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「インフレ下での「売れ筋商品」〜通商弘報特集アジア」

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「インフレ下での「売れ筋商品」〜通商弘報特集アジア」
2008年11月18日作成
日 本貿 易振興 機 構
アジア・オセアニア各国では燃料や食料価格の高騰といったインフレが深刻化している。
しかし、インフレ下で消費者の買い控えが進展する中でも、「売れている商品」は存在する。
アジア・オセアニア 11 ヵ国から、各国の「売れ筋商品」を 3 回にわたり報告する。
目 次
<乗り物編> 掲載日 2008 年 9 月 29 日
ガソリン高騰でバイオ燃料車の販売伸びる(乗り物編) ......................................
(1)バンコク E20 対応乗用車 ........................................................
(2)ジャカルタ 自動車全般..........................................................
(3)ムンバイ 小型乗用車............................................................
(4)クアラルンプール オートバイ....................................................
(5)オークランド スクーター........................................................
(6)ダッカ 自転車..................................................................
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<食品編> 掲載日 2008 年 9 月 30 日
即席麺、牛肉に割安感(食品編).......................................................... 7
(1)バンコク 日本食レストラン...................................................... 7
(2)マニラ 即席麺.................................................................. 8
(3)シドニー 牛乳.................................................................. 8
(4)ハノイ BIG C のフランスパン .................................................... 9
(5)オークランド 牛肉............................................................. 10
<その他製品編> 掲載日 2008 年 10 月 1 日
PB 製品や化粧品の販売好調(製品編) ....................................................
(1)バンコク 携帯電話とハンズフリー...............................................
(2)カラチ 携帯電話、「Nokia」ブランドのプリペイド式携帯電話 .......................
(3)バンコク 自社ブランド商品.....................................................
(4)シンガポール 自社ブランド製品.................................................
(5)ニューデリー 生命保険.........................................................
(6)バンガロール トラベルバッグ...................................................
(7)ヤンゴン 外国ブランドの化粧品.................................................
(8)ハノイ シネコン...............................................................
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ガソリン高騰でバイオ燃料車の販売伸びる(乗り物編)
<ガソリン価格は上昇、しかし自動車販売は伸びている>
バンコクのガソリン価格は、07 年 7 月の 1 リットル当たり 26.39 バーツ(1 バーツ=約 3.3 円)
から、08 年 7 月には最高値で 1 リットル当たり 37.89 バーツにまで上昇した。こうした状況を受
けて、バンコクではコスト面の安さから、バイオエタノールを 20%配合したガソリンである「E20」
に対応した乗用車が売れている。
ジャカルタでも、07 年 12 月の 1 リットル当たりのガソリン価格は 4,500 ルピア
(1 ルピア=85.1
円)であったが、08 年 9 月からは 6,000 ルピアへ値上がりしている。しかし、現地中間層の購買
意欲は衰えることなく、現地日系メーカーによると、納車まで 2∼30 日待ちの状況という。
ムンバイでは低価格の小型乗用車が売れている。
(08年度の年間新車販売台数は前年度比 12%
増) 08 年 1 月、地場の自動車メーカー、タタ・モーターズが 10 万ルピー(約 25 万円)で 4 ド
ア小型車(搭載エンジン 633CC)を発売(本年 12 月の予定)すると発表。
<オートバイや自転車が人気>
もちろん、自動車以外の「乗り物」も売れている。クアラルンプールでは、ガソリン価格は 06
年 2 月の 1 リットル当たり 1.92 リンギット(1 リンギット=約 31.8 円)から 08 年 6 月には 2.70
リンギットまで上昇した。マイカー通勤から公共交通機関へ切り替える人が増えたが、電車やバ
スは日本と違い定時運行されない。その結果、オートバイを購入し、通勤に使う人が増えている
という。
ニュージーランドでも、日本並みのガソリン価格〔08 年 9 月 6 日時点、1.988 ニュージーラン
ド・ドル(以下、NZ ドル、1NZ ドル=70.5 円)
〕のため、日本製のスクーターが人気だ。
ダッカでは 08 年 7 月からガソリン価格が 33.9%上昇したことで自転車が売れている。あまり
目立たないが、バングラデシュでは近年、欧州向けの自転車生産が急増している。バングラデシ
ュの自転車輸出額は 04/05 年度の 4,500 万ドルから、06/07 年度は 6,428 万ドルを記録した。
もともと高低差の少ないバングラデシュの地形は自転車に向いており、国内市場には電動自転
車も並び始めているという。
(冨田晶子)
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(1)バンコク
売れているもの:E20(バイオエタノール 20%配合ガソリン)対応乗用車
売れている理由:
タイでもガソリン価格が高騰しているが、08 年 1∼7 月期の商用車を除く乗用車販売は前年同
月比 31.7%増と好調だ。日系メーカーを中心に今年から販売を開始した新型モデルが E20 対応と
なっており好調を牽引している。人気の背景はコスト面。車体購入コスト面では車両本体の物品
税が低くなっている。例えば排気量 2000CC 以下の乗用車では、通常車で 30%の物品税がかかる
が E20 対応車は 25%とポイント安い。80 万バーツ(1 バーツ=約 3.3 円)程度の中型セダンで 4
万バーツ程度安くなる。維持コスト面では燃料の付加価値税が低くなっている。通常ガソリンで
3.6850 バーツ/リットルのところが E20 は 3.3165 バーツ/リットル(現在は特別減税で 0.0165
バーツ/リットル)であるためガソリン代が安く済む。E20 対応車はスモールカー、中型セダン、
高級セダンとさまざまなグレードで用意されていることも需要にこたえることになっている。
(鶴岡将司)
(2)ジャカルタ
売れているもの:自動車全般
売れている理由:
5 月に石油価格が 29%引き上げられ、インフレも 3 ヵ月連続で 2 ケタを記録し、資材高騰など
から価格も引き上げられたにもかかわらず、自動車の 6 月、7 月の販売台数が過去最高を更新し
ている。最低でも 1 億ルピア(約 120 万円)する自動車は、6 月 5.6 万台、7 月 6.1 万台と初の大
台を記録。最大のシェアを持つトヨタによれば、納車まで 2∼3 ヵ月待ちの状態で、7 月は自社と
して過去最高の 2 万台を販売したとのこと。好調な理由だが、まず、中間層の拡大が基礎にあり、
購入が進んでいる。加えて、通常買い換えは 3 年で、過去最高の販売を記録した 05 年の 3 年目に
当たること、中央銀行がインフレ抑制のために政策金利を引き上げてきておりオートローンへの
影響が出る前の駆け込み購入、企業が使用する車を自社保有からレンタルへ切り替えており、レ
ンタル会社の需要が拡大、運輸業・建設業が好調でトラックの需要が拡大などの理由が重なって
のことといわれている。
(塚田学)
(3)ムンバイ
売れているもの:小型乗用車
売れている理由:
インド自動車工業会(SIAM)は、2007 年度における乗用車の年間新車販売台数が 137 万台(前
年度比 20%増)2008 年度は、154 万台(前年度比 12%増)と予想している。
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デリーでの 2008 年 1 月の自動車エキスポで、地場の自動車メーカー、タタ・モーターズが 10
万ルピー(約 25 万円)の世界で最も安い 4 ドアの小型車(搭載エンジン 633CC)を発売(本年
12 月の予定)すると発表し、世界の自動車関係者を驚かせたのは記憶に新しい。
「ナノは馬力がないので関心がない。インドの中間層は、家族 4 人がゆったり乗れる車を好む」
、
「インド人は、価格をより重視する。大都市は、道路未整備で恒常的に渋滞しおり、ナノは売れ
る」とインド財閥企業に勤務の MBA 若手社員 2 名が正反対の見解を示したが、ムンバイでは後
者であろう。
ナノの発表により競争に火がついたインド小型車市場、価格下落によりますます売れることは
間違いない。
(西橋時男、河野将史)
(4)クアラルンプール
売れているもの:オートバイ
売れている理由:
6 月の大幅なガソリン値上げにより、通勤手段に変化がみられる。公共交通機関の整備が十分
でないマレーシアでは、移動手段は自家用車に頼ることが多い。しかし、ガソリン値上げ後から、
マイカー通勤から公共交通機関を利用する人が増加、バスや電車の利用者数は、値上げ前後で 3
∼8%近く増加している。しかし、依然として電車は定刻通りに到着せず、さらに到着した電車が
満員で 1 時間以上も乗れないことも発生するなど、運行情況は悪く、アブドラ首相は自ら電車に
1 時間乗車して状況を視察、公共交通機関整備が政府の緊急課題と再確認したようだ。
オートバイ利用者も増加している。08 年上期のバイクの販売台数は 26 万 8,100 台で、前年同
期比で 20.1%増となった。特に、ガソリン値上がり前の 5 月が 41,929 台から、値上がり後の 6
月は、5 万 1,000 台と 22%急増している。生産台数も、前年同期比 23.1%増の 26 万 7,239 台と
好調だ。好調な売上に支えられ、今年はマレーシア史上初のオートバイ販売台数 50 万台を達成す
る年になると業界関係者は予測しており、自動車販売台数(08 年予測は 51 万台)と肩を並べる
ことになりそうだ。
(手島恵美)
(5)オークランド
売れているもの:スクーター
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売れている理由:
海底油田を持つ産油国にもかかわらず、国内に原油精製施設をもたないため、国内のガソリン
価格は日本並みに高い。そのため最近では駐車料金値上げや渋滞もあり、今やスクーターが人気
だ。業界筋によると、今年に入って SUZUKI など人気車種の伸びは前年に比べ 60%にも登る。バ
イクも同じく 30%増と好調でこの傾向は当分続く見込みだ。
(鈴木孝平)
(6)ダッカ
売れているもの:自転車
売れている理由:
ダッカ市内の道路を埋め尽くす乗用車やバスに交じって、このところ目につくようになってき
たのが自転車である。カゴもライトもないシンプルな自転車が、渋滞を気にすることなく街を駆
け抜ける。
多くの自転車は中国からの輸入品で、1 台 4,000 タカ程度(1 タカ=約 1.6 円)で売られている。
バングラデシュではリキシャと呼ばれる人力車型自転車が市民の足となっており、自転車関連産
業がなかったわけではない。しかし、社会的ステータスを示すものとして自動車が好まれ、逆に
自転車は貧しい者の乗り物として扱われてきた。
この風向きが変わりつつある背景は、石油製品の大幅な公定価格の引き上げがある。08 年 7 月
からガソリン価格は 33.9%上昇し、運輸・通信分野の物価指数上昇がインフレ圧力を強める中、
経済的で維持も容易な自転車に関心が高まることは不思議でない。
舗装が進んで雨季でも走行できる点や、以前よりも大気汚染が改善している点も購入者の増加
に結びついている。加えて、商品の選択肢も増えている。07/08 年度(07 年 7 月∼08 年 6 月)
には、主に欧州向けへ 6,428 万ドルの輸出を記録するなど、技術の向上が著しい。出店頭には、
約 1 万 5,000 タカの電動機付自転車も並び始めるなど珍しい光景が生じている。バングラデシュ
はもともと高低差の少ない地形であり、自転車に追い風が吹く中、どこまで根付くか注目される。
(木ノ本知弘)
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即席麺、牛肉に割安感(食品編)
<意外な食品が売れている>
バンコク、マニラ、シドニー、ハノイ、オークランドではちょっと意外な食料品が売れている。
バンコクでは日本食が大人気だ。タイに展開する日本食レストランは 05 年の 500 店舗から今では
900 店舗に増えた。ただし、タイ人好みのメニューの開発や価格設定に工夫が不可欠。
マニラの CPI は 08 年 1∼3 月期に前年同期比 5.6%上昇した。フィリピンでは高騰したコメの
代用食品として即席麺の販売が増加を続けている。大家族制のフィリピンは 10 人前後で食事をす
ることが多い。コメとおかずの食事を即席麺主体に代えることで食費を切り詰めることが可能に
なる。人気は中華焼きそばと汁麺だ。
シドニーでは牛乳の消費量が増加している。この 5 年間で 12.8%増えた。家庭でも牛乳をガブ
ガブ飲むので容器のサイズも 2 リットルが当たり前。3 リットルパックも増えているという。
ベトナムの CPI は 08 年 8 月には前年同月比で 28.3%上昇した。食品価格は同 69.3%急伸して
いる。高止まりするインフレのなかで,現地の大型スーパー「Big C」の高級フランスパンが売れ
ている。価格は一本 6,400 ドン(1 ドン=0.0074 円)と通常の倍以上するが,1 日に 1 万 1,000
本売れるという。美味しいと評判のパンを求めるハノイ市民の客足は絶えることがないという。
オークランドでは牛肉が売れている。輸入穀物価格高騰の影響により鶏肉が値上がりした結果
(前年比、約 25%上昇)、割安感のある牛肉に人気が集まっている。牧草牛(グラスフェッド)は
飼料代が安く済むことから、牛肉価格は下がっており(前年比、約 10%下落)、鶏肉に代わり牛肉
が国内食肉消費トップとなっている。
(冨田晶子)
(1)バンコク
売れているもの:日本食レストラン
売れている理由:
タイ人の間で日本食が大人気だ。背景としては、①日本食はタイと同じコメ食文化で受け入れ
やすい素地がある、②最近タイでも肥満が問題となっているが日本食は健康的なイメージがある、
③タイ地場資本企業が手ごろな価格で日本食を提供するチェーン店を展開している、④日系企業
が展開する定食、ラーメン、カレーなどの業態がタイ人の好み・味覚に合わせて提供している、
⑤いわゆる中産階級が増加しつつあり購買力のある層が増えている、といった点が考えられる。
例えば複合ショッピングセンターの飲食店街で日本食の店だけで行列をなしている光景を目にす
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ることも珍しくない。タイに展開している日本食店も現在約 900 店舗と 2005 年の約 500 店舗か
ら 1.4 倍に増えている。しかしながら成功している店舗はタイ人に受け入れられるメニューの開
発や価格設定などそれぞれ工夫を凝らしており、日本食ならばなんでも成功するというわけでは
なさそうだ。
(鶴岡将司)
(2)マニラ
売れているもの:即席麺(インスタントラーメン)
売れている理由:
政府の調査によると、フィリピン人が即席麺の購入にあてる金額は年間 130 億ペソに達してお
り、今後も年間約 10 億ペソずつ増加を続けると予想されている。
世界的に食料価格が高騰するなか、国内では主食のコメの値上がりが著しい。一般的な市販米
の小売価格は、前年から約 4 割上昇し、現在は 1 キログラムあたり 40 ペソ程度に達した。こうし
たなか、コメの代用食品として、即席麺の販売が増加を続けている。なかでも、中華焼きそばと
汁麺の人気が高い。このうち、中華焼きそばの価格は、以前に一袋あたり平均 7∼9 ペソだったが、
小麦価格の上昇を受け、現在では同 10∼15 ペソにまで値上がりした。
それでもコメを主体とした食事よりは割安感が強い。大家族制のフィリピンでは、10 人前後の
多人数で食事をすることが一般的だ。10 人家族の場合、1 回の食事に要するコメの量は平均で 2
∼3 キロ。これを現在の米価に換算すると、80∼120 ペソが必要になる。当然ながら、コメだけで
は食事にならないので、サバ(干物)やいわし(缶詰)などの主菜やスープの材料も購入する。1
回の食事に必要な経費はさらに高額になる。石油価格の高騰を受け、最近では、サバやいわし缶
詰の値上がりも著しい。
その点、即席麺を主体にした食事は安価だ。同じ 10 人家族の場合、1 回の食事に必要な量は 5
袋程度。金額にして 50∼75 ペソで足りてしまう。商品によっては、乾燥した野菜や肉、薬味を同
封したものもあり、材料を追加購入する必要もない。各社とも様々な味付けの商品を揃えており、
消費者にとっての選択肢は多い。コメ価格が高止まりするなか、即席麺の消費拡大は当面続きそ
うだ。
(米山洋)
(3)シドニー
売れているもの:牛乳
売れている理由:
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日本では牛乳の消費減少がバター不足という形で現れたが、オーストラリアではここ数年牛乳
の消費量が増加している。07/08 年度(7 月∼翌 6 月)の消費量は 5 年前の 02/03 年度から 12.8%
増えている。家庭では牛乳をガブガブ飲むので 2L パックが当たり前である。関係者によれば、3L
パックも増えており、単位当たりの量が増えていることも消費の増加につながっているという。
昨年度、干ばつの影響による飼料価格の高騰を受け、生乳生産コストが上昇した。一方で、国
際的な乳製品に対する需要が増加していることもあり、乳業各社は農家からの生乳買取価格を引
き上げた。08 年 6 月期の食品部門の CPI が対前年同期比で 3.9%上昇する中、牛乳については同
12.1%も上昇している。このような価格上昇にもかかわらず、07/08 年度の牛乳消費量は対前年
度比で 2.0%上昇しているのである。牛乳が生活に欠かせない基本的な飲料である事に加え、こち
らのカフェではカプチーノがよく飲まれる。このカプチーノ、カップの 4 分の 3 は牛乳なのであ
る。
(島倉克久)
(4)ハノイ
売れているもの:BIG C のフランスパン
売れている理由:
依然としてベトナムのインフレ傾向は続いている。08 年 8 月の消費者物価指数は、前年同月比
で 28.3%上昇し、食品では 69.3%上昇している。
ただ、ハノイ市民は活発な消費活動を続けているように見える。大型スーパー「BIG C」には、
週末多くの市民が集まる。特に人が集まっているのが、店内にあるパン屋だ。価格は一本 6,400
ドン(約 40 円)と、通常の数倍以上で販売されているが、美味しいと評判のフランスパンを目
当てに、常に 10 名ほどが集まっている。焼き上がりと同時に客は更に増え、1 人で 10 本程度買
う客もいる。店員の話では、1 日で 1 万 1,000 本売れているという。営業時間当たり 760 本売れ
ている計算だ。
(小林恵介)
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(5)オークランド
売れているもの:牛肉
売れている理由:
輸入穀物飼料の高騰で鶏肉が値上がりした結果、国内食肉消費トップの鶏肉にかわり、割安感
のある牛肉に人気が集まっている。1 年前の鶏肉、豚肉、牛肉の価格はほぼ横並びのキロ当たり
900 円だったが(1NZ ドル=約 80 円)、現在では鶏肉が約 25%値上がりし、豚肉がほぼ同額なの
に比べ、牛肉は反対に約 10%値下がりしている。牧草牛(グラスフェッド)のため飼料代がほと
んどかからないことと、牛肉全体の約 20%を占める乳廃牛の安定供給が背景にあるためだ。
(鈴木孝平)
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PB 製品や化粧品の販売好調(製品編)
<低価格の携帯電話と「Nokia」製に人気>
バンコクとカラチでは携帯電話が売れている。タイの消費者物価指数(CPI)は 2008 年 1∼3 月
期に前年同期比で 5%上昇した。それにも関わらず、携帯電話の単価は下落し,販売台数も 10%
伸びているという。低価格モデルの導入が普及を後押ししている。また,タイでは運転中の携帯
電話使用が今年 5 月から禁止されたことに伴い,富裕層にはブルートゥースなどワイヤレスタイ
プのハンズフリー機器が売れている。
他方、カラチでは「Nokia」のプリペイド式携帯電話が売れている。パキスタンの携帯電話加入
累計は 08 年 6 月末で 8,000 万件を超えた。ちなみに 05 年度の携帯電話普及率は 10%未満であっ
た。現地では安価な中国製や中古品よりも、2,500 ルピーから 3,500 ルピー(1 ルピー約 1.5 円)
程度の「Nokia」製が人気だ。プリペイド式携帯で友達や家族と会話をすることが一種のステータ
スになっている。
<PB ブランドの人気上昇>
バンコクとカラチでは、自社ブランド製品(PB ブランド)が売れている。タイで約 60 店舗展
開する BigC では、食料品から日常品全般を扱った PB 製品の売り上げが好調だという。通常のブ
ランド製品より 1~2 割安い PB 製品は、タイ人消費者の心理を上手く捉えている。
シンガポールでも、PB ブランド製品の人気は高い。08 年 6 月の消費者物価指数(CPI)は前年
同月比 6.5%増、食料品価格は 8.5%増となっている。PB 製品は節約志向の強い地元消費者の要望
にも合致し、政府、労働組合とも購入を呼びかける。
<生命保険、トラベルバッグ、化粧品が売れる理由>
ニューデリーでは生命保険が売れている。保険商品はインフレ下では売れにくいとされるが、
インドは例外の動きを見せている。インドの保険産業業規模は、将来的には 5 兆 2,000 億ドルに
達する見込みという。
(現在は 1 兆 3,000 億ドル程度)2000 年の保険業一部自由化以降、民間企
業の参入が相次ぎ(国営企業のシェアは、03 年の 97%から現在は 50%に減少)
、農村部における
個人生命保険の販売が成長を索引している。インドの保険市場は潜在性も高く、21 もの民間企業
が顧客獲得に精を出している状況だ。
バンガロールではトラベルバッグの売り上げが好調だ。燃料価格高騰にも関わらず、航空機、
列車双方の利用者が増えている。トラベルバッグ市場は 200 億ルピー(1 ルピー=2.3 円)に拡大
した。特に、価格帯 5,000 ルピー前後、サムソナイト社のブランド「アメリカンツーリスター」
の製品が人気。ブランド製品の質の高さと耐久性が、支持されている。
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ヤンゴンでは外国ブランドの化粧品が売れている。ミャンマーでの生活環境は厳しさを増して
いるが、若い女性を中心に外国ブランドが人気だ。昨年度、韓国ドラマの流行も化粧品人気を後
押ししており、
「売上は前年比 30%増、平日では 1 日平均 50~70 名程度、週末にもなると 150~200
人も来店する」
(ヤンゴンの化粧品販売店スタッフの話)とのこと。日本の化粧品ブランドも脚光
を浴びつつある。
ハノイでは、シネマコンプレックス(複合映画館)が若者を中心に支持されている。入場料は
6 万ドン(360 円程度、他の国営映画館の 2 倍)と高めに設定されているが、週末にもなるとチ
ケットが売り切れることもあるという。メガスターメディアは 3 日、中部ダナン市ビンチュンプ
ラザのスーパーマーケットビッグ C 内で複合映画館(シネコン)
「メガスター・シネプレックス」
をオープンした。このシネコンには 6 つのスクリーンがあり、合計客席数は 854 席。投資額は 300
万米ドル(約 3 億 2000 万円)。シネコンの代表的な企業であるメガスター(MegaStar Cineplex、
国内最大級)は、ホーチミン市やハノイなど全国 5 ヶ所に合計 36 のスクリーンを展開している。
(冨田晶子)
(1)バンコク
売れているもの:携帯電話とハンズフリー(ワイヤレスタイプ)
売れている理由:
タイでは携帯電話と周辺機器が売れている。ある携帯電話販売会社によると「単価は下落して
いるが台数は 10%増えている」とのことである。携帯電話の普及率は 47.2%(07 年国家統計局
調べ)であり、価格の低下で携帯電話が「手に届くもの」になっており、話好きなタイ人気質に
も支えられ、低中価格モデルを中心に伸びていく途上である。さらに富裕層を中心に高速インタ
ーネットやビデオ電話サービス対応モデルの需要も見込まれている。加えて携帯電話のハンズフ
リー機器、特にブルートゥースなどのワイヤレスタイプが売れている。改正道路交通法が本年 5
月に施行され運転中の携帯電話使用が禁止されたためで、ドライバーやビジネスマンなどを中心
に人気のようだ。地場シンクタンクのカシコンリサーチは、08 年は前年比 50%増の 15 億バーツ
市場になると見込んでいる。別の携帯電話販売店員によると「売上は 2∼3 割増加している」と好
調のようだ。
(鶴岡将司)
(2)カラチ
売れているもの:携帯電話、「Nokia」ブランドのプリペイド式携帯電話
売れている理由:
昨今の物価高でも、元気があるのが携帯電話だ。パキスタン・カラチ市サダールの電気街でヒ
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ヤリングを行った。携帯電話市場は「Nokia」、「Sony Ericson」、「Samsung」、「Motorola」等ブラ
ンド各社がしのぎを削る。市場全体も急成長を続けており、6 月末の加入累計が 8 千万件を超え、
その勢いに当面、衰えは感じない。販売員によれば、中でも「Nokia」の売れ行きが好調だ。ブラ
ンドに敏感な若者層だけではなく、中高年から学生まで幅広く支持を受けている。売れ筋の価格
帯は 2,500 ルピーから 3,500 ルピー(1 ルピー約 1.5 円)。安価な中国製、中古の携帯電話も
店頭に並ぶが、人気は今ひとつ。手に入れた携帯電話にプリペイドスクラッチカードを買って会
話を楽しむのがパキスタン流。極端に娯楽の乏しいこの国では、「Nokia」で家族や友人と話をす
ることが一種のステイタスであり、このうえないエンターテインメントなのである。
(サイエッド美登利)
(3)バンコク
売れているもの:自社ブランド(PB)商品
売れている理由:
多店舗展開する大型スーパーのプライベートブランド商品が人気だ。例えばタイ地場スーパー
の BigC では、ロゴやデザインを統一したパッケージで、トイレットペーパー・箱ティッシュ・
綿棒・割り箸・台所用洗剤などの日用品全般、ミネラルウォーター・パン・カップ麺・コーヒー・
コメ・豆腐・油・スナック菓子などの食料品を販売している。価格は一般ブランド商品と比べる
と 1∼2 割程度安い(例えばタイ米 5kg168 バーツ(1 バーツ=約 3.3 円、一般 180∼200 バーツ)、
ミネラルウォーター1.5ℓ約 9 バーツ(一般約 13∼15 バーツ)など)。実際に売り場を見てみると、
よく売れているのは消耗品として使われる日用品。また食料品ではコメの人気が高い。一方でコ
ーヒーやカップ麺など味に好みが出るものは一般商品の人気が高いようだ。また、ワイン売り場
の隣につまみ用の自社ブランドスナックが置くなど、消費者心理を考えた陳列も見られる。
(鶴岡将司)
(4)シンガポール
売れているもの:自社ブランド(PB)商品
売れている理由:
シンガポールでは消費者物価指数が 6 月に前年同月比 7.5%増から 7 月には 6.5%増へと下落し
たものの、食品は 8.5%増と食品価格の上昇の勢いは止まらない。食品価格高騰に対し地元消費者
は、割安の自社ブランド(PB)の購入を増やすなど節約志向を強めている。
調査会社 AC ニールセンによると、地元スーパーマーケットでの PB 製品の売り上げは 08 年 4
月までの6ヵ月間で 14.3%増と、07 年 10 月までの 6 カ月の 8.3%増と比較して大きく伸びた。
政府もインフレ対策として PB の購入を奨励している。リー・シェンロン首相は 2 月 3 日、
「ブ
ランド製品のパンを買う必要はない。パンはどのパンでも同じだ」と語り、PB の購入で価格高騰
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に対応するよう呼びかけた。食品の安全管理に自信を示す発言ともいえそうだ。
労働組合系の大手スーパー、フェアプライスは消費者支援として、7月末で終える予定だった
500 品目に上る PB 製品の 5%割引セールの 10 月までの延長を決めている。
(本田 智津絵)
(5)ニューデリー
売れているもの:生命保険
売れている理由:
インフレは保険産業にとって逆風と言われるが、インドにおいては状況が異なるようだ。8 月、
インド商工会議所連合(ASSOCHAM)の発表によると、現在のインドの保険産業規模は 1 兆 3,000
億円程度で、2009-10 年度には約 4 倍の 5 兆 2,000 億ドルに達すると見込まれている。2000 年の
保険業一部自由化以降、同産業は拡大の一途をたどった。近年は民間参入が相次ぎ、さらに成長
のスピードを加速させている。5 年前には 97%あった国営企業のシェアも、今では 70%にまで低
下した。急成長を支えているのは、個人向け生命保険商品の普及だ。特に、農村部においてかつ
てないほどの広まりを見せている。農産品の収穫保証以外、保険のコンセプトがあまり浸透して
いなかった農村は、保険産業にとって巨大な未開拓市場であり、21 社ある民間の生命保険会社が
顧客獲得にしのぎを削り始めている。政府が進める経済改革の中でも、保険業の外資比率上限引
上げ(26%→49%)は高い優先度をもって議論されている。もし引上げが実行されれば、民間保
険会社の資本は一気に増強され、さらに積極的な商品開発や市場開拓が行われると予想される。
(河野敬)
(6)バンガロール
売れているもの:トラベルバッグ
売れている理由:
今インドでは、空のアクセス向上と空港インフラ整備が急ピッチで進んでいます。特に国際線
は便数が増えています。空だけはありません。電車のチケットは、インターネット(オンライン)
で購入できるようになりました。利便性が向上し、昨今の燃料高も相まってか、列車の乗客数が
増えました。それらに同調するかのように、あるいはインフレと人間の移動とは無関係と言わん
ばかりに、今当地ではトラベルバッグが売れています。当地の新聞によれば、インドのトラベル
バッグ市場は、200 億ルピーと推定されています。
バンガロールのとあるモールには、ブランド品のトラベルバッグが所狭しと並んでいます。売
場主任の話では、一ヶ月あたり 250∼300 個を売さばき、売れ筋は、容量 25∼35kg で価格が Rs.5000
前後の中型サイズ。中でも、サムソナイト社製のブランド「アメリカンツーリスター」の製品が
100 個以上を占めると言います。
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当地のノンブランド製品は、数回(時には 1 回)使っただけで壊れてしまうことがよくあるた
めか、ブランド品の優れた耐久性とデザインに加え、購入後 3 年間のグローバル補償が付いてい
る安心感が消費者の心を捉えていると言えそうです。
(久木治)
(7)ヤンゴン
売れているもの:外国ブランドの化粧品
売れている理由:
2007 年度(4−3 月)約 33%のインフレを経験し、一般的には生活環境がより一段と厳しくな
っているが、そのような中でも、若い女性の間で外国ブランドの化粧品販売が好調だ。今でもミ
ャンマー人の女性の多くは、昔ながらのタナカ(木の樹皮から作った伝統的な化粧品)を使って
いるが、最近は化粧品に関心を示す人が多いらしい。その背景には昨今韓国ドラマが流行ってい
ることが影響しているようだ。ある外国ブランドの化粧品販売店によれば、
「当社の売上げは、前
年比 30%増。25∼40 歳の女性が中心だが、男性も含まれている。女性向けには、スキンケア商
品と化粧品が売れている。平日は、1 日平均 50∼70 名が来店するが、土日にともなると 150∼200
人が来店する。一人当たりの平均購買単価は約 5∼7 ドル」という。都市部の現地企業の一般社員
は月給約 50∼150 ドル程度の水準という中では、割合高い消費支出と言える。日本の化粧品ブラ
ンドも有名になってきており、市場は拡大傾向にあるようだ。
(小島英太郎)
(8)ハノイ
売れているもの:シネコン
売れている理由:
ハノイ市内にあるシネマコンプレックス(複合映画館)も人気だ。入場料は、他の国営映画館
の 2 倍である 6 万ドン(360 円程度)となっているが、週末はいつも若者で込み合い、チケット
が売り切れていることもある。
(小林 恵介)
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