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(公共投資計画の現状・方向性等)

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(公共投資計画の現状・方向性等)
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概況
(1)インドネシア公共投資計画の現状(進捗)と方向性
1)インドネシア公共投資計画の現状
国家中期計画 2010-2014 年においてインドネシアの投資状況のレヴューが行われ、世
界経済の落ち込み、投資ライセンスの手続きの問題等の影響から、インドネシアの投資
環境はまだ期待するほど上向きではないと分析されている。
一方、2005 年~2008 年の公共投資は平均で年間 8.6%の伸びを見せており、2009 年第
3 四半期では世界経済危機の影響を受け、前年同期比 4%成長にとどまっているものの、
増加傾向にある。これら投資の増加は国内及び海外からの石油以外のセクターの投資が
好調であることに起因する。
外国からの投資は 2004 年の 4.6 億米ドルから 2008 年には 14.9 億米ドルへと増加傾向
にあり、平均で 34.3%の伸びとなっている。2009 年 1 月から 9 月にかけては 9.3 億米ド
ルに達し、主な投資先はジャワ島に集中している。インドネシア全土に対する外国投資
のうちジャワ島の比率は 2004 年では 70.4%であったが、2009 年 1 月~9 月の合計額では
90.3%と大幅に増加している。
2)インドネシア公共投資計画の方向性
インドネシア公共投資計画の方向性として、国家中期計画 2010-2014 年において石油
以外のセクターの国内及び対内外国直接投資の成長目標は年間 15~18.6%と定められて
いる。
2010 年の国内投資は約 35.3 兆~39.5 兆インドネシアルピアと推定されており、
2014
年には 61.7 兆~78 兆インドネシアルピアに増加が見込まれている。
また、2010 年の対内外国直接投資は約 13.1 億~13.2 億米ドルで 2014 年には 22.9 億~
26.1 億米ドルに達すると見込まれる。
国内投資から対内外国直接投資への転換に向けて、1.インドネシア全土において投
資ライセンスの質の向上及び迅速化、2.インフラ及びエネルギー供給の確保、3.労働
力の質の向上、4.技術移転を促進する為のインセンティブの提供、5.経済特区(SEZ)
の開発の 5 点に力を入れていくこととしている。
(2)現地政府の経済成長戦略におけるインフラ整備計画の内容
経済成長戦略におけるインフラ整備計画として、インドネシア経済回廊(IEDC)構想
が具体化している。IEDC はインドネシアの 6 つの経済回廊を中心に、産業振興とインフ
ラ整備を総合的に進め、経済回廊ごとに特定された重点産業の振興と、インフラ(道路、
鉄道、港湾、発電所等)の PPP(官民連携)による整備を総合的に推進することが構想
として掲げられている。
2010年10月14日に開かれた日本インドネシア合同経済フォーラムのプレスリリース
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によれば、IEDC構想の具体化に向け、日イ関係者は、(1)(石炭火力・地熱)発電分
野における協力、(2)二国間オフセット・メカニズム、(3)スマート・コミュニテ
ィ構想、(4)MPA(首都圏投資促進特別地域)の4つを優先プログラムとして促進
していくことの重要性について、認識を共有したとされる。
図 1:6 つの経済回廊
出典: 経済産業省
また、インドネシアの国家レベルの開発計画(社会・経済開発計画)である国家長期
開発計画において、インドネシア経済回廊で示される地域間の連携及び相互開発の目標
が重点課題として、下記のように掲げられている。
1. 分散的な地域開発を促進するための戦略的枠組み
・既存のインフラの活用を強化することで開発を調整し、都市部と地方部の連携を
強める。
・既存の、並びに新しい成長中心地(農業都市地区を含む)におけるインフラ整備
を加速する。
2. 領域的な独立性を促進するための戦略的枠組み
・国境地区を国家戦略中心地として開発し、国境の両側にある主要都市を連携させ
る。
・地元資源に基づき輸出志向の経済開発地域を開発する。
・国境地域を平時及び有事にダイナミックな安全保障地域として活用する。
・国境近くの外縁部にある島について保護、開発を行う。
・該当地区についてサービスの向上とインフラの改善を行う。
国家長期開発計画が20年の計画であるのに対し、5カ年毎に見直される国家中期開発
計画2010-2014年において、上記の重点課題を具体的に推進するアクションプログラムが
下記のように定められている。
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土地及び
公共の土地活用に関し、一つの機関で統括し、空間計画の管理を統合化す
空間計画
るよう制度の整備を行う。
道路
トランススマトラ、ジャワ、バリ、カリマンタン、スラウェシ、西ヌサテ
ンガラ、東ヌサテンガラ及びパプア(総延長 19,370km 2014 年)の道路整
備を完了させる。
交通
国家交通システムの計画に基づき、島嶼間の交通インフラネットワーク及
びインターモードの統合化を行う。また、2014 年までに交通事故を現状か
ら 50%削減する。
公共住宅
2012 年までに、低所得者 836,000 世帯に提供する公共住宅 685,000 戸、ア
パートメント 180 戸、長屋住宅 650 戸を建設する。
洪水管理
2012 年までにジャカルタ東部洪水管理インフラの整備、2013 年までにブン
ガワンソロの河川流域統合管理を実施する。
通信
2013 年までにインドネシア東部の光ファイバー網の整備、インドネシア公
共施設のデータ及び視聴通信網の能力強化を行う
都市交通
遅くとも 2014 年までに MRT 及びモノレール建設を完了し、都市交通計画
に基づいて、ジャカルタ、バンドン、スラバヤ及びメダンの 4 大地域にお
いて交通網及び交通システムの改善を行う。
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