけです。 軽量で外部電源も必要なく、通勤の電車の中で プレゼンの練習をすることもできます。技術的 な詳細は、インターネット等で検索してみてく ださい。 (次回のテーマ「正しい電子メールの送り方 (1)ヘッダ編」) 3 リレーコラム⑭ 「LOVE」 溝口 千鶴(人権教育研究室 室長) 「人生は降り積もる悲しみを 払いのけながら進む旅だ」 この言葉を何度子どもたちに伝えたことだろう。 予期せぬ悲しみや困難が次々と雪のように降りかかり、進もうとす る先が一面雪に覆われている・・・それでも、人は生きていかなけ ればならない。 大人が信用できなくて、 「あんたは私の味方?それとも他の大人とおんなじなん?」 と挑んできた子どもがいた。 厳しい生活状況の中で、自らを守るすべがわからないまま、荒れ てしまう子どもがいた。 力の強さを示すことで、自分のルーツを否定されることを拒もう とした子どもがいた。 溝口 千鶴 室長 自分に何ができるだろうと問いながら、学級通信を毎日書き続けた。 「世の中は、何もかも思い通りには動かないかもしれない。でも、自分だって世の中の流 れに負けずに、自分らしさを輝かせて生きていこう。」 「一生懸命に生きている者にしか見えない風景がある。自分を信じて、あきらめないで。」 「一人ではない。仲間がいる。しんどいことも仲間がいれば、仲間の支えがあれば乗り越 えられる。乗り越えられない時は、くぐればよい。」・・・ 当時の私の年齢を超えた年になったと言いながら、教え子の一人が伝えてくれた。 「先生が毎日出してた学級通信『LOVE』、今でも全部持ってるよ。中学校を卒業してから も、時々見ててん。あの時、先生に出会ってなかったら、今の自分はないと思う。あの 時、先生は、私に『LOVE』を直球で投げ続けてたよね。」 子どもたちは、教職員の熱い思いと本気を受けとめながら、私たちを超えていく。 私の恩師であり、吹田市の前教育長 故 延地和子先生が、生活の厳しい子どもや被差別 の立場におかれている子どもたちに寄り添い、支え続けながら、「負けたらあかんねんで。 私はいつもお前をみているねんで。」と言い続けておられました。 延地先生は亡くなられる3週間前に、御自身が最後に校長として勤務された中学校で、命 を削りながら最後の授業「生きる」をされました。卒業を控えた3年生に、「人生はしんど い時がいっぱいあります。でも、それを一歩ずつ乗り越えて、達成できたときは、しんどい ことを忘れるぐらい、もっと楽しいことがあるはずです。だからしっかり生きていってほし いと思っています。」と語られました。 私は、初任者だった頃から、延地先生の言葉や生き方を追いかけながら、今日まで来たよ うに思います。 子どもたちに寄り添い、子どもたちをつないでいくことで、子どもたちが変わる!! 延地先生の遺志を受け継いで、子どもたちのために何ができるか、今後も考え続けていき たいと思います。 ホームページでさまざまな情報を提供しています。 大阪府教育センターWebページ http://www.osaka-c.ed.jp/ 4