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診療アルゴリズム

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診療アルゴリズム
診療アルゴリズム
2 * 診療アルゴリズム
診療アルゴリズムⅠ
急性リンパ性白血病 ALL
小児 ALL
成熟 B 細胞性リンパ腫の治療
成熟 B 細胞性 ALL
(リンパ腫の項を参照)
Ph+ALL
1 歳未満
再構成
(−)
1 歳以上
再構成
(+)
標準リスク
中間リスク
高リスク
PGR
PGR
PPR
high WBC
CNS
(+)
6 カ月未満
high age
≧WBC30 万
T-ALL
hypodiploid
標準
化学療法
強化
化学療法
強化
化学療法
+同種 SCT
標準
化学療法
強化 化学療法
MRD
(+)
または非寛解
強化
化学療法
+同種 SCT
TKI 併用
化学療法
± 同種 SCT
*3
診療アルゴリズム
診療アルゴリズムⅡ
急性骨髄性白血病 AML
小児 AML
Down 症児の
AML
AML
APL
(Down 症児,APL を除く)
低リスク
化学療法
ATRA
+化学療法
中間リスク
(
t 8;21)
または inv(16)
低リスク因子,高
リスク因子いずれ
も持たない
化学療法
強化化学療法
高リスク
初期治療反応性不良
または予後不良染色
体遺伝子異常
同種 SCT
または化学療法
4 * 診療アルゴリズム
診療アルゴリズムⅢ
骨髄異形成症候群 MDS
小児 MDS
小児 MDS/MPD
除外
2∼4 週間の経過観察
除外
RA,RCMD,RCC*
RAEBT
RAEB
CML
ウイルス性疾患 /
Noonan 症候群など
JMML
芽球 10%以上
なし
あり
輸血の必要性
なし
AML 治療
あり
同種 SCT
経過観察
HLA 一致血縁ドナー
なし
免疫抑制
療法
病勢が
緩徐な場合
非血縁者間
SCT
あり
同種 SCT
*:Monosomy7 と複雑核型は SCT の適応である。
同種 SCT
経過観察
*5
診療アルゴリズム
診療アルゴリズムⅣ
成熟 B 細胞性リンパ腫
小児成熟 B 細胞性リンパ腫の疑い
生検または細胞診にて確定
病期,体内腫瘍量(切除の有無,LDH 値)
,浸潤部位で層別化治療
病期Ⅰ
病期Ⅱ
病期Ⅲ
病期Ⅳ
完全切除 あり
2 コースの
化学療法
なし
3∼4 コースの
化学療法
B-ALL
骨髄腫瘍細胞≧25%
CNS 浸潤
なし
pre-phase+
4∼6 コースの化学療法
あり
pre-phase+
6∼7 コースの化学療法
6 * 診療アルゴリズム
診療アルゴリズムⅤ
リンパ芽球性リンパ腫
小児リンパ芽球性リンパ腫の疑い
生検または細胞診にて確定
Murphy の病期分類で層別化治療
病期Ⅰ
病期Ⅱ
限局期リンパ芽球性リンパ腫の治療
ALL 標準リスク群とほぼ同等の ALL 型治療
病期Ⅲ
病期Ⅳ
進行期リンパ芽球性リンパ腫の治療
ALL 高リスク群と同等の ALL 型治療
(初診時 CNS 浸潤陽性例は CNS 照射)
*7
診療アルゴリズム
診療アルゴリズムⅥ
未分化大細胞型リンパ腫
小児未分化大細胞型リンパ腫の疑い
生検または細胞診にて確定
病期診断
全身型
皮膚限局
CNS 病変
あり
対応は未確立
化学療法*
*:放射線治療の位置づけは未確立。
なし
短期集中型治療法
ALCL99,APO など
対応は未確立
経過観察も選択肢
8 * 診療アルゴリズム
診療アルゴリズムⅦ
ホジキンリンパ腫
小児ホジキンリンパ腫の疑い
生検病理診断にて確定
病期,巨大腫瘤の有無で層別化治療
病期ⅡB
病期Ⅰ/ⅡA
巨大腫瘤
なし
化学療法 2∼4 コース
±IF 照射 15∼25Gy
病期Ⅲ
病期Ⅳ
巨大腫瘤
あり
あり
化学療法 4∼8 コース
+IF 照射 20∼25Gy
なし
化学療法 4∼8 コース
±IF 照射 20∼25Gy
*9
診療アルゴリズム
診療アルゴリズムⅧ
標準的感染予防
白血病・リンパ腫の化学療法
全治療期間中
ニューモシスチス感染予防
ST 合剤内服
真菌感染症予防追加
重度好中球減少時
ST 合剤
+
抗真菌薬
(FLCZ,ITCZ,MCFG)
G-CSF の追加
高度の感染リスク時
ST 合剤,抗真菌薬
+
G-CSF
10 * 診療アルゴリズム
診療アルゴリズムⅨ
発熱性好中球減少症 FN
FN に対する初期治療
発熱(腋窩 38.0℃以上)+好中球減少(ANC<500)
低リスク
高リスク
予測好中球減少期間が 7 日以内に
臨床的に安定して合併症がない
予測好中球減少期間が 7 日超または
臨床的に不安定または合併症がある
小児症例に関しては
低リスクであっても原則的に
入院して抗菌薬投与を行う
入院して下記のいずれかの
抗菌薬投与を行う
治療に反応し,外来で治療可能と
判断される基準を満たしていて
退院前に状態が安定していれば
外来治療を考慮
TAZ/PIPC, IPM/CS, MEPM,
PAPM/BP, CAZ, CFPM
検査結果を評価して
抗菌薬投与内容を調整する
例として,蜂巣炎・肺炎に対する VCM の使用,
肺炎やグラム陰性菌に対するアミノグリコシドの
追加やカルバペネムへの変更,腹部症状や
感染に対するメトロニダゾールの投与
* 11
経験的な抗菌薬治療から 2∼4 日後
高リスク
説明できない発熱
説明できない発熱
発熱持続
臨床的に不安定
下熱
培養結果陰性
病原体判明
発熱持続
臨床的に安定
ANC>500 になり
増加するまで
抗菌薬治療続行
培養結果や
感染部位により
抗菌薬治療を修正
経験的な抗菌薬
治療は変更しない
感染部位の評価
反応あり
培養結果や
感染部位により
抗菌薬治療を修正
下熱
培養結果陰性
ANC>500 になり
増加するまで
抗菌薬治療続行
反応なし
判明した病原体にあわせ
7∼14 日間以上(例として
ANC>500 になり増加する
まで)抗菌薬治療続行
感染悪化部位の検索,画像再検
培養,生検,ドレナージによる細菌,
ウイルス,真菌の同定
抗菌薬のスペクトラム・用量の再検討
経験的な抗真菌薬の追加
さらに広域の抗菌薬投与
4 日以上発熱が持続する高リスク例
連日の診察・問診
血液培養を適宜反復施行
感染が疑われる部位の培養
説明できない発熱
臨床的に安定
病原体確定
臨床的に不安定
感染兆候の悪化
好中球回復傾向
あり
経過観察
臨床的,微生物学的,
画像的にあらたな感染が
なければ抗菌薬治療は
変更しない
なし
肺と副鼻腔の CT 検査を考慮
フルコナゾール
予防投与中
胸部/副鼻腔の CT 所見や
血清ガラクトマンナン検査
などに基づく preemptive な
抗真菌薬治療
糸状菌をカバー
する抗真菌薬
予防投与中
糸状菌をカバーする経験的な
抗真菌薬治療
ボリコナゾール
アムホテリシン B
感染悪化部位の検索,画像再検
培養,生検,ドレナージによる細菌,
ウイルス,真菌の同定
抗菌薬のスペクトラム・用量の再検討
経験的な抗真菌薬の追加
さらに広域の抗菌薬投与 経験的な抗真菌薬治療
糸状菌をカバーする異なる
クラスの抗真菌薬への変更を
考慮する
診療アルゴリズム
低リスク
12 * 診療アルゴリズム
診療アルゴリズムⅩ
真菌感染症
抗菌薬不応性発熱
臨床所見(カンジダ)
臨床所見(アスペルギルス)
肝脾膿瘍,網膜炎,皮疹など
あり
なし
胸部 CT 異常,副鼻腔炎,CNS 病巣など
なし
あり
菌学的検査(カンジダ)
菌学的検査(アスペルギルス)
β-D-グルカン
陽性
喀痰,BAL,副鼻腔貯留液など(非無菌的検体)
よりアスペルギルス検出
β-D-グルカン,ガラクトマンナン抗原
陰性
陰性
カンジダ可能性例
真菌感染症可能性例
アスペルギルス可能性例
病巣,菌種とも不明
カンジダ経験的治療*
MCFG,FLCZ(F-FLCZ)
,
VRCZ,L-AMB,ITCZ より選択
陽性
接合菌の可能性を考慮
アスペルギルス経験的治療*
VRCZ,L-AMB,MCFG,ITCZ より選択
接合菌が否定できない場合は L-AMB でスタート
カンジダ推定診断例
アスペルギルス推定診断例
血液培養,病巣(無菌的検体)
からのカンジダ検出
血液培養,病巣(無菌的検体)
からのアスペルギルス検出
カンジダ確定診断例
アスペルギルス確定診断例
カンジダ標的治療*
アスペルギルス標的治療*
第一選択:MCFG,L-AMB
第二選択:FLCZ(F-FLCZ)
,VRCZ,ITCZ
改善しない場合
第一選択:VRCZ
第二選択:L-AMB
第三選択:ITCZ,MCFG
併用療法を考慮
VRCZ+MCFG,L-AMB+MCFG など
*:いずれの場合も抗真菌薬使用中であれば,作用機序の異なる薬剤への変更を原則とする。
* 13
診療アルゴリズム
診療アルゴリズムⅪ
腫瘍崩壊症候群 TLS
急性白血病・リンパ腫症例
TLS 初期リスクの評価
低リスク
中間リスク
高リスク
十分な輸液を行い
注意深く観察
十分な輸液を行い
アロプリノール投与
高尿酸血症を生じれば
ラスブリカーゼ投与
十分な輸液を行い
ラスブリカーゼ投与
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