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『日本語の特性』

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『日本語の特性』
『日本語の特性』
Web,ブログ他から編纂:09.4.22 渡邊
◆音読みの日本語 vs 訓読みの日本語
日本語が上手になった留学生は 「日本語を話していると気持ちが優しくなる」と言う。
一方、日本人は、中国人や韓国人が母国語で対話するのが「乱暴な言葉に聞こえる」。(と内心思っている)
漢字を読む場合、日本古来の大和言葉:『訓読み』と、中国から渡来の漢語の読み方:『音読み』、がある。
読み
読みのルーツ
外海
内海
読み方の違いによる日本人の感じ方
音読み
漢語(中国語)
がいかい
ないかい
大きい感じ・外的・外交的・意思的・量的
訓読み
大和言葉
そとうみ
うちうみ
小さい感じ・内的・内向的・情緒的・質的
辞書を引けば同じ意味。しかし日本人は、全く同じには感じない。読み方が異なると、感じ方も違う。
内海(ないかい)は、“客観的に外の世界にあるもの”で、内海(うちうみ)は、“心の中にある小さな海”と感じる。
どの漢字でも、同じ感覚になる。日本人は、読み方の違いを巧みに使分ける。幼少の「童謡」は殆ど訓読み。
「演歌」の情感を表現する歌謡曲は自ずと訓読み。音読みでは「演歌」にならない。「軍歌」は音読みが主体、
1900年代前半の戦争の時代、日本人の覇気を鼓舞するために作られた。
◆ 日本古来の文化芸術 “短歌”の世界に見られる日本語:音読み
『万葉集』は5∼6世紀の短歌を集めた日本最古の歌集。この時代は、中国から様々な文献が流入した。
有閑な貴族階級は、漢語の仏教文献を読んでその思想を深く吸収しつつ仏教文化のパトロンになった。
また、中国の漢詩を読んでその文言の一部を自らの短歌に取り込むことで教養を競っていた。漢語文化
の最大の理解者で、音読みの漢字を定着させた功労者:貴族階級の読んだ歌が『万葉集』に集められた。
こんな時代背景の『万葉集』だが、音読みの歌は、一首も選ばれていない。政治制度や仏教思想や漢詩な
ど、すべて漢語文献(音読)を通じ、日本に多大な影響を与えたにも関わらず音読みは、神代の時代から伝承
している日本古来の文化芸術:短歌(訓読)の世界には、影響を及ぼさなかった。
有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし 選者:藤原定家と藤原家隆
意味を先に考えようとする現代人には、これが最高の歌であると評価される理由が分りづらいが、古代の
日本人は、意味よりも音(言霊)が形成する世界を敏感に感じ取り評価していたらし。
繊細な感性(霊性)で音を看ていた古代日本人は、大和言葉(訓読み)の中に美しさを感じていたらしい。
言い換えるならば、大和言葉は、神代の時代といわれる太古の昔に、既に言霊として完成されていた。
◆ 日本語と日本人の脳の特異性
日本人と外国人を被験者に、3つの音を聞いてもらった実験結果の対比表。
被験者
母音 子音 自然音
結果の解釈
自然との関係
神との関係
日本人※
左脳 左脳
左脳
全てを言語脳で処理する
自然と会話する
共生・親和的 血縁(祖先)
外国人
右脳 左脳
右脳
言語脳の対応域が狭い
自然を雑音と感じる
分離・対立的 契約
・母音とは日本語の 「あ・い・う・え・お」 、子音は母音以外の発音
・自然音とは川の流れる音や虫の鳴き声を意味する
・人間の脳の構造は、左脳と右脳に分かれ、左脳は一般的に言語脳。
※厳密には、ポリネシア人だけは日本人と同じ結果
「日本人は音として言葉を理解する」「外国人は意味として言葉を理解する」 傾向が強い。
神道の基本思想は、「自然は神なり」。 虫の声や風の音に耳を澄ます日本人にとっては至極当然である。
聖書の発想は、神との「契約」関係である。自然から分離した言語脳が、怖れを緩和するために、必然的にロ
ゴス(意味)を主体とする言語文化へ変遷した顕れである。
両親が日本人でも、幼少期に日本語環境で育たなかった子供は日本人の脳の特異性を持てない。
つまり、DNA(遺伝子)が日本人を作るのではなくて、日本語が日本人を作っているのです。
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=日本国家の国力の根源=
◆ 音と質の日本語 VS 意味と量の外国語
日本語と外国語(日本語以外の言語)の違い
【外国語は武器】:単語の意味を限定して、文章は論理的に一意に定まるよう、量的な表現を多用。
【日本語は芸術】:単語の持つ音の組合せを活かし、解釈の多様性が生ずるよう、質的に表現。
外国人は「日本人は何を言っているのか解らない」と言い、日本人は「外国人との議論を超苦手」と思っている。
日本人のこのような傾向は、とりもなおさず日本語の特性に起因する。
◆ 世界で最も《繊細》な表現をもつ日本語
雨、風の自然気象を表現する言葉を調べると、日本語の数の多さに唖然とする。日本語は、外的な事物
を対象にしても、内的な世界に向けても極めて繊細。中国語100頁を日本語に翻訳すると、150頁になる。
中国語には、対人関係や周辺状況で表現が異なる日本語の繊細さがない。「日本人が中国人(外国人)に
対し、相手を気づかった繊細な表現をしても無駄」。日本語の繊細さが生み出す「謙虚な態度は、中国人
(外国人)に伝わらない」。「中国の政治的傲慢さの出所は中国語を話す民族であるから」とも言える。
【現実世界での日本の優位性】
=繊細さ:日本語の中に生きている横の秘儀=
認知心理学の表現で、「認識できないものは存在しない」。要は、「言葉で表現できないものは存在しない」
『細やかな表現を持つ日本人にとって存在する世界が、細やかな表現を持たない外国人には存在しない』
『外国人が表現できない(=創れない)ものを、日本人は言葉で表現できる(=創れる)』
と云うことである。
常に未知の領域を開発する最先端技術や、アニメストーリーの展開に、日本語の繊細な感情表現を用いて、
世界の先頭に立って開発し続けることが可能なのも必然なことである。
◆ 曖昧な表現が活きる日本語の背景
日本アニメの、「カワイイ(可愛い)」「ビミョー(微妙)」など意味の曖昧な単語が、世界中に広がっている。
輸入先の国は、これらの単語を的確に翻訳できず、「日本語の音」をそのまま出版する。日本人同士は、「細や
かな感情表現」「音が媒介する意味」を日本語の背後で共有して、曖昧語でも即座にコミュニケーションできる。
◆ 細やかな感情表現を持つ日本語
細やかな感情表現の有無は、小説や映画ストーリーに影響している。外国映画では、階級や身分の異なる者
が、障害を乗り越えて互いを求め合う[状況の中]にあるものが殆ど。「ロミオとジュリエット」に代表されるように
ストーリーの展開に引き込まれる。一方、日本人の描くものは、「相手を思いやる優しさ、労わる美しさ」の[情感の
中]に惹かれる。外国人が、繊細な日本文学・映画を理解するのは、日本語の特徴から考え、かなり難しい。
◆ 音が媒介する意味の広がりをもつ日本語
神道は、一つの音を聞いて瞬時に同音の単語を複数思い浮かべる。「一を聞いて十を知る」が基本。
* 「神:火水」、「姫:秘め」、「松:待つ」、「結び:生す霊」、「日の本:霊の元」、「性:生:正:聖:誠」、「愛:天意」、「真剣:神権」
日本語の特徴は、音で表現する擬態語や擬声語が非常に多い。 「ヨタヨタ歩く」と「ヨロヨロ歩く」の違い
を外国人に理解してもらうのは難しい。 古代日本人は、現代人より遥かに音(言霊)に敏感だった。
現代の日本人も、音としての日本語の特徴に多くを依存して、使い分けを行っている。
【精神(霊的)世界での日本の優位性】 =言霊:日本語の中に生きている縦の秘儀=
音は言葉以前の原初的なもの。自然の美しさ、畏怖を感じた時、深い感情をともない、「ああ」とか「おお」
の母音の日本語が出てくる。この原初的な音に細やかな感情表現が乗り、繊細な日本語表現が強力なエネ
ルギーをもった言霊となる。日本語の原初的な音(母音)で言霊を介して宇宙(神)へ通ずる回路を脳の中に
保持していると考えられる。
日本語の特殊性、ユニークさは<言霊の国>を意味している。
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